SDGsはじめの一歩!廃材で「リサイクル工作」きょうだいで楽しむコツもご紹介
この記事を書いた人
たん
- 幼稚園教諭
- 保育士
認可保育園にて約12年間勤務。
その中で2回、新規園立ち上げにも関わりました。
保育では、"子ども主体"を大前提に、"今何に興味を持っているか"を考えながら、個々を大切にしてきました。
結婚を機に退職しましたが、「保育で培った知識を活かしたい!」と思い、ライターを始めました。
イラストを描くことや工作をすることが大好きです!
「家での遊びも飽きたし、たまには工作をしてみたい」
「上の子と下の子が一緒に楽しめる、簡単な工作はないかな?」
という親御さんも多いかもしれませんね。
おうちでの遊びに工作を取り入れたくても、子どもが2人いると難しい面もありますよね。
忙しい日々の中で、できるだけ道具や準備も簡単に済ませたいところです。
そんな時におすすめなのが、廃材を使ったリサイクル工作(廃材あそび)です。
この記事では、
・廃材あそびとは何か
・廃材を使ったリサイクル工作2選
・異年齢で工作あそびをする際のポイント
を、紹介します。
リサイクル工作で、SDGsのはじめの一歩を楽しく学んでみませんか?
1.廃材あそびについて知ろう!リサイクル工作のメリットは?
「廃材あそび」とは、おうちの中で使わなくなった紙パックやラップの芯、空き箱などを使って楽しむリサイクル工作です。
たくさんの魅力がある廃材あそびですが、その中からメリットを3つ紹介します。
1-1.家にあるもので簡単にできる
通常の工作だと、「この工作のために、◯◯と△△を買ってこなくちゃ…」など、材料買いをすることが多いかもしれません。
廃材あそびでは、空き箱やペットボトルなど家で不要になったものを材料にするため、買い出しの時間やお金をあまりかけずに手軽に楽しむことができます。
トイレットペーパーの芯やティッシュ箱、空き缶など、日ごろから使えそうな廃材をストックしておけば、子どもが遊びたいと思う時に、パッと準備できて便利です!
1-2.想像力や発想力が培える
子どもの想像力や発想力は無限です。時には大人では考えられないような、面白くて楽しいアイデアを生み出すことがありますね。
廃材は、市販のおもちゃやブロックなどと違って、何をどう組み合わせるかも自分で考えながら作っていきます。
「この廃材なら何が作れるかな?」
「これで何を作ろうかな?」
などとイメージを膨らませながら、遊びの中で自然に想像力や発想力が培えます。
例えば、牛乳パックで電車を作ってみても、形は似ているけれど、一人ひとり個性があってそれぞれ違う作品になります。
そんなところも廃材工作の魅力のひとつです。
1-3.遊びながらSDGsに触れられる
子どもの未来を考える上で、とても大切な要素に「SDGs」があります。
SDGsを簡単に説明すると「世界中のみんなが、より良い環境で地球に住み続けるために掲げられた17の目標」のことです。
廃材あそびは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」の中に掲げられている「(12-5)2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。」ことに関わってきます。
例えば、日常の生活では、食べ終わったお菓子の袋や箱はゴミとして捨ててしまいます。
しかし、そのお菓子の空き箱を使ってロボットを作るなど、廃材を利用した工作の体験が、ゴミという価値観を変化させるきっかけになります。
何も意識しなければただのゴミになってしまうものでも、想像力や工夫次第で再利用(リサイクル)できるという気づきが得られれば、
「これを別の方法で使えるかな?」
「これを使って何が作れるかな?」
といったリサイクルの意識を育むことができます。
言葉では難しいSDGsですが、廃材工作を通して遊びながら触れられるのは貴重な体験ですね。
2.きょうだいで一緒に作って遊べる!「リサイクル工作」2選
廃材あそびについて知ったところで、ここからは具体的な廃材を使った製作あそびを2つ紹介します!
