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【3歳】おすすめ絵本12選!絵本に合わせた読み聞かせ方のコツも解説

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  • 保育士

5学年差姉妹のママ。

元塾講師。在職中に保育士資格を取得しました。

佐々木正美先生の『子どもへのまなざし』シリーズが子育てのバイブルです。
自治体の子ども読書活動推進懇話会委員、学校の読み聞かせボランティアとしても活動しています!

「子どもに良い絵本を与えたいけれど、絵本がたくさんありすぎてどうやって選んだら良いのかわからない…」そんなお悩みはありませんか。

3歳のお子さまへの絵本選びに迷っている方へ、3歳の子どもの発達の様子と、絵本を選ぶ際のポイントをもとにおすすめの絵本をご紹介します!

またそれぞれの絵本のレビューや読み聞かせのコツも一緒に紹介しています。

「3歳時期の発達に合う絵本ってどんなもの?」「3歳児が興味を持つ絵本は?」といった視点でおすすめの絵本をセレクトしました。

3歳のお子さまとの楽しい絵本タイムの参考にしてくださいね!

 

 

 

目次

 

1.3歳児ってどんな時期?~発達段階を理解して絵本を選ぼう~

 

 

3歳児はことばのやり取りが次第にスムーズになり、 知的好奇心も高まります。

絵本に出てくるフレーズを真似して繰り返したり、新しく知った言葉や知識に興味を持ち、「なぜ?」「なに?」とい質問を盛んにしたりするようにもなります。

また、自分自身を認識し始め、家族や友だち、先生などとの関係も理解し始めます。

そのためストーリーが分かるようになり、絵本に登場する人物や動物と自分を重ね合わせたり、想像を膨らませたりすることが増えます。

読み聞かせる側としても、子どもの反応がより楽しくなる時期ですよね!

ではそんな3歳児にぴったりの絵本はどのようなものなのでしょうか。絵本の選び方を次で確認してみましょう。

 

2.絵本選びの3つのポイント~3歳児に合った絵本とは?~

 

2-1.ストーリー性のある絵本を選ぶ

この時期、ことばの数はますます多くなり、簡単な物語の内容が理解できるようになってきます

ぜひストーリー性のある絵本を選んでみましょう。

最初は、短いストーリーが何度もくり返され物語が展開していくものがおすすめです。

たとえば「おおきなかぶ」や「てぶくろ」、「はらぺこあおむし」などがこのタイプにあたります。

登場人物や場所が少しずつ変化しながら、同じ流れのくり返しで物語が進んで行くものは、次の場面を想像しやすく子どもが最後まで集中して読んだり聞いたりできます。

短いストーリーの繰り返しに慣れてきたら、一冊を通して長くストーリーが展開するものに挑戦していけると良いですね。

ストーリー性のある絵本を楽しみながら、子どもの想像力もどんどん膨らんでいきます

 

2-2.子どもが好きなものに関連する絵本を選ぶ

普段お子さまはどんなものに興味を持っているでしょうか。

のりもの、プリンセス、昆虫、お花、おままごとなど、興味の対象はそれぞれですね。

3歳頃は自分の「好き」がはっきりし始める時期でもあります。

大人が良いと思って与えた絵本も、子どもが興味を持ってくれなければ、残念ながらお蔵入りになってしまうこともあるでしょう。

なかなか絵本に興味を示してくれないときは、図鑑や物語など種類は問わず、好きなものが題材になっている絵本を優先して選ぶのがおすすめです。

自分が好きなものに関する絵本に触れることで、「絵本は楽しいもの」というイメージを持ってくれます。

「絵本は楽しいもの」というイメージは、子どもが本好きになる大きな助けとなります。

 

2-3.長く読み継がれている絵本を選ぶ

絵本業界では、年間1000作品以上の新作が出版されますが、残念ながらその分絶版になってしまう作品も多いのが現実です。

そんな中、数十年にわたって読み継がれている絵本には、「テーマに普遍性がある」「物語が秀逸である」「絵だけでも物語が雄弁に語られている」など、選ばれ続ける理由があります。

