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おうちでできるSTEAM教育!~発達に合わせたSTEAM遊びをご紹介~

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yurinako

  • 幼稚園教諭
  • 小学校教諭
  • 子育て支援員
  • 司書教諭

小2と年長の娘のママ。

小学校教員として15年間勤め、小学1年生から6年生までの担任を経験し、

のべ1500人以上の子どもたちを指導してきました。

小学校教諭、幼稚園教諭、司書教諭、子育て支援員の資格を持っています。

親子で一緒に、本やダンス・料理を楽しんでいます!

近頃、教育・子育ての本やメディアで取り上げられることが多い「STEAM教育」。
「特別な習い事に行かなきゃいけないのかな」「何歳から始めた方がいいのかな」と感じていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、STEAM教育の初めの一歩は、おうちでの遊びや日常生活の中にたくさん溢れています。

おうちの方のちょっとした声掛け・仕掛けで、お子さんが新たな発見をしたり、ものの仕組みを考えたりすることができますよ

今回は、おうちで簡単にできるSTEAM遊びをご紹介していきます。

 

目次

1.STEAM教育とは何か

 

そもそもSTEAM教育とはどんなものなのでしょうか。

まずは、STEAM教育とはどんなものか、おうちSTEAMで身につく力、そしておうちSTEAMを見守る大人の心の準備について、お伝えします。

 

1-1.「STEAM」は5つの略称

「STEAM」は、5つの要素の頭文字を組み合わせた造語で、それぞれ、

S=Science(科学)
T=Technology(技術)
E=Engineering(工学・ものづくり)
A=Art(芸術・文化等)
M=Mathematics(数学)

を表しています。

AI時代・そして持続可能な社会を生き抜いていく世代である子どもたち。

そんなこれからの社会の変化にも対応できる人間に育てるため、STEAM教育が提唱されました。

子どもが自分で課題を見つけ、自分なりの解決方法を考え、自分で実践していくというスタイルを大切にすることで、論理的思考力や問題解決能力を育む教育手法です。

プログラミング教育もSTEAM教育の1つと言われています。

 

 

1-2.おうちSTEAMのメリット

子どもたちの毎日には、STEAMの要素があふれており、おうちで取り組めることがとてもたくさんあります。

おうちSTEAMのメリットを2つご紹介します。

 

①おうちにあるものやいつもの場所でできる

おうちSTEAMには、それ専用のキットや教材は必要ありません。

普段お子さんが使うおもちゃ、家にある家事道具、いつも行く公園やお店が教材ですので、初期投資は必要ありません。

お子さんの興味が広がり、「もっとやってみたい!」「もっと調べたい!」となったらそれに応じた道具を用意していけばよいです。

 

②STEAMは私たちの日常に密接な出来事だと捉えられる

お子さんにとって当たり前にある身近なものを使って、科学・技術・数学などの基礎になる仕組みに触れさせます。

すると、似たようなものに出会ったとき「あのおもちゃもこんなふうにできているのかな」「この間やったことと似ているからできそう!」と連想することができます。

日常の中に科学や技術などの要素を見つけることができるようになり、学びを身近なものとして捉えることができるようになります。

 

1-3.おうちSTEAMを「見守る」、大人の心の準備

「教える」や「指導する」ではなく「見守る」と表現したのには、理由があります。

おうちSTEAMでは、必ずこれを理解させるという明確な目標があるわけではありません。

あくまでも、STEAMの見方・考え方に触れさせるというのが目的です。

また、大人が解決法や答えを教える必要はありません。

子どもなりに考える経験をたくさん重ねること、知りたいことは自分で試したり調べたりすることが、ゆくゆくの問題解決能力や自主性につながります

同じテーマでも、たった1回の声掛けだけでとても興味を持ち「もっと、もっと!」と探求していくお子さんもいれば、何回誘っても全く関心を示さないお子さんもいます。

それでいいのです。無理強いする必要はありません

「今この子は違うことに興味が向いてるのね」と捉えましょう。数か月してもう1度同じ声掛けをするとハマることもあります。

そして一つでも強く関心をもつものがあれば、継続したり深めたりして、さらに世界を広げていくことができます。

お子さんの“大好き”を見つけるために、様々な遊びに触れるチャンスを作ってあげましょう。

 

