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4歳で数字が言えない、数が数えられないのは大丈夫…?【言語聴覚士に聞く】

「何度教えても数字が言えない」「10までの数が数えられない」など、周りのお友達と比べて、我が子の数字に関する理解の遅さが気になっている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、言葉の発達に関する指導や訓練・サポートをおこなう「言語聴覚士」の先生おふたりに、4歳の子どもが数字を数えられない原因、保護者の方が日常の中でできる工夫について伺いました。

(文責:CONOBAS編集部)

 

目次

 

 

 

1.4歳で「数字が言えない」のは遅れてる…?原因は?

1-1. 数字が言えるようになる段階を確認

–−4歳では特に「数字が言えない」というお悩みが多いのですが、言語聴覚士である先生方は、どんなことが主な原因だと考えられますか?

島袋 綾子先生(以下、あや先生):子どもは最初、数字を「1・2・3・4・5・6」のように流れとして言えるようになります。

まず「3」まで言えて、続いて「5」まで、そのあと「10」まで言えて、という感じですね。

発語がまだ少ない子は数字がなかなか出てこない、数字が好きな子は物の名前よりも数字が出てきやすい、ということもあります。

音が言いやすいことから「2」だけが言えるなど、子どもによっても様々です。

もし、数字に触れる機会が少ないかもと感じているなら、「1・2・3」のように「音の流れとして覚える」と、数字が“言える”ようになります

 

2.「数字が数えられない」原因は?

2-1. 数字が言える=数えられる ではない

–−「音の流れとして覚える」ことが大切なのですね。では、「数字が数えられない」原因についても教えてください。

あや先生:「音の流れとして覚える」に口の動きがついてくると、数字が言える、ということはあります。

ただ、「数字が言える」ことと「数字が数えられる」ということは全く別物なので、切り離して考えなければいけません。

「数字が数えられない」というのはおそらく「個数が数えられない」ということだと思うのですが、数字の「音」と実際の「個数」が連動しているか、ということがすごく大事です。

「数字の概念」は、小学生になると算数や計算につながります。

「1」と言ったら、実際の個数はいくつなの?という意味がちゃんとわかっているかなっていうところが、実はポイントなんです。

–−「数字の音」と「個数」のどちらかだけではなく、連動が重要なのですね。関連づけられるよう、具体的な対策などはあるのでしょうか。

 

2-2. 数字の音と概念を結びつけるのがポイント

あや先生:「音」と実際の「個数」をつなぎ合わせてあげるためには、保護者の方の関わりが大切になってきます。

例えば、おやつの時間などに保護者の方が、「1個」と言って子どもに1個、また別のタイミングで遊びを通して「1」を意識する関わりがあることで、「音」と「個数」、そして「文字」の関連が感覚的に理解できるようになっていきます。

 

3.数の音と数字の概念が揃えばよいの?

3-1. 数字を数えるには「多い・少ない」の理解も大切

–−「音」・「個数」・「文字」の関連が大切なのですね。それ以外にも、「数字が言えない/数えられない」ことに関わる要素はあるのでしょうか。

田中 くみ先生(以下、くみ先生):数を数える前に、「多い・少ない」といった概念が大事ですね。

20対21はわからないけれど、5と2だったらどっちが多い?少ない?というような、数の概念を身近に感じることが大切です。

私は集団で療育をすることが多いのですが、大きな子から小さな子まで一緒に玉入れなどのゲームをおこなった際、「多い・少ない」がわからない子は、どっちが勝ったか負けたかがわからないんですよね。

でもそこで、年上の子が一緒に玉の数を数えて、「多いから勝ったね」「少なかったから負けたね」というように教えてくれることで、楽しい事柄を通して数字を身近に感じられます。

