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【小学1年生】字が汚いのは直すべき?元小学校教員が原因と解決法を解説!

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yurinako yurinako

yurinako

  • 幼稚園教諭
  • 小学校教諭
  • 子育て支援員
  • 司書教諭

小2と年長の娘のママ。

小学校教員として15年間勤め、小学1年生から6年生までの担任を経験し、

のべ1500人以上の子どもたちを指導してきました。

小学校教諭、幼稚園教諭、司書教諭、子育て支援員の資格を持っています。

親子で一緒に、本やダンス・料理を楽しんでいます!

入学して半年ほど経つと、子どもたちは字を書く場面が増えてきます。

そんな中、「うちの子って字が汚いかも」「これって、いずれは良くなるものなの?」「何か直す方法はあるのかなの?」と感じたことはありませんか?

「字が汚い」ということは、正しい形で字を書くのが難しいということ。

「もっときれいに書きなさい」と伝えても変化がないのは、その原因がもっと細かなところにあるからです。

1年生は、字を習い始めたばかりですから、焦る必要はありません。

ただ、お子さんはどこに苦手を抱えているのかがわかると、どんな練習・サポート、声かけが効果的なのかがわかります。

今回は、元小学校教員ママである筆者が、小学1年生の字が汚くなってしまう原因と解決法を3つに分けてご紹介します。

 

目次

1.字を習って1年目!まずは「字を書いていること」を認めよう

 

入学は、「話す・聞く」言葉から「書く・読む」言葉への大転換期です。

保育園・幼稚園のときも字を読んだり書いたりすることはあったかもしれませんが、必須ではなく、主なコミュニケーションツールは「話す・聞く」でした。

それが、小学校に入ると一気に変化し、字を「書く・読む」ことが必須になります。

1年生は、そんな大きな変化に対応しているということを認識し、まずは「字を書いていること」自体を認めてあげましょう。

 

1-1.1年生で学ぶ字は、全部で180字もある!

小学校では、国語で字を学習しますよね。その中でも1年生だけは、4種類の字を学びます。ひらがな・カタカナ・漢字・数字です。

入学したとたんに、1年間で4種類の字を読めるように、書けるようにしていくのは非常に大変な作業です。

ここで、1年生が学ぶ字がどれくらいあるのか紹介しましょう。

ひらがな…46字
カタカナ…46字
漢字…80字
数字…10字   
合計…182字

ここには、「がぎぐげご」など濁点のつく字は含んでいません。また、「しゃしゅしょ」のように小さく書く字の表記も含んでいません。

それらも合わせると、1年間で学ぶ字は250字ほどになります。

これら全ての字について、正しい形・書き順などを学んでいくのです。

字を書くこと自体に慣れていない子にとって、1年間でこれだけの学習をするのはとてもエネルギーがいりますよね。

多少、字の形がずれていても、まずは「字を書いていること」自体を「がんばって書いているね」「いろんな字がわかるようになったね」と認めてあげましょう

 

1-2.「書くって楽しい」「書けると便利」という気持ちが、書く力を伸ばす

きれいな字を書くには、「字の形を正しく理解すること」「じっくりと丁寧に書くこと」「良い姿勢で座り、紙と顔の距離を空けること」「正しい持ち方で鉛筆を持つこと」……など多くのポイントがあります。

しかし、字を書くことに慣れていない1年生に、いきなりこれらを細かく指示しても、「もうやだ!」と抵抗感を示してしまうことが多いでしょう。

字を習い始めた1年生に最も大切なのは、「書くって楽しい」「書けると便利」という気持ちです。

例えば、「家族にお手紙を書いたら喜んでもらえた」「お店屋さんごっこの看板ができた」「僕のジュースをお兄ちゃんに飲まれないように、名前を書いておかなきゃ!」と、実生活の中で「字を書けて良かった」「もっと書いてみたい」という気持ちをもつことです

反対に、がんばっているのに「字が雑だから、直して!」「もっとがんばれ!」と言われると、お子さんはどう感じるでしょうか。

きっと、「私だってがんばって書いているのにそんなこと言わないで!」「がんばっても下手って言われるなら、もうやりたくない!」と感じることでしょう。

 

