あと伸びする子の特徴と家庭習慣~おすすめの遊びや学習法も紹介
この記事を書いた人
白山七衣
- 心理カウンセラー
- 幼児教室講師
メンタル心理カウンセラー、日本語教育能力検定の資格所持。
幼児教室講師をはじめ、オンライン講師、家庭教師、添削指導者として0歳から18歳までのお子さんの教育や学習サポートの仕事に長年携わってきました。
現在は、主に教育ライター、子育てカウンセラーとして活動しています。
お子さんたちの学びや成長、保護者の皆様のお悩みに役立つ記事をわかりやすく丁寧にお伝えしていきたいです。
休日は自然の中でお散歩したり、スイーツの食べ歩きをして、リフレッシュしています!
早期教育が盛んな昨今、お子さんの成長スピードや成績の伸び方が気になる保護者の方は多いのではないでしょうか。
成績がなかなか伸びなかったり、目に見える形で大きな成果が得られないと、不安や焦りを感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかしお子さんの中には、小学校低学年くらいまではのんびりしていた子が、中学年以降になると一気に成績を伸ばし、成長する子もいます。
今回は、そのような「あと伸びする子」の特徴と、あと伸びする子に育てるために家庭で心がけたいことをお伝えします。
また、あと伸びする力を育む「遊び」や「学習法」についてもご紹介します。ぜひ、今後の子育ての参考にしてみてください。
目次
1.あと伸びとは?
早期教育を受けて伸びるお子さんだけでなく、小学校中学年以降になってから大きく力を伸ばすお子さんもいます。
ここではまず、あと伸びする子の特徴と、あと伸びするとどのような良いことがあるのか、その効果についてご紹介します。
1-1.あと伸びする子の特徴
あと伸びする子には下記のような特徴が見られます。
- 同時期に新しいことを始めても成果が出るまで時間がかかる
- 想像力、創造力が豊かで、柔軟な考え方ができる
- 熱中度が高く、継続力や粘り強さがある
- エネルギッシュで、自信をもって物事に取り組む
- もっと上手にできるようになりたいという意欲があり、試行錯誤する姿勢がある
こうした特徴を持つお子さんは、幼少期に夢中になってたくさん遊んだ経験を持っている場合が多いようです。
好きなことは熱中しやすく、自由な発想も生まれやすいものです。 自由な遊びを通して、あと伸びするために必要な力がたくさん育まれているのですね。
1-2.あと伸びの効果
あと伸びの効果は、伸びる力が大きいということ、長く伸び続けるということ、そして本人の意志によって伸びていくということです。
あと伸びするお子さんが、最終的に早期に伸びたお子さんを追い越して力を伸ばすことはよくあります。
例えば、「オリンピックで活躍する選手の中には、競技を遅く始めた人が多い」とか、「中学受験では目立たなかった子が、中高生になって熱心に勉強に取り組み、成績を大きく上げた」というような話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
あと伸びする力は、本人の意志によって大きく伸び、さらに伸び続けます。無理に押しつけられたものではなく、自分がやりたいと思ったことに対して本人の意志が明確であれば、自分で力を引き上げようと積極的に努力していけるからですね。
お子さんの自主性が育たないうちから無理に早期教育を押しつけてしまうと、あと伸びする力が発揮されにくくなる可能性があります。
お子さんの成長を見守りながら、あと伸びする力を上手にサポートしていきたいですね。
2.あと伸びする力を伸ばす家庭習慣
あと伸びする子を育てるためには、どのようなことを心がけると良いのでしょうか。
ここでは、あと伸びするのに必要な力と、その力を育むための家庭での関わり方についてご紹介します。
2-1.心身の健康が土台になる
心身の健康は、自発的に活動したり、挑戦したりする土台となります。
幼少期の心身の健康は、よく食べ、よく遊び、よく眠るという基本的な生活習慣から育まれます。基本的な生活がスムーズにいくようにサポートしてあげましょう。
2-2.親子のコミュニケーションで自己肯定感を高める
自己肯定感が高いお子さんは、自分を信じて意欲的に物事を進めたり、新しいことに挑戦したりできます。
