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自慢する子にそのつもりはない?!子どもの欲求を満たす関わり方をご紹介します

この記事を書いた人

横山ミノリ 横山ミノリ

横山ミノリ

  • 中学校教諭
  • 高等学校教諭
  • 小学校教諭
  • 児童発達支援士

小1と年少の男の子の母。

長男はASD(自閉スペクトラム症)

産後うつと育児ノイローゼになった経験から”ラクに生きる”がモットーに。

子どもには「自分で決めた!」「自分でできた!」という経験をたくさんしてほしいと思っています。

子どもとの好きな遊びは工作。子育てで好きな本は、高濱正伸著の「こどもの可能性を伸ばす「しない」子育て」です。

「子どもの自慢話にモヤモヤする」「自慢ばかりしていてお友達に嫌われないか心配」「ママ友の目が気になる」などの悩みをお持ちの方へ。

実は、大人の考える自慢と子どもの自慢とは意味が異なります。

この記事では、4〜6歳の子どもが自慢する心理と、ふさわしい関わり方を解説します。自慢話への上手な返し方もご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

きっと、自慢話へのふさわしい関わり方が子どもの健やかな成長につながることがわかり、自慢話を笑顔で聞いてあげたいと思えるようになるはずです!

目次

1.子どもの自慢はいつまで続く?

子どもの自慢に関する悩みは4〜6歳が多く、小学校中学年くらいになると落ち着いてくるのが一般的です。

ここでは、子どもの自慢はいつまで続くのか、自慢することが子どもにとってどんな意味があるのかについて、1つの研究をもとに解説します。

 

1-1.子どもの自慢話は単なる「報告」

ご紹介する研究は、2〜5歳の園児28人を対象に、子どもたちの言動の意図を、自己主張・自慢・競争心の観点から考察したものです。

結果として、この年齢の「報告」・「自慢」・「競争心」の3つが心理学的にそれぞれ非常に近い存在であることがわかりました。

この時期の自慢は、単なる「報告」であり、自己主張を目的としているといえるでしょう。

「○○ができる」「○○かわいいでしょ」と人に言うことが、自慢と捉えられる可能性があることを、子どもは理解していません。「嬉しい」という素直な気持ちを表現しているに過ぎないのです。

自慢が増える4〜6歳は、自分1人でできることも増え、好みもはっきりしてきます。言語能力も発達してくるので、自分の感じたことをストレートに表現する時期といえるのです。

一方、自分のことを客観的に見る能力を伸ばしている最中であり、自分の言動を相手がどう思うのかを考えるのは、まだ難しい年齢です。

やがて小学校に入学し、自分より勉強や運動ができる子の存在に気づき始めると、自分中心だった思考から周りを意識できるようになります。

小学校中学年くらいになると自慢話が落ち着くのはこのためです。

 

1-2.男女による差と年齢による差

先ほどご紹介した研究によると、子どもの自慢は、男女によって発生数に差があることもわかりました。

男児では、自慢と捉えられるエピソードの数に年齢の差はみられませんでしたが、女児には年齢による差がみられたのです。

女児の場合、4歳に自慢とみられる言動が多くみられ、その数は4歳男児のおよそ2.5倍でした。

また、男女ともに、5歳になると自慢のエピソード数は落ち着いてきました。自分のことを客観的に見る能力が育ってきた証拠といえるでしょう。

参考資料
・梅藤圭世,古川聡「幼児の自己主張にみる報告・自慢・競争心の関係

 

2.自慢する子どもの心理

子どもの自慢話には、3つの心理が隠されています。子どもの心理を知ると、自慢話へのモヤモヤが晴れるかもしれません。

 

2-1.「嬉しい」

子どもの自慢話の多くは「嬉しい」という気持ちの表れです。

子どもが伝えたいのは、「1番になれて嬉しい」「かわいい洋服を買ってもらえて嬉しい」「○○ができるようになって嬉しい」といった素直な気持ちなのです。

先ほどお伝えしたように、子どもは嬉しさを表現することと自慢の区別がついていません。

今この瞬間の素直な気持ちを表現しているに過ぎないのです。

大人の自慢話によくある「マウントをとりたい」「よく思われたい」というような感情は、子どもにはないといえるでしょう。

 

2-2.「注目してほしい」

子どもは「注目してほしい」という心理から、自慢話をすることもあります。自分のことを見てもらうため、自分の存在をアピールするために自慢話をするのです。

この心理は、マズローの欲求5段階説でいうところの「社会的欲求」と関係があります。

社会的欲求とは、家族や組織などの集団に所属したい、つながりを感じたいという欲求です。

子どもは、1番身近な家族という集団で居場所が欲しい、パパやママからの愛情を感じたいと思っています。

この欲求が満たされないと、子どもは家族以外の人に注目してもらうことで欲求を満たそうとするでしょう。

家族に見てもらえないので、他の人に見てもらおうとするのです。

 

2-3.「認めてほしい」

子どもの自慢話には、「認めてほしい」という心理が隠されていることもあります。

子どもは、がんばっている自分を認めてもらうため、すごいと思ってもらうために、自分のことを自慢するのです。

これは、周囲から認められたい、尊敬されたいという「承認欲求」の現れかもしれません。承認欲求は、先ほどご紹介した社会的欲求が満たされると出現するといわれています。

「1番になったよ」「○○できるんだよ」「○○上手なんだよ」と言う子どもは、がんばった自分を認めてほしいのです。

中には、自分の存在そのものを認めてほしくて、自慢する子どももいるでしょう。

 