きれいな字が書けることのメリットはたくさんあります。親も子どもも、ぜひ知っておきたいですね。

・相手に与える印象が良い
・「何が書いてあるかわからない!」ということにならない
・指先の力を調整できる=手先が器用になる
・じっくり丁寧に書ける=集中力がつく

ここからは、正しい形で書くことが難しくなってしまう原因と解決法をご紹介します。

 

2.原因と解決法① 正しい字の形を理解していない

2-1.【様子】とめ・はねや横画数を覚えていない/他の字と混ざっている/マスの中にバランスよく書けない

1年生で「字が汚い」と言われる子に最も多いのが、このパターンです。

例えば、「き」の横画が3本になったり、「い」と「り」が同じような形になったりします。

また、マスをはみ出してしまったり、反対にマスに対して小さくなりすぎてしまったりすることもあります。

これらは、「字の形を理解できていないこと」が原因と考えられます。

 

2-3.【解決策その1】字に見慣れる

入学するまで、字に触れることが少なかったお子さんも多いですよね。

そんなお子さんは、まず「字に見慣れる」ことから始めてみましょう。

 

①ひらがな表や漢字表を、目につくところに貼る

ひらがな50音表は、国語教科書の最終ページについています。

100円ショップやネット上のフリー教材にも多くあります。

お手洗い・お風呂・リビングなど、お子さんがよく目にする場所に貼っておき、自然に目にするような環境を作りましょう

ひらがな学習に難しさがあったお子さんは、漢字学習でも苦手意識をもつかもしれません。

学校での漢字学習が始まる前に、漢字ポスターなどを掲示しておくと、予習になりますよ。

 

②簡単な絵本をいっしょに読む

お子さんといっしょに読む、ということがポイントです。

絵本は、耳で聞く・絵を見るばかりでなく、字を読むものであると感じさせましょう

簡単な絵本から始めていきます。

全て読むことが難しそうなら、「 」(かぎかっこ)の中だけお子さんが読む、他はお家の方が読むという形でも良いでしょう。

 

③カタカナ学習には、世界地図とポケモンがおすすめ

意外と落とし穴なのが、カタカナです。

実は小学校では、カタカナを指導する時間はとても少ないのが実情です。

中には、漢字の学習と同時進行することもあり、1時間目の国語ではカタカナ、3時間目の国語では漢字を学ぶ日もあります。

カタカナに慣れるためにおすすめなのは、世界地図とポケモンです。どちらもカタカナで書かれた言葉が多いからです。

 

2-3.【解決策その2】字の正しい形を理解する小見出し

字の正しい形を理解するには、お手本をよく見ることが大切です。

しかし、「ちゃんと見なさい」という声かけでは伝わりません。

どこに気をつけたらいいのか、お子さん本人に気づかせるのが大切です。その方法をいくつか紹介します。

 

①〇×クイズで、正しい形に気づかせる

正しい形のポイントとなるのが、とめ・はね・はらい、点画の長さなどです。

これらを、○×クイズにして、どれが正しいのか、×のものはどこが違うのか、お子さん自身に気づかせます。

〇×を考えるには、お手本の細かい部分までよく見て判断することが必要になります。

②似た字を区別できるようにする

似た字は覚えるときに混同しやすいですよね。

どこが違うのか、これもお子さんに気づかせることが正しい理解のコツです。

「この2つの字には、違うところが2つあります。どこが違うでしょうか!」と間違い探しのように聞いてみると、一生懸命探す子が多いですよ。

ちなみに、筆者が小学校教員をしていた際には、「い」と「り」、「さ」と「き」、「シ」と「ツ」、「ア」と「マ」をはっきり書き分けられない子に多く出会いました

 

③マス目のあるものに書かせる

正しい形で書く練習をするには、点画の長さを意識することが重要です

そのためには、マス目のあるノートに書かせましょう。ひらがな練習のときに使っていたような、十字リーダー(中心に薄く十字ラインがあるもの)のあるものが良いです。

ノートがなければ、無料のプリント配布サイトからダウンロードできますよ。

お子さんによっては、書いているうちに姿勢が崩れ、紙と顔が近付きすぎて正しい形を認識できないこともあります。

紙と顔の距離は、両手の手のひらを合わせた長さと言われています。

お子さんに伝えるときは、「パー2つ分空けるんだよ」と伝えると分かりやすいですね。

普段使っている机といすが、お子さんの体格に合っているか、改めて確認してみましょう。

 

