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はさみの練習は何歳から?はさみの教え方や制作遊びをご紹介

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きい きい

きい

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

幼稚園、保育園、療育施設での勤務を経験し、現在は3歳息子の育児に追われる毎日です。

子どもと関わる楽しさだけでなく、育児の大変さも感じながら過ごしています。

現在は子どもと家庭菜園をしたり、お出かけを楽しんだりしながら、ブログや子育てメディアでの執筆活動をしています。

「はさみの使い方って、どうやって教えたらいいんだろう」
「そもそも、はさみの練習はいつから始めたらいいのか分からない」

このような悩みを持っている保護者の方も多いのではないでしょうか。

「保育園では2歳でやっている」「幼稚園に入ってからでも大丈夫」など、はさみの練習を開始する時期に関わる情報もさまざまなものがあるでしょう。

また、はさみの練習も“ただやらせるだけ”では、子どもが嫌になってしまう恐れがあるので、むやみに行わない方がいいかもしれません。

この記事では、子どもの年齢だけでなく、発達に合わせた練習開始のタイミングをお伝えします。はさみの使い方を伝える際のポイントや制作遊びのアイデアなど、お子さんが楽しみながらはさみの練習をするための工夫もあわせてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!

 

目次

 

1.はさみの練習を始めるのは何歳から?

はさみの練習を何歳から始めたらよいのか、さまざまな情報が溢れています。

発達の指標として「遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表」では、「はさみを使って紙を切ること」が3歳前後、「紙を直線にそって切ること」が4歳前後となっています。つまり、この時期にできていることを目安と考えるとよいでしょう。

子どもの発達は千差万別で、はさみの練習を始めるにしても個人差が大きいため、始めるタイミングは「2歳」などと年齢を基準にするのは難しいといえます。

ここでは、はさみの練習を始めるベストなタイミングについてお伝えしていきますね。

 

1-1.子どもの興味

はさみの練習を始めるタイミングの大前提として、子ども自身が「はさみに興味があること」が大切です。

「もうすぐ幼稚園だから」「周りの子はもうやっている」といった理由で、興味がないまま練習を始めてしまうと子どもは「やらされている」と感じてしまうでしょう。大人でも「やらされている」状況というのは、楽しさを感じられないですよね。

工作番組を見たときや親御さんがはさみを使っているときなど、はさみに興味を示したら練習を始める目安となります。

 

1-2.始めるには手の発達も重要

はさみに興味があっても、子どもの手が発達していなければはさみを使うのは難しいでしょう。

はさみの練習を始めるポイントとなる手先の発達基準として、以下の内容が挙げられます。

  • スプーンやフォークをしっかり持てる
  • 手をグーパーと動かせること

手先の発達により「はさみをしっかり持てる」「はさみを開いたり閉じたりできる」ということにつながります。

子どもがはさみに興味があり、ある程度、手先が発達しているのなら、はさみの練習を始めてみてくださいね。

はさみを始めるタイミングのポイント!

興味と手先の発達の両方が揃っているのならば、はさみの練習を始めるといいですね。

「まだ不器用だから」「危ないから」という理由で、はさみの練習を始めないのは、子どもが発達する機会を失うことにつながるかもしれません。子どもが興味を示し、やる気のあるときが成長しやすいタイミングです!

 

 

2.はさみを使うときには約束を守ることも大切

はさみは刃物であるため、怪我のリスクがありますよね。そこで、はさみを使うときには約束を守ることも大切です。

これから紹介する5つの約束を都度確認し、安全に配慮してはさみを使用しましょう。

 

2-1.保護者と使う

はさみは、保護者と使うようにしましょう。好奇心旺盛な子どもは、驚くべき使い方をするものです。

子どもの怪我を防ぐためにも、保護者がそばで見守ることが大切です。

子どもがはさみを使っている時にそばで見守ることで、難しい時にさっとフォローしたり、アドバイスしたりできるため、子どもの上達も早くなるでしょう。

「動かし方がスムーズになった!」「連続で切れるようになった!」などと成長を見れる喜びもありますね。「見て~」と子どもの気持ちに寄り添うことやその場でほめてあげることが出来るため、親子のコミュニケーションの場にもなりますよ。