対象年齢は3歳〜ですが、一部難しい工程もあるので、上の子や大人が援助しながら進めていくといいかもしれません。
※材料は1つ分の表記なので、作る個数に合わせて調整をお願いします。
2-1.①芯を使ったロケット
1つ目は、廃材のラップとトイレットペーパーの芯を使ったロケットを紹介します。
作ったロケットは、飛ばして遊ぶことができます。
【材料】
- ラップの芯
- トイレットペーパーの芯
- 割り箸(割らずに使用)
- 輪ゴム(2つ繋げておく)
- はさみ
- のり
- セロテープ
- 画用紙や色ペンやシールなど(ロケット装飾用)
【作り方】
①トイレットペーパーの芯1周分の大きさに合うサイズに、画用紙を切る ☆3歳児は一緒に
サイズに合わせて切るので、上の子or大人が事前にサイズをみておきましょう!
②画用紙に好きな絵を描く
後ほどトイレットペーパーに巻きつけることを伝えた上で、作業するのがオススメです。
画用紙を好きな形に切って貼る、直接好きな絵を描く、シールを貼るなど、アレンジは自由でOKです。
きょうだいで別々に作れるので、個性豊かな作品になりますよ。
③描いた絵をトイレットペーパーの芯に、のりで貼る ☆3歳児は一緒に
多少ズレても大丈夫です。難しい場合は上の子or大人が援助してくださいね。
ロケットができたら次は発射台の部分を作りましょう。
④輪ゴムを2つつなげる
⑤繋げた輪ゴムの片側を割り箸の間に引っ掛け、もう片側をラップの芯の上の方に巻きつけてテープで止める ☆3歳児は一緒に
テープで止めたり、輪ゴムを引っ掛けたりする作業が難しい場合は、同様に上の子or大人が援助しましょう!
⑤ラップの芯の上に、トイレットペーパーロケットを載せたら、完成!
飛ばす時は、割り箸を引っ張ってください。
ビュンと飛んだら盛り上がること間違いなしです!どこまで飛ぶか競争したり、的あてをしたり、賑やかに遊べます◎
2-2.②紙パックでカスタネット
2つ目は、紙パックとペットボトルキャップを組み合わせたカスタネットを紹介します。
音楽やリズム、歌が大好きな子にオススメですよ!
【材料】
- 紙パック(事前に洗って乾かしておく)
- ペットボトルキャップ
- 画用紙
- 定規
- 色ペン
- ボンドor両面テープ(紙パックと画用紙を貼る用)
- セロテープ
- 輪ゴム(指に引っ掛ける用)
【作り方】
①紙パックを切り開き、カスタネットのサイズに切る ☆3歳児は一緒に
折れ目がついている部分を真ん中にすると、綺麗に折れます。
紙パックは少し硬いので、切る際には上の子or大人が援助しましょうね!
②切った紙パックと同じサイズの画用紙を貼る
画用紙は、先に同じサイズに切ってから貼っても良いですし、ある程度の大きさの画用紙貼ってから、余分な部分を切ってもOKです。
子どもがやりやすい方で、やってみてください!
③貼った画用紙が乾いたら、好きな絵を描く
ボンドで貼り付けた場合は、少し乾くのに時間がかかると思うので、ある程度乾いてから描いた方が破れにくくなります。
④紙パックの内側に、セロテープでペットボトルキャップを2つ貼る ☆3歳児は一緒に
合わせた時に噛み合うように、上下に貼りましょう。
⑤紙パックの折り目部分に輪ゴムを引っ掛けて、完成!
輪ゴムを指に引っ掛けながら叩くと、いい音がしますよ。
2-3.廃材あそびをもっと楽しむ工作スペースを設置してみよう!
「一緒に作ってあげたいけれど、なかなか時間がとれない…」
「できれば、子どもだけで作れる工作もあればいいけど…」
そんな時には、廃材や必要な道具だけを用意した、工作スペースを作ってみませんか?
はじめは難しいかもしれませんが、スペースを用意しておくだけで、自由で面白い作品が作れるかもしれませんよ!