3.原因と解決法② 運筆に慣れていない

 

3-1.【様子】直線を書くのが苦手/すぐ鉛筆が折れる/すぐに手が疲れる

まっすぐな線を書こうと思ってもグラグラした線になってしまう、「の・あ・つ・わ」等のなめらかな曲線が苦手、というお子さんは「運筆が苦手」なのかもしれません。

運筆とは、字や線を書く時の筆の運び方・動かし方のこと。つまり、「鉛筆や筆を持って書くこと」自体を指します。

また、鉛筆の芯がすぐ折れてしまう、5分間書いた程度で手が疲れてしまうというお子さんは、「手先に力が入りすぎている」のかもしれません。

指先に力が入りすぎていると、鉛筆を正しく持つことができません。また、なめらかな曲線を書くのが難しくなりやすいです。

「手先に力が入りすぎている」「運筆に苦手さがある」場合はまず、手先の力加減を調整できるようにするのが良いでしょう。その上で、運筆の練習をしていくと良いでしょう

 

3-2.【解決策その1】日常生活でたくさん指先を使う/鉛筆の持ち方を改善する

手先の力加減を調整できるようにするためには、指先を使った活動をたくさん取り入れましょう。

また、鉛筆の持ち方を改善するアイテムもご紹介します。

 

①日常生活の中でたくさん指先を使う

鉛筆の持ち方に一番近いのが、箸の使い方です。

箸は、2本のうち上になる1本をたくさん動かして、食べ物をつまんだり挟んだりします。

そのよく動かす1本の動きは、鉛筆の動きととてもよく似ているのです。

つまり、箸を上手に・滑らかに使えるようになると、自然と鉛筆の持ち方の練習にもつながるのです。

遊びでは、折り紙、レゴブロック、アイロンビーズなど指先で細かい作業を必要とするものがおすすめですよ

 

②アイテムを活用して鉛筆の持ち方を改善する

オススメ1つ目は、「さんかく鉛筆」です。

鉛筆は断面が六角形のものが一般的ですが、「さんかく鉛筆」は断面がさんかくになっています。

お子さんでも、親指・人差し指・中指を合わせる場所が分かりやすく、正しい持ち方を意識しやすいのがメリットです。

>>さんかく鉛筆(こどもえんぴつ) Amazon通販ページ

オススメ2つ目は、「ダブルクリップ」です。

書類をまとめるのに使うダブルクリップですが、鉛筆の持ち方を意識するためにも使うことができます。

鉛筆の持つ部分にダブルクリップをつけ、中央の部分に人差し指を置くようにします。人差し指の力で鉛筆を動かすことに慣れることができます。

 

3-3.【解決策その2】運筆プリントで直線・曲線の練習をする

運筆の練習をするときには、直線から始めていきましょう。

縦線、横線、90度に曲がる線、ぎざぎざ線などがあります。

直線にある程度慣れてから、曲線に挑戦しましょう。

波線、ぐるぐる線から始め、「し・つ」のようにゆるやかに曲がる線、「の・め」のように大きく回る線、「み・す」のように小さく回る線にも挑戦します。

「運筆練習をするのは、小さい子みたいで恥ずかしい」と感じる1年生もいるかもしれません。

そんなときは、細かいルールや声かけを工夫してやる気にさせていきましょう。

例えば、「30秒以上かけてゴールすること」というルールを加えると、必然的にゆっくりと丁寧に書くことになります。「なぞり線からはみ出したら、もう1回スタートから出発する」というルールを加えると、なぞり線をよく見てぴったりに書こうとします。

 

4.原因と解決法③ 丁寧に書く必要性を感じていない

 

