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【5・6歳】見て見てアピールが止まらない!親ができる効果的な対応は?

この記事を書いた人

平尾しほ 平尾しほ

平尾しほ

  • 言語聴覚士

言語聴覚士免許を所有、児童発達支援センターでの勤務経験があります。

特に遊びの中でのことばの育ちを意識して個別療育を行っていました。

現在小学校2年生の息子がいます。

個別療育でのたくさんのご家族とのかかわりと子育ての経験を合わせて、皆様に分かりやすくお伝えしていきたいです。

「見て〜!これ書いたよ」
「見て見て。僕、○○くんより速く走れる!」

自分を見てほしい気持ちが強く、見て見てとアピールする様子が子どもらしくて可愛いなと思う反面、お友達がいても我先にと主張する様子には困ってしまうこともあるかもしれません。

時にはお友達と比べたり自慢に聞こえるようなことを言ったりして、「このままではお友達から嫌われてしまうのでは…?」と不安になることもあるでしょう。

この記事では、5・6歳の子どもが見て見てアピールをする心理や特徴をご紹介します。

具体的な声掛けなどの対応もお伝えするので、参考にしてくださいね。

 

目次

1.【5・6歳】見て見てアピールの特徴

まず、5・6歳の見て見てアピールはどのようなものなのでしょうか。

アピールと言うと悪いイメージを持つかもしれませんが、良くないことばかりではありません。特徴を見ていきましょう。

 

1-1.1・2歳ごろの「見て見て期」とは異なる

子どもはまだ言葉が話せない頃から、指差しで自分の見てほしいものを伝えます。

1,2歳ごろになると自分の姿を見てほしくて「見て見て」「ママ見て!」と言葉でその気持ちを表現するようになります。

この頃を「見て見て期」と呼び、おおむね4歳ごろまで続くとされています。

親や親しい人に共感してほしい、純粋に自分の存在を見ていてほしいという気持ちの表れであることが多いです。

一方、5・6歳ごろの見て見てアピールは、「見て見て期」とは少し異なります

大勢の中で自分のことを見てほしい、認めてほしいという気持ちがより強くなり、過剰に注目を浴びようとする言動が見られます。

時に、お友達が話しているのを遮ってまで「見て!」とアピールするようなこともあります。

そのため、周りからは自慢したがりや目立ちたがり屋と捉えられることがあるかもしれません。

 

1-2.精神面の成長や経験の影響も

5・6歳はまだ自己中心的な考え方が多いものの、少しずつ他者への意識も育ってきます。

徐々に他者と自分の違いに気付いていきますが、その過程で他者と比較して「一番でいたい」「上手くできているのかな?」という気持ちを抱くこともあるでしょう。

それが、見て見てというアピールになって現われることもあるのです。

また、過去に「見て見て」と言って褒めてもらえたこと、なにかを上手くこなして注目してもらい嬉しかったことを子どもはよく覚えています。

その記憶から、また褒めてほしいという気持ちが見て見てアピールにつながることもあるでしょう。

 

1-3.承認欲求が満たされていない可能性も

承認欲求は、マズローの欲求5段階説にあるように、人間の根源的な欲求として子どもから大人まで皆がもつものです。

「見て見て期」のアピールも、5・6歳になってからの見て見てアピールも、根本には承認欲求があります。

成長の過程で、自分の存在を認めてもらった安心感や周囲からの愛情をたくさん感じていると、年齢を重ねるにつれて見て見てのアピールは落ち着いていく傾向にあります

しかし、「自分が認めてもらえた」という実感が乏しいと認めてほしい気持ちが一層強くなり、「見て見て!」「すごいでしょ?」と強く主張するようになることもあるのです。

 

 

2.【5・6歳】見て見てアピールする心理と理由

5,6歳の見て見てアピールは、2歳ごろの「ママ見て!」とは異なり、今までの経験や心の成長も影響していること、また、充分に自分を認めてもらったという実感が乏しい可能性があることも分かりました。

ここでは、それらを踏まえて、見て見てアピールをする子どもの心理を見ていきましょう。

 

2-1.一番でいたい・勝ちたい気持ちが強い

子どもの一番でいたい・勝ちたいという気持ちが、見て見てアピールにつながっていることもあります。

5・6歳になると、他者と自分を比較して見ることが増えてきます。「自分はよくできる」ということをアピールしないとと懸命になることもあるでしょう。

他の子が「上手くできたね」などと声をかけられているのを見ると、「自分も見てもらわないと」と焦る気持ちもあるかもしれません。

そのため、「○○ちゃんより私のほうがうまくできてる!」「僕が一番!」などと、他者との比較を口にすることもあります。

また、過去に勝負で勝って褒めてもらえた経験や嬉しかった気持ちを覚えており、勝つことにこだわりすぎてしまうことも。

賞賛の言葉を求めるあまり、「勝ちたい」「一番でいたい」という気持ちが強くなり、過剰にアピールしてしまうこともあるでしょう。

 

2-2.自分に自信がない

自分に自信がない、自己肯定感が低い場合も、見てほしいと強くアピールすることがあります。

「自分が認められている」と実感できることが少なかったり、他の子と比較されて「○○君はもっと上手にできているよ」などと言われたりしたら、自信がなくなってしまいますよね。

子どもは自分だけの力で自信を取り戻すのは難しく、他の人から「上手だね」「できているよ」などと褒めてもらうことで、自分の自信を取り戻そうとします

そのことが、見て見てアピールにつながることがあります。

この場合、繰り返される「見て見て」に適当に対応していると、子どもは逆に自信を失いさらにアピールが強くなるということもあります。

 

