【5歳児向け】子どもの中間反抗期は季節の「折り紙あそび」で楽しく遊ぼう!
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yuri
- 幼稚園教諭
- 小学校教諭
幼稚園教諭、小学校教諭の資格所持しています。
現在は3人の子育てを終え海外在住中です!
5歳になると自分の考えもしっかり言えるようになり、ひとりでできることも増えてきます。子どもが言い返すようなシーンも多く、対応に四苦八苦されてる方もいるのではないでしょうか。
これは自分で考えて行動したい自立心の表れで、色々なことができるようになってきた5歳児の発達の段階である「中間反抗期」に関係があります。
そんな5歳児におすすめの遊びが、親子でコミュニケーションがとれる「折り紙あそび」です。筆者の体験ではこの時期から折り紙あそびに夢中になる子どもが増えてきます。
今回は中間反抗期の5歳児の特徴と折り紙遊びが与える効果に加え、「季節ごとの折り紙と発展遊びのアイデア」「折り紙作品の保管方法と整理のタイミング」についても紹介します。
目次
1.中間反抗期…5歳児の発達段階の特徴とは
中間反抗期とは、イヤイヤ期の次に訪れる反抗期のことです。
5歳ごろになると自分でできることも多くなり、「あれがしたい」「これはいや」「できない~」など自分の意見を主張する場面も見られるのではないでしょうか。
せっかく一緒に遊んでいても上手くコミュニケーションが取れず、保護者も子どももイライラしてしまう…そんなこともありますよね。
ここでは5歳児の発達の特徴と、中間反抗期「あるある」の対応を紹介します。
まずは発達段階の特徴を知り、イライラせず落ち着いて対応できるヒントを見つけてみましょう。
1-1.言葉
5歳児の中間反抗期の大きな特徴のひとつは、指示したことに対して言い返せることです。
言葉の発達が著しく、自分の経験を話したり、質問に答えられるようになります。
たとえば「だって」を使い、はっきり理由を持って自己主張します。
もし折り紙あそびの中で「だって、ママの真似したのにできな〜い」と言われたら「よくみなさいよ!」と否定的なことを言わず、「そうか、じゃあもう一回ママのまねしてみてね」「ゆっくりやってごらん」と優しく声掛けするようにしましょう。
また、言葉が著しく発達し、どんどん吸収していく時期でもあります。
その日あったできごとを「それでね」「そしたら」というように、接続詞を使って話せるようになるので、順序のある折り紙あそびをしながらコミュニケーションがスムーズにとれるようになります。
自分なりに考えて行動するようになるので、「どんな折り紙あそびをしたいの?」「次はどうしたい?」などと質問しながら、子どもの意見を尊重して遊びを進めていけるようにサポートしてあげましょう。
1-2.器用さ
5歳児は手先が器用になることで興味が広がり、想像を働かせて作り出す楽しさを知る時期です。
たとえば以下のようなことが上手にできるようになります。
- 折り紙の角と角を合わせ、きれいに半分に折る。
- 片手で紙を持って、簡単な形をハサミで切る。
- クレヨンで色を使い分けて絵を描く。
- 絵の中に地面や家、部屋などが現れる。
- のり、セロテープ、ホッチキスを使って工作ができる。
いろいろな道具を上手に使いこなせるようになる時期です。
家庭でも積極的に折り紙や工作などのできる環境作りを心がけるといいですね。
一方で、発達には個人差や個性もあります。
「うちの子は、まだ角を合わせて折れない」なんてことがあるかもしれませんが、できないからといって心配する必要はありません。
大切なのは、「自分でやりたい気持ち」を見守ってあげることです。
1-3.社会性
ルールや集団役割を覚える時期です。「ルールを守ること」に関心が向き、守ったことで褒められるという経験を通して、頑張る活力を育みます。
例えば「〇〇折りが上手に真似できたね」「見本と同じように綺麗にできたね」などと褒めることで、「よし、次はもっと上手に折るぞ」「もう一回折ってみよう」など、創作の活力につながります。
これまでできなかったことも「難しいけどやってみる」という心の動きで乗り越えようとするのも特徴のひとつです。
折り紙あそびにもどんどんチャレンジして、上達するでしょう。
小さい子のお世話もするので、妹や弟がいる方は一緒に折り紙あそびをしてみましょう。
大人がいなくても簡単な折り紙はでき、年下の子どもに教える経験は自信につながりますよ。
中間反抗期の5歳児は大人を悩ませる行動をとることが多くなりますが、上手にコミュニケーションをとり、一人の人間として接することが大切です。
「中間反抗期」に関してはこちらの記事でさらに詳しく解説しています!
