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注目されたい子どもの心理とは?度がすぎる場合の原因と対応方法を解説!

この記事を書いた人

狩野淳 狩野淳

狩野淳

  • 公認心理師
  • 臨床心理士

大学、大学院にて発達心理学と臨床心理学を専攻していました。

臨床心理士と公認心理師の資格を保有しております。

子ども達とその保護者の方の支援を仕事にしており、子ども達へは主に応用行動分析を認知行動療法用いて、保護者の方にはブリーフセラピーを使ったアプローチを行っています。

もうすぐで1歳になる男の子がいて、毎日癒されています!

「注目を集めようと、わざとイタズラをして困っている」
「自分を見てほしい言動が目立ち、どのように接すればいいかわからない」

5・6歳の我が子について、そんなお悩みはありませんか?

この記事では、注目されたいという気持ち(自己顕示欲求)が強い子どもの心理状態と原因、親ができる対応方法について紹介しています。

注目を集めようとするあまり、周囲を顧みないほど行動が激しくなると「乱暴な子」「関わりたくない子」と思われてしまう可能性があるかもしれません。

お子さんの心理状況を把握した上で、適切な対応をしていきましょう。

 

目次

1.【5・6歳】「注目されたい」子どもの心理について

周囲から注目を集めたいと思っている子どもの心理状況は、どのようなものなのでしょうか。

まずは、その心理について解説していきます。

 

1-1.自己顕示欲とは?

「周りから注目されたい」「もっと自分を見てほしい」という気持ちを『自己顕示欲』と言います。

人は誰でも自己顕示欲を持っており、自己顕示欲があるからこそ、勉強をがんばったりスポーツに打ち込めたりと前向きに活動することができるとも言えます。

そしてもちろん、この欲求は子どもにもあります。

例えば、幼稚園や保育園で作ったものを見てほしい、褒めてほしい、すごいところを見てもらいたい…などです。

これらのアピールはお子さんが満足するまで続き、親御さんのなかには対応に疲れてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、自己顕示欲を満たすことで子どもは自信を持つことができ、さらにレベルの高い活動へ挑戦する活力を得ることができるのです。

一方で、自己顕示欲が強すぎると、自分をアピールすることに必死で周りを見ることができず、「自分勝手な子」「我が子と関わってほしくない子」といったマイナスな評価につながりかねません。

そうならないためには、親御さんがお子さんの自己顕示欲を満たしつつ、適切なコミュニケーションの方法を教えていく必要があるでしょう。

 

1-2.2・3歳ごろの『見て見て期』とは異なる

お子さんが2・3歳だったころ、自分のしたこと、できたことに対して「見て見て!」と親御さんの注意を引こうとしていませんでしたか?

この時期を『見て見て期』と呼び、「ママに同じものを見てほしい」「自分のすることを、パパに見ていてほしい」という心理が強くなる時期を指します。

『自己顕示欲』と『見て見て期』は、同じように見えてまったく異なります

『見て見て期』は一般的に、お母さんやお父さんなど、自分にとって親しい人の注意を引こうとします。

しかし、『自己顕示欲』はお母さんやお父さん以外にも、幼稚園や保育園の先生や同じ園に通う子どもなど、誰に対しても「自分はすごい」「自分の方が優れている」ということをアピールします。

また、『見て見て期』は、ただ「見てもらいたい」という気持ちが背景にあるのに対して、『自己顕示欲』は「誰かと自分を比較して、自分の方ができている」という思いがあります

つまり、必ず他者が存在します。

目の前で「君より僕(私)の方がすごいよ」と言われると、誰しもいい気分はしませんよね。そのため、自己顕示欲が強すぎるとトラブルに発展してしまうのです。

 

2.【5・6歳】子どもが、注目してほしくなる原因

そもそも、どうして子どもは自分に注目してもらいたいのでしょうか。

5・6歳の子どもが、自分に注目してほしくなってしまう原因について解説していきます。

 

2-1.原因①|自分に自信がない

注目してほしい原因の1つ目に考えられるのが、「自分に自信がない」ことです。

自信がないために、周りの人から「すごいね」「上手だね」と褒めてもらうことで自信を持とうとします

しかし、周囲の人がなかなか自分のことを褒めてくれない場合には、自分から積極的にアピールしようとし、結果的に自己顕示欲が強くなってしまうのです。

自分よりも優れている子とは比べない、自分のできることに話を持っていこうとする(足の速さの話をしているのに、急にボール遊びの上手さを引き合いに出すなど)傾向があるため、周囲からよく思われず、孤立することがあるでしょう。

その上で、さらに自分を見てもらおうとしつこくアピールをして、悪循環に陥ることがあります。

 

2-2.原因②|「自分のことを見てもらえていない」と感じている

原因の2つ目は「自分のことを『見てもらえていない』と感じている」ことです。

周囲からすれば十分にお子さんを見ているように感じていても、お子さんとしては「まだ見てもらえていない」「全部見てもらえていない」と不完全燃焼になっており、自己顕示欲が抑えられなくなっていることが考えられます。

