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【年少児の登園拒否】行きたくない理由と対処法を詳しく解説!

この記事を書いた人

榊原なつき 榊原なつき

榊原なつき

  • 心理カウンセラー
  • 中学校教諭
  • 小学校教諭
  • 保育士

小学校教諭として2年間勤め、現在は放課後等デイサービスに勤務

保育士・小学校教諭・中学校教諭・心理カウンセラーの資格をもち、大学では教育社会学を専攻。

ひとりひとりの個性に合った教育や療育を目指しています!

4月に幼稚園・保育園に元気よく入園したお子様。

最初は楽しく通っていたのに、しばらくして朝「行きたくない!」と登園をしぶるように。

園では「元気に過ごした」と聞いていても、朝になると登園しぶりが始まる子どもの姿にどのように対処してよいか、親御さんも悩みますよね。

実は、年齢によって登園を嫌がる理由は異なる場合があります。

年少さんならではの登園を嫌がる理由は何なのでしょうか。

親御さんがそれを知ることが登園拒否を乗り越えるためのはじめの一歩となります。

今回は、登園拒否をする年少のお子さんの心理的要因を探り、幼稚園や保育園に楽しんで行けるようになるためのヒントを紹介します!

 

目次

1.年少のお子さんが登園拒否をする心理的要因

 

園に通い始めたばかりの年少のお子さんは、日々新しいことがいっぱいです。

楽しく過ごしている反面、小さなストレスを抱えていることがあります。

年少さんの発達の段階を考えると、そのストレスの背景には以下のような心理的要因が挙げられます。

 

1-1.親御さんと離れたくない

生まれてから入園までの間、ずっと親御さんと一緒にいる生活から一変、入園後は日中親御さんと離れた場所で過ごすことになります。

いつも一緒だった親御さんが見えないことが不安になるのは自然なことです

そしてそれは、親御さんとの「愛着形成」がしっかりできているという証拠でもあります

「登園する=親御さんと離れるのが不安」という思いから「行きたくない!」と登園を渋るお子さんもいます。

親御さんと離れる不安を極度に怖がることを「母子分離不安」といいます。

これは、3歳ごろまでは普通に起こることです。

発達のペースによっては年少の頃に現れたり、一度見られなくなってもストレスによって再び現れることがあります。

 

1-2.慣れない環境や人と過ごすことをストレスに感じる

「人見知り」や「場所見知り」もお子さんにストレスを与え、登園拒否の一因となります

人見知りや場所見知りは生後6ヶ月ごろから始まり、2歳前後になると少しずつ落ち着いてくると言われています。

しかし、お子さんによって成長のペースは様々です。お子さんが環境の変化に敏感な性格であると、入園後も人見知りや場所見知りをすることもあります。

入園すると、たくさんの先生やお友達と関わることになります。

親御さんがいない中で新しい関わりを作っていくことになり、戸惑いや不安を感じる場面も多いでしょう。

また“園”という家とは違う場所で、お子さん自身もどのように動いていいか分からず戸惑うことも多いです。

その中でいろいろな活動が行われることで、不安が大きくなることもあります。

 

 

2.年少のお子さんが登園拒否をしたときの対処法

年少のお子さんが登園拒否をした時は、お子さんの様子をよく観察することが大事です。

体調が悪いから行きたくないのか、気持ちの面で行きたがらないのかを見極めましょう。

体調に問題がない場合は、以下のことを心がけてみましょう。

 

2-1.まずは、安心感を与える

登園拒否をするお子さんは、大なり小なり不安な気持ちを抱えています。

まずは、その不安を少しでも和らげられるようにしましょう。

まずは 「お母さんがいないから寂しいんだよね」 「知らない人がいっぱいだから怖いよね」 とお子さんの気持ちに共感してあげることが大切です。

お子さんもそれを聞いて自分の気持ちを言葉で理解することができ、気持ちの整理をしていきます。

「何とか登園してほしい」と、親御さんも焦りや不安な気持ちを抱くことでしょう。

しかしお子さんは親御さんのことをよく見ていて、不安や焦りの気持ちはお子さんにも伝わることがあります

まずは親御さん自身が、目の前のお子さんの様子をよく見て、落ち着いて接することが大切です

 

