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子どものコミュニケーション能力を伸ばそう!具体的な方法や発達目安を紹介

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

これからの社会を生き抜くために必要不可欠と言われるコミュニケーション能力。しかし、近頃では子どものコミュニケーション能力の低下が指摘されています。

実際、子どもがお友だちとケンカする場面や、口数が少ない様子を見て、コミュニケーション能力が低いのではないかと不安になることもあるでしょう。

そこで今回は、子どものコミュニケーション能力を伸ばす具体的な方法や、コミュニケーション能力の発達目安を紹介します。

子どものコミュニケーション能力を伸ばしてあげたい方は、ぜひ参考にしてください。

意識しながら子どもと関わることで、子どものコミュニケーション能力はどんどん磨かれていきますよ!

目次

1.コミュニケーション能力の重要性

コミュニケーション能力とは、他者との意思疎通を図るための能力です。

そのため、片方からの働きかけで一方的に行うのではなく、双方向で成り立たせることが大切です。

文部科学省では、コミュニケーション能力を以下のように定義し、学校教育でコミュニケーション能力を育むことを重要視しています。

“いろいろな価値観や背景をもつ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について、対話をして情報を共有し、自ら深く考え、相互に考えを伝え、深め合いつつ合意 形成・課題解決する能力”
引用:文部科学省コミュニケーション推進会議「審議経過報告」

 

また、コミュニケーション能力は学校生活のみならず、就職の場面でも重んじられています。現に日本経済団体連合会(経団連)の調査*によると、新卒採用の選考で最も重視された点は、「コミュニケーション能力」であるということが判明しました。

*『2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果』 一般社団法人 日本経済団体連合会

小さい頃からコミュニケーション能力を育むことが、将来にわたって充実した生活を送ることにつながる と言えるでしょう。

 

2.年齢ごとにみるコミュニケーション能力の発達過程

子どもの基本的なコミュニケーション能力は、年齢とともに徐々に発達していきます。

ここでは、年齢ごとのコミュニケーション能力の発達過程を紹介します。

自分の子どもがおおよそどの段階にあり、今後どのように成長していくかを把握する参考にしてください。

年齢 おおよその発達
~6か月
  • 子どもに対応する大人と、愛着関係が形成されてくる
  • あやすと笑ったり、感情を訴えて泣いたりする
  • 「ばばば」などの喃語が出はじめる
6か月~1歳3か月
  • あやすと反応し、喜んで反応を返す
  • 人見知りが始まる
  • 自分の意思や欲求を、身振りや指さしを使って伝えようとする
  • 自分に向けられた簡単な言葉を理解しはじめる
  • 「ママ」「ワンワン」などの一語文を話し出す
1歳3か月~2歳
  • 一語文・指さし・身振りなどを駆使して、自分の気持ちを伝えようとする
  • 友だちをはじめ、周囲の人への関心が高まる
  • 積み木を電話に見立てて遊ぶなどの見立て遊びをはじめる
  • 「ボールとって」などの二語文を使い始める
2歳
  • 発声が明瞭になり、語彙数も飛躍的に伸びる
  • 自分の感じたことや、したいこと、してほしいことを言葉で表そうとする
  • 簡単なごっこ遊びをするようになる
3歳
  • 話し言葉の基礎ができて、日常的なやり取りができるようになる
  • 簡単な挨拶をしはじめる
  • 友だちとの関わりが増えはじめ、近くで同じ遊びをするようになる
4歳
  • 友だちとのやり取りが盛んになり、けんかも増えてくる
  • 認知能力が発達し、人の気持ちを理解しはじめる
  • 先のことを予測して不安になるなど、葛藤を経験する
5歳
  • 言語能力が発達し、自分の気持ちを文章で伝えられるようになってくる
  • 社会性が発達し、人の気持ちを想像できるようになるとともに、感情をコントロールできるようになってくる
  • 集団の中の自分という自覚が生まれる
6歳
  • 友だちとの関わりが深くなり、協力して集団行動や役割分担ができるようになる
  • 友だちの気持ちを理解し、互いに自己主張し合える
  • トラブルが起きても、大人に頼らず自分たちで解決しようとする

 

成長や発達には個人差があり、子ども全員がまったく同じように成長していくわけではありません。

上記の表はあくまで目安です。表と比べて「うちの子は発達が遅いのかな…」と神経質になりすぎず、おおらかに見守ってあげてくださいね。

 

3.子どものコミュニケーション能力低下の理由

冒頭でお伝えしたように、昨今では子どものコミュニケーション能力が低下していると指摘されています。

その原因ははっきりしていませんが、主に以下の3点が理由であるとする見解があります。

 

3-1.家庭環境の変化

子どものコミュニケーション能力が低下する理由の1つと考えられているのが、家庭環境の変化です。

核家族化・少子化が進んだことにより、祖父・祖母はもちろん、地域社会との関わりが減少しています。

その結果、さまざまな人と触れ合う機会が減ってしまい、子どものコミュニケーション能力の低下につながっていると指摘されているのです。

 

