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手芸で子どもの脳を活性化!おうちで簡単にできるフェルト手芸の作り方も紹介

この記事を書いた人

haru*(はる) haru*(はる)

haru*(はる)

  • 養護教諭
  • 心理カウンセラー

養護教諭として小・中学校に7年間勤務し、妊娠を機に退職。

現在は4歳の子どもを育てながら、フェルト生地を使った知育玩具のハンドメイド作品販売「sewing_haru*」の運営と、子育てメディアなどで記事の執筆をおこなっています。

子どもの「好き」をたくさん見つけて増やしていく子育てを目指しています!

子どもとおうち時間で遊べるもののひとつに、手芸があります。

手先を動かす手芸は、子どもの脳の発達をうながす手助けになるともいわれています。

今回は、「手芸が脳の発達をうながすのはなぜか?」や「手芸でどんな力が身につくのか」について説明していきます。

おうちでお子さまと一緒に作れるフェルト手芸の作り方も2つ紹介!

針も糸も使わず、お子さまでも簡単に作れるので、ぜひおうちで過ごすときの参考にしてみてください。

 

目次

1.手芸は子どもの脳を活性化する

 

手芸は、指先を動かして細かい作業をします。

指先が繊細な動きをすることで、大脳の前頭前野を中心とした脳活動が活性化するのです。

前頭前野とは、「記憶力」「思考力」「理解力」「判断力」などの認知機能の中枢であり「脳の司令塔」とも呼ばれています。

大脳の前頭前野を日常的に活性化すれば、社会生活を送るうえで不可欠な認知機能を育てることにつながるのです。

 

1-1.脳を活性化させる仕組みとは?

前頭前野は、記憶や行動、そして感情の抑制など、さまざまな機能を担っています。

なかでも、「計画を練って、考え、創造し、集中する」のような、複数を組み合わせた行動をするときに、脳がフル稼働して活性化するのが前頭前野です。

前頭前野は、考えたり手を動かしたりして脳を刺激することで発達していきます。

しかし、日常的なルーティンだと脳が慣れてしまい、活性化の度合いが小さくなってしまいます。

前頭前野を活性化させるためには、いつもと違う刺激を与えることが大切。

刺激を与えられた前頭前野は、新しい行動をするために、いつもとの違いを「考え」、新しいやり方を「創造(想像)」し、やり遂げるために「集中」することで、複数の刺激が得られて活性化するのです。

刺激を与えるきっかけになる場面は、たくさんあります。

たとえば、いつもはクレヨンでお絵かきをしているしている子どもに、「今日は絵の具を使ってみようか!」のように、いつもと違う道具を提案してみるのです。

クレヨンと絵の具の違いを考えながら絵を描く体験は、お子さまの前頭前野を刺激するきっかけになりますよ。

 

2.子どもが手芸をする効果とは?

脳に刺激を与えて前頭前野を活性化するには、手芸がおすすめです。

では、手芸のどのような点が、脳の活性化をうながすのでしょうか。

手芸の特徴と結びつけて、期待できる5つの効果を紹介します。

 

2-1.創造力や想像力を刺激する

好きな形や色合いを組み合わせて、自分だけのデザインを作れるのが手芸の魅力のひとつ。

「どんな形にしようかな」「どんな色にしようかな」と考えることで、創造力や想像力が鍛えられます。

「この色を組み合わせたら、どんなものが出来上がるかな?」「公園で見かけたお花は、こんな形だったかな?」と、目に見えない形を思い浮かべる力は、先を見通す力ともいえるでしょう。

手芸の作品は、材料やサイズ、色合いなど、組み合わせを変えることで無限にアイディアが広がります。

たくさんの作り方を試行錯誤すれば、より想像力が刺激されることでしょう。

 

2-2.巧緻性(こうちせい)が鍛えられる

巧緻性(こうちせい)とは、「はさみで紙を切る」や「ビー玉を指でつまむ」のように、細かい動きをする「指先の器用さ」を意味します。

手芸の作業は、指先の細かな動作が連続するため、巧緻性を鍛えるのに最適なのです。

手芸をする動きにはたくさんの工程があり、作業の順番を考えたり、細かい手先の動きに集中したりすることで、脳に複数の刺激を与えて、前頭前野を活性化するきっかけづくりになります。

 