「どうしても絵本が選べない」というときは、初版発行年が20年から30年以上前の絵本を手に取ってみてください。

お母さん、お父さんご自身が、子どもの頃読んでもらった記憶がある絵本を見つけられたら、それを読んであげるのもとても良いですね。

時代を経て読者に信頼され続けている絵本に親子で触れることは、間違いなくプラスの経験となるはずです。

そのほか、ことばのリズムを楽しむ絵本やしかけが楽しい絵本も、ことばや絵本のおもしろさを体験できるのでおすすめですよ。

 

3.3歳児におすすめのおすすめ絵本12選~読み聞かせのコツもご紹介~

選び方のポイントをもとに、3歳のお子さんにおすすめの絵本を5つのグループに分けて12冊セレクトしました。

簡単なあらすじに加えてレビューと読み聞かせのコツもご紹介していきます。

 

3-1.短いストーリーの繰り返しで物語が展開していく絵本
3-2.子どもの「好き」や興味に関連する絵本
3-3.長年親しまれている絵本
3-4.ことばのリズムを楽しむ絵本
3-5.しかけが楽しい絵本

 

3-1.短いストーリーの繰り返しで物語が展開していく絵本

1.どうぞのいす (作/香山美子 絵/柿本幸造)

あらすじ

うさぎさんが作った「どうぞのいす」。

とおりかかったろばさんは、ひろってきたどんぐりを「どうぞのいす」の上に置いておひるねを始めます。

そこへいろんな動物がかわりばんこにやってきて、いすの上のものを食べては、自分のもっていたものをいすの上に置いていきます。

目が覚めたろばさんは、かごの中のくりをみてびっくり。

動物たちのかわいい親切のリレーに、心が温かくなるお話です。

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感想

娘が保育園で読み聞かせてもらい、家でも読みたいとせがまれて購入しました。

ろばさんの最後のセリフ「あれれれぇ。どんぐりってくりのあかちゃんだったかしら。」が大好きで、その部分はいつも一緒に声に出して読んでいます。

何度も「読んで」とリクエストされる、娘のお気に入りの絵本です。

 

おすすめポイント

短いストーリーがテンポよく展開する

「いすの上のかごの中身を食べてしまった動物が、自分の持っていた食べ物をかわりに置いていく」という短いストーリーがくり返されます。

動物たちがおいしそうに食べる様子や、次々とテンポ良く食べ物が別のものに変わっていく内容が、子どもの興味をひきます。

 

読み聞かせのコツ

絵をじっくりみせながら読む

最初から最後まで文章が絵本の左側に配置されているので、子どもに絵を見せながらでも読みやすいです。

文字のないページは、子どもの気がすむまでじっくり見せてあげましょう。

 

2.ちょっとだけ(作/瀧村有子 絵/鈴木永子 )

あらすじ

あかちゃんが生まれてお姉さんになったなっちゃん。

お母さんが忙しそうにしているのをみて、してほしいことがあても自分ひとりでやってみます。

そして「ちょっとだけ」成功します。

でも眠くなった時だけはお母さんに甘えたくて「“ちょっとだけ”だっこして…」とお願いします。

お母さんは「いっぱいだっこしたいんですけど いいですか」と、いっぱい抱っこしてくれました。

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感想

この本を読み聞かせると、姉妹がお互いに対して少し優しくなります。

そして「お姉ちゃんだから」と上の娘につい甘えてしまっている自分を反省します。

読み聞かせた後は、お姉ちゃんも妹も、いっぱいぎゅーっと抱っこしています。

 

おすすめポイント

共感できる短いストーリーがくり返される

「してほしいことがあるけれど、お母さんが忙しそうだから自分でやってみて、ちょっとだけ成功する」、という短いストーリーがくり返されます。

さみしいと思いながらも、自分でできることが増えて誇らしい気持ちに共感する子どもも多いでしょう。

でもやっぱりお母さんが大好きで、お母さんに抱っこして欲しいのです。

赤ちゃんと一緒にお姉ちゃん、お兄ちゃんになったお子さんも膝の上にのせて、時には赤ちゃんが寝ている間にお母さんを独り占めさせてあげて、ぎゅっと抱きしめながら読んであげてくださいね。

読み聞かせのコツ

ぬくもりの中でことばを伝える

お子さんとくっついて、お子さんの体温を感じながら、ゆっくりじっくりと読み聞かせて見てください。

絵本に書かれていることばをそのまま読むだけで、お母さんの気持ちがお子さんに伝わるはずです。

 

