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カタカナが苦手な子ども向けの家庭学習法【元国語講師が解説】

この記事を書いた人

みき みき

みき

  • 司書教諭
  • 中学校教諭
  • 高等学校教諭

高校の国語講師として約8年勤務していました。

中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。

現在は3人の子育てに奮闘中。

知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。

「うちの子、カタカナが苦手かも」

「子どものカタカナ習得がうまくいかないけど、小学校の授業についていけているのかな」

子どもがカタカナに苦戦する姿を見ると、不安になる親御さんも多いでしょう。

しかし、いざ家庭で「カタカナの勉強をしよう!」と思っても、何から取り組んだらいいのか迷ってしまいますよね。

この記事では、元国語講師で3人の子育て経験のある筆者が、子どものカタカナ習得がうまくいかない理由や、効果的なカタカナの学習法について紹介します。

子どもと楽しく学べる「カタカナ学習の便利なアイテム」もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

 

目次

 

1.カタカナの習得がうまくいかない4つの理由

子どもがカタカナの習得につまづいていると、焦ってしまう親御さんもいるかもしれません。

しかしカタカナが苦手な子どもは、意外に多くいます。

ここでは、カタカナの習得がうまくいかない4つの理由を説明します。

 

1-1.学校での扱いがひらがなより短期間

小学校に入学すると、先にひらがなを学習します。その後、1年生の2学期からカタカナを学ぶのが一般的です。

ひらがなは、2〜3ヶ月ほどの時間をかけてゆっくり学習するのに対して、カタカナは3週間程度で進みます。

筆者の子どもたちが小学校でひらがなを習った時は、1文字につきプリント1枚の宿題を提出していました。音読の宿題も出ていたので、毎日ひらがなに触れる習慣が身につき、自然と覚えていきました。

一方で、カタカナを習った時は、ひらがな学習よりもペースが早く、あっという間に終わってしまったという印象です。

例えば、学校の授業で「サラダ」「アイスクリーム」など、カタカナの言葉が紹介され、その言葉が書かれたプリントを宿題で練習するだけでした。

その後も、教科書でカタカナが出てくるたびに復習はしますが、何度も書く練習することはないようです。

 

1-2.日常生活でカタカナに触れる機会が少ない

日常生活でカタカナばかりを読んだり、書いたりする状況は、あまりありませんよね。

国語以外の科目の教科書でも、学年に合わせて漢字は増えていきますが、カタカナは一定の分量しか出てきません。

1年生の教科書の場合は、カタカナを学習する部分を除いて、ひらがなの方が圧倒的に多くなっています。

学校の勉強や日常生活でカタカナに普段触れる機会が少ない分、「なかなかカタカナを覚えられない」「読めても書けない」という壁にぶつかるお子さんが多いのでしょう。

 

1-3.カタカナへの興味が湧きにくい

小学校に入学してすぐに習う「ひらがな」は、学ぶことへの楽しさや、学校生活への緊張感から、前向きに取り組む子どもが多いです。

漢字は文字自体に意味があったり、読みがいくつもあったりと子どもの興味を引きやすい文字です。

また、漢字は書いたり、読んだりする機会も多く、学校でも「書き取りテスト」があるなど、子どもの中に「漢字=覚える対象」として認識されます。

一方で、カタカナは使用頻度が少なく、ひらがなでも代用できるため、どうしても関心が薄れやすいのでしょう。

筆者の3人の子どもたちを見ていても、ひらがな漢字に比べると「カタカナが書けなくて焦る」ということ自体が少ないように感じます。

 

1-4.形の似たものが多く混同しやすい

カタカナは似た形のものが多く、混同しやすい点も、子どものカタカナ習得がうまく進まない理由の一つでしょう。

多くの場合、学年が上がるにつれて、カタカナを読むことには慣れていきますが、書くときに分からなくなる子どもは多くいます。

「ソ」と「ン」や「ツ」と「シ」などは、学年が上がっても書き間違える子がいるほどです。筆者の子どもも、カタカナを書きながら「シは上からはらうんだっけ?下からはねる?」と聞いてくることがありました。

家庭でカタカナを学習する場合は、子どもが間違いやすい字を中心に書く練習をすると良いでしょう。間違いやすいカタカナに対応したプリントなどを使うと効率よく練習できます。

カタカナは、形が似た文字が多いので、しっかり区別できるようになるとスムーズに読み書きができるようになります。

 