2-3.空間認知能力が身につく

手芸をするときに、途中で「つぎはどうやればいいのかな…?」とわからなくなるときがあります。

そんなときは、図面(作り方)をみながら作ることになりますよね。

平面に書かれている図面を読み取り、手にしている材料と照らし合わせながら、立体的な作品を作ることになるのです。

これは、頭の中で「平面→立体」に変換して、奥行きや大きさ、位置を考えるので、子どもにとってはちょっと複雑な行動です。

しかしこの作業が、物や者との距離感をつかめるようになる、空間認知能力をやしなうことにつながります。

空間認知能力が高まって上下左右や奥行がわかるようになると、地図が楽に読めるようになり、道が把握しやすくなります。

前から向かってくる人や自転車とのスピードや距離をつかめるようになり、交通事故などの危険回避もうまくなるでしょう。

このように、室内で手先を使う手芸が、より広い範囲での活動に必要な力を伸ばすことにつながるなんて、ちょっと意外なのではないでしょうか。

また、手芸は「目でみる」「やり方を覚える」「作業をする」「作品全体のバランスをみる」のように、複数の作業を並行しておこなうため、「同時処理能力」も育つのです。

 

2-4集中力や忍耐力が身につく

細かく手先を動かすときには、はさみや針などでけがをしないように気をつけたり、布と布をぴったりと合わせてくっつけたり、集中力が必要となります。

手芸の細かな作業を続けるなかで、集中力が鍛えられていくのです。

また、最後まで集中して作業を続けることで、忍耐力も育ちます。

 

2-5.コミュニケーション能力が向上する

お子さまと一緒に手芸をすると、「どうやって作るのかな?」「この色がいいかもしれないね」のように、親子でのコミュニケーションが自然と生まれます。

たくさん会話をすることで「この色とこの色を組み合わせてみようよ!」と、自分だけでは考えつかないようなデザインやアイディアも生まれることでしょう。

前頭前野には、楽しいことを創造する「前頭葉」や、感情や行動をコントロールする「中下前頭回(ちゅうかぜんとうかい)」も含まれています。

そのため、コミュニケーションをとりながら楽しく前向きな気持ちで作業をすることは、脳にもいい刺激を与えることにつながるのです。

ぜひ、お子さまと一緒に楽しみながら、手芸をしてみてはいかがでしょうか。

【手芸は、ゲーム障害の予防にもなる!?】
近年では、ゲーム機やスマホが手放せない子どもが増えてきて、使用時間や頻度を守れなかったり、ゲームのことばかり考えてしまったりする「ゲーム障害(ゲーム依存症)」が社会問題となっています。
「ゲーム障害」は、世界保健機関(WHO)が認めた国際疾病で、ゲームをやり過ぎたことで、日常生活が困難になる状態をいいます。
ゲーム機やスマホでは、「サッカーをする」「料理をする」などの疑似体験が手軽にできます。
しかし、幼児期のうちからゲーム機やスマホをやり始めると、現実でおこなう趣味に対する視野が広がりにくくなります。
リアル(現実)な趣味をもつことは、「楽しい!」「もっとやりたい!」のように、物事に対して深く知ろうとすることにつながります。
手芸は、ゲームでは得られないリアルの体験。 実際に目でみて、手で触り、指先を動かしていくことで、お子さまの「趣味の視野」を広げられることでしょう。
参考URL:神戸大学 第2回ゲーム依存症対策関係者連絡会議

 

3.子どもとの手芸にはフェルトがおすすめ

子どもと一緒に手芸をしたいと思っても、どんな手芸をすればいいのか迷ってしまいますよね。

手軽で簡単にできる手芸のなかでも、特におすすめなのが「フェルト」を使った手芸!

ここでは、3歳頃から作れる、手芸に最適なフェルトのおすすめポイントを紹介します。

 

3-1.たくさんの色がある

お店で売っているフェルトの色は、たくさんあります。

某手芸店にあるカラーフェルトの見本帳には、50色もの色見本が載っているのです!

