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子どもに競争心がなくて不安なママへ。おすすめの声かけや保育現場での事例をご紹介

この記事を書いた人

工藤りえ 工藤りえ

工藤りえ

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

幼稚園・こども園にて12年勤務。主にクラス担任と障害児保育を経験してきました。

特に障害児保育に関心を持ち、子どもの自己肯定感を高める関わり方を勉強しています。

小1・2歳の兄弟がおり現在は、ママ向けWebマガジンや保育メディアなどで記事執筆を行っています。

得意なことは、ダンス、歌遊び、読み聞かせ、リトミックです。

「勝ち負けがある遊びで、負けてもうちの子だけ平然としている」「悔しがる様子がなくて不安」といったお悩みはありあませんか?

子どもに競争心がないことでお悩みの方へ、競争心が育つことで高まる力、競争心がない子どもと保育現場で関わった事例をご紹介します。

「競争心がないと発達に不安はある?」「競争心がない他の子はどうしてる?」など、ママのお悩みに寄り添った解説をしています。ぜひご覧ください。

 

目次

1.子どもに競争心は必要?

我が子に競争心がないことにお悩みのママは、このような不安を抱えていることもあるでしょう。

結論からいうと、競争心がなくても問題のない子どもが大半です。

なぜならば、競争心は子どもの生まれ持った気質や育った環境で大きく変わるからです。

例えば、兄弟が多い、パパやママと競争を好むといった子は、日頃から競う機会が多く、競争心があることが多いでしょう。

それに対して、競争を好まず競う経験も少ないと、競争心が感じられないこともあります。

競争心は早くて3歳頃に芽生え、4歳頃には簡単な勝敗が理解できるようになります。

しかし、4歳を過ぎても競争心がない子どもは決して少なくありません。

 

1-1.競争心をあおるのはマイナスになることもある

我が子に競争心がないと、勝ち負けにこだわり競争心が強い子への憧れやうらやましさを抱いてしまうかもしれません。

しかし、子どもに競争心をあおりすぎるのは、時に子どもにとってマイナスになる可能性があります。

例えば、他者と競わせるよう大人がいつも促すとしましょう。子どもにとって大人の存在や考え方は絶対です。競う習慣ができて、常に自分が周りより優れていないと不安になってしまう子どももいます。

中には、勝つために嘘をつく子や、誰かのせいにしてしまう子も出てくるでしょう。また、失敗や負けを恐れて自分に自信が持てない子になっていく可能性もありますね。

もちろん競争心についての考え方は人それぞれです。ただ、上記の理由から、あまりに周りと競わせる関わりは子どもにとってマイナスになることもある、ということを心に留めておくと良いですよ。

 

1-2.結果より過程を重視する関わりが大切

近年、順位をつけない運動会を開催する保育園や幼稚園、小学校が増えています。

「優劣をつけるより、子どもたち全員の頑張った過程を認めるべき」といった思いから実践しているそうですよ。

人によって考えは様々でしょう。しかし、順位をつけないことで、苦手な時間が楽しい時間に変わる子もいますよね。

競争心を育むより、個々の課題や目標を達成できるのか?といった視点で教育する施設が増えている傾向なのでしょう。

もし、頑張った子どもに声がけをするのであれば、「1位だったね!」「次は優勝を目指してね」などといった結果ではなく、「今日までたくさん練習したね」「はじめはできなかったことも、頑張って挑戦し続けたね」と、過程を認めるよう子どもに伝えるのがおすすめですよ。

 

2.競争心がない子どもの素敵な特徴

競争心がない子どもには素敵な共通点が多く見られます。

多くの人に愛される長所として捉え、子どもにもママにも自信を持っていただきたい特徴をご紹介しますね。

 

2-1.やさしい

周りと競争をしたがらない子は、やさしく愛情深い子が非常に多いです。

競うことを好まない理由には、子どもなりの思いやりが隠れている場合がありますよ。

「お友だちが悲しむのを見たくない」「誰かが負けてしまうのが嫌だ」と、相手を思いやる気持ちから競いたがらない子もいます。

相手を思いやれるやさしさは、生きていくうえで欠かせない大切な長所です。

競争心がなくても、子どものやさしさを認めてあげてくださいね。

 

2-2.自己肯定感が高い

競争が好きな子は、「1番になって褒められたい」「勝って達成感を味わいたい」という思いが強い傾向にあります。

では、競争心がない子はなぜ「自分を認めてほしい」といった気持ちを、競うことで表現しないのでしょうか。

競争心がない子の中には、元々子どもが持っている気質や育った環境から、自己肯定感が高いことがあります。自分のことが好きで、自分の良いところを理解している子は、競争をして自分を見てほしい!とは特に考えないこともありますよ。

自己肯定感が高いのは、生きていくうえで非常に大切な強みになります。今後も伸ばしてあげたい素敵な長所ですね。

 

3.子どもの競争心が育つとココが伸びる

「競争心がなくても心配ないのはわかるけれど、それでも少しは競争心をもってほしい」そう思う方もいらっしゃいますよね。

競争心は、ママの関わり次第で少しずつ育むことも可能です。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