 

2-2.はさみは座って使う

はさみは、座って使うようにしましょう。立ったまま使ってしまうと持ち歩きやすい状況となるため、「転倒」や「兄弟に接触」「床に置き去りにしてしまう」などといったことから、怪我を誘発します。

子どもは集中力が短いため「つい」動いてしまうのです。「立っちゃダメ」と指摘する前に、座ってできる環境が整えられるといいですね。

また、大人が使う姿もよく見ているので、保護者の方が意識して座って使うのを見せて見本となることもポイントです。

 

2-3.人に向けない

はさみを人に向けないことも、大事な約束です。はさみで怪我をしてしまうだけでなく、怪我をさせてしまうリスクがあります。

「なぜ危ないのか」理由もあわせて伝え、子ども自身が理解できることが望ましいですね。当たり前だと思われることも、子どもにとっては初めてのことになるので、一つずつ丁寧に伝えていかねばなりません。

 

2-4.はさみを使い終わった後の約束

はさみを使い終わった後の約束もあわせて伝えましょう。

  • はさみの刃を閉じる
  • (あるものは)キャップを付ける
  • はさみを置きっぱなしにしない

この3つの約束を守ることで怪我の発生やはさみの紛失を防ぎ、片付けの習慣化につながります。

始めのうちは、保護者の方が見本となり一緒に行うとスムーズです。はさみを使い終わった後の約束も習慣にできるよう、根気強く伝えていきましょう。

 

2-5.人に渡すときの方法

約束の一つとして、「渡し方」もあわせて伝えることが必要です。保護者の方が「チョキチョキする方を持とうね」と言葉を添えながら渡したり、手を添えて一緒にやってみたりして教えてあげましょう。

約束のポイント!

始めのうちは、約束が覚えられず間違った方法で使ってしまうこともあることでしょう。指摘ばかりせず「~して使うといいよ」「~するんだったね」と優しく、根気強く伝えることが大切です。

また、子どもが勝手に使ってしまわないように、手の届かないところに収納することも必要になります。はさみの練習スタートにあわせて、収納場所の検討もしておきましょう。

 

 

3.はさみの練習5ステップと楽しめる制作遊びを紹介

いよいよ、はさみの練習開始です。子どもが楽しみながら上手に使えるようになるには、正しいステップを踏んでいくことがポイントとなります。

実際に幼稚園で行っていた5つのステップと制作遊びを紹介しますので、参考にしてくださいね。

 

3-1.約束の確認・はさみを動かす練習

最初に約束を確認してから、練習を始めます。「初めて」なので、持ち方から丁寧に教えてあげるといいですね。

持ち方のポイントは2つ。

  • 1つの穴に親指、もう1つの穴に人差し指・中指(中指・薬指)を入れる
  • 親指が上になるように持つ

動かす練習は3つの順を意識してみてください。

  1. 大人がやって見せる
  2. 大人が手を添えて、一緒に動かす
  3. 自分で動かす

動かす際には、「チョキチョキ」「(はさみを)パクパク」「(手を)グーパー」などと、動きに合わせた声をかけてあげましょう。子どもがイメージしやすい言葉を探してみてください。

練習を始めたばかりの時は、持ち方や動かし方を間違えてしまうこともあります。見守ったり、そっと手を添えて正しい形に直してあげるといいでしょう。指摘ばかりでは「やってみたい!」という意欲がなくなってしまいます。

 

3-2.一回切り

いよいよ、紙を切ってみる段階です。一回切りから始めます。

一回切りというのは、1~2cm幅の紙を用意し一度の動きで切ることです。折り紙などの薄い紙より、画用紙のほうが安定しており切りやすいです。また、最初のうちは紙を持つところは保護者の方がやってあげるとよいですね。