子どもが「これを作りたい!」といったデザインでも、作品に合う色がないと再現がしにくいものですよね。

でも、色が豊富にあるフェルトであれば、作りたいものに近い色がみつかります。

ケーキやハンバーガーのように、数種類の色を組み合わせるようなカラフルなデザインも作れますよ。

 

3-2.好きな形に切りやすい

フェルトは、好きな形に切っても糸がほつれてこないのが、布とは異なる大きなポイント。

切りっぱなしにしても端がほつれないため、布端の処理は不要です。

「くるま」や「花」など、お子さまの作りたいデザインの形に合わせて、自由に切れるのです。

また、フェルト生地はやわらかくて簡単に切れるところも、おすすめポイントのひとつです。

 

3-3.ボンドで簡単に接着ができる

フェルトはやわらかい素材なので、布用(木工用)ボンドや布用両面テープを使って、簡単に接着することができます。

針や糸を使わなくても素材同士をつなげることができるので、お子さまでも簡単に作れるのです。


小学校の家庭科の授業でも、ボタンつけやミシンなどの手芸があります。

手芸は、男女関係なく身につけたいスキル。 幼少期から手芸を身近に感じることで、小学校の家庭科の授業にもスムーズにつなげられるでしょう。

 

4.子どもと一緒に、フェルトを使った手芸をしよう

 

ここでは、フェルトを使ったおすすめの手芸作品の作り方を紹介していきます。

お子さまと一緒に、おうちで簡単にできるので、ぜひチャレンジしてみてください。

 

3-1.フェルトの手芸|ストラップの作り方

小さく切ったフェルトの花びらをボンドで貼り合わせると、簡単にストラップのチャームが作れます。

ちぎり絵のような作り方なので、お子さまも楽しみながら取り組めることでしょう。

【準備するもの】

【作り方】
① フェルト(花用2色)を直径1cmの丸の形で各色5枚ずつカットする。
花の中心の色を変える場合は、底用フェルトの生地から直径1cmの丸の形1枚をカットする。
底用色画用紙1枚とフェルト(底用1色)を直径3cmの丸にカットする。

② ❶の底用色画用紙の上にボンドをつけて、5cmの紐を輪っかにしてくっつける。
底用色画用紙と紐の上に、❶でカットした底用フェルトをボンドでつける。

③ ❷でつけたフェルト面にボンドをつける。
❶でカットしたフェルトを好きに並べてくっつける。

④ 完成!


ストラップやキーチェーンをつければ、バッグなどお好きなものにつけられます。
また、花びらの形を「しずく形」にすると、違う花の形に仕上がりますよ。

 

3-1.フェルトの手芸|花のヘアゴム作り方

切ったフェルトをくるくると巻いてボンドをとめるだけで、かわいい花のヘアゴムが簡単に作れます。

葉の形を変えたり、紐をつけてチャームにしたり、自分だけの花を作ってみましょう。

【準備するもの】


【作り方】
① 花用フェルトを、4.5×18cmくらいにカット。

② 葉用フェルトは5×3cmくらいの葉の形に、底用フェルトは直径2cmの丸にカットする。

③ ❶のフェルトの長辺にボンドをつけ、細長く半分に折って端をくっつける。

④ ❸の輪っか(花びらになる)の部分を長さ1cm、幅約5mmくらいにカットしていく。


⑤カットし終えたら、端(長辺)にボンドをつけて、くるくると巻いて花の形に整える。

⑥ ❷の底用フェルトにボンドをつけて、ヘアゴムを乗せる。❷の葉の端にボンドをつけてから、ヘアゴムの上に乗せつける。

⑦ ❻の上にボンドを追加し、❺の花をくっつける。

⑧ 乾いたら完成!
ヘアゴムをつけなくても、輪っかにした紐をつければ、ストラップのチャームにもなります。 ストラップやキーチェーンをつければ、バッグなどお好きなものにつけられますよ。

作るときに気をつけたいこと

お子さまと一緒に手芸をするときに、ぜひ気をつけていただきたいことが2つあります。

①道具の取り扱い方

手芸には、はさみや針など、けがをする可能性のある道具もあります。 手芸道具を使用するときには、必ず大人が近くで見守るようにしましょう。

②からだ(姿勢)の使い方

手芸道具には、はさみや針などもあります。 もし、あぐらをかいていたり寝転んでいたり、間違った取り扱い方で手芸をすると、けがをしてしまうかもしれません。 作業をするときには、「手芸は、きちんと座った姿勢でやるもの」と教えることが大切です。

 

5.子どもと一緒に手芸を楽しもう

 

手先を動かして脳を刺激すると、「集中力・忍耐力」「創造力・想像力」「空間認知能力」「コミュニケーション能力」など、多くの発達をうながすことができます。

子どもとおうち時間を過ごすときに、手軽にできるのが手芸の魅力。

今回紹介したフェルトの手芸も、おうちで簡単に作れるものです。

お子さまも「自分でも作れたよ!」という達成感を味わえ、楽しい気持ちになることでしょう。

前頭前野を刺激しながら、お子さまと一緒に手芸を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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