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【年長】大人の話に割り込む子どもの心理とは?注意の仕方や声がけのコツ

この記事を書いた人

みき みき

みき

  • 高等学校教諭
  • 司書教諭
  • 中学校教諭

高校の国語講師として約8年勤務していました。

中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。

現在は3人の子育てに奮闘中。

知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。

夫婦で大切な話をしている時に「えー、どうしたの?」「それ何?」などと子どもが急に話に割り込んできて、なかなか会話が進まずに困ったことはありませんか。

小さな子どもならまだしも、年長になり、小学校の入学が近づいてくると、「学校でも人の話に割り込んでしまったら、友達に煙たがられるのでは?」と心配になりますよね。

子どもには会話のマナーを身につけてほしいけれど、「どの程度、注意したらいいのかわからない」「注意してもなかなか改善されずに困っている」という親御さんもいるでしょう。

この記事では、大人の話に割り込む子どもの心理や話に割り込む子どもへの注意の仕方・声がけのポイントについて解説します。

自分の子どもだけでなく、よその子への対処法もお伝えしますので、参考にしてみてください。

目次

 

1.話に割り込む子どもの心理

会話への割り込みは、マナーやルールを繰り返し伝えることで少しずつ減っていきます。

しかしお子さんの個性によっては、小学校に入学してからも、大人の会話を遮り、自分の話をしてしまう子もいます。

話に割り込む子どもの心理は、以下の4つのタイプに分類できます。

 

1-1.大人に構ってほしい

話に割り込む子どもの心理として多いのが「構ってほしい」というタイプです。

幼児期の子どもは、「自分に注目してもらいたい」「自分が会話の中心になりたい」という気持ちを強く持っています。

そのため、大人が自分のよく知らない話題で盛り上がっていると、大きな声で話に割り込んだり、突然自分の話を始めたりすることがあります。

 

1-2.友達と遊ぶのが苦手

大人の話に割り込む子どもの中には、「友達と遊ぶのが苦手な子」もいます。

筆者の甥っ子がまさにこのタイプで、子ども同士で遊んでいても気がつくと大人のそばにいて会話に混ざってくることが多かったです。

兄弟や友達と遊ぶように促しても「面白くない」「何をすればいいか分からない」などと言って遊びたがらず、子どもだけの空間が苦手なようでした。

しかし小学生になると、子ども同士で楽しく遊べるようになり、会話への割り込みも減っていきました。

このタイプのお子さんの場合は、似たタイプの子どもや年齢が上の子どもと触れ合うことで、会話への割り込みが解消されることもあります。成長とともに変わってくることが多いので、のんびり見守りましょう。

 

1-3.大人の会話に興味がある

大人の話の内容に興味があり、そばで口を挟む子どももいます。実年齢よりも精神年齢が高めな女の子に多い印象です。

このタイプの子どもは、大人の話をよく聞いており、大人顔負けで会話に参加してくる子もいます。

子どもが聞いていると思うと、話題も限られてきますよね。他の人に聞かれたくない話は、なるべく控えたほうがいいでしょう。

 

1-4.他者の視点が育まれていない

「急に話に割り込む」「一方的に自分の話を始める」などの行動は、幼児期の認知の特性である「自己中心性」が影響していることがあります。

自己中心性とは、スイスの発達心理学者・ピアジェの「認知発達段階説」の中で使われている用語で、自分と自分を取り巻く外界とを、はっきり区別することができない性質を指します。

幼児期は、自分の視点でしか物事が考えられず、客観的な視点が未熟なために会話に割り込んでしまうことがあります。

自己中心的な認識から抜け出すのは7歳頃が一つの目安と言われていますが、発達には個人差があります。年齢とともに少しずつ解消されるものと捉えて、ゆっくり見守っていきましょう。

 

2.話に割り込む子どもへの注意の仕方や声がけのコツ

子どもに悪気はないとはいえ、会話に割り込むのはマナー違反ですよね。

ここでは、子どもが会話に割り込んだ時の注意の仕方をお伝えします。声がけの例もお伝えしますので、参考にしてみてください。

 

