2歳・3歳児の「ママ嫌い」の意味は?子どもの心理と言われたときの対応法
この記事を書いた人
多村美穂
- 保育士
元保育士のWEBライターです。
保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。
現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。
保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!
大切に育ててきた我が子に「ママ嫌い」と言われ、大きなショックを受けたり、育て方が悪かったのかと悩んでしまったりしたことはありませんか。
2~3歳頃の子どもが「ママ嫌い」と言うのは、ママを信頼している証拠でもあるため、あまり気に病む必要はありません。しかし、何度も言われてしまうと、心がくじけそうになることもあるでしょう。
そこでこの記事では、2~3歳児が「ママ嫌い」と言う心理や、言われたときの対応法を紹介します。
子どもの「ママ嫌い」という言葉に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.子どもが「ママ嫌い」という理由は?
2~3歳頃の子どもは、まだ自分の気持ちを上手に言葉にできません。そのため、「ママ嫌い」という発言の裏にはさまざまな気持ちが隠されているものです。
ここでは、「ママ嫌い」と言う子どもが、本当は何を伝えたがっているのかを紹介します。
1-1.理解してほしい
2~3歳の子どもは感情の表現方法が未発達で、嫌なことがあってもうまく言葉にできません。
例えば「おもちゃを取られて嫌だった」「靴が上手に履けずに悔しかった」などの気持ちを自分の言葉で説明するのが難しいのです。
そのようなときに自分の気持ちをママにわかってほしい、助けてほしいという気持ちを「ママ嫌い」という言葉で表現する場合があります。
1-2.反抗期の表れ
3歳を過ぎる頃には、自分の好きなこと・嫌いなことがますますはっきりしてきます。 そのため、この時期にママから「あれをしなさい」「これをしてはだめ」と言われると不快感をもつこともあるでしょう。
例えば、夢中になって遊んでいるときに「暗くなってきたから帰ろうね」と言われると「もっと遊びたいのに!」と強い反抗心を抱くことがあります。
また、この時期の子どもは感情のコントロールがまだ上手ではなく、相手の気持ちを考える能力も未発達です。そのため、言われた相手の気持ちなどを考えることができず、「ママ嫌い」という強い言葉を使って反抗してしまうのです。
1-3.愛されているか確認したい
子どもは「自分はママから愛されているのか確認したい」「悪口を言っても嫌われないのか知りたい」という気持ちになることがあります。
例えば、引っ越しをしてバタバタしてしまったり弟や妹が生まれたりして、以前よりママとコミュニケーションを取る時間が少なくなり、不安になってしまう場合があるでしょう。
そこで「ママ嫌い」と言い、ママの反応を見て、自分が必要とされていることを確認しようとするのです。
1-4.ワガママを聞いてもらいたい
「ママ嫌い」と言われたくないあまりに、子どものワガママを受け入れてしまったことはありませんか。
これを繰り返すと、子どもは「ママ嫌い、と言えば自分の要求が通る」と覚えてしまい、自分のワガママを通す手段として「ママ嫌い」という言葉を使うこともあります。
2.「ママ嫌い」と言われたらどうする?【OK対応法】
ここからは、「ママ嫌い」と言われたときにママがとりたい対応法を紹介します。
2-1.子どもがなぜ「ママ嫌い」と言ったのかを考える
「ママ嫌い」と言われてしまうと、大きなショックを受ける方も多いでしょう。しかしひとまず冷静になって、子どもがなぜそう言ったのかを考えることが大切です。
子どもが「ママ嫌い」と言っていても、子どもがママを嫌っているわけではありません。反抗したい気持ちや、愛されているか確認したいという気持ちを「ママ嫌い」という言葉で表現しているのです。
「遊びを中断されて嫌だったのかな」 「妹が生まれてから、一緒に過ごす時間が減っちゃってるな」 「幼稚園で嫌なことがあって疲れてるのかな」 など、背景にある子どもの本音に耳を傾け、子どもがどのような気持ちで「ママ嫌い」と言ったのかを考えてあげてください。
2-2.子どもの気持ちを受け止める
「ママ嫌い」という言葉を聞くのはつらく、子どもを否定したくなってしまうこともあるかもしれません。しかし、まずはぐっとこらえて子どもの気持ちを受け止めてあげてください。
その際は、「ママ嫌い」と言った言葉の裏にある子どもの気持ちも言葉にしてあげると、「ママはわかってくれてる」と子どもは安心できるでしょう。