・無視、口答え、逆ギレ…親も子もつらい「中間反抗期」の特徴と対応のコツを知って上手く乗り越えよう!
2.折り紙あそびがもたらすメリット
指先の器用さが必要な折り紙あそびは、日本だけではなく世界中の子ども達にも愛されています。
筆者の娘が通っていた海外のインターナショナルスクールでも大人気でした。
言葉が伝わらないときでも折り紙を通してコミュニケーションをとることができていました。
そんな折り紙あそびには、どんな効果があるのか見ていきましょう。
2-1.他者とのコミュニケーションをとる機会が生まれる
「どう折るの?」「次は?」「できた!」などのコミュニケーションをとりながら、親子で一緒に同じものを折る経験を通じて連帯感を得られます。
また、「作って終わり」ではなく作ったものを使ってごっこ遊びをすることもできます。
友だち同士でも折り紙を何かに見立てて遊んでいる姿を見たことがあるのではないでしょうか?
さらに、昔からの伝承遊びの折り紙は、祖父母とのコミュニケーション手段にもなります。
親子だけではなく、多くの人と触れ合うきっかけを作ってくれますね。
2-2.指先の運動機能の発達を促す
折り紙は一枚の紙を手や目で確かめながら、形を変化させていく作業の繰り返しです。指先や頭脳に刺激を与えることはよく知られていますよね。
自分の作った形の変化を楽しみながら、指先のトレーニングになるとともに、頭の回転も早くなり、スピード感も養われるといわれています。
5歳児は綺麗に半分に折る、折り癖を付けて割折りをするなどが上手にできるようになってきます。言葉をかけてサポートをしながら、難しい折り紙にもチャレンジしてみましょう。
2-3.物事における順序の大切さを知る
折り紙あそびを通じて1→2→3と、順通りに取り組むことの大切さを知ることができます。
まずは折り方の順序をよく守り、思い描いた作品が完成する経験を通じて基本の折り方を習得します。その結果、自己流で新たな作品を生み出すことにもつながるでしょう。
これから習う文字や漢字も、順序を守ることが大切なので、幼児期に折り紙あそびでその大切さを知ることは重要な経験となります。
3.季節ごとに楽しめる!5歳児向けの折り紙あそび
それでは、実際に5歳児向けの季節ごとに楽しめる折り紙あそびを紹介します。
実際にできた折り紙作品を使った発展遊びのアイデアやポイントも紹介しているので、ぜひお子さんと一緒に作って遊んでみてくださいね!
・1.春 チューリップ
・2.夏 せみ
・3.秋 どんぐり
・4.冬 サンタクロース
1.春 チューリップ
基本の三角折りがしっかりできてるか確認!簡単なチューリップを折ることで自信につながります。
■材料
折り紙、割りばし、セロテープ
折り紙あそびの狙い
三角折りの角と角をしっかりあわせよう!
折り紙の基本折りは三角折りと四角折りです。
三角折りは折り紙の角と角を合わせます。その代表がチューリップです。 角と角をしっかり合わせないとどんな形も完成しません。
「三角折りだよ」と言って折れるようになっていれば、折り紙レベルも次の段階!まずは基本をしっかり押さえましょう。
■手順
1.基本の三角折りをする。
2.さらに三角に折り、中心線をつける。
3.②で折った中心線に合わせて折る。
4.点線で斜めに折る。
5.角の3か所を点線にそって少し折る。
6.裏返して出来上がり。
7.お絵かきしたり飾ったり、自由に遊ぼう!
<アイデア>
ペープサートを作って花瓶に飾ろう!
作ったチューリップをそのままにするのはもったいないですよね。
そこで、割りばしにチューリップをつけペープサートを作ります。花瓶をお部屋に飾ることでいつでも見返すことができます。
1.色違いのチューリップを何枚か折る。
2. 割りばしにセロテープで貼る。
3. 花瓶に飾る。
4. ペープサートを作る。
最後に折り曲げる場所を変えたら簡単に猫や犬に変化できるのでごっこ遊びもできますよ。
想像力を働かせながら一緒に楽しみましょう。
■遊びのポイント
まずは子どもに好きな色を聞いて、一緒に花の色を決めましょう。
チューリップを見せて「これは何かに変身できるかな」と声掛けしてみて下さい。犬や猫と答えたら「すごいね、よく気づいたね」と褒めてあげましょう。
気づかない場合は「何処か折り曲げてみて」とヒントをだしてみましょう。
(感想)作って遊んでみた!