2-1.人の話に割り込むのはマナー違反であることを伝える

話に割り込むことが、周りを不快にさせたり、迷惑をかけたりするという自覚がない子どもは多いです。会話のマナーをきちんと伝えて、話が終わるまで待てるように促しましょう。

子どもが話に割り込んできたら、一旦会話を止めます。そして、子どもをみつめながら、落ち着いたトーンで注意します。キツく叱る必要はありません。

●声がけの例:「人が話している時に途中で割り込むのはいけないことだよ。先にお話している人が嫌な気持ちになるよね。だから順番を守ろうね」「今パパとお話しているんだ。終わるまで待っていてくれる?」

ママに叱られるからやめるのではなく、お互いが気持ちよく過ごすためのルールであることが伝わるといいですね。

 

2-2.待つ時間を具体的に伝える

「ちょっと待ってね」という声がけでは、どのぐらい待つのかが分からずに、我慢できない子どもいます。

その場合は、待ち時間を具体的に伝えることで、先の見通しが立てやすくなり、話が終わるまで待てるようになっていきます。

●声がけの例:「時計の針が〇〇になるまで待ってね」

約束の時間が来たら大人も話を切り上げて、子どもの話をしっかり聞くことも大切です。

順番を待てば話ができることがわかると、子どもも納得して、少しずつ待つことを習得していきますよ。

 

2-3.子どもが待ってくれたことに感謝を伝える

子どもが会話に割り込まず、しっかり待つことができた時は、すかさず褒めましょう。

大好きなママやパパから褒められると、子どもも嬉しくなって、待つ姿勢が育まれていきますよ。

●声がけの例「待っててくれてありがとう。上手に待てたね。今度は〇〇ちゃんの話を聞くよ」

 

2-4.子どもに伝わる効果的な方法

会話のマナーを子どもに教える時は、言葉だけでなく、スキンシップを取り入れると効果的に伝わりやすくなります。具体的には、

・視線を子どもに向ける
・手を握る、肩に手を置く

などの方法がおすすめです。

スキンシップを取り入れると、子どもの注意を引きながら、話を聞く姿勢が整います。

注意をする時は、なるべくシンプルに大事な言葉だけを伝えるように意識すると、子どもにも伝わりやすいですよ。

また、お子さんが話に割り込むことなく、上手に待てた時は、「話が終わるまで待ってくれてありがとう!」と言いながら、頭を撫でたりハグしたりして、少し大袈裟に笑顔で褒めてみましょう。

子どもは自分の行動をママやパパに認められたことに喜びを感じ、次も頑張れることが多いです。

 

3.話への割り込みを直すために、日常で心がけたいこと

子どもの話への割り込みを直すために、ママやパパが日常で実践できる工夫をお伝えします。

話への割り込みは周囲から「あの子は順番を守れない…」と思われてしまい、子どもの意図しないところで嫌悪感を抱かれてしまうこともあります。

お子さんの個性は受け止めながらも、適切な行動が取れるように大人がサポートをしてあげましょう。

 

3-1.すぐに効果が出なくても、根気強く伝える

「人の会話に割り込むのはマナー違反」ということを繰り返し伝えます。すぐに効果が出ることを期待せずに、何度も伝えることで子どもの心に少しずつ定着していきます。

「そのうちできるようになったらいいな」ぐらいの気長な気持ちで、根気強く伝えていきましょう。

 

3-2.子どものいる前で長く話し込まない

大人だけで盛り上がりたい話題や子どもの耳に入れたくない話題は、子どもがいないところで話しましょう。

ママやパパが楽しそうに話していると、子どもは仲間に入れてほしいと思いたがるものです。

「何の話してるの?」と聞かれた時に「〇〇君には関係ないよ。これは大人の話だからね」と言われると、子どもは悲しい気持ちになりますね。

また、お金の話など周囲の人に知られると困る話題は、子どもが悪気なく外で話してしまう可能性もあるので、注意が必要です。

 