ほかにも、毛糸や粘土なども一回切りの練習に向いています。切るときは「チョキン!」と動きに合わせて声をかけてあげましょう。

動かすことができれば比較的簡単に切ることが可能です。そのため「切れた!」「できた!」と達成感を味わうことができ、最初のステップとして失敗せず取り組めます。

一回切りにおすすめめの制作遊びは「ビニール袋風船」「お料理ごっこ」です。

ビニール袋風船

透明のビニール袋に切った紙をたくさん入れ、膨らまして結ぶだけ。簡単にもかかわらず、作って遊ぶ楽しさが感じられます。

お料理ごっこ

切った紙を食材に見立てて遊びます。おままごとに使ってもよいですね。幼稚園の制作遊びでは、赤くしたでんぷんノリをソースのように塗り、食材を乗せてピザを作りました!

準備は必要ですが、自分で切ったものが作品になりワクワクすることでしょう。

 

3-3.連続切り

一回切りが上達してきたら、切る距離を長くしていきます。少しずつ長くしていくことで、お子さんにとって負担なく進められるでしょう。

最初のうちは「チョキン!」と一回切りの動作で大丈夫です。少しずつ、「チョキチョキ」と刃を閉じ切らずに進めながら切れるよう、見本をみせたり、手を添えて一緒にやってあげたりすると分かりやすいですよ。

このステップでおすすめな制作遊びは「ポテト屋さん」です。幼稚園ではお店屋さんが始まり、大盛り上がりでした。

黄色い紙を細長く切ってもらい、赤い紙コップに入れるだけ!子どもがイメージしやすく、大好きなので大喜びです。

 

3-4.線に沿って直線切り

線にそって切ることは、「線を見て」「はさみを線に合わせて」「ずれないように調整して」「はさみを動かす」と、分割するとたくさんの要素があります。

子どもに声をかける時は、それぞれの要素を意識して伝えると分かりやすいです。このステップでも無理をせず、少しずつ長くするといいですよ。

線を直線に切るだけでも、さまざまな制作が可能です。切ること自体が遊びになったり、切るだけで作品になったりするので、飽きずに楽しめる段階でしょう。

子どもの方がアイデアを持っていることもあるので、一緒に作るものを考えても楽しいですよ。

 

3-5.線に沿ってさまざまな形を切る

人間発達研究所『ハサミによる円の切り抜き行動の発達的変化』によると、『円の「切り抜き」自体は4歳ごろに可能であるが不完全であり、いわゆる丸く切ることが可能になるのは5歳以降に本格化する』と記されています。

直線と違い、曲線を含むさまざまな形を切ることは動きの微調整が必要なので、大人が思っている以上に難しいのです。練習段階では、完璧を求めず子どもが「試行錯誤」する工程そのものを評価してあげるとよいでしょう。

線の形は直線で構成されたもの(ギザギザ、三角形、四角形等)から、曲線で構成されたもの(円、渦巻き、ハート等)にステップアップしていきましょう。また、さまざまな形を切る時には、「紙を動かすよ」と教えてあげることも重要ですよ。

ここで紹介する遊びは「構成遊び」です。

円や三角形、四角形などを紙に並べたり貼ったりして、イメージを広げて形にしていきます。想像力も豊かになります。苦手な子もいるので、「車」や「お花」などのアイデアを提示したり、保護者の方が一緒に作ったりしてフォローしてあげましょう。絵を書き足すのも楽しいです。

声掛けのポイント!

子どもがはさみを使うのは「初めて」ということを忘れずに、「チョキン」(一回切り)「チョキチョキ」(連続切り)など分かりやすい言葉を選んで伝えてあげましょう。

また、子どもは「聞く」よりも「見る」方が分かりやすいので、見本を示してあげると理解もスムーズになりますよ。はさみを「やらせる」のではなく、「楽しく使う」ことを意識して伝えられるといいですね。

 

 

4.初めて使うはさみの選び方

子どもが使うはさみとして、子ども用ステンレス刃のものを選ぶとよいでしょう。

はさみは文具屋さんや子ども用品店、ネットショップや百円ショップなどさまざまな場所で手に入ります。選び方を間違えると子どもが使いづらく、怪我や苦手意識につながってしまいます。はさみの種類と特徴をご紹介しますので、参考にしてくださいね。