そして、「多い・少ない」の概念がわかってくると、年上の子に憧れて、まだ数がわからない子も「1・2」と数えている雰囲気を出すんです。

「10」まではなんとなく言えて、そこからまた「1」になってしまったりもするのですが、4歳であればそれだけで100点だと、私は思っています。

–−遊びや人との関わりを通して、自然と概念がわかってくるのですね。

くみ先生:遊びの中で、「数えたいな」「数えられるとかっこいいな」「かっこいいお兄ちゃんみたいになりたいな」という意欲が出てくると、その意欲は、量を数字で表すことに繋がります。

それができたら次は、「数字」と「文字」を一致させていく、文字に繋ぎ合わせていくような段階で発達していきます。

 

3-2.日常の中で数字に興味が持てる工夫を

–−そもそも、数字に興味を持たないお子さんもいらっしゃるかと思います。そのような場合は、どんなふうにアプローチするのが効果的でしょうか?

くみ先生:数字を数えることに興味がない子はどうしても、なかなか数えられるようにならないと思います。

ただ、お風呂の中でママやパパと一緒にゲーム感覚で数を数える子が多いように、お子さんが数字に興味を持てる工夫を日常の中に取り入れることが大事だと思います。

指やおもちゃ、シールなど、視覚的に分かりやすく本人の好きな事柄を利用して、数への興味関心を促していくのもいいと思います。

 

4.3・4歳では、どこまで数えられるのが目安?

4-1. この年齢では、5ぐらいまでで大丈夫

–−保護者の方の中には、他のお子さんと比べてしまうことで我が子の発達に不安を感じる方も少なくありません。先生方が考える、3・4歳の言葉の発達の目安を教えてください。

あや先生:「5」までの数字の概念がある程度かたまってくるのが4・5歳くらいで、10までの数の概念がおおよそ理解できるのが5歳くらい。ですので、3・4歳では「5」くらいまで数えられるのがひとつの目安です

なので、「4歳で九九が言える」「簡単な足し算ができる」など、同年齢のお友達の話を聞いて我が子と比べてしまうパパママも、決して焦ることはないですよ。

まずは、「こっちが多いね」「あっちの方が少ないよ」「数がわかるって面白い!」など、数にまつわる感覚を生活の中で養うことから始めるとよいのではないでしょうか。

 

5.遊び感覚で、日々の関わりに数字を盛り込もう

<編集後記>

数字は1〜10まで言えるのに、「数を数えられない」と不安に感じていた保護者の方も、今回の記事が”数字の概念の大切さ”に気づいたり、不安が減る・今するべきことが見えたりする助けとなると嬉しいです。

お家での関わりは、お勉強でも訓練でもありません。「遊び」感覚で親子で楽しむことが、子どもたちの育ちや学びにつながります。数字も、日々の関わりの中に盛り込んでみてくださいね。
 

 

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お話をうかがった先生方

島袋 綾子(しまぶくろ あやこ)

・たねまき協会 ことばのたねまき代表(2020年〜)
Instagram公式LINEを中心に乳幼児期の言葉の発達、愛着形成に関する情報を発信しています。
ママが発達に関する知識や関わり方を身につけるための講座や個別相談などのオンラインサポートを実施しています。
・乳幼児言語発達アドバイザーの育成もしています。
・年少、年長の2児を子育て真っ最中!
・言語聴覚士

田中 くみ(たなか くみ)

・たねまき協会 吃音緩和のたねまき代表(2020年〜)
吃音のある子のママをオンラインでサポート。
Instagram公式LINEで吃音の情報を配信しています。
・吃音緩和アドバイザー
吃音に特化した専門家。我が子の吃音に対するスキルを学べる基礎講座、資格を取れる講座を開催中。
・吃音絵本『ぼ、ぼ、ぼくのはなしかた』制作者
・言語聴覚士

たねまき協会  https://www.tanemaki.group/

あや先生、くみ先生たちが代表を務める団体。
「ママが生きやすい世界をつくる。」という目標を掲げて、言葉の発達でお悩みのママへ向けた、オンライン支援、言葉の教材開発などを実施しています。

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