3-2.子どもの「好き」や興味に関連する絵本

3.ころちゃんはだんごむし(作/高家博成・仲川道子)

あらすじ

だんごむしの兄弟の中で一番小さい末っ子のころちゃんは、お兄さんお姉さんたちとお散歩に出かけます。

途中でお兄さんたちとはぐれてカマキリに襲われてしまいますが、丸くなってなんとかピンチを切り抜けます。

虫の生態も学べる冒険ストーリーです。

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感想

他の昆虫は苦手でも、だんごむしは触れる我が家の娘たち。

絵本のおかげで、生態にも興味を持つようになりました。

 

おすすめポイント

虫が好きなお子さんの興味を引くストーリー

子どもたちにとって、どこにでもいて触り易いだんごむしはとても身近な存在です。

虫の生態も学べるので、虫好きのお子さんが絵本にぐっと興味をもつ一冊になるでしょう。

 

読み聞かせのコツ

子どもと一緒にストーリーを楽しみながら読む

登場人物たちのセリフがたくさん出てきます。

無理に抑揚をつける必要はありませんが、セリフに自然と気持ちが入るのはおさえなくても大丈夫です。

お子さんと一緒にストーリーを楽しみながら読んであげてくださいね。

4.くれよんのくろくん(作・絵/なかやみわ)

あらすじ

くれよんの仲間たちが楽しそうにお絵かきをしているのに、「きれいにかいたえをくろくされたら、たまらないよ…」とかかせてもらえないくろくん。

さみしい気持ちでいたとき、仲間たちがケンカを始めて絵がぐちゃぐちゃになってしまいました。

シャーペンのお兄さんの機転とくろくんの活躍で、ぐちゃぐちゃになった絵は素敵な花火の絵に生まれ変わります。

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感想

ぐちゃぐちゃになった絵が一度真っ黒になり、それからきれいな花火になるシーンが娘たちのお気に入りです。

「くろくんたちがやったの、やってみたい!」と言って、姉妹で実際に画用紙にいろいろな色を塗ったあと黒で塗りつぶし、スクラッチアートにして楽しんだりもしました。

 

おすすめポイント

様々な感情を体験することが出来る

お絵かきが好きなお子さんにぜひおすすめの一冊です。

ストーリーの中で、仲間はずれになって切ない気持ちや、みんなに認められてうれしい気持ちを想像しながら体験できます。

 

読み聞かせのコツ

飽きてしまうときは無理をしない

内容にボリュームがあるので、一冊全部読み聞かせができるのはある程度集中力がついてからになるでしょう。

ですが、お子さんが読んで欲しいと言ったときにはぜひ読み聞かせてあげてください。

途中までしか読めなくても、後半は絵だけを一緒に見たり、子どもがめくったページだけを読んだりして臨機応変に読み聞かせましょう。

 

5.しょうぼうじどうしゃじぷた(作/渡辺茂男 絵/山本忠敬)

あらすじ

小さな消防自動車のじぷたは、いつもみんなに「ちびっこ」あつかいされています。

火事が起きるとみんなのために大活躍するはしご車ののっぽくん、高圧車のばんぷくん、けが人を運んで助ける救急車のいちもくさんと自分をくらべて、悲しい気持ちになっていました。

そんな時山の中で火事が起こり、じぷたが出動を命じられます。

小さなじぷたの活躍で、山火事になる前に火は消し止められたのでした。

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感想

特に車が大好きというわけではない娘達も、大好きな絵本です。

じぷただけが出動を命じられ、山道をのぼり、山小屋の火事を消し止めるシーンでは思わず「じぷた頑張れ!」と大興奮で応援していました。

消防署の前を通ると、「じぷたいないかな」と車庫をのぞきこんでいます。

 

おすすめポイント

車のキャラクターを通して感情移入できる

車好きなお子さんに、ぜひおすすめの一冊です。

消防車、救急車一台一台に表情があり、子ども大人も思わず感情移入をしてしまいます。

ちいさなじぷたが活躍する様子に、だんだんといろいろなことができるようになって誇らしい気持ちでいる自分を重ねる子どもも多いでしょう。

初版発売から50年以上のロングセラー絵本でもあります。

 