4-1.【様子】ノートの字が雑/スピード重視で丁寧さに欠ける

「お手本そっくりに書いて」と言えば書けるのに、ノートやテストになると字が雑なのは、「丁寧に書く必要性を知らない」ことが原因かもしれません。

「ちゃんと書いた“つもり”」「だいたい読めればいいじゃん」という感覚で、字を書いているのでしょう。

また、正しい形で書くことよりも、宿題などを早く終わらせたいためにスピードを重視して、丁寧さに欠けるお子さんも当てはまります。

ただ、「お手本そっくりに書いて」と伝えてできるのなら、字の形を理解できていて、指先も上手に使うことができているということ。

「“丁寧な”字、“上手な”字とはどんなものか」「丁寧に書くことの大切さ」を理解できれば、改善につながります

 

4-2.【解決策その1】「丁寧に」「上手に」の意味を具体的に伝える

「丁寧に」「上手に」という言葉は、人によって感じ方が違う言葉。

「丁寧に書くんだよ」という声かけでは伝わらない場合は、もっと具体的な言葉で伝えてみましょう。

例えば、「お手本と同じくらいきれいに書くんだよ」「とめ・はね・はらいを正しく書くんだよ」と言えば、お子さんも「丁寧」の意味を同じニュアンスで受け取ってくれるはずです。

 

4-3.【解決策その2】人に見せるものは「相手が読めるように書く」ことを知らせる

「だいたい読めればいいよね」「僕は読めるから大丈夫」という感覚で字を書いている子もいます。

そんな子には、「人に見せるものは相手が読めるように書くこと」を知らせましょう。

字で伝えることは、コミュニケーションの1つです。字を丁寧に書くことは、相手に対して丁寧に、敬意をもって接することにつながります。

反対に、雑な字でのコミュニケーションは、相手を不快な思いにさせることがあります。

人に見せるものを書く時には、相手のことを考えて、相手がきちんと読めるような字で書くことを伝えましょう。

筆者が小学校で5,6年生の担任をしていた際には、「字の丁寧さレベル」を明確にして、子どもたちと共有していました。

丁寧レベル5:字の正しい形を学ぶとき(例:漢字学習・お習字)
丁寧レベル4:目上の方に見ていただくもの、掲示して大勢の人が見るもの
(例:お世話になった方への手紙、作文の清書、新聞作り、ポスター作り、持ち物への記名)
丁寧レベル3:自分だけでなく他の人も見るもの、正確に読めるレベル
(例:テスト、ノート、ワークシート、お友達への手紙)
丁寧レベル2:主に自分が見るもの、自分が読み返して分かるレベル
(例:翌日の時間割を書く連絡帳、算数の筆算)
丁寧レベル1:自分だけが見るもの、後で読み返すことがないかもしれないもの
(例:自由帳、暗記ノート)

1,2年生では、筆算や連絡帳でも「正しく字を書く練習」という意味で、親や先生がチェックしています。

しかし5,6年生になると、全ての字をゆっくり丁寧に書いていると、授業についていけない子も出てきます。

どんな場面で、どのくらい丁寧に書けばよいのかがわかると、子どもも安心して字を書くことができます

 

5.まずは「字を書いていること」自体を認め、焦らずサポートを

子ども ママ

入学したての1年生、まだまだ多くの字を書くことに慣れない子もいますよね。

1年前までは字をほとんど書いたことのなかった子もいますから、焦る必要はありません。

運筆・ひらがな・カタカナ・漢字とお子さんのペースで1つずつ着実にやっていきましょう。

一方で、今回ご紹介したような解決法に挑戦しても全然改善しない、そもそも挑戦すらできなかったという場合、お子さんはかなりの困り感を抱えているかもしれません。

知能に問題がなくても「書くこと」だけに課題がある場合(ディスグラフィア)もあるのです

心配なら、まずは学校に相談してみましょう。校内の専門家に見てもらえたり、お子さんに合った専門機関を紹介してくれたりするはずです。

どんなお子さんでも、「字を書くこと」はこれからまだまだ必要になります。

まだ心配なお子さんでも、「私はたくさん練習できる」「ぼくは、はらいが得意」「私はお手紙を書くのが好き」など、ポジティブなイメージで字を学び始められると、後からどんどん力を伸ばすことができます

「お手本と同じ書き順で書けているね」「もうカタカナで書けるんだね」と細かい点や字を書いていること自体を認めて、お子さんの「書くって楽しい」「もっと書いてみたい!」という気持ちを後押ししたいですね。

 

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