3歳児にぴったり!季節感が育つ「ちぎり絵」遊び~知育効果や楽しむポイント~
この記事を書いた人
まさ
- 中学校教諭
- 高等学校教諭
- 保育士
中学校教諭、高等学校教諭、保育士の資格所持
大学卒業後、海外ボランティアや日本の療育センターにて、障害のあるお子さんと関わってきました。
現在は、育休を取得し、0歳と2歳の子どもの子育てに奮闘しています。
得意なことは、手遊び、工作です。
「3歳の子どもと遊びたいけれど、何をすればいいだろう」
「家で簡単にできる知育を知りたい」など、そんなお悩みはありませんか?
そんな方におすすめしたいのが「ちぎり絵」です。
ちぎり絵は、ちぎった紙をのりで貼り合わせて作品をつくる、3歳児にぴったりの知育遊びです。
今回は、ちぎり絵がお子さんに与える効果や、お家で楽しむためのポイント、3歳ごろのお子さんと一緒にできる作品のアイデアをご紹介します。
本記事を読み終えた後には、お子さんとちぎり絵がやりたくなって、うずうずしてしまうことでしょう!
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
1.ちぎり絵とは?
ちぎり絵とは、手で小さくちぎった紙を、画用紙などの台紙に貼って表現する制作遊びです。
はさみやカッターなど危険な道具を使わないため、3歳のお子さんでも取り組むことができるため、保育園や幼稚園でもよく取り入れられています。
工夫次第で、簡単な作品から本格的な作品に仕上げることも可能です。
年齢や興味に合わせた素材や題材を選ぶことで、幅広い年齢で楽しむことができます。
2.ちぎり絵の効果
小さなお子さんでも、夢中になって楽しめる「ちぎり絵」遊び。
指先を動かすことで、脳や身体のさまざまな発達を促すことが期待できます。
2-1.「ちぎって貼る」の繰り返しがさまざまな感覚を刺激してくれる
0歳〜6歳は、脳の中の神経細胞をつなげる役割があるシナプスの発達が著しい時期です。
シナプスが発達すると、言葉を話したり、複雑な動きをすることが可能になります。
また、シナプスの発達を助けるには、手先を動かし、さまざまな外界の刺激に触れることが重要です。
ちぎり絵は、指先の刺激になることはもちろん、
色鮮やかな紙を目で楽しんだり、紙が破れる音を聞いたり、のりのべたべたとした感触を感じたりと、
さまざまな面から感覚を刺激できるため、シナプスの発達に効果的です。
実際に体験した感覚を、「びりびりだね〜」「べたべたするね〜」などと言葉で表現できるように声かけしてあげるのもおすすめです。
「ちぎって貼る」という単純な繰り返しで、子どもの発達を促せるのはうれしいですね。
2-2.指先の動かし方を学べる
ちぎり絵は、指先をたくさん動かす遊びです。
紙を小さくちぎって、のりを貼るというという動きは、大人にとっては簡単でも、子どもにとってはとても集中力が必要な作業です。
また、同じ動きをたくさん繰り返すことで、指先の動かし方を上達させることができます。
指先が上手に動かせるようになると、ボタンが留められるようになったり、お箸が上手にもてるようになるなど成長につながります。
また、3歳前後の「何でも自分でやりたい」という強い気持ちを満たしてあげることもできる遊びです。
3.子どもとちぎり絵を楽しむためのポイント
小さな子どもとちぎり絵を楽しむには、使う道具や材料をちょっと工夫するのがポイントです。
季節が感じられる題材を活用することで、季節感の学びにもつながります。
3-1.ちぎる紙は折り紙がおすすめ!