リボンで結び花束にしてママにプレゼントしてくれました。花瓶に飾ってそのまま保管できます。
教えなくても自分で猫と犬に変身させたペープサートでごっこ遊びも楽しんでましたよ。
2.夏 せみ
基本の三角折りをしっかり押さえ、せみになる形を想像しながら折ってみましょう。
折り紙、ペン、セロテープ
折り紙あそびの狙い
変化を楽しもう!
チューリップと同じ折り方で途中からせみに変化していきます。 「三角折りからスタートね」と声かけしてみましょう。 「チューリップと同じ折り方だね、そこからどうやったらせみになるかな?」と変化を楽しめる会話で取り組んでみましょう。
■手順
1.基本の三角折りをする。
2.三角に折り、中心線をつける。
3.②で折った中心線に合わせて折る。
4.点線で斜めに折る。(この点線の位置で羽の広げ具合が変わってくる)
(ここまでチューリップと同じ)
5.一枚めくって点線で折る。
6.点線で折る。
7.裏返して点線で折る。
8.裏返して出来上がり。
9.たくさん作って遊ぼう。
アイデア
せみ取りをして遊ぼう!
夏と言えばせみですね。外でのせみ取りもいいですが暑い日中、快適な部屋の中でせみ取りするのも新鮮で楽しいですよ。
宝探しの気分で親子やきょうだいで楽しめます。
1.せみを何枚か折る。
2.部屋の中の好きな場所に貼る。
3.せみ取りに出かけましょう!
見つけたせみは小さい箱に入れたり、画用紙に貼ったり、数えて楽しめます。
虫かごがあればその中に入れるのもいいですよ。
■遊びのポイント
④の折り方で羽の位置が少し変わってくるので、飛んでるようにも見えるせみが折ることもできます。
沢山せみを作ってせみ取り勝負をしましょう。
沢山とった人は銀色や金色のせみの特典がもらえるようにすると更に盛り上がりますよ。
(感想)作って遊んでみた!
勝負が好きな子ども達は競い合ってとっていました。
貼る場所も見つからない様にどんどんエスカレートして、夢中になって遊んでいました。
3.秋 どんぐり
基本の四角折りを確認し、難しい「三角ふくろ開き」に挑戦してみましょう。
折り紙、クレヨン、ペン
折り紙あそびの狙い
「三角ふくろ開き」に挑戦!
折り紙の基本の三角折りは角と角を合わせるのに対し、四角折りは辺と辺を合わせます。
「四角折りからスタートね」と言ってその作業をしっかりできるようにするといいですよ。
「三角ふくろ開き」という少し難しい折り方が登場します。見てまねることができる様になると大きな自信 につながります。
上手にコミュニケーションを取りながらチャレンジしてみてださいね。
■手順
1.折り目をつけて開く。(基本の四角折り)
2.白い部分を上にして、左下の角を中心線の点線に合わせて折る。
3.点線に合わせて上に折りあげる。
4.裏返して点線で半分に折る。
5.白い部分のある方を下にして裏返す。
6.点線に合わせて内側に折る。
7.矢印のある部分の袋を広げてつぶす。
8.上の角を段に折る。
9.裏返して出来上がり。
10.好きな顔を描いて楽しもう。
アイデア
絵を描こう!
超大作になること間違いなし!子どもの想像力に任せて自由な発想で飾り付けてもらいましょう。
1.作ったどんぐりをのりで画用紙に貼る。
2.クレヨンで絵を描き足す。
3.描いた絵を壁に貼る。
「秋を感じるね!」「これはなんだろう」など、絵について話してみてください。
■遊びのポイント
描いた絵を見ながら「可愛い顔のどんぐりさんだね」、「リスさんは何を話してるのかな?」と話しかけて子どもの想像力を引き出すコミュニケーションをとってみましょう。
飾る時も「素敵な絵だね、どこにかざろうか」と子どもの意見を聞き、尊重してあげることが大切です。
(感想)作って遊んでみた!