5・6歳の場合は、お母さんが仕事復帰した、幼いきょうだいに手がかかりお子さんを十分に見てあげられない、などの時期と重なる場合もあるため、より顕著に「自分のことを見てほしい」と意思表示をするケースもあります。

またこの場合、周囲が見ている部分と、お子さんが見てほしい部分が食い違っていることが考えられます。

親御さんからすれば「まだ満足しないの?」と疲れてしまい、お子さんからすれば「見てもらっていない!」と感じ、さらに強く自己主張するようになってしまいます。

親子や他者との関係悪化につながりかねないので、注意が必要です。

 

2-3.原因③|過度な競争心を抱いている

3つ目に考えられる原因は、「過度な闘争心を抱いている」ことです。

この場合は、「勝ちか負けか」「白か黒か」のように極端な考え方に囚われ、手当たり次第に次々とライバルを見つけるため、自己顕示欲に際限がありません

例え自分の方が優れているとわかったとしても「もっと見てもらいたい!」という気持ちが抑えられず、さらに強くアピールをする場合もあります。

反対に、自分の方が劣っているとわかった場合は、それを挽回しようと別の部分を強調したり、「自分はダメなやつなんだ」と気分を落とすこともあるため、まずは子どもの様子を注意深く見守る必要があるでしょう。

 

3.【5・6歳】注目されたい気持ちが強い子どもへの対応方法

注目してほしい気持ちが強くなってしまう原因を踏まえて、お子さんにはどのように対応してあげたらよいのでしょうか。

紹介した「注目してほしくなる原因」に合わせた対応方法について紹介します。

 

3-1.対応のヒント①|些細なことも褒める

自分に自信がないお子さんに対しては、些細なことでも褒めてあげることが大切です。

お子さんを見てくれる大人はたくさんいますが、お子さん「だけ」に愛情や情熱を注げるのは親御さんしかいません。

親御さんからたくさん褒められ、認められる経験を積むことで、「自分のことを『すごいぞ』と見せなくても大丈夫」ということにだんだんと気づいていきます

注意点は、「できた」=「褒める」と考えないことです。

「できたから褒められる」と学習してしまうと「できないことは価値がない」と認識することに繋がります。

たとえ失敗したとしても、挑戦したこと、部分的にもできたことを認めていくことで、「できる・できない」に囚われない考え方を養うことができます。

 

3-2.対応のヒント②|「ちゃんと見ている」ことを伝える

お子さんの行動を見て、「褒めてもなんだか嬉しくなさそう」「納得していなさそう」と感じたら、お子さんの「見てほしいポイント」と大人が考えるポイントがズレているのかもしれません。

自己顕示欲求を前面に出しているお子さんについて、「どうしてそんな言動をとるのかな」「この子は何がしたいのかな」「どんな言葉が欲しいのかな」と、お子さんの立場に立って考えることが重要です。

お子さんの行動の過程を褒める、お子さんが陰ながらやっていることを話題に出すなど、「あなたがしていることは、ちゃんと知っているよ」というメッセージを伝えてあげてください

 

3-3.対応のヒント③|「勝ちか負けか」という極端な思考から抜け出す

闘争心が強く、自己顕示欲が抑えられないお子さんについては「勝ち負けがすべてじゃないんだよ」「勝っても負けても、あなたは素晴らしいよ」というメッセージを伝えていくことが大切です。

カウンセリングなど、人の心を癒す心理学である臨床心理学において、極端な思考のことを『認知のゆがみ』と呼びます。

この『認知のゆがみ』を抱えたままだと対人関係に問題が生じたり、生きづらさを感じたりするなど、生活の質が下がる恐れがあります。

この認知のゆがみを改善するには、自分自身で認知のゆがみを自覚する必要があります。

大人であれば自分自身への考えを深めていく中で、偏った考えをしていることに気づくことができますが、5・6歳のお子さんにはまだ難しいでしょう。

成長段階に合わせて、「勝ち・負け」「出来・不出来」とは関係なく、お子さんを認めてくれる人がたくさんいることを伝えていけるといいですね。

 

3-4.自己顕示欲が強いことのメリット

ここまで、自己顕示欲が強すぎることから生じるデメリットに焦点を当ててきましたが、自己顕示欲が強いことで得られるメリットもあります。

自己顕示欲が強い子どもは、負けず嫌いで向上心が高い傾向にあります。

そのため、勉強やスポーツなどで素晴らしい成果を出せる可能性を秘めています

また将来的には、自己顕示欲が強いことで人の前に立ち、リーダーシップを発揮することができる場面もあるでしょう。

芸能活動や動画投稿など、人目に付きやすい職業にも適応することができるため、人生の選択肢が多くなるとも言えます。

 

4.注目されたい気持ちを、子どもの成長に繋げよう

「注目されたい」「自分を見てほしい」という欲求は発達上自然なもので、誰にでも存在します。

しかし度が過ぎてしまうとトラブルに発展したり、お子さんの評判を下げることにつながる恐れがあります。

大切なのは、自己顕示欲を抑え込もうとするのではなく、適度に欲求を満たしてあげることです。

そうすることでやる気や意欲につなげつつ、「アピールしなくて、もちゃんと見てくれているんだ」ということをわかってもらえるよう、働きかけていきましょう

 

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