読み聞かせのコツ

「まだ早いかな」と思ってもまずは読み聞かせをしてみる

文章にボリュームがあるので最後まで聞くには集中力が必要ですが、お子さんが絵本に興味を持ったらぜひ一度読み聞かせに挑戦してみてください。

ワクワクする絵とストーリーに引き込まれ、意外と子どもは最後まで聞いてくれます。

もし子どもの発言で中断したり、途中で飽きたりしたら、無理はせず子どもの「こうしたい」を優先してくださいね。

 

3-3.長年親しまれている絵本

6.てぶくろ(絵/エウゲーニー・M・ラチョフ 訳/うちだりさこ)

あらすじ

おじいさんが雪の上に落としていった手袋を、ネズミが見つけて住みこみました。

そこへ、カエルやウサギやキツネが次つぎやってきて、手袋に入れてというのです。

皆が中に入って、とうとう手袋ははじけそう。そこにおじいさんが手袋を探しに戻ってきました。

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感想

我が家の姉妹にとって、少しずつ変化していく「いれて」「どうぞ」のやり取りがとても楽しかったようです。

読み聞かせの他にも、姉妹で同情人物になりきっては『てぶくろ』ごっこをして遊んでいました。

妹が保育園の発表会の劇でこの「てぶくろ」をやることになったときは、大喜びで練習し、本番では楽しそうにくいしんぼねずみを演じていました。

 

おすすめポイント

少しずつ変化する絵を通して想像力がふくらむ

日本での発売から50年以上も読み継がれている絵本です。

ていねいに描かれた動物たちの表情や、動物たちが増えるにつれて少しずつ変化していく手袋の様子で、ページをめくるごとに新しい発見があります。

少しずつ変わっていく単純なストーリーのくり返しの中で、想像力が大きくふくらみます。

 

読み聞かせのコツ

無理に登場人物の演じ分けをしない

会話が多く出てきますが、登場人物ごとに無理に声色を変えなくても大丈夫です。

もちろん子どもから「もっとくまさんみたいに読んで」と言われたら、そのように読んであげましょう。

読み聞かせが表現遊びになっても、また違った学びが得られます。

細部まで描き込まれた絵からも、子どもたちは物語を読み取っています。

ゆっくりと絵を楽しめるペースでページをめくってくださいね。

 

7.だるまちゃんとてんぐちゃん(作・絵/加古里子)

あらすじ

だるまちゃんは友だちのてんぐちゃんの持っているものが何でも欲しくなってしまいます。

うちに帰ると、大きなだるまどんに、てんぐのうちわに帽子や履き物、最後には鼻までおねだりします。

そんなだるまちゃんの願いをかなえようと、大きなだるまどんは家中から思いつく限りのものを集めてきますが、だるまちゃんのお気に入りはいつも意外なところにあるのです。

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感想

てんぐちゃんの欲しいものを見つけるために、大きなだるまどんが家中から集めてきたたくさんのものがページいっぱいに並ぶのをじっくり見るのが、娘達のお気に入りでした。

並べられたものをひとつひとつ見ながら「これを帽子にしてもおもしろい」「これは履き物にはならないよー」と会話も弾みました。

 

おすすめポイント

絵本の中で気持ちを受け止めてもらう体験ができる

加古里子さん「だるまちゃんシリーズ」の第一作で、50年以上読み継がれている絵本です。

小さな子どもが描く「頭足人」をイメージさせるだるまちゃんがとてもかわいいです。

大きなだるまどんが、毎回だるまちゃんのわがままを受け止めてくれるのを一緒に体験することで、子どもも満たされた気持ちになります。

この満たされた気持ちを体験することが、自己肯定感のアップにもつながります。

 

読み聞かせのコツ

子どもの反応を受け止めながら読む

簡単なことばで短いストーリーがくり返えされるので、3歳になってすぐや3歳になる前からでも十分読み聞かせが楽しめます。

子どもが絵を指さして読み聞かせが中断しても、気にせず発言を受け止めてあげてください。

発言やそれを元にしたやりとりが落ち着いたら、また読み聞かせを再開しましょう。

 

8.ぐるんぱのようちえん(作/西内ミナミ 絵/堀内誠一)