3-2.ITの進化

ITの進化も、子どものコミュニケーション能力を低下させる原因であると考えられています。

現代ではITが発達して便利になる反面、言葉のやり取りがなくても問題が解決できるようになり、コミュニケーションの機会が減ってしまったからです。

例えば、買い物をする際にネット通販などを利用する場合や、SNSを利用した子ども同士のやり取りが増加していることを想定すると分かりやすいでしょう。

一昔前と比べて、良くも悪くも言葉を発声しなくても生きていける仕組みが整っていると言えます。

 

3-3.テレビ・ゲームなどの一人遊び時間の極端な増加

テレビやゲームに費やす時間の増加も、コミュニケーション能力低下を危惧させる要因となっています。

子どもの一人遊びは、想像力や集中力を育む大切なものです。

しかしテレビやゲームにかける時間があまりに長いと、相対的に人と接する時間が減ってしまいます。

その結果、コミュニケーション能力の低下につながると考えられているのです。

 

4.子どものコミュニケーション能力を高める方法

ここからは、子どものコミュニケーションを高める方法を具体的に紹介していきます。

ご家庭で気軽にできる方法を中心に紹介するので、ぜひ実践してみてください。

 

4-1.親子でたくさん話す

子どものコミュニケーション能力を高めるためには、親子の会話が欠かせません。

コミュニケーションをとる量を増やすことで、コミュニケーション能力が鍛えられていくからです。

親子で会話する際のポイントは、以下の通りです。

  • 途中でさえぎらず、顔を見て子どもの話を聞く
  • 子どもの話に共感する
  • 「はい・いいえ」ではなく文章で答えるような質問をする

 

 

4-2.挨拶をする

挨拶は、コミュニケーションの入口とも言える大切な行為です。

なぜなら、挨拶することでコミュニケーションをとるきっかけを作れるからです。

さらに挨拶は相手を認め、好印象を与える効果があるため、円滑なコミュニケーションを作ることにも役立ちます。

実際、小学校入試でも「挨拶ができる子は、コミュニケーションが上手にできる」とみなされ、重要視されています。

子どもが挨拶するようになるには、親が実際に挨拶しているところを見せるのが一番です。

そして、子どもが挨拶できたら、「目を見て挨拶できたね」「元気いっぱいの挨拶だったね」など、たくさん褒めてあげてくださいね。

 

 

4-3.読み聞かせをする

読み聞かせには、さまざまな効果があります。

その中でも、コミュニケーションの観点から注目したいのは、感情が豊かになるという点です。

読み聞かせをすると、登場人物の気持ちや心の変化を学び、人の気持ちをくみ取れるようになると言われています。

なお、「寝る前にお布団の上で読む」「お風呂上りにリビングで1冊読む」など、時間と場所を決めることで、読み聞かせを習慣化しやすくなりますよ。

 

 

4-4.ごっこ遊びをする

ごっこ遊びとは、「おままごと」「お店屋さんごっこ」「ヒーローごっこ」などのように、何かのふりや真似をする遊びです。

ごっこ遊びをするには、イメージを共有しながら設定を決め、相手の言動に合わせて行動する必要があります。

そのため、協調性やコミュニケーション能力を身につけることができるのです。

 

4-5.スキンシップを取る

スキンシップも、コミュニケーション能力と密接な関係があります。

親しい人とスキンシップをとると、「オキシトシン」という脳内物質が分泌されます。

子どもの頃にオキシトシンを分泌させやすくすることで、大人になっても他人に信頼感をもつことができ、豊かな人間関係が築けるようになるからです。

スキンシップは短い時間でも大丈夫です。抱っこする・手をつなぐ・頭をなでるなど、日常生活の中にスキンシップの機会はたくさんあります

毎日の生活の中に、ぜひスキンシップを取り入れてみてくださいね。

 

4-6.さまざまな世代と交流する

先ほどもお話した通り、地域社会との関わりが減少し、昔は普通であった近所の大人や年上・年下との交流が少なくなりました。

東京学芸大学客員教授の藤原先生は、人間関係を豊かにするためには、上下関係ではない斜めの関係が必要だと述べています。

さまざまな世代と交流する機会を作ることで、多様なコミュニケーションに対応する力を身につけることが期待できます。

まずは、近所のボランティアやお祭りに参加することからはじめてみてはいかがでしょうか。

 

5.親子の関わりを深め、子どものコミュニケーション能力を育てよう

「コミュニケーション能力が求められる」と聞くと身構えてしまい、焦ってしまうこともあるでしょう。

しかし、コミュニケーション能力は親子で会話をしたり、スキンシップを取りながら遊んだりするという日常生活の中で育めます。

親子の関わりを深め、子どものコミュニケーション能力をどんどん伸ばしてあげましょう。
 

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参考文献
・『保育所保育指針解説』厚生労働省
・『コミュニケーション力を高めるために』内閣府 青少年育成全国大会 東京学芸大学客員教授 藤原和博氏
・『コミュニケーション推進会議「審議経過報告」』文部科学省
・『2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果』日本経済団体連合会

 

 

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