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あいさつができる子どもに育てるには?教え方のポイントや具体的なサポート方法をご紹介

この記事を書いた人

まさ まさ

まさ

  • 高等学校教諭
  • 保育士
  • 中学校教諭

中学校教諭、高等学校教諭、保育士の資格所持

大学卒業後、海外ボランティアや日本の療育センターにて、障害のあるお子さんと関わってきました。

現在は、育休を取得し、0歳と2歳の子どもの子育てに奮闘しています。

得意なことは、手遊び、工作です。

お話ができるようになり、他者とコミュニケーションがとれるようになる3歳〜5歳頃の子どもに対して、「きちんとあいさつができるようになってほしい」と考える親御さんも多いと思います。

しかし、「自分からあいさつできる習慣がつかない」「家ではできるのに、外ではあいさつができない」などママ・パパが思った通りにはいかないのが子育てですよね。

そこで今回は、子どもがあいさつできない理由やあいさつを教える時期、教え方のポイントをご紹介します。

今すぐに実践できる教え方ばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。

 

目次

1.「うちの子はあいさつができない…」のはどうして?考えられる4つの原因

近所の人や友達、保育園の先生が笑顔で「おはよう」と声をかけてくれたのに無言でうつむいてしまったり、ママのうしろに隠れてしまったり、「うちの子は何であいさつができないの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

あいさつができない原因は主に4つ考えられます。原因が分かると、もどかしい気持ちもなくなり、おだやかな目で子どもを見守ってあげられることもありますよ。

それでは、さっそくみていきましょう。

 

1-1.あいさつができる年齢に達していない

子どもの発達を評価する『ポーテージ早期教育プログラム』では、あいさつが自然にできるようになるのは3歳〜4歳頃とされています。

そのため、個人差はありますが、3歳以下の子どもがあいさつができなくても、無理強いせずに温かく見守ってあげることが大切です。

また、相手の気持ちが分かるようになるのも3歳頃からとされています。「お友達にあいさつをするとすがすがしい気持ちになるよ、うれしい気持ちになるよ」と伝えて納得できるのも3歳頃。

3歳までの間は、ママやパパがするあいさつを聞いたり、真似して言ってみる経験をたくさんさせてあげましょう。

 

1-2.恥ずかしがり屋の性格

子どもには、生まれながらの性格や気質があります。誰にでもすぐに打ち解ける子どももいれば、じっくりと観察してから馴染んでいく子どももいます。

また、人見知りや場所見知りで緊張して、声を発するのが難しい場合もあります。
そんなときは、ママがあいさつをする隣で頭を下げて会釈したり、手を振るなど、まずは動作からはじめてみるのもよいでしょう。

恥ずかしがり屋の子どものペースに合わせて、安心できる環境をつくることを心がけてみましょう。

 

1-3.あいさつの仕方を知らない

人と関わる機会が少なかったり、経験が少ないと、そもそもあいさつの仕方を知らないこともあります。

例えば、日常的に使う「おはよう」や「こんにちは」は言えたとしても、「こんばんは」を言う機会は子どもにとっては少ない可能性があります。

聞き慣れないあいさつを使うのは難しいので、子どもがあいさつできないと悩んでいる場合は、あいさつの仕方を学ぶ機会があるかどうか、日々の生活を振り返ってみましょう。

 

1-4.気分がのっていない

子どもは、そのときの気分で行動や言動が大きく変わってきます。

例えば、叱られたすぐあとの食事で「いただきます」が言えない、遊びに夢中なときに「こんにちは」と言われても「こんにちは」と返せないなどがあります。

大人でも気分がのっていないとあいさつをする気持ちが湧かないときもあると思います。子どもではなおさらです。

長い目で見守ってあげたり、親が代わりにあいさつをしてあげるとよいでしょう。

 

2.あいさつはどうして大切なの?あいさつの重要性とは?

あいさつは、良好な人間関係を築くためにとても大切です。

子どもだけでなく、大人も「おはようございます!」と声をかけられると、すがすがしい気持ちになりますよね。

あいさつがきっかけで会話が生まれたり、友好関係を広げることにもつながります。

また、「こんにちは」「いただきます」「ごちそうさま」「おやすみなさい」などのあいさつを学ぶことは、相手の気持ちに気づき、思いやるきっかけにもなります。

さらに、あいさつができるとコミュニケーションがスムーズだったり、家庭でのしつけが行き届いていると見なされたりすることから、小学校受験で重要視されることもあります。

あいさつの大切さを理解して、幼い頃から習慣化していけるよう、サポートしてあげたいですね。

 

3.子どもがあいさつできるのはいつから?教えるのは何歳から?

子どもが自分からあいさつができるようになるのは、社会性が育ってくる3歳〜4歳頃からと言われています。

しかし、3歳〜4歳になるまでに、あいさつを見たり聞いたりする経験がたくさん蓄積されていることが重要です。

そのため、あいさつを教えるのは0歳からがおすすめです。1歳頃になると、ママ・パパがあいさつをしている様子をみて、バイバイと手を振ったり、頭をぺこっと下げる動作をする子どももいますよ。

焦らなくても大丈夫です。3歳からでも十分に教えられるので、次に説明するあいさつの方法を参考にしてみてくださいね。

 

4.あいさつを教えるおすすめの方法5つ

あいさつを教えるには、5つの方法があります。日常生活にちょっと工夫を加えることで、あいさつを教えることもできるため、ぜひ身構えずに気軽に試してみてくださいね。

 