3-1.向上心が高まる

誰かと競うのは「勝ち負け」という明確な結果が伴います。

「勝ちは嬉しい」「負けは悔しい」ことを経験してどちらの気持ちも知ることで「もっと上手になりたい」「次も勝ちたい」と子どもなりに考えて取り組むようになっていきますよ。

「もっと強くなりたい」といった目標に向かって頑張ると、向上心がぐんぐん高まります。

「がんばって最後までできたね!」「あなただからできたんだよ!」など、競争心がない子には簡潔に肯定的な言葉がけをすると伝わりやすいですよ。

 

3-2.達成感を味わえる

誰かと比べて自分の方が優れているとわかったとき、人は達成感を味わいます。「自分はすごい」と得意なことを見つけるきっかけにもなりますよ。

競争心がない子どもにも達成感を味わってほしいときは、具体的な言葉がけを意識しましょう。

例えば「あなたの絵はたくさんの色をつかって丁寧に描いてあるね。絵本みたいで素敵!」「あなたの歌声はとても綺麗。やさしい気持ちになれるよ」など、具体的でわかりやすい言葉がけをすると、子どもが得意なことだと自信を身につけていきますよ。

得意なことは、無意識に誰かと比べて自信をもちたくなるものです。少しずつ達成感を知り、より自分に自信を持てる関わりができると良いですよね。

 

4.競争心がない子どもに対する保育現場での関わり

競争心がない子どもは、保育現場でも少なくありません。ここでは、筆者が保育現場で関わった競争心がない子の事例をご紹介します。

「競争心がない子にはどう関わったら良いだろう?」とお悩みのママはぜひ参考にしてみてください。

 

4-1.勝ち負けを知らなかった年中Aくん

2年保育で入園した年中Aくんは、競争の経験が非常に少ない子で、「よーいどん」のかけ声でお友だちが走り出す様子も、いつもぽかんとした表情をして立ち尽くしていました。

一人っ子のAくんは、同年代の友だちとの関わりが少なく、ママとパパ以外とは遊びの経験がほぼないことを個人懇談で教えてもらいます。

競争は、相手がいなければできません。そこで、まずは先生と簡単な遊びから経験を積もうと考えます。

かけっこや輪投げ、ボールを箱にシュートするなど、すぐに勝ち負けがわかる遊びを通して、Aくんには誰かと遊ぶ楽しさを知ってもらおうと関わりを深めました。

まずは先生と仲良くなり、先生を通してお友だちとの関わりを少しずつ増やしていったのです。

お友だちと遊びの経験を重ね、Aくんは徐々に競争の楽しさを知っていきます。

自分から「〇〇をして一緒に遊ぼう!」とお友だちを誘い、一緒に考え、どうしたらもっと楽しくなるかを相談するようになりました。

年長の運動会ではリレーの走る順番を仲間と何度も相談し、本番で負けたときは歯を食いしばって悔し泣きするほどでしたよ。

お友だちとの関わりが増えたことで、遊びの幅が広がり自然と競争心が芽生えたAくんでした。

 

4-2.お友だちに競争心を教わった年長Bちゃん

誰かと競うことが苦手で内向的な年長Bちゃんは、勝ち負けがつく遊びになるといつも後ろ向きな発言をしていました。

理由をきくと、「負けるのが怖い」「わたしはみんなよりできないから」「いつも悲しい気持ちになる」と涙をこらえながら教えてくれたのです。

そこで、まずは自信をもってほしいと考え「ありがとう」「Bちゃんのお陰で先生とっても助かったよ!」「先生はBちゃんのやさしいところ大好きなんだ」といった、Bちゃんの存在が愛おしくて大切だと具体的に伝え続けました。

お家での居場所と幼稚園での居場所は子どもながらに別物で、それぞれ自分が大切に思われている実感がなければ自己肯定感が下がりがちになるため、Bちゃんには幼稚園でも大切な存在だと感じてほしかったためです。

少しずつ自分の思いを伝えられるようになり、お友だちに誘われて遊びの幅も広がりました。

あるとき、かけっこで最下位だったと落ち込むBちゃんに「Bちゃんは最後まで走ってゴールしたじゃない!あきらめないってすごいんだよ!」とお友だちが励まし、Bちゃんも嬉しそうでした。

それからは、勝ち負けがある遊びの楽しさを知り、Bちゃん自身も励ましや長所を認める言葉を積極的にお友だちにかけるようになったのでした。

 

5.競争心は無理に促さなくてOK!子どもの性格を見極めよう

周りの子が勝敗によって感情表現をしている姿を見ると、自分の子に競争心がないと不安になりますよね。

しかし、競争心は無理に身につけさせようと考えなくても大丈夫ですよ。お友だちとの関わりや遊びの経験が増えると、個人差はあるものの少しずつ芽生えていきます。

競争心がなくても、子どもには必ず良いところがたくさんあります。子ども自身が得意なことや長所に気づきより伸びると、競争心も自然と養われますよ。

ママの言葉は子どもにとって非常に影響力があります。子どもの素敵なところを見つけたら、たくさん褒めてあげてくださいね。

 

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