ここからは、おうちでできるSTEAM遊びのアイデアをご紹介します。
お子さんの年齢や発達に合うものを試してみてくださいね。

 

 

2.おうちでSTEAM遊びアイデア―science(科学)編―

科学的な思考に大切なのは、「なんでこうなるの?」という疑問、「これが動いたからこっちも動くんだ!」という因果関係の理解です。

お子さんなりの「なんで?」という疑問に付き合ってあげることがポイントです。

 

2-1.色まぜ遊び

・対象
2歳ごろ~

※ペットボトルからコップに水を注ぐことができればOKです

・準備する物
絵の具、または色鉛筆、またはジュースなど

 

■遊び方

①ペットボトルに水を入れ、絵の具を溶かして色水を作ります。色は赤・青・黄色(三原色)がおすすめです。

②紙コップやおままごとのコップに注いで、混ぜていきます。

★絵の具を口に入れてしまいそうで心配な場合は、オレンジジュースとカルピス、コーヒーに牛乳を入れるなど、飲み物でも大丈夫です。

 

■ねらい

混ぜると変化が起こることを実感させるのがねらいです。

「赤に黄色を入れるとどうなるかな?」と予想させたり、「混ざったね!これは何色?」と考えさせる声掛けをしましょう。

まだ色の名前がわからないお子さんの場合は、「これは何に似ている色かな?」「ほんとだ、みかんの色だね」と身近なもので例えるのもいいですね。

 

 

2-2.煙の謎

・対象
3歳ごろ~

・準備する物
なし

 

■遊び方

①水蒸気が白い煙のように見える現象に関心を持たせます。

お子さんが認識しやすいものから順に

・お風呂のお湯から立ち上る湯気

・寒い日に「はぁ~」と息を吐いたときの呼気

・ドライアイスから出てくる二酸化炭素

などがあります。

②お子さんが「煙だ!」と関心を持った時に、「ふーって吹いてみようか」「どうやったら白い息が出たの?」と楽しんでみましょう。

 

■ねらい

何度も繰り返すうちに、寒い日だけ呼気が白くなる、水だと湯気が出ないなど、お子さんなりの発見につながります。

中には、「お風呂が雲みたい!」など天気との関連にも気づく子もいます。

お子さんが特に聞いてこなくても、「雲の仕組みはね…」と教える必要はありません。

「白い煙」について考えた経験が、のちの学びに結び付いていきます。

 

 

3.おうちでSTEAM遊びアイデア―technology(技術)編―

私たちの身の回りにあるものは、先人の知恵や研究によって作られています。

「どんなふうになっているんだろう?」「どうしてこうなるの?」と、物事の仕組みや因果関係を考えることが、テクノロジーの第一歩になります。

 

3-1.磁石で遊ぼう

・対象
3歳ごろ~

・準備する物
磁石

 

■遊び方

①磁石を使って、くっつくものとくっつかないもの探しをしてみましょう。

まずは、お子さんのおもちゃからチャレンジです。

次は、文房具やキッチン用品など、お子さんが触れたことのあるものを試してみましょう。

電化製品など、磁石をつけると壊れやすい物があることも知らせると良いです。

 

②磁石に慣れてきたら、今度はどんなものを挟むことができるか調べてみましょう。

厚さの違う紙や布、プラスチックなど、いろいろなものを挟んで、磁石がくっつくかどうか試してみます。

 

★ねらい

ご家庭の冷蔵庫に、マグネットはありますか?

保育園や幼稚園から配布されたお便りなど、見落とさないように掲示していることも多いですよね。

どんなものに磁石がくっつくか試していると、「銀色のものにはよくくっつくなあ」など、子どもなりに規則性を見つけていきますよ。

 

 

3-2.中はどうなってる?