2-3.見てもらえているか不安を感じる

自分の姿を見てもらえているか不安に思い、見て見てアピールをしていることもあります。

子どもは何かに取り組むとき「自分に注目してほしい」「お母さんやお父さんは褒めてくれるかな?」などと期待します。

しかし、例えば下に弟・妹が生まれて両親がお世話に忙しい、仕事が忙しく充分な時間がとれないなど様々な状況でそれが叶わないこともあるでしょう。

そのようなことが続くと「お母さん他のことしてないかな?」「お父さんちゃんと見てくれてるかな?」などと不安に陥ってしまうこともあるのです。

この場合は「きちんと見ていて!」「私に構って」というメッセージをこめてアピールしていることも多いため、それを理解して対応する必要があります。

 

2-4.もともと自己顕示欲が強い子どもも

中には、上に挙げたような意識はなく単純に「自分を見て!」という気持ちが強い子どももいます。

前段落までは自分のことを「認めてほしい」という承認欲求によって生まれる見て見てアピールについてお伝えしてきました。

同じように見て見てアピールという形で表に現れるものに、自己顕示欲があります。

自己顕示欲とは、「自分が他者とは違うことをアピールしたい」欲求です。

注目されたい、目立ちたいという気持ちが強く自分が注目を浴びていると嬉しく感じます

その奥には他者と比べる気持ちや承認欲求もありますが、不特定多数の人に自分の存在を見てほしいと思うのです。

どれぐらい自己顕示欲があるのかは人によって異なります。

もともとそのような気持ちが強い子もおり、自分の気持ちをストレートに表しているだけということもあるでしょう。

 

3.【5・6歳】見て見てアピールへの効果的な対応

5,6歳の子どもが見て見てアピールをする理由は、勝ちたい気持ち、自己肯定感の低さ、不安など様々です。

子どもの様子を見て、どのような気持ちなのだろう?と観察し推測して対応することが大切ですね。

ここでは、見て見てアピールへの対応をお伝えします。過剰なアピールへの効果的な声掛けなどを具体的にお伝えするので、日々の生活の中に取り入れてみてくださいね。

 

3-1.結果でなく過程を褒める

子どもがなにかに挑戦したとき、上手くできたかどうかではなく、取り組んだことやその過程に目を向けることを意識しましょう。

例えば、子どもが運動会のかけっこの練習をしているとき、「1位になれてよかったね!」などと結果に言及するのではなく、「一生懸命腕を振っていていいね」「最後までがんばってかっこいいよ」などと声をかけてみることをおすすめします。

そのような声掛けによって、取り組む過程自体を見ていてくれていると分かり、子どもは安心するでしょう。

また、 勝ち負けや上手さを評価しているのではないと分かると、その点にこだわらなくなり見て見てアピールも少し落ち着くかもしれません。

 

3-2.他人と比較して話すのをやめる

子どもを褒めるときに、他者と比べるのはやめましょう。

例えば、絵を描いたとき「あなたは○○ちゃんより上手に描けてるね」と声をかけてしまうと、のちに「私は○○ちゃんより上手!」と主張する可能性があります。

また「素敵だね!だけど、△△くんのほうが色合いが明るいね」と声をかけてしまうと、最初に褒める言葉があったとしても自分はよくなかったという印象が残ってしまいます。

「素敵!がんばったね!見せてくれてありがとう」などと、子どもが取り組んだ姿と向き合って声をかけるようにしましょう。

他人と比較して評価されることで、自信をなくし見て見てアピールを加速させることもあります。

ママ同士の会話や何気なく言った言葉も子どもはよく聞いていて、自分を否定してしまうこともあるので注意したいですね。

 

3-3.「いつも見ているよ」と言葉で伝える

言葉にして「いつも見ているよ」と子どもに伝えるのも、効果的でしょう。

ことあるごとに、「いつも見てるよ」と伝えてみましょう。見てくれているかなと不安になる気持ちが少し和らぐでしょう。

また、寝る前などにも「今日はがんばってたね。いつもがんばってるの知ってるよ」などと声をかけてあげると自信にもつながりますね。

いつも見ていることを伝える合図を親子で決めることも有効です。

例えば、目が合ったときにグーサインをする、拍手をして見せるなどを決めて「お母さんが見てるっていう合図だよ」などとすると安心して、大きくアピールすることが減るかもしれません。

 

見て見てアピールに疲れてしまったときは…

一日に何度も「見て見て!」のアピールがあると、疲れてしまうこともありますよね。
すぐに対応するのがどうしても難しいときは、写真やビデオに収めておいて余裕ができたときに改めて見て褒める、という方法をおすすめします。
「〇時になったらゆっくり見れるから写真に撮っておくね。そのときに、お話聞かせてね」などと伝え、スマホで写真や動画を撮っておきます。
その後、「ここはどうやって作ったの?」「時間をかけてがんばったんだね」などと一緒に写真を見ながら話す時間を作ってみましょう。
5・6歳になると時間の感覚も少しずつ身につき、「待つ」ことも分かるようになってきます。「ほめほめタイム」などと名付けて、その時間を楽しみに過ごすのもいいかもしれませんね。

 

4.見て見てアピールの奥にある理由に応じた対応を

5・6歳ごろの見て見てアピールは、成長の過程で見られるものでもあり必ずしも悪いものではありません。

ただし、アピールが強いと、お友達から自慢やわがままと取られかねないため、過剰なアピールは抑えるような対応できるといいですね。

そのためには、まず子どもの「私を認めて」「僕のこと見て」の気持ちを受け止め、そのアピールの背景にある心理や理由を推測し、その子に合った声掛けを心がけるとよいでしょう。

 

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