2-2.園での楽しいことを伝える

新しい環境でこれまでと違うことをするのは、大きなストレスになります。

分からないことに対して行動するのは、大人でも不安ですよね。

特に新しいことをすることに慣れていないお子さんは、より一層不安になります。

そこで、少しでもイメージがつくように園での楽しい活動を伝えてあげましょう。

「◯◯先生におはようって言いに行こう!」
「今日は◯◯ちゃんと遊べるかな?」
「今日は工作をするんだって!」
など、園に行ってからの様子をお子さんが具体的にイメージできるように手助けすることが大切です

園での具体的な行動の姿を思い描けるようになると、お子さんの不安な気持ちを減らしていくことができます

 

2-3.お迎えの時間や約束を決める

親御さんと離れることに不安を感じるお子さんの場合には、親御さんといつ会えるかを確認しておくと、それまでの時間を安心して過ごしやすくなります

「◯◯くんがおやつを食べ終わったらお迎えに行くね」
数字がわかるお子さんには、
「時計の短い針が3になったらお迎えに行くね」
というように、具体的に分かりやすく伝えましょう。

また
「今日の工作で、◯◯を作るんだって。帰る時に見せてね!」
「今日は帰ってきたら、一緒に◯◯をして遊ぼうね!」
のように、園が終わった時の様子をイメージさせることもいいでしょう。

 

2-4園が終わったら褒める

お子さんが頑張って登園した日は、園から帰ってきたらめいっぱい褒めてあげましょう

「ドキドキしたけど、頑張って行けたね!」
「お母さんがいないところで頑張れたね!」
とその日の頑張りをそのまま認めてあげることで、「明日も頑張ろうかな」と思うきっかけになります。

言葉掛けと共に、お子さんが好きなおやつやご飯を出すなどの小さなご褒美をあげることも有効です。

 

3.年少児の登園拒否が長引く時はどうすればいい?

登園拒否が何日も続くと親御さんも悩ましいですよね。

「ずっとこのまま登園拒否が続くかもしれない」 「毎日のことだと、仕事にも影響して困る」 「登園拒否が続いて疲れてしまった…」 と不安や焦りを感じることもあるでしょう。

そんな時には、以下のことを試してみましょう。

 

3-1.親御さん一人で抱え込まない

登園拒否を乗り越えるためには、親御さんと周りの大人との連携が大切です

一人で抱え込むことはありません。園の先生などに相談し、ご家庭以外の場所でもお子さんが安心して過ごせるように環境を整えていきましょう。

園に行きたくない理由をお子さんがしっかり言葉で伝えられない場合もあります。その場合は、園でのお子さんの様子を一番知っている担任の先生に聞いてみましょう。

お子さんの自宅での様子を先生に伝えるとともに、お子さんの園での様子を聞いてみると、先生も的確なアドバイスをしたりサポートをすることができます

子どもをみるプロだからこそ気づくことや、お子さんにとって適切な声掛けをしてくれることもあるでしょう。

 

3-2.お子さんと一緒にゆっくり休む時間をとる

登園拒否を解決するためには、お子さんが安心して過ごせる環境を作ることが大切です。

親御さんが不安や焦りから、イライラしたりモヤモヤしたりしていると、お子さんも落ち着いて過ごすことが難しくなります。

そのために、親御さんもゆっくり休む時間が必要です。

お子さんの登園拒否は、お子さんが家でも園でも無理をして頑張っていることのひとつの表れです。

その背景には親御さんが頑張りすぎている、ということが隠れているかもしれません。

思い切って親子で休む日を設けて、ゆっくり過ごしてみることも良いでしょう。

お子さんとゆっくり過ごす中で、たくさんスキンシップもしましょう。

親御さんとたっぷり過ごすことでお子さんは安心感を抱き、「ちょっと頑張ってみよう」という気持ちが少しずつ湧いてくるでしょう

お子さんにとって一番安心できるのは親御さんの笑顔です。

まずは親御さんが気持ちを落ち着けて、お子さんに笑顔を見せることがお子さんへの特効薬なのです

 

4.登園拒否は成長のチャンス!お子さんを信頼して見守ろう

登園は、お子さんにとって毎日が新しいことだらけの大冒険です。

その中で毎日の登園で疲れてしまったり、安心できる親御さんの存在が恋しくなったりするのは自然なことです。

そのような経験を積み重ねて、少しずつ新しい世界との関わり方を学んでいきます。

お子さんの成長を、親御さんは一番近くで見守ってあげましょう、

親御さんも不安や心配な気持ちを抱え込まずに、周りの人と協力しながらお子さんの成長の手助けをしていけるといいですね。

 

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