4-1.大人が周囲の人に元気にあいさつをする

子どもは、身近な大人の様子を見て育ちます。そのため、まずは身近な大人であるママ・パパが、近所の人や保育園の先生などに元気にあいさつをしましょう。

毎日繰り返すことで、あいさつをするタイミングやあいさつをしたら気持ちがよいことなどを自然に学んでいきますよ。

 

4-2.家庭内のちょっとしたシーンにもあいさつをする

外出時はあいさつをしているけれど、家庭内でのあいさつは曖昧になっている方も多いのではないでしょうか。

筆者も夕食の片付けを急ぐあまりに、「ごちそうさま」を言わずに食器を片付けたり、台所で子どもの残りものを口にかきこんだりすることがありました。

子どもに対して「おはよう」「いってらっしゃい」と声をかけるのと同じように、ママ・パパ同士でもあいさつをしている様子を見せましょう。

機会が限られる外出時よりも、毎日の積み重ねができる家庭内のほうが、あいさつの方法を覚えやすいですよ。

まねっこ大好きな子どもだからこそ、すぐに覚えてくれることでしょう。

 

4-3.あいさつの絵本を読む

あいさつを教えるときには、あいさつの絵本を読むこともおすすめです。

絵本を通じて、あいさつの方法やタイミング、あいさつは気持ちがよいことなどを学ぶことができます。

絵本を読みながら、一緒に真似してみるのもいいですね。

3歳〜5歳頃の子どもでは、絵本の中のあいさつをしているキャラクターの気持ちを一緒に考えてみるのも、あいさつの大切さを学ぶヒントになります。

 

4-4.ごっこ遊びにあいさつを取り入れる

日々のごっこ遊びの中に、あいさつを取り入れるのもおすすめです。

保育園に通っている筆者の息子は、保育園の先生になりきって「おはようございます」と丁寧な言葉を使って、あいさつができるようになりました。

人見知りや場所見知りで、あいさつが難しい子どもも、ごっこ遊びなら楽しみながらあいさつの練習ができますよ

 

4-5.あいさつの方法を事前に確認する

あいさつの方法は分かっているけれど、タイミングが難しかったり、恥ずかしくて声を出すのが難しい場合があります。

おじいちゃんの家に入る前に「こんにちは、と言うよ」と伝えたり、はじめてのお友達に会う前には「なんて言うといいんだっけ?」と質問したりして、あいさつの方法を事前に確認するとよいでしょう。

心の準備ができるため、あいさつしやすくなりますよ。

また、あいさつの方法を事前に確認することで、成功体験を積みやすくなるのでおすすめです。

 

5.あいさつを教えるときに心がけたいこと

子どもにあいさつを教えるときには、心がけたいことが3つあります。
ちょっとした心がけで、子どもがあいさつの方法をより学びやすくなるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

5-1.あいさつが上手にできたら褒める

あいさつが上手にできたら、たくさん褒めてあげましょう。

大人にとっては当たり前だと感じるあいさつでも、子どもにとっては大きな成長です。

もしかすると、恥ずかしい気持ちを乗り越えて必死でしぼりだしたあいさつだったり、使い方があっているかなと不安に思いながら頑張ったあいさつだったりするかもしれません。

そう考えると、褒めてあげたくなるものです。

また、余裕があれば「あいさつができて気持ちがいいね」「こんにちはって言ったら、こんにちはって返してくれてうれしいね」「元気な声であいさつできたね」と具体的に褒めるのがおすすめです。

 

5-2.あいさつができなくても叱らない

あいさつができるようになってほしいと強く願うことで、あいさつができないと叱ってしまうこともあるでしょう。

しかし、あいさつができなかったときに叱るのは逆効果です。

叱られた子どもは、あいさつが楽しくないもの・叱られるもの、と苦手な意識をもってしまいます。

また、あいさつをしたい気持ちがあるけれど、恥ずかしくてできないのかもしれません。そんな子どもの気持ちを受け止めて、「一緒に言ってみようか」「また明日やってみよう」と声をかけて安心させてあげましょう。

 

5-3.あいさつが身につくまで長い目で見守る

あいさつは、はじめから上手にできる子どもは少なく、小さい頃から何度も繰り返すことで、少しずつ身につきます

中には幼稚園入園や小学校入学に合わせて、「あいさつをしなさい」と注意する場合もあるでしょう。

しかし、できればあいさつは自発的に気持ちよくしてほしいですよね。そのためには、まずはあいさつの大切さや、あいさつをすると気持ちがよいことが理解できるよう、繰り返し見せたり、伝えたりしていってくださいね。

 

6.あいさつができる子どもを育てるために!身近なことから始めてみましょう

本記事では、あいさつを教える方法や、心がけたいことなどをご紹介しました。

外出先で子どもがあいさつができないと、ママ・パパとしては複雑な気持ちになってしまうものです。しかし、あいさつができない原因は子どもによってさまざまです。

まずはできないことに共感してあげて、子どものペースで少しずつ踏み出していけるよう、サポートしてあげましょう。

一番身近な大人であるママ・パパが、気持ちよくあいさつをしている姿を見せることで、子どもが興味を持って真似してくれることもありますよ。身近なことから始めてみてくださいね。

 

・非認知能力がどうして大事なの?効果は?

・情報を知ることがどうして大切なの?

こちらで詳しく解説中です!

 

 

参考文献
認定NPO法人 日本ポーテージ協会 「ポーテージプログラム」

 

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