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【新一年生】家庭で子どもの語彙力を楽しく高めるポイントをご紹介!~小学校入学準備をしよう~

この記事を書いた人

yurinako yurinako

yurinako

  • 幼稚園教諭
  • 小学校教諭
  • 子育て支援員
  • 司書教諭

小2と年長の娘のママ。

小学校教員として15年間勤め、小学1年生から6年生までの担任を経験し、

のべ1500人以上の子どもたちを指導してきました。

小学校教諭、幼稚園教諭、司書教諭、子育て支援員の資格を持っています。

親子で一緒に、本やダンス・料理を楽しんでいます!

小学校への入学を控え、ランドセルや学用品の準備も進んでいるころですよね。

小学校では、初めて授業という形で学習に取り組みます。また、新しい友達を作ったり、集団生活のルールやマナーを学んだりしていきます。

そんなときに必要不可欠となるのが、「語彙力」です。

語彙力を高めるため、急にドリルや辞書を使おうとしても、子どもには抵抗感が生まれやすいですよね。

そこで今回は、小学生に大切な語彙力とは何か、普段の生活の中で語彙力を高める方法をご紹介します!

 

目次

1.小学校生活は言葉でのコミュニケーションが基本!

小学校は学習をするところ。そのツールは、“言葉”です。

国語はもちろん、すべての教科、日々の学校生活の中には言葉があふれています。

ここでは、小学校のどのような場面で言葉が大切になるのか、お伝えします。

 

1-1.口頭での指示、文章の教材が多い

学校生活では、先生からの指示はほとんど口頭です。

「廊下に並びますよ」「はさみとのりを机の上に出してください」など、大人からしたら簡単に感じる言葉です。

しかしお子様によっては、「はさみどこにあったっけ?」と考えているうちに「のり」「机の上」というキーワードを聞き落としてしまうこともよくあります。

 

また、小学校に入学すると教科の学習が始まりますよね。

国語では、物語を読んだり作文を書いたりと、語彙や文章について学びます。国語はすべての教科の基礎であるとも言われている教科です。

他の教科でも語彙力は大きな意味を持ちます。たし算が得意でも、問題で何を問われているかを理解するには、語彙力が必要です。

音楽で歌を歌うにも、語彙は重要です。歌詞を読むには、文節を理解して、文節ごとの意味を理解する必要があるのです。

筆者が1年生の担任をしていたときに「1年生になったら」を歌ったことがありました。

ある子が「先生、なんで9人で食べるの?」と聞くのです。
歌詞カードには「100人で食べたいな」の部分が「ひゃーくにーんでたべたいな」とひらがな表記されていました。

その子は、「ひゃ~!9人で食べたいな」と読み取っていたらしいのです。
改めて、語彙・文節の理解の大切さを実感しました。

 

1-2.TPOに合わせた言葉遣いを学ぶ

小学校では、TPOに合わせた言葉も学んでいきます。

例えば、

・友達には「おはよー!」、先生には「おはようございます」とあいさつする

・休み時間には「聞いて聞いて!」と話すようなクラスメイトにも、授業では「~について発表します」と丁寧に話す

などです。

これがゆくゆくは、立場に合わせた話し方や敬語につながります。

 

 

2.子どもはどのように「語彙」を獲得するの?

近年は、子どもの教育について「語彙力」という言葉が多く使われるようになりました。

それだけ、言葉の大切さが重要視されていること、子どもたちの語彙力に不安感をもっている大人が多いことを示していると考えられます。

そもそも、「語彙力」とは何を指すのでしょうか。

ここでは、「語彙力」とは何か、そして子どもはどのように語彙を獲得していくのかをおさえていきましょう。

 

2-1. 「語彙力」の意味

「語彙力」とは

「その人がもっている単語の知識と、それを使いこなす能力。「―が高い」」
(出典:goo辞典

言葉・単語について知っているだけではなく、使いこなす能力も「語彙力」の一部と言うことができます

単語の意味を理解し、それを表す物や出来事の情報と結び付け、正しく使えることまで含めて、「語彙力」なのですね。

例えば、「配達」という言葉で考えてみましょう。

「指定されたところへ郵便や荷物を届けること」という意味であることを認識すると、理解した、知識を得たと言えます。

さらに、「荷物を届ける人のことかな」「郵便屋さんはポストにお手紙を入れているな」と今まで持っていた知識と結び付けて認識したり、「ママ、配達のトラックがいるよ」「この箱は僕が配達します!」と使いこなしたりする力まで含めて「語彙力」と言えるでしょう

 

2-2.子どもはどのように語彙を獲得するのか

子どもはまず、大人の話し言葉から語彙を獲得します

「ママですよ~」という言葉を聞きながらママの顔を見る経験をたくさん重ねることで、「これが“ママ”なんだ」と認識していきます。

 

「ちょうだい」「やだ」などが言えるころの子どもは、言葉でコミュニケーションがとれることを実感できます。

保育園・幼稚園ごろには、園の子どもたちや先生ともコミュニケーションをとるようになり、語彙がぐっと増えます。

今まで家庭では使わなかったような言葉に触れあうからです。

「そんな言葉どこで覚えてきたの?」と言いたくなるようなこともありますよね。

文字に関心を持つようになってくると、話し言葉(音声情報)だけでなく、書き言葉(文字情報)からも語彙を増やすようになっていきます

 