・対象
3歳ごろ~

・準備する物
野菜や果物、使わなくなった文房具など

 

■遊び方

例えば野菜や果物なら、次のように進めていきます。

①まず切る前の状態の形や色を観察します。

「これなーんだ。れんこん、当たり~!」

②切ったらどんな形か・色か予想します。

「れんこんの中ってどうなってるのかな?」

③お子さんが切る方向を考えてみましょう。

「どんな向きで切りたい?」

④半分に切り断面を観察してみましょう。

「穴が開いてるんだね/あれ?縦長の穴が開いてる」

 

他にも、子ども用おもちゃの電池交換をしたり、使わなくなったボールペンを分解して中の仕組みを調べたりするのも楽しいですよ!

 

★ねらい

物の仕組みや構造に関心を持たせる遊びです。

外から見た姿だけではわからない中の仕組みに関心をもつことができます。

 

 

4.おうちでSTEAM遊びアイデア―engineer(工学)編―

「工学」とは、「 工業に役立てることを目的として、新製品や新技術を研究する学問」のことです。

「電子」工学、「人間」工学などと何のための工学なのか表現されることが多いです。

物を操作して組み立てたり、どう動かすとどのように変化するか想像したりすることで、空間認知能力・創造力につながります。

 

4-1.空き箱遊び

・対象
2歳ごろ~

・準備する物
お菓子などの空き箱

様々な大きさ・形があると良いです。

 

■遊び方

①まずは、箱を高く積み上げて遊んでみましょう。

・バランスをとるにはどうしたらいい?

・大きい箱を先に、小さい箱は後から積むと高く積むことができる!

・横向きではなく縦向きに積むと高くなる!

など、高く積むという目的があると、子どもは様々なポイントを意識します。

 

②お子さんが箱を重ねたり並べたりして何かを作っているような様子が見えたら、「今何を作っているの?」と聞いてみましょう。

お子さんのイメージの中ではお城かもしれないし、新幹線かもしれません。

このように、何かに見立てて遊ぶことを「見立て遊び」といいます。

大人が「○○を作ってみたら?」と勧める必要はありません。

お子さんのイメージしている世界観を、一緒に楽しんであげましょう。

 

★ねらい

初めは慣れなくても、繰り返すうちにどうやったら高く積むことができるか、ポイントを意識し始めます。

それまではじっくりと見守ってあげましょう。

「見立て遊び」は想像力にもつながる遊びです。

お子さんを見守りながら、お父さん・お母さんも一緒に楽しみましょう。

 

 

4-2.タングラム遊び

タングラムとは、三角形と四角形のパズルです。

正方形を四角形や三角形(全7ピース)に切り分けたものを使って、いろいろな形を作ります。

・対象
4歳ごろ~

・準備する物
タングラムカード

市販の物、または折り紙でつくってもOKです。

 

■遊び方

①初めは、三角形のピースを見て、「これは何の形かな?」「おにぎりに見えたんだね」など、見立て遊びをしてみましょう。

②次は2つのピースを使います。例えば、正方形の上に三角形を乗せると、家の形に見えます。

③慣れてきたお子さんには、お手本カードを見せ、その通りにタングラムを並べられるか、チャレンジしてみることもできます。

 

★ねらい

ピースを組み合わせる際には、辺の長さが同じピースを探したり、組み合わせると直角になるピースを見つけたりする必要があります。

お子さんは謎解き感覚で遊びながら、自然と図形の基本的な感覚が身についていきます。

 

 

5.おうちでSTEAM遊びアイデア―art(芸術、文化)編―

お絵描きや工作が大好きなお子さんは多いですよね。

今回は、身近にあるものを別のものに見立て、イメージを膨らませながら行う見立て遊びをご紹介します。

美術やデザインを身近に感じるきっかけになるでしょう。

 

5-1.お顔を探そう

・対象
2歳ごろ~

・準備する物
丸シールと油性ペン

丸シールは100円ショップなどで購入することができます。

 

■遊び方

①まずは身の回りにある「顔」を探してみましょう。

自動車を正面から見ると、顔に見えたことはありませんか。

ナンバープレートが口、ヘッドライトが目のように見えます。

車が主人公のアニメ映画もありますよね。

他にも、家や町の中には、顔に見えるものがたくさんあるので、見つけてみましょう。

 

②白の丸シール2つに、油性ペンで目を書き、お子さんのおもちゃや、家で普段使っているものに貼ってみましょう。

普段当たり前に使っているものに目のシールを貼ることで、物にも表情が出て、命が吹き込まれたように感じられます。

油性ペンで目を書くときに、ウインクした目、驚いた目など工夫すると、さらにお子さんは盛り上がるでしょう。

 

★ねらい

顔を作りだす遊びもお子さんには楽しい見立て遊びの1つです。

本来の使い方とは視点を変えて捉えることで、固定観念のない柔軟な考え方や多様なものの見方ができるようになります。

 

 

5-2.何に見えるかな?