親子でたくさんコミュニケーションをとることで、自己肯定感を高めてあげましょう。
お子さんはコミュニケーションの中で様々な考え方に触れ、気づきを得たり、考えを深めたりして、自分なりの考え方を身につけていきます。
コミュニケーションをとる際の声かけは、禁止や命令ではなく、プラス思考の肯定的な言葉かけをすることが大切です。
<声かけの例>
「それはやってはいけないんだよ」というよりも、「これは代わりにこうしてみるといいよ」と提案する。
「すごいね、そのやり方で問題を解決しようとしたんだね。どんなことでも試すことが大事だよ」と伝える。
結果だけでなく、お子さんの取り組みや努力した過程を褒めてあげましょう。お子さんは自信を持ち、自己肯定感を高めることができます。
2-3.様々な体験をさせて知的好奇心を伸ばす
様々な体験をすることは、将来の可能性を大いに広げ、お子さんの心を刺激して知的好奇心を伸ばします。
知的好奇心は、自発的に知りたい・学びたいという内発的な動機を引き出すので、あと伸びする力を伸ばすために欠かせません。
知的好奇心を伸ばすためには、遊びと勉強の区別をせず、様々な体験の中で、お子さんが興味を持つことを大切にしてあげましょう。
お子さんが自分で興味を持ったことを選び取ることで、意欲が引き出され、自己決定力も育まれます。
また、大人の考えで興味を押し付けるのではなく、お子さんの自由な視点を尊重することで、柔軟な発想や思考力も育まれます。
2-4.親が先回りせず最後までやり抜く力を伸ばす
親が先回りせず、お子さんが最後まで自分でやり抜くのを見守ることも大切です。
幼少期の子どもは、大人がハラハラするような行動をとることや、なかなかうまくできずにじれったく感じることもあります。しかし、親が心配しすぎて過干渉にならないことが大切です。
お子さんは自分で考え、頑張る力を持っています。親が先回りするのではなく、お子さんが不安なときや何かあったときに話しを聞いてもらえる、受け止めてもらえるという安心感を持てるように、心の安全基地でいましょう。
心配だなと思っても、少し離れて優しく見守るようにすると、お子さんの自立する力が育まれ、最後までやり抜く力を伸ばすことができます。
2-5.子どもの意志を尊重し実行力を伸ばす
子どもの意志を尊重して、やりたいと思ったことを納得のいくまでとことんやる経験をさせてあげましょう。
成功や失敗の経験を通して、お子さんは試行錯誤する力や、実行力を身につけていきます。
大人から見ると、こっちの方が効率がいいのにとか、それじゃぁうまくいかないのにと思うときでも、お子さんが自分でやりたいと思ったことはなるべくやらせてあげましょう。
結果が失敗であっても、その経験を通じてお子さんは成長し、次にどうすればよいかを学びます。また、勉強に取り組む際も、他人から言われてやるのではなく、自分で考えて実行する力があるかどうかで、伸びが大きく違ってきます。
3.あと伸びする力を育む「遊び」
あと伸びする力は「遊び」の中で大きく伸びていきます。幼少期に好きなことに熱中して遊ぶ経験は、非常に重要です。
ここでは、あと伸びする力を育てるおすすめの「遊び」をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
3-1.自分で工夫して作る室内遊び
自分で工夫して作る遊びは、意欲や創造力・思考力を伸ばしてくれるのでおすすめです。あと伸びの大きな力を育む手助けとなります。
例えば、紙や粘土を使った工作も良いですし、自分でパズルや迷路を作る遊びもおすすめです。
自分のアイデアを自由に形にすることは非常に楽しい経験です。 楽しむ中で、もっとやりたい、もっと工夫したいという意欲や試行錯誤する力も伸ばすことができます。
お子さんが作るパズルや迷路は、大人には考えもつかないほど驚くようなものが出来上がりますよね。お子さんの可能性は無限大です。その力を存分に伸ばしてあげましょう。
工作や迷路・パズル遊びについては、こちらの記事で紹介しています。
・SDGsはじめの一歩!廃材で「リサイクル工作」きょうだいで楽しむコツもご紹介
・迷路遊びは知育効果抜群!メリットと身につく力、おすすめ迷路もご紹介
・【5歳児】論理的思考力を育む!おすすめの知育パズル5選をご紹介!