2-3.話し言葉に続いて書き言葉が発達する

幼児の間は、親しい人(お母さんやお父さん、友達)にだけ通じる「一時的ことば」といわれる話し言葉を使っています。

年長さん頃になると、自由におしゃべりをしたり、友だちといっしょに遊ぶために会話をしたり、自分のやりたいことを言葉で話したりすることができますよね。

 

また、ひらがなやカタカナを読んだり、自分の名前程度なら書くことができたりするころです。

小学校に入学する頃になると、書くことを覚え、一時的ことばだけでなく、皆に伝わる客観的な「二次的ことば」を学び使い始めます

 

このように、話し言葉をある程度習得してから、書き言葉が発達していきます。

単語の意味が分かっていて話すことはできても、読んだり書いたりするほうがハードルが高いのです。

例えば、「としょかん」という言葉を理解はしていても、自分で書くことは難しいなどです。

 

この記事では、話し言葉と書き言葉に分けて、語彙力を高める工夫をお伝えします。

 

 

3.話し言葉を通じて語彙力を高める

語彙力を高めるには、まずは話し言葉から始めましょう。

小学校入学前だと、もうすでに、流暢に話せるお子さんが多いころです。

今まで使わなかった言葉など、より多くの言葉に触れ、使えるようになってもらいたいですよね。

 

3-1. 家庭での会話で気をつけること

①子どもの言葉に大人がリアクションをする

お子さんの話をしっかり聞いてリアクションしてあげることで、お子さんは「聞いてくれた!」「もっと話したい」と感じます。

 

②「それって何?」と聞き返す

リアクションにもいろいろありますよね。

「そうなんだ」「へえ」と相づちを打つのもいいですが、語彙力を高めるには、子ども自身の言葉で説明してもらうことをおすすめします。

会話の中で「〇〇って何?ママに教えて」「今日は〇〇ちゃんと遊んだんだね。〇〇ちゃんのこともっと知りたいな」と聞き返し、お子さんが話す機会を作ります。

お子さんが言葉に詰まる場面があったら、「~ってこと?」「~みたいな感じかな?」とお子さんの言いたいことを代弁し、助け舟を出してあげましょう。

 

③難しい言葉も使ってみる

子どもには難しそうな言葉でも、何度も使っていくと理解できてきます。少しずつ、大人の言葉を使って慣れていきましょう。

 

3-2.TPOに合わせた言葉を学ぶには、「なりきりごっこ」がおすすめ

小学校に入学すると、相手や場面に合わせた話し方を学びます。

実際に国語の授業では、目上の人に話すときと友達に話すときの違い、場所や聞き手の人数によって声の大きさを工夫すること、聞き手に分かりやすく伝えるためのテクニックなどが学習内容に入っています。

TPOに合わせた言葉を学ぶには、誰かになりきるのが一番です。

例えば、

・ニュースキャスター・・・丁寧な言葉遣い、はきはきとした話し方

・保育園や幼稚園の先生・・・相手が分かるように簡単な言葉を使う、穏やかでゆったりとした話し方

・スポーツ実況・・・感嘆詞や擬音語が多い言葉遣い、見ている人を盛り上げる話し方

立場が明確なアニメキャラクターになりきるのもおすすめです。

ヒーロー、アイドル、探偵、忍者などが主人公のお話でも、お子さんの日常会話では使わない単語もたくさん使われていますよね。

最近は、YouTuberになりきって遊びながら実況する子もいます。

それも、誰かの関心を引く話し方を自然に学んでいるのですね。

 

 

4.書き言葉を通じて語彙力を高める

語彙力を高めるためには、文字を書くことよりも、文字情報から言葉を理解することが大切です。

字の理解については個人差が大きいですから、お子さまが楽しく取り組めるものから始めていきましょう

 

4-1. 本に触れよう

昔から、「語彙力を高めるには読書をすると良い」と言われていますよね。

かといって、「本を読みなさい」といってもなかなか読んではくれません。

子どもが本を読むようになるには、いくつかの段階を経ていきます

お子さんはどの段階にあるのか、確認してみましょう。

お子さんの段階を把握して、発達の状態に合った本を選んでいきましょう!

 

4-2.身近なものを読んでみよう

文字は、相手に何かを伝えるためのコミュニケーションツールですよね。

家や町の中など、子どもにとっては見慣れた景色でも、そこに書かれた文字が何かを意味していると分かると、景色は一変します。

・おもちゃの説明書 (作り方や遊び方)
・食品のパッケージ (原材料やアレルギー表示、賞味期限)
・公園の看板(「ここで○○してはいけません」など)

コツは、子どもに気づかせること、そして読み始めたときをすかさず認めることです。

大人が「読んでみて」と指示するのではなく、あくまでも子どもの「読んでみよう!読まなきゃ!」という意思を盛り上げるのです。

改めていろいろな文章を読んでみると、新しい発見があります。

「こんなこと書いてあったんだ!」と、大人もお子さんと一緒に学ぶことができますね。

 

 

5.「語彙力」はコミュニケーションや学習の基礎!

コミュニケーションの基礎、学習の基礎として、語彙力は大切なものです。

なかなかうまく進められないと感じたら、お子さんの好きなこと・興味のあることから話題を広げていきましょう。

「お勉強している感」なく、自然と身についていきますよ。

また、語彙をインプットする期間は人それぞれです

赤ちゃんが言葉を発する時期にばらつきがあるのと同じです。

アウトプットがなかなか出てこなくても焦らずに、じっくりと見守っていきましょう。

お子さんの学校生活がより楽しく心地よいものになるように、無理なくできることから、語彙力を高めていきましょう。

 

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