・対象
4歳ごろ~

・準備する物
紙、クレヨンやペンなど

 

■遊び方

①紙に、三角形や丸など、おこさんにとって身近な形をいくつか描きます。

②何に見えるかお子さんに聞き、お子さんの答えたものを書き足して絵を描いていきます。

例えば、丸を縦に2つ重ねたものを見て、「これ何に見える?」と聞いてみます。

「ゆきだるま!」と答えたらバケツや枝を書き足します。「お団子!」と答えたら、串やお皿を書き足します。

 

もっと難しいことを望むお子さんもいますよね。

そんなときは、最初の形からお子さんに任せてみましょう。

 

③「10秒間、紙にぐちゃぐちゃを描いてね」と伝え、無意味な線を描いてもらいます。

ぐちゃぐちゃ・ぐるぐる・ギザギザ…何でもいいのです。

そこから何が見えるか考え、絵を描き足していきます。

 

★ねらい

これも見立て遊びの1つです。

何に見えるか聞かれると、お子さんの頭の中では、〇が2つ並んでいるものの情報をフル回転で集めます。

この思考が、記憶力・想像力につながります。

 

 

6.おうちでSTEAM遊びアイデア―math(数学)編―

日常の中にある、数や量に注目しましょう。

特にお子さんの好きな食べ物なら、より平等に分けたいという思う「必要感」が生まれるので、取り入れやすいです。

お子さんに必要感が生まれた時が、学びどきです。

 

6-1.みんなで分けよう

・対象
4歳ごろ~

・準備する物
個数を数えられるもの:いちご・クッキー・ミートボールなど

量を数えられるもの:ピザ・ジュースなど

 

■遊び方

①用意したものを必要な人数分に分けていきます。

いちご・クッキー・ミートボールなどは、「1,2,3…」と個数を数えながら分けていきます。

ピザやジュースなどは量を比べるので、個数ものよりも高度な考え方です。

どのように切り分けると等分できるか、考えながら、一人分、二人分…と分けていきましょう。

「おねえちゃんだけ多いのはずるい!」など、公平であることの大切さを感じられるようになってきたお子さんにおすすめです。

みんなで分けよう、という感覚をもっていないお子さんには、まだ早いかもしれません。

 

★ねらい

ポイントは、個数ものと量もののどちらも扱うことです。

みんなで等しく分けるという経験が数・割り算・分数・面積の概念につながります。

 

 

6-2.トランプ遊び

・対象
4歳ごろ~

・準備する物
トランプ

 

■遊び方

数字を読む必要性がある遊びがおすすめです。

お子さんのレベルに合わせて使うカードを減らしたり、増やしたりしてみてください。

 

①神経衰弱

・まずはA,J,Q,Kを使わずに遊んでみましょう

・最初はハートとダイヤなど2つのマークだけにしてあげると配置が覚えやすいですよ

②神経衰弱

③七並べ

④ババ抜き

⑤ジジ抜き

(①~⑤:難易度の易しい順)

 

★ねらい

トランプを使うと、数字を読むことに慣れていきます。

スピードは求めずじっくり考える時間を確保してあげましょう。

 

 

7.おうちSTEAM遊びのすすめ

今回は、おうちでできるSTEAM教育についてご紹介しました。

お子さんの日常生活の中には、STEAM教育のベースになるものがたくさんあります。

そこにちょっとした声かけやしかけを加えることで、お子さんの考えがぐっと深まったり、新しい物の見方ができるようになったりします。

家で過ごす時間が長くて飽きてしまったとき、テレビやYouTubeばかりを見せるのもなあ…と感じたとき、ぜひチャレンジしてみてください!

 

 

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