3-3.しっかり子どもの話を聞く

普段からママやパパが子どもの話を聞く時間をとることも大切です。特に、「1-1.大人にかまってほしい」タイプの子には効果的な関わりです。

例えば、幼稚園や保育園から帰った後は、ママに聞いてほしいことがたくさんある子もいます。子どもが話しかけてきた時は、ほんの数分でもいいので、家事の手を休めて話を聞きましょう。子どもが話を聞いてほしいと思ったタイミングで、きちんと答えてあげることが大切です。

子どもに視線を送る、膝の上に乗せるなどスキンシップをしながら話を聞くことで、子どもは「ママやパパにちゃんと話を聞いてもらえた」と安心感や満足感を得ることができます。

日中や夕方は家事が忙しくて、なかなか時間が取れない方は、寝る前やお風呂の時間を有効に活用してみましょう。

 

3-4.会話のキャッチボールの練習をする

会話とは、2人以上の人がお互いに話したり、聞いたりすることです。

一方的に喋ってしまう子どもは、話を聞く力が十分に育っていない可能性があります。

聞く力は、コミュニケーションを良好にするにも、学校の授業を理解するにも大切なスキルです。

おしゃべり好きなのは嬉しいけれど、子どもが一方的に話してばかりで、会話が成立せず困っている…という方は、「インタビューごっこ」を通して、会話のキャッチボールを練習するのがおすすめです。

<準備するもの>
・おもちゃのマイク

<やり方>
1.「これから順番に話すゲームをするよ」と伝えます。
2.「マイクを持ってる人が話すよ。今はママがマイクを持ってるからママが話して、次にマイクを〇〇ちゃんへ渡すから、マイクを受け取ってから話してね」など簡単にルールを説明します。
3.「今日の給食で1番美味しかったものはなんですか?」など子どもが答えやすい質問を投げかけます。なるべく一言で答えられる話題を振るようにして、会話のキャッチボールに慣れさせましょう。

大事なのはお子さんが最後まで話を聞けた時に褒めることです。「上手に聞いてくれてありがとう」とママの気持ちを伝えることで、成功体験として子どもの記憶に残り、話を聞く力が育まれていきます。

 

4.よその子どもが話に割り込んできたら…?

公園や児童館などでよその子どもが会話に割り込んできて、対応に困った経験はありませんか。

自分の子どもなら「順番を守ろうね!」と注意できても、他人の子どもに口出しするのは気が引けますよね。

ここでは、よその子どもが会話に割り込んできた時の対処法を紹介します。

 

4-1.知らない子が話に割り込んできた場合

知らない子が話に割り込んできた場合は、軽く相槌を打つなどの対応します。

それでも一方的に話しかけてきて困る場合は、「ママはどこに行ったの?迷子になったら大変だからママのそばで遊んでおいで」「すごいね!次はママにお話を聞いてもらっておいで」などと伝えるといいでしょう。

公園や児童館では自分の子どもの安全を見守るのが第一ですので、無理をして知らない子どもの相手をする必要はありません。

万が一、怪我をしたり、わが子と喧嘩になったりしたら大変ですから、親御さんの元へ戻るように促すのが安心です。

 

4-2.話し相手の子どもが話に割り込んできた場合

自分が話している相手の子どもが話に割り込んできた場合は、その子のママに対応を任せましょう。

しつけの方針や考え方は家庭によって違いますので、「へぇ〜そうなんだ!」と少し相槌を打ちながら受け流すのが無難でしょう。

しつこく話に割り込んでくる場合は、「かまってほしい」「退屈している」というサインでもあります。

「あ、ブランコ空いてるよ!」「〇〇ちゃんと遊んできたら?」など遊び方を提案してもいいでしょう。

それでも子どもがそばから離れない場合は、早めに話を切り上げて、自分の子どもも交えて一緒に遊んであげるといいですね。

 

5.会話のマナーは少しずつ身につけよう

話への割り込みがよくないことだと理解できるようになると、子どもは自制心や待つ力を身につけていきます。

小さいうちは何度注意しても話への割り込みがやめられない子もいるでしょうが、根気強く伝えていくことが大切です。子どもの成長のペースを尊重して見守っていきましょう。

 

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