2.カタカナ学習の方法(読み方)

まずは、カタカナを読めるようにすることが大切です。ここでは、カタカナをスラスラ読むための3つの方法をご紹介します。

子どもの習熟度にあわせて取り組んでみてください。

 

2-1.教科書や絵本で、カタカナを探す

親子で、教科書や絵本を開いて、カタカナの言葉を探してみましょう。

カタカナを見つけたら、指をさしたり、印をつけたりします。一つのページにカタカナがいくつ出てきたかを数えるなど、ゲーム感覚で楽しく学ぶことが大切です。

まずはカタカナを認識することが大切です。カタカナ探しに慣れてきたら、声に出して読んでみるのもおすすめです。

目で見た文字を脳で処理して、さらに口に出して、耳で聞くことにより記憶に定着しやすくなります。

 

2-2.カタカナが多く出てくる絵本や図鑑を読む

カタカナを勉強するための絵本や図鑑は、たくさんあります。

特に、ポケモンやウルトラマンなど、子どもの好きなキャラクターが出てくる図鑑は、良い教材となります。

図鑑や絵本を夢中で読むことで、「勉強をしている」という感覚がなく、気づいたらカタカナが身についていることもあるでしょう。

 

2-3.カタカナ表をお風呂など目立つところに貼る

本の付録などでよく見かける五十音のポスターも役に立ちます。

一枚でひらがなとカタカナの両方を表記してあるものも多く、ひらがなが読めるようになっていれば、子どもが自分でカタカナを探せます。

ポスターは場所を取らず、片付けが簡単な点も魅力ですね。防水ポスターであれば、浴室の壁に貼って、楽しく学べそうです。ぜひ、子どもの目につくところに貼ってみてくださいね。

 

3.カタカナ学習の方法(書き方)

カタカナを読むことに慣れてきたら、次はカタカナを書く練習をしましょう。ここでは、カタカナを書く練習法を3つ紹介します。

 

3-1.ひらがなの言葉をカタカナに直して書いてみる

自分の名前や好きなものなど、ひらがなの言葉をカタカナにして、書く練習をしましょう。

名前をカタカナで書く機会は、実生活でもありますよね。子どものうちからしっかり書けるようにしておくと便利です。

カタカナの中にはひらがなと似ている文字もあります。ひらがなと比較しながら書くことで、混同せずに覚えられますよ。

 

3-2.ドリルやプリントを使ってみる

カタカナの見本を上からなぞる練習もおすすめです。上手になぞることができるようになったら、見本を見ながら自分で書くなど、お子さんの習熟度に合わせて、ステップを用意してあげるといいでしょう。

最近は、インターネットでも無料でカタカナの練習プリントを提供しているサイトもあります。市販のドリルや無料の学習プリントなどを上手に活用しながら、学習を進めてくださいね。

 

3-3.カタカナの言葉を集めて、書く練習

身近なところで目にする「カタカナの言葉」を集めて、書く練習をしてもいいでしょう。

カタカナ表記を見つけて、自分で書き出すことで、カタカナを覚えるだけでなく、カタカナを使う場面についても学ぶことができます。

カタカナの言葉だけを集めた「カタカナノート」作るのもおすすめです。

やり方は、漢字練習帳を一冊用意して、身近なカタカナの言葉を書いていくだけなので、とても簡単です。

お子さんの好きなキャラクターのノートを選ぶと、モチベーションも上がりますよ。

 

4.子どものカタカナ学習、わが家で心がけたこと

カタカナ学習を進める上で、実際に筆者が家庭で取り入れて良かったことを紹介します。

ちょっとしたことで、子どもがカタカナ学習に対して前向きに取り組むようになります。

 

4-1.前向きな声かけを心がける

子どもが学習でつまずいた時、「なぜできないの」といってしまったことはありませんか。

この言葉は、なるべくお子さんの前で口にしない方がいいです。なぜなら子ども自身が「なぜできないのか」がわかっていないからです。

不毛なやり取りは、子どものやる気を奪うことにつながります。

筆者は、子どもがカタカナの書き方を間違えた際、「頑張って描いたね!でもちょっと惜しいな。どこが違うのか、見本と比べてみよう!」など、具体的な行動を示す言葉かけを心掛けていました。