<具体例>
■「最近ママが妹に構ってばっかりだから、『ママ嫌い』って言っちゃうほど不安になっちゃったんだね」
■「ママが嫌いかぁ。まだ遊びたいのに『暗くなってきたからもう帰ろう』って言われて、嫌になっちゃったのかな」
ただし、癇癪を起こしてけがをしたり、他人や物に危害を加えそうになったりした場合は、別の対処が必要です。抱きしめる・両手を握るなどして、危険から遠ざけてあげてくださいね。
2-3.親の気持ちを伝える
子どもの気持ちを受け入れ・共感することで子どもが安心できたら、親の気持ちを子どもに伝えましょう。
例えば「○○くんに嫌いって言われても、ママは○○くんが大好きだよ」と伝えると、親の愛情を確認でき自己肯定感が育つでしょう。
さらに、「○○ちゃんに嫌いって言われちゃうとママ悲しいな」と伝えると、子どもは相手にも感情があることを知る機会になりますよ。
また、子どもがワガママを通したいと思って「ママ嫌い」と言っている場合は、ダメである理由をわかりやすく伝えてあげてください。
時間がかかることもありますが、何がいけないのか、どうすればいいのかを少しずつ理解していくでしょう。
3.「ママ嫌い」と言われたらどうする?【NG対応法】
ここからは、「ママ嫌い」と言われたときに避けるべき行動を紹介します。
3-1.問い詰める
子どもに「ママ嫌い」と言われると、次に同じ言葉を言われないように「本当に嫌いなの?」「なんでそんなにひどいこと言うの?」と問い詰めたくなることもあるでしょう。矢継ぎ早に問い詰めると、子どもは追いつめられてしまい、自分の気持ちが出せなくなってしまいます。
子どもが自分の気持ちを「ママ嫌い」以外の言葉で伝える練習ができるよう手助けしながら、成長するのをゆったりと待ってあげてください。
3-2.感情的に言い返す
「ママ嫌い」と言われても「そんなこと言う子はママだって嫌いだよ」「もう○○くんのことなんて知らない」など感情的に言い返すのはNGです。
「ママ嫌い」という強い言葉を大切な我が子から言われると、平静でいるのが難しいことも多いでしょう。しかし、感情をそのまま子どもにぶつけてしまうと、子どもは傷ついてしまいます。
また、否定的な言葉を子どもにかけてしまうことで、子どもは自己肯定感が低下し、自信を失ってしまうでしょう。
ショックを受けたりイライラしたりすると難しいこともあるでしょうが、深呼吸などをしてぐっとこらえてから、子どもと向き合ってあげてください。
怒りの感情と上手に付き合うための方法については、こちらの記事をご覧ください。
・親子で実践!「アンガーマネジメント」をマスターして怒りの感情を上手に扱おう!
3-3.無視をする
感情的になるのを抑えるため、もしくは傷ついてしまったのを隠すために、子どもを無視するという場合があるかもしれません。
しかし、無視された子どもは親の顔色をうかがうようになり、自分の気持ちを外に出せなくなってしまう恐れがあります。
また、親に構ってほしいがために物を投げたり人をたたいたりと、極端な行動に走ってしまうことにもなりかねません。
4.「ママ嫌い パパがいい」と言われたら?
「ママ嫌い、パパがいい」と言われたら、複雑な気持ちになる方も多いでしょう。子どもからすると、パパの方がワガママを聞いてくれたり、遊び相手になってくれたりする印象が強いだけかもしれません。
一方で、ママは子どもといる時間が長く、子どもを叱ることが多い傾向があるため、子どもからすると「パパより厳しい」と思ってしまいがちです。
そのため、子どもが本当にママを嫌がり「ママ嫌い、パパがいい」と言っているわけではありません。 むしろ「もっとママと一緒にいたい」「ママの気を引きたい」という気持ちの裏返しかもしれません。
ママもできるだけ一緒に遊ぶ時間をつくったり、笑顔で接することを心がけたりすることで、子どもの気持ちは自然とよい方向へ向かっていくはずです。
「ママは○○くんのことが大切だから、注意してるんだよ」とパパからママの気持ちを伝えてもらうのもいいですね。
5.「ママ嫌い」は子どもから信頼されている証拠
自分の気持ちをうまく表現できない2~3歳の子どもが、「ママ嫌い」と言うのはよく見られる言動です。
4~5歳になり、自分の気持ちを言葉で伝え、相手の気持ちを理解できるようになってくると「ママ嫌い」という言葉も少しずつ減っていくでしょう。
子どもが「ママ嫌い」と言えるのは、「ママは自分を見捨てない」と信頼している証でもあります。
「ママ嫌い」と言われても「ママを信じてるからこう言ってるんだ」とおおらかにとらえながら、子どもの成長を見守ってあげてくださいね。
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