とはいえ、いきなりすぎるとイメージが湧かないかもしれないので、まずは一緒にダンボールを切ったり、空き箱をテープで貼ったりしながら遊ぶといいかもしれません。
一緒に遊ぶ中で、
「ロボットつくりたい!」
「カバンつくる!」
などイメージが膨らんでくると思います。
5歳頃であれば、イメージ図を描いてみるのも良いですね。
3歳だと難しいかもしれませんが、はじめはダンボールを切るだけの平面でも、自分で作ったという達成感が味わえると思います。
実際に私が働いていた園の幼児クラスでは、
- ロボット
- 虫
- 動物
- 公園
- 家
- カバン
- 楽器
などを、廃材を活かして作っていました。
個性豊かな作品が、回数を重ねるごとに増えていき、発想力や想像力の刺激にもなっていましたよ!
廃材だけで色々なものが作れるという発見にも繋がるので、ぜひ試してみてください。
3.年齢差がある子どもと「工作」を楽しむ3つのコツ
年齢や発達の違う子どもと一緒に工作するのは、難しい部分もありますね。
最後に、私が保育士時代に異年齢で活動する際に、特に意識していた3つのポイントをお伝えします。
3-1.具体的で明確な役割を伝える
異年齢の子どもたちと一緒に何かをする上で、悩むポイントとしてどのレベルに合わせればいいの?というものがありますね。
「下の子に合わせると上の子が飽きてしまうし、上の子に合わせると下の子が難しくなってしまうし…」
このような悩みを抱える保護者は多いと思います。
実は私も、新人保育士時代に悩んでいました。
そんな私でしたが、試行錯誤しつつ、子どもと過ごす中で気づいたのは”具体的で明確な役割を伝える”ということでした。
例えば、
「◯◯ちゃんは、この形を2つ切ってね」
「◯◯くんは、のりでここを貼ってね」
など、それぞれに具体的な役割を伝えることで、”誰が何をやるのか”子どもたちにもわかりやすくなります。
具体的な役割があると、年齢が上の子は「頼られる喜び」、下の子は「1人で頑張る達成感」が得られ、その後の満足感もグンっと高まります!
3-2.工作をする前に、約束やルールを決めておく
工作手順が明確な場合は、作業する前に約束やルールを伝えておくとトラブルや喧嘩を避けられるかもしれません。
例えば、
- 細かい作業は、上の子が行う
- 下の子が作業している時も、手を出さずに見守る
- ペットボトルなど、硬い素材は大人が切る
- 画用紙は必要な分だけ使う
などがあります。
もちろん作業中に伝えるのも良いのですが、集中力を踏まえて、できる限り事前に伝えておくのがオススメです!
工作によって変わってくると思うので、ある程度大人も作業のイメージを立てておくと良いかもしれませんね。
3-3.子どもの個性を大切にする
最後のポイントは、工作以外の場面でも大切なものです。
「上の子が好きなことは、下の子も好きなはず、できるはず!」
「下の子は集中力があるのに、上の子はすぐ飽きてしまって心配…」
と考えるのではなく、「この子の場合は、どうだろう?」と、その子自身の個性に合わせた取り組みを考えることが大切です。
例えば、
- 好奇心旺盛でなんでもやりたがる子には、少し難しい作業も任せてみる
- 慎重派の子には、無理せずできる部分をお願いする
- 飽きやすい子には、短時間でできるものにする
など、どちらかに合わせるのではなく、一人ひとりの個性を忘れずに、一緒に楽しんでいけたら良いですね!
4.どの年齢でも楽しめる!廃材は無限に遊べる魔法のおもちゃ!
工作あそびというと、そのために材料を買うイメージがありますが、家にある要らなくなった空き箱などでも充分楽しめるのが廃材あそびの良いところです!
ちょっとした工夫をすれば、年齢の違う子ども同士でも一緒に作れるので、マンネリ化しているおうち遊びにもピッタリです。
繰り返し遊ぶ中で、発想力や想像力もどんどん刺激されていくので、ぜひ取り入れてみてくださいね!
主な参考文献
・日本ユニセフ協会,SDGsってなんだろう?
おうちで作ろう!関連トピックをご紹介
・はさみの練習は何歳から?はさみの教え方や制作遊びをご紹介
・お絵描きで子どもの力が伸びる!現役保育士がその効果と関わり方のポイントを解説
・手芸で子どもの脳を活性化!おうちで簡単にできるフェルト手芸の作り方も紹介