何度も間違えるようなら、「少し休憩する?」「もう疲れたかな。また明日にしようか?」区切りをつけるのも一つの手でしょう。

 

4-2.ゲーム感覚で楽しみながら

小さいお子さんほど、学習は「楽しみながら」が基本です。

いきなりドリルを開いて、「さあ今日も勉強するよ!」とプレッシャーを与えるのではなく、遊び要素を取り入れながら、学びを促すようにしましょう。

筆者の家庭では、「カルタ」や「パズル」などを活用して、ゲーム感覚でカタカナを覚えました。

年の離れた兄弟の場合は、ハンデをつけるなどして、下の子が楽しめる配慮をするといいでしょう。

 

5.カタカナ学習におすすめアイテム

ここでは、家庭で使えるカタカナ学習のアイテムを紹介します。子どもの興味関心や性格にあったものを選んで、親子で楽しみながらカタカナを習得してくださいね。

 

5-1.カタカナカード

・カタカナカード(くもん出版)

清音のカタカナ46文字を含み、身近な言葉を通してカタカナを学ぶことができます。

対象年齢は0歳からなので、文字に興味を持ち始めた幼児にもおすすめですね。
 

・楽しくおぼえる ひらがな・カタカナ: ドラえもん おべんきょうかるた(小学館)

ひらがなとカタカナ両方の学習ができるカルタで、ひらがなが読めれば未就学児からでも楽しく使用できます。
 

5-2.カタカナがたくさん載っている絵本・図鑑

・『898ぴきせいぞろい! ポケモン大図鑑 (上) (コロタン文庫)』(小学館)

上下2巻で発売されています。辞書のように50音順で辞書ポケモンを探すことができます。

ポケモンが好きな子どもなら、お気に入りのモンスターを探しながら、楽しく読み進めることができるでしょう。
 

・『カタカナよんで! (2〜5歳児向け コクヨのしかけ絵本)』(コクヨ)

子どもの興味を惹く仕掛けからカタカナが出てきくる楽しい絵本です。

優しい絵で文字も大きいため未就学児の読み聞かせでも楽しめるでしょう。
 

・さいとう しのぶ(著)『あっちゃんあがつくたべものあいうえお』(リーブル)

全編ひらがなで書かれている絵本ですが、実はカタカナ表記の文字には小さくカタカナが書かれています。

どんなときにカタカナを使うのかを実感することができます。リズムや音階をつけて読むこともできるので楽しく読めますよ。
 

5-3.カタカナ一覧表

・おふろでおぼえる カタカナ (キッズレッスン 学習ポスター) (JTBパブリッシング)

お風呂でも使えるように、防水機能がついています。水で濡らすだけで、お風呂の壁にしっかりくっつくので便利です。
 

・【アポロのピクチュアパズル】カタカナ46ピース 子ども向けパズル 25-102(エポック)

教科書体で書かれたみやすい文字のパズルで、それぞれの文字に合わせた可愛い絵が描かれています。
 

5-4.カタカナドリル

・『1年生カタカナ (くもんの小学ドリル 国語 カタカナ)』(くもん出版)

優しいスモールステップで反復練習することで、基礎からカタカナを身につけることができます。

シンプルなドリルなので、キャラクターが書いてあると、気が散ってしまうという子どもにおすすめです。
 

・『すみっコぐらし学習ドリル 入学準備~小学1年のひらがな カタカナ』(主婦と生活社 )

かわいいすみっこたちが随所に描かれており、できた後にすみっこのシールを貼ることもできます。
 

・『うんこドリル カタカナプラス 5・6さい (幼児 ドリル)』(文響社)

うんこドリルシリーズは累計820万部を突破した人気のドリルです。例文でも「うんこ」という言葉がたくさん出てくるので、思わず大人も笑ってしまいます。親子で楽しんでカタカナの言葉を覚えられますよ。
 

6.お子さんとカタカナへの苦手意識を克服しよう!

子どもが勉強でつまずいていると、親は「授業についていけてるのかな?」と不安になりますよね。

カタカナは学校で時間をかけて学ぶことが少なく、日常生活でも触れる機会があまりないため、苦手意識を持っている子どもも多いかもしれません。

ご家庭では、子どもの興味に合わせて、カタカナを見たり、書いたりする機会を増やしてあげるといいですね。

日々のちょっとした積み重ねで、無理なく楽しみながらカタカナを習得していきましょう。

 

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