3歳頃のお子さんと一緒にちぎり絵に取り組む場合は、紙の素材やサイズを工夫しましょう。
ちぎり絵で使う紙は、和紙や画用紙など特に指定はありません。
しかし、指先の力が弱い3歳頃のお子さんには、簡単にちぎることができる折り紙がおすすめです。
折り紙は100均ショップでも簡単に手に入れられるので、準備も簡単です。
たくさんの色の中から、子どもが好きな色を選べるのも魅力のひとつですよ。
紙のサイズも折り紙サイズがおすすめです。
小さすぎるとちぎるのが難しく、新聞紙のように大きすぎると、紙を破ること自体が楽しくなってしまい、ちぎり絵とはちがった遊びになってしまうことも。
また、一度に使う紙の量は、飽きずに取り組める折り紙1枚〜2枚がよいでしょう。
もちろん子どもの集中力には個人差があるので、ちぎり絵が大好きなお子さんには紙をたくさん与えて大作をつくるのもよいでしょう。
3-2.のりはつぼのりタイプを使用
のりには、スティックタイプや水のりなどさまざまなタイプがあります。
その中でもはじめてのりを使うお子さんにおすすめなのが、「つぼのりタイプ」です。
つぼのりは、直接指先につけて使うので、のりの感触を楽しむことができたり、必要なのりの量を調節したりしながら使う練習ができます。
きょうだいやお友達と一緒に使う場合は、予め紙皿などにつぼのりを移しておくと衛生的です。
のりの感触を楽しむお子さんがいる一方で、手が汚れるのが苦手なお子さんも案外多いのではないでしょうか。
その場合、ぬれたタオルやウェットテッシュを用意して、「汚れてもすぐにキレイにできるから、大丈夫だよ」「一緒にやってみよう」と声をかけてあげてみてください。
もちろん、スティックのりでもOKです。
3-3.季節を取り入れてみるのも◎
ちぎり絵に活用する下絵には、季節を取り入れてみるのがおすすめです。
幼少期には、季節の変化や自然の不思議さに触れたり、四季の感覚を身につけることが大切です。
なぜなら、幼少期に身につけた四季の感覚が、学童期以降に季節に応じた生活様式やマナーを学んだり、自然に対する科学的な思考を育むことに役立つからです。
下絵は、ちぎった紙を貼る位置の大まかな目印となりますが、難しく考える必要はありません。クレヨンやペンを使って画用紙に描いてみましょう。
例えば、雪だるまの形になるよう大きめの丸をふたつ描いたり、桜になるよう花びらが付いていない木を描いたりします。
「絵を描くのが苦手」「上手く描けない」という方は、インターネットで簡単な塗り絵をダウンロードして活用するのもよいでしょう。
外遊びやお散歩を通じて感じた四季の変化を画用紙の上で表現するのもおもしろいですよ。できあがった作品は、お家の壁にかざってあげるとお子さんも喜んでくれそうです。
4.春夏秋冬!季節のちぎり絵遊び
今回は、季節感を育むことのできる「春・夏・秋・冬」をテーマにしたちぎり絵をご紹介します。
下絵は大人が描き、ちぎる・貼るは子どもと一緒に。はさみが使える子には、切り抜きもお願いするなど、子どもの発達に合わせて分担してみるのもおすすめです。
下絵がうまく描けないという方は、下記テンプレートをご利用ください。
下絵テンプレート:ちぎり絵_下絵_木_雪だるま_かぼちゃ
※印刷して画用紙に貼り付けたり、画用紙の下に置いてなぞり描きするなどしてご活用ください。
【春】さくら ★☆☆☆☆
春に咲くさくらを題材にしたちぎり絵です。下絵の枯れ木に、ちぎり絵のさくらを咲かせましょう。
ちぎり絵のねらい
【指先をたくさん使ってちぎる感覚を楽しむ】
ちぎり絵の基本となる「紙をちぎる動作」を繰り返すことで、ちぎる感覚を体験できます。
紙がビリビリと破れる音にも耳を傾けてみましょう。
【季節の移ろいを表現する】
下絵に描いた枯れ木に、桜の花を咲かせることで、季節の移ろいを表現できます。
作品を作る前に、本物の桜の木を観察するとよいでしょう。
材料
・ピンク色の折り紙 2枚
・画用紙(色画用紙)1枚
・クレヨンやペン
・のり
作り方
➀画用紙に葉っぱのない木の下絵を描きます。
②折り紙をちぎりましょう。
③下絵(木の上の部分)にのりをつけて、折り紙をペタペタと貼っていきます。
~ 完成!