あらすじ

ひとりぼっちのおおきなぞうのぐるんぱは、働きにでることになりました。

ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場、いろいろな仕事場で一生懸命働きます。

でもつくるものが大きすぎて、「もうけっこう」と追い出されてしまうのです。

そんなとき、ぐるんぱは12人も子どもがいるお母さんに出会います。

子どもたちの世話を頼まれたぐるんぱは、今まで作った大きすぎるものたちを使って素敵な幼稚園をつくったのでした。

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使用した感想

ぐるんぱが子どもたちのために大きすぎるものたちを使ってつくった幼稚園が、娘たちはうらやましくて仕方がなかったようです。

「大きな靴の中でかくれんぼするよ」「お皿のプールで泳ぎまーす」と、ぐるんぱの幼稚園を想像して遊んでいました。

 

おすすめポイント

成長によって物語の受け止め方も変わっていく

初版から50年以上親しまれ続けている絵本です。

大きいものにワクワクしてしまう子どもにとって、ぐるんぱの作る大きすぎるものはとても魅力的です。

なかなか居場所をみつけられなかったぐるんぱが、最後には素敵な幼稚園を作り子どもたちのために活躍する物語は、子どもが成長してから読むとまた違った感動があるでしょう。

長く手元に置いておきたくなる絵本です。

 

読み聞かせのコツ

歌のシーンも普通のことばとして読む

ぐるんぱがピアノを弾きながら歌うシーンは、どうやって読んだら良いのか戸惑ってしまうかもしれませんね。

特にメロディや節をつけたりせず、他の部分と同じようにそのまま普通に読んでください。

子どもの想像の中ではきちんと歌になっています。

もし子どもから「もっとお歌みたいに歌って」とリクエストがあった場合は、適当に節やメロディをつけて歌ってあげてくださいね。

 

3-4.ことばのリズムを楽しむ絵本

9.きょだいなきょだいな(作/長谷川摂子 絵/降矢なな)

あらすじ

広い野原に巨大なピアノに巨大なせっけん、つぎつきにテンポよく巨大なものが現れます。

そしてそのたびごとに子どもが100人やってきて、その巨大なものを使って自由に遊びます。

最後に出てきた巨大な扇風機は、100人の子どもたちをどこに飛ばしてしまったでしょうか。

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感想

娘たちはこの本の言葉のリズムが大好きで、読み聞かせを始めると声をそろえて一緒に読み始めます。

何度も読んでいるうちに覚えてしまい、絵本を見ずに暗唱していました。

子どもたちがきょだいなもので奇想天外な遊び方をするストーリーも、娘たちは大好きです。

 

おすすめポイント

自然と真似して読みたくなるリズムのよいことばが並んでいる

ことばのリズムが心地よく、テンポに乗って読み進められます。

子どもも自然と一緒に読んでくれるので、音読や暗唱の練習にもなります。

 

読み聞かせのコツ

ことばのリズムにのって読む

ことばのリズムにのって自然に読んでみてください。

子どもたちも一緒に読もうとしたら、さえぎることなく一緒に読みましょう。

絵を見て発見したことを子どもが話し始めたら、読むのを少しやめて発言を受け止めてあげてくださいね。

 

10.へんしんトンネル(作・絵/あきやまただし)

あらすじ

かっぱが「かっぱ、かっぱ、かっぱ…」とつぶやきながらトンネルをくぐると、「ぱかっ、ぱかっ、ぱかっ…」と元気なうまになって出てきました。

時計が入ると毛糸に変身、ぼたんが入るとたんぼに変身…入ったものが違うのものに変身してしまう、不思議なトンネルのお話です。

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感想

娘たちは読みながらトンネルの謎を発見し、嬉しそうに教えてくれました。

ひとつのことばをくり返し声に出しているうちに、違うことばになっていく変化が楽しくて、この絵本を読み終わると「かっぱ、かっぱ、かっぱ…」「ぼたん、ぼたん、ぼたん…」とずっとぶつぶつつぶやいています。

絵本に出てきていないことばも、「このことばがへんしんトンネルに入ると〇〇になるよ!」と姉妹で話していました。

 

おすすめポイント

ことばのおもしろさを感じられる

ことばのおもしろさに気づける絵本です。

文字が読めない子どもでも、一度読み聞かせると絵をたよりに読めてしまいます。

絵と音から文字を覚えるきっかけにもなります。

 