3.自慢する子どもへのふさわしい対応

子どもから自慢話をされたらどう対応すればよいのでしょうか。何よりも大切なのは、子どもの素直な気持ちを受け止めてあげることです。

 

3-1.気持ちを受け止めて共感する

子どもが自慢話をしてきたら、まずは子どもの「嬉しい」気持ちをしっかりと受け止めましょう。そして共感してあげます。

共感していることを伝えるには、「かわいい洋服だね!」「○○できるんだね!」のように、子どもの言葉を繰り返すだけでも十分です。

子どもは自分の気持ちを受け止めてもらえるだけで満足するでしょう。

ここで注意すべきなのは、自慢話をやめさせたり、否定したりしないことです。

「そんなこと言ったら周りの人に嫌われるよ」「お友達いなくなっちゃうよ」など、目の前の子どもより、周りを優先させるような声かけはしないように気をつけましょう。

 

3-2.子どもの自慢話への上手な返し方

ここでは、子どもも満足できて、ママも子どものことを深く知ることができる、会話のヒントをご紹介します。

3-2-1.会話を広げる

子どもの自慢話への上手な返し方の1つ目は、会話を広げることです。

例えば、
「この洋服かわいいでしょ」には「かわいいね!どこがお気に入りなの?」と聞けますし、「○○できるよ」には、「○○できるんだね!上手にできるコツは何?」と質問できるかもしれません。

自分についてたくさん質問してもらい、聞いてもらえる体験は、子どもの自己肯定感アップにもつながります。また、自分のことを深く知り、気持ちを言葉で表現する練習にもなるでしょう。

3-2-2.お友達に目を向ける

2つ目の上手な返し方は、自慢話をしてきた子どもの気持ちを受け止めたうえで、お友達に目を向けることです。

例えば、絵を自慢してくる子どもには、「上手だね!○○ちゃんが得意なお絵描き、お友達に教えてあげられる?」「お友達と一緒にやってみたら?」と提案してみたり、「お友達は何が得意かなあ?」と尋ねたりするのはいかがでしょうか。

このような声かけをきっかけに、子どもは、他の人のことを考える練習ができます。お友達に目を向ける会話で、思いやりの心を育てることもできるでしょう。

 

4.自慢する子どもへ普段からできること

自慢する子どもに対して、普段からどのような関わり方ができるでしょうか。

ポイントは、先ほどご紹介した「子どもの自慢に隠されている”社会的欲求”と”承認欲求”を満たしてあげること」です。

 

4-1.がんばった過程に注目する

自慢する子どもに対して普段からできることの1つ目は、がんばった過程に注目し、褒めてあげることです。がんばった過程に注目することで、子どもの承認欲求を満たすことができるからです。

反対に、成果や結果で評価しないように気をつけましょう。

1番になったことや、勝負に勝ったことを頻繁に自慢する子どもには、「いつも1番になってすごいね」ではなく、「がんばった○○くん、とてもかっこいいね!ママも嬉しいよ!」と声をかけることができます。

子どもは、自分のがんばりを認めてもらえるとわかるなら、成果や結果を必要以上に自慢することはなくなるはずです。

日ごろから結果ではなく過程に注目するようにしていると、子ども自身も、がんばることを大切に思えるようになり、失敗しても立ち上がれる強い子に成長していくでしょう!

 

4-2.他の子と比べない

自慢する子どもと接する際には、他の子と比べないようにしましょう。よく自慢する子どもは、お友達より上でないと認めてもらえないと思っているかもしれないからです。

注意するときはもちろん、褒めるときにも、他の子と比較して褒めることのないように気をつけましょう。

できるようになったこと、成長したところなど、本人の以前の姿と比べて褒めてあげると、子どもの承認欲求が満たされ、自己肯定感も上がります。

 

4-3.無条件の愛情を伝える

自慢する子どもに対して、無条件の愛情を伝えることも大切です。無条件の愛情とは、子どもの存在そのものを愛することです。

これは子どもの社会的欲求を満たすことになります。子どもは、家族とのつながりを感じることができれば、他の人に褒めてもらうためにわざわざ自慢する必要もないのです。

スキンシップや、子どもの話を聞いてあげることで、無条件の愛情を伝えることができます。子どもの名前の前に「ママの大切な」を付けて、呼びかけてみるものおすすめですよ!

特別なときではなく、何気ない日常の中で、「ありのままのあなたを愛している」ということを言葉と行動で伝えていきましょう。

 

5.子どもの自慢話は周りの目を気にしすぎず、素直な気持ちを受け止めよう!

この記事では、子どもの自慢について解説してきました。子どもの自慢話に隠された心理を知ると、喜んで聞いてあげたい、欲求を満たしてあげたいと思うのではないでしょうか。

ときには、自慢話ばかりする子どもにモヤモヤしてしまうこともあるでしょう。もしかしたら、ママが周りの目を気にしすぎているのかもしれません。

そんなときは、目の前にいる我が子がどんな気持ちなのかに集中してみましょう。自分の気持ちを受け止めてもらえた子どもは、他の人の気持ちも考えられるようになります。

そして、自分の存在を認めてもらえた子どもは、自信をもって成長していくことができるのです。

子どもが素直な気持ちをストレートに表現してくれるのは、今だけです。子どもの自慢話をたくさん聞いて、一緒に喜び、健やかな成長をサポートできたら素敵ですね!

 

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参考資料
・梅藤圭世,古川聡「幼児の自己主張にみる報告・自慢・競争心の関係
・太田仁,吉野伸哉「二分法的思考の性差および加齢による変化の検討

 

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