3-2.五感を刺激する外遊び
五感を刺激する遊び、特に外遊びは、あと伸びするのに必要な力を大きく伸ばしてくれるため、おすすめです。
外遊びで自然に触れることは、心身の健やかな成長に役立ちます。外で走り回って遊べば、体力も自然について健康にも良い影響を与えます。
また、生き物に興味を持ったり、自然の力を感じたりすることで、好奇心が刺激されます。自然の中での経験は、お子さんの視野を広げ、柔軟な心を育てることにもつながります。
木から落ちるりんごを見て万有引力の法則を発見したというニュートンの逸話に限らず、自然の中での遊びが、大きな発想のきっかけになることがあります。
あと伸びする大きな力を育てるために、外遊びを積極的に取り入れてみましょう。
親子で楽しめるおすすめの「外遊び」については、こちらの記事で紹介しています。
・外遊びのメリットとは?運動神経を伸ばす外遊び5選と子どもとの関わり方を解説
・【保育士直伝】自然体験が育む子どもの力とは?気軽にできる自然遊びと親の心がけ
4.あと伸びする力を育む「学習法」
あと伸びする力で、成績を伸ばすにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、幼少期から自然にあと伸びする力を育む学習法をご紹介します。ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
4-1.机に向かう習慣を身につける
お子さんの意志を尊重することは大切ですが、小学生になると全く勉強しないというわけにはいきません。
まずは、机に向かって集中する時間を習慣化することがおすすめです。
難しい勉強や、長時間机に向かう必要はありません。 簡単な計算問題や書き取り、お子さんの好きなことで構いません。重要なのは、机に向かう習慣を身につけることです。
問題に取り組むときに、時間を測るのもおすすめです。集中力を高める効果があります。「机に向かったら集中する」という習慣ができると、机に向かうこと自体が集中する行為になります。
最初は、始まりの時間を決めて机に向かうことから始めましょう。
帰宅後、夕食後など、家庭のスケジュールに合わせても良いですが、時間が流動的な場合は15時や19時など、定めた時間に机に向かうことで習慣化しやすくなります。家族全体で協力し、その時間はテレビを見るなどの娯楽を控えて、集中できる環境作りでお子さんを応援してあげましょう。
4-2.自分で調べる習慣を身につける
好奇心いっぱいのお子さんは、いつも様々な疑問を持っています。
「これはどういう意味?」「どうしてこうなるの?」「なぜ?」と聞かれたら、答えを教えるのではなく、「一緒に調べてみよう」と誘ってあげましょう。
お家にある図鑑を調べたり、図書館に行ったりするといいですね。インターネットで検索する場合は、必ず一緒に行いましょう。 ネット上には真偽が不確かな情報があふれていますので、お子さんが信頼性のある情報にアクセスできるように導いてあげましょう。
疑問を自分で調べる習慣が身につくと、小学校高学年や中高生になってから自主的に勉強に向かえるようになります。
わからなかったことを解決できたときの喜びは、学習への意欲を一層引き出し、大きく力を伸ばしてくれます。
4-3.自分の考えや知識を説明する習慣を身につける
自分の考えを他の人に説明すると、思考力が深まるのでおすすめです。
知識もあいまいなままだと説明できないので、さらに調べることで知識が深まり、定着しやすくなります。
お子さんが説明してくれたら、たくさん褒めてあげましょう。そして、その話題についていろいろと話してみるといいですね。対話の中で興味が広がったり、考えが深まったりして、あと伸びする力も一層伸ばすことができます。
5.あと伸びする力でどこまでも伸びていく子どもに育てよう
あと伸びするお子さんは、勉強の成果を感じにくく、時には不安や焦りを感じることもあるかもしれません。
しかし、あと伸びする力を育てることは、点数では測ることのできない大切な力を身につけることでもあります。
あと伸びする力を引き出すためには、お子さんが自分の考えを持ち、その考え基づいて自主的に行動できる力を培うことが大切です。
自立した力が育てば、お子さんは自分の夢をもってどこまでも伸びていきます。あと伸びする力をつけて、どこまでも伸びていくお子さんに育てていきましょう。
関連トピックをご紹介!
・【5歳・6歳】小学校入学前に勉強・学習習慣をつけるべき?家庭でできる具体的な方法も紹介
・子どもの知的好奇心を高めるには?好奇心をくすぐる遊びや工夫を紹介
・東大、京大生等に調査!好奇心が伸びる「図鑑」の魅力~使い方・活用法~【前編】