読み聞かせのコツ

タイミング良くページをめくる

ことばが違うものに変身するときに、タイミング良くページをめくると子どもが喜びます。

書いてあることをそのまま読む、が原則ですが、この絵本はことばが変化したと子どもが感じられるまで何度もしつこくつぶやきましょう。

ことばをくり返すとき、できるだけ続けてつぶやくと、変身後のことばにつながりやすくなります。

 

3-5.しかけが楽しい絵本

11.はらぺこあおむし(作/エリック・カール 訳/もりひさし)

あらすじ

あたたかな日曜日の朝、たまごから生まれたちっぽけなあおむしは、おなかがぺっこぺこ。

食べものを探しに出たあおむしは、月曜日にはりんごをひとつ、火曜日にはなしをふたつ食べました。

食べてもおなかがぺっこぺこなあおむしは、毎日ひとつずつ食べるものが増えていきます。

たくさん食べたあおむしは、すっかりふとっちょになりました。

やがてあおむしはさなぎになり、何日も眠ったあと、美しいちょうちょに変身したのです。

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感想

娘たちはあおむしになったつもりで、絵本からりんごを取って食べ、なしを取って食べ、土曜日にはお腹が痛くなったふりをし、最後にはちょうちょになって飛ぶまねをして遊んでいました。

鮮やかな色で描かれているくだものや食べ物、美しいちょうちょにも目を惹かれるようで、よくページをめくっては眺めていました。

 

おすすめポイント

子どもの興味をひく仕掛けが満載

知らない人がいないくらいのベストセラー絵本です。

あおむしが食べた跡が、丸く穴の空いているしかけ絵本なので、お子さんにぜひ絵本を触らせて興味をひいてみてください。

読みながら、曜日や数の概念に触れることもできます。

 

読み聞かせのコツ

子どもの気持ちを最優先にして読む

幼稚園や保育園などで、お子さんが「はらぺこあおむし」の歌を覚えてくるかもしれません。

歌詞は絵本に書かれているままのことばではありませんが、もしお子さんが歌の方が好きならば歌を歌いながら一緒に読んでも大丈夫です。

お子さんの「こうしたい」を優先しながら、絵本の世界観を楽しみましょう。

 

12.おうちピクニック(作/きむらゆういち 絵/とりごえまり)

あらすじ

ピクニックを楽しみにしていたのに、あいにくの雨。

がっかりしているうさぎさんのところへ、ぴんぽーんとだれかがやってきます。

変な色のカラス…と思ってドアを開けると、そこにいたのはきつねくんでした。

そのあともおみやげを持った動物たちが次々にやってきます。

みんなで持ち寄った材料で、ハンバーガーを作ることになりました。

おうちの中でも、みんなで食べたらピクニックきぶん。

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感想

絵本のしかけを使って、包丁でたまねぎをみじん切りにしたり、ハンバーグのたねをこねたり、フライパンで焼いたりと、お料理のまねごとをして楽しみました。

この絵本のおかげで、娘達はハンバーグの材料とレシピを覚え、家で作るときにはいつもお手伝いをしてくれます。

 

おすすめポイント

しかけがあり、おもちゃと絵本の橋渡しとなる

しかけをつかってドアのむこうにいるどうぶつが誰かを考えたり、料理をする気分を味わったりしながら読み進められます。

絵本を読み聞かせようと思ってもなかなか興味を持ってもらえないときに、おもちゃと絵本の橋渡しをしてくれる一冊です。

 

読み聞かせのコツ

読みながらしかけも使って楽しむ

しかけを使い、お子さんと一緒に手を動かして楽しみながら読んでみましょう。

読み聞かせらしくならなくても気にすることはありません。

絵本は楽しい!という経験をさせてあげることが、読み聞かせを集中して聞いてもらうための大切なステップになります。

 

4.子どもと一緒に楽しく絵本に触れる体験をしましょう!

良い絵本に触れることは、子どもの心を育て様々な能力を伸ばすのに、とても重要な体験です。

そして、絵本を読んだり読み聞かせたりする効果を期待するのなら、子どもにとって絵本が「楽しいもの」「大好きなもの」であることが大切です。

最近は図書館以外にも絵本のレンタルサービスなど、ライフスタイルに合った形で絵本を手にすることができるようになっています。

あまり肩に力を入れず、お子さんと一緒に楽しく絵本を選び、親子で絵本のある時間を楽しんでくださいね。

 

参考文献
厚生労働省「保育所保育指針解説」2018年

 

 

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