記事中のうさぎ・人参の折り方はこちらの記事をご参照ください。
>>>【3歳】元保育士おすすめ!はじめての折り紙あそび5選~子どもへの効果やポイントもご紹介~
【夏】ひまわり ★★★★☆
夏に咲くひまわりを題材にしたちぎり絵です。はさみの練習にもおすすめです。
ちぎり絵のねらい
【指先をたくさん使って、動かし方を学ぶ】
紙をちぎったり、はさみで直線を切ったりして多様な指先の動きを引き出すことができます。
はさみがまだ難しい場合は、ママ・パパがお手伝いしてくださいね。
材料
・黄色や茶色の折り紙 各2枚
・画用紙(色画用紙)1枚
・紙皿 1枚
・クレヨンやペン
・はさみ
・のり
作り方
➀黄色の折り紙2枚を4等分になるように切ります。
※ペンで直線を引いてあげると子どもが切りやすくなります※
②4等分に切った黄色の折り紙を紙皿にのりで貼り付けて花びらを作ります。
③紙皿の中央にのりをつけて、ちぎった折り紙をペタペタ貼り付けましょう。
~ 完成!
【秋】ハロウィンパンプキン ★★★☆☆
秋のハロウィンを題材にしたちぎり絵です。仕上げは、目や口をつけて楽しみましょう。
ちぎり絵のねらい
【紙をちぎって感覚を楽しむ】
紙をちぎる感覚をたくさん経験することができます。
慣れてきたら、小さくちぎったり、大きくちぎったり工夫するのも面白いですよ。
【外国の文化に触れる】
ハロウィンを題材にすることで、季節の移ろいに加えて、海外の文化を学ぶことができます。
作成前には、絵本などでハロウィンについて触れておくとよいでしょう。
材料
・橙色や緑色の折り紙 各1枚
・黒色の折り紙 1枚
・画用紙(色画用紙)1枚
・クレヨンやペン
・はさみ
・のり
作り方
➀画用紙にかぼちゃを描いて切り抜く。※中の線は描かなくてもOK※
②折り紙をちぎりましょう。
③切り抜いた画用紙にのりをつけて、折り紙をペタペタと貼っていきます。
④黒色の折り紙で目や口をつけてみましょう。
~ 完成!
記事中のおばけの折り方はこちらの記事をご参照ください。
>>>【3歳】元保育士おすすめ!はじめての折り紙あそび5選~子どもへの効果やポイントもご紹介~
【冬】雪だるま ★★★☆☆
冬の雪だるまを題材にしたちぎり絵です。飾りをつけて可愛く仕上げましょう。
ちぎり絵のねらい
【イメージを膨らませながら紙をちぎったり、貼り付けたりする】
雪をイメージしながら紙をちぎってみましょう。
仕上げに帽子や目を貼り付けると可愛らしく仕上がります。
材料
・白色の折り紙 2枚
・飾り用の折り紙 数枚
・画用紙(色画用紙)1枚
・クレヨンやペン
・はさみ
・のり
作り方
➀画用紙に雪だるまの下絵を描きます。
②折り紙をちぎりましょう。
③下絵(雪だるまの丸の中)にのりをつけて、折り紙をペタペタと貼っていきます。
④雪だるまができたら、帽子や目をつけて飾りつけを楽しみましょう。
~ 完成!
5.親子で脳を活性化!メリットたくさんの「ちぎり絵」遊び
本記事では、3歳ごろのお子さん向けに、ちぎり絵がお子さんに与える効果や、お家で楽しむためのポイント、作品のアイデアをご紹介しました。
「第二の脳」といわれることもある指先。
指先を動かすことで、脳が活性化され、「運動」「思考」などの発達に良い影響を与えてくれるといいます。
ちぎり絵は、指先をたくさん使う知育にぴったりな遊びのひとつです。
お家で気軽に取り組むことができる遊びですので、ぜひやってみてくださいね。
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