 

4-1.プラスチック製はさみ

持ち手から刃先まで、すべてがプラスチック製のはさみがあります。
怪我をしにくいというメリットが挙げられますが、切れ味が悪く、紙を切った感覚も分かりづらいです。切る練習や工作に使用するには向かないと言えます。

まだお子様が小さく、ステンレス製のものを使うことに抵抗がある場合に選ぶとよいでしょう。はさみの約束や手の動かし方を知らせ、ステンレス製のものにステップアップするという使い方に向いています。

 

4-2.ガード付きはさみ

ステンレス刃にプラスチックのガードが付いたはさみです。

プラスチック刃に比べて切れ味がよいことに加え、ガードがあることで怪我のリスクが軽減されます。刃先までガードが付いているものやプレート状のガードが付いたものなど、ガードの形状もさまざまです。

切れ味と安全性の両面が担保されているため、初めてのはさみとして安心感が高いものになるでしょう。

 

4-3.ステンレス製はさみ

ステンレス製はさみは、一般的なはさみで、幼稚園や保育園でも多く使われています。

ステンレス製のはさみは怪我の危険性が高いですが、本来はさみは「切る」ための道具です。子ども自身が危険に気づき、意識を向けることも必要な能力です。この能力を養うためには、ステンレス製のはさみが適当でしょう。

保護者の方が安全に使えるよう見守り、子ども自身に危険を伝えていくことが非常に重要です。

選び方のポイント!

子ども用のはさみの種類は多いですが、以下の確認も忘れないようにしましょう。

  • 安全性
  • 素材
  • サイズ

気に入ったはさみの中から、子どもが喜ぶカラーやデザイン(キャラクター)のものを選ぶと、やる気アップに繋がるでしょう。

 

 

5.はさみの練習で保護者が意識すること

はさみの練習をするにあたり、行動や声掛けなど保護者の方も意識する必要があります。

5-1.目を離さない

先にもお伝えしたように、子どもがはさみを使うときにはそばで見守ることが必要です。
少し目を離しただけでも、怪我をしたり、唐突な行動をしたりする可能性があるからです。

はさみを使用するのは保護者の方が見守る余裕があるときに、一緒に行いましょう。

 

5-2.収納場所

はさみは子どもが勝手に使わないよう、手の届かないところに収納しましょう。
はさみへの興味関心が高まることで、一人で使おうと出してしまうからです。

大人用のはさみを安全な場所に収納することも忘れないようにしてください。

 

5-3.声をかけすぎぎない

子どもがはさみを使用している時には、声のかけすぎに注意しましょう。子ども自身で「どうやったらいいかな?」「こんな風にやってみよう!」など、たくさん頭を使うのです。

つい、「ちゃんと持って!」「もっと真っすぐ!」など指摘したくなりますが、見守ることで子ども自身の新たな発見につながります。

声をかける時には「切れたね!」とほめたり、「こうすると上手にできるよ。」とアドバイスしたりするよう心がけるとよいですね。

保護者が意識するポイント!

お伝えした3つのことを意識すると、「子どもの安全を守ること」「学びを保証すること」ができますよ。子どもがはさみに対して「楽しい!」と思えるようにサポートしてあげてくださいね。

 

 

6.お子さんの様子に合わせてスタート&練習を!

この記事では、はさみを始めるタイミングや練習のステップをご紹介しました。

お子さんがはさみに興味を持ち始め、食具を上手に使い、なおかつグーパーと手を動かせるようなら始め時です。はさみを安全に使えるよう見守りながら、楽しく取り組めるようにサポートしてあげてください。

おうちではさみを練習し、はさみは「苦手」ではなく「楽しい」と感じてほしいですね。

 

・非認知能力がどうして大事なの?効果は?

・情報を知ることがどうして大切なの?

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参考文献
・遠城寺宗徳,2009,『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法 九州大学 小児科改訂新装版』,慶応義塾大学出版会

 

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