描いた絵を褒めるととても喜んでました。
我が子は、「どんぐりから赤ちゃんが生まれてきた」という桃太郎の秋バージョンのような絵を作成していました。
子どもの面白い発想力にはびっくりさせられます!
4.冬 サンタクロース
角や折り筋を丁寧に折ることで綺麗な形ができる喜びを感じられます。
折り紙、りぼん、セロテープ
折り紙あそびの狙い
丁寧に折ろう!
今までと違う基本の三角折りの角と角、四角折りの辺と辺ではなく、角を中央の折り線に合わせます。
また、何度も折るのでしっかり折り筋を入れないと上手にできません。丁寧に折ることの大切さを再確認しましょう。
■手順
1.三角折りで折り目をつける。
2.中央折り目に向けて左右の角を折る。
3.中央折り目に向けて点線に沿って折る。
4.裏返し半分に折り、折り線をつける。
5.下の角を点線まで折る。
6.点線を矢印の方向に折る。
7.点線に沿って反対側に折って出来上がり。
8.ペンで顏を描く。
9.リボンやひもに吊して飾ってみよう。
アイデア
クリスマスの飾りを作ろう!
色んな表情のサンタさんを可愛いリボンやひもに吊してリビングや玄関に飾りましょう。
1.サンタさんを6枚位折る。
2.1メートル位の可愛いりぼんを用意する。
3.セロテープを輪にしてサンタさんを横並びにリボンに貼る。
(ホッチキスで止めてボタン代わりにシールで隠してもいいですよ)
クリスマスツリーや窓に貼っても楽しめます。
クリスマスに向けて子供との楽しい会話も弾みますよ。
玄関に飾ってサンタさんを迎えてみてはいかがでしょうか。
■遊びのポイント
「どんなサンタさんの顔になるのかな」「かっこいいね」などと声掛けしながら色々な表情のサンタさんを作りましょう。
ツリーなどクリスマスの飾りつけをするタイミングで作ると更に盛り上がります。
できた作品も「サンタさんも喜ぶね」「どこに飾ろうか」と一緒に場所を決めて飾りましょう。
(感想)作って遊んでみた!
ひとつずつりぼんをつけてクリスマスツリーに飾っていました。
他に作った折り紙作品も一緒に飾って、折り紙ツリーが完成しました。
4.折り紙作品の保管方法と整理するタイミング
折り紙あそびができるようになると楽しくなり、折り紙ブームが到来します。幼稚園でも、我が家でも夢中になり遊んでいる子ども達をたくさん見てきました。
子どもが楽しんで折り紙を作っている姿はほほえましいですが、作品が増えてくると保管方法や整理のタイミングに困る方も多いのではないでしょうか。
そこで、おすすめの保管方法と整理のタイミングをご紹介します。
4-1.作品を保管する場所を確保
とりあえず保管しておきたい、忙しい方におすすめの保管方法です。
- 空き箱や空き缶を利用する。
- ジップロックに入れて保存する。
我が家では、クッキーの入った大きめの四角と丸い空き缶を2つ利用しました。
デザインがかわいい入れ物だったので、宝箱のように大切にして喜んでいましたよ。
缶が一杯になったら、いらなくなった折り紙を子どもと相談しながら処分していきます。その時、勝手に捨てないで子どもに確認するようにしてくださいね。もう忘れてしまっているだろうと思っていても子どもは意外と覚えています。
また、簡単に手に入るジップロックで整理するのもいいですよ。その日、作った作品もすぐに保管できるので散らからずに便利です。
後で子どもと一緒にクリスマスなど季節ごとに分けて整理します。透明なので中身が一目瞭然にわかるし、かさばらないのでおすすめです。
4-2.部屋に飾る
飾ることによって作品を大切にされていることがわかり、残りの作品も整理しやすくなります。
- 画用紙に貼って飾る。
- 棚の上に飾る。
- 額に入れて飾る。
- ひもやリボンに繋げてモビールふうにして飾る。
できた作品を飾ると嬉しい気持ちになりますよね。子どものやる気につながるので、ぜひ一緒に飾ってみてくださいね。
4-3.写真に撮る
写真に撮ってデータを保存すると、子どもも納得して整理しやすくなります。
- 子どもの写真と一緒にアルバムに飾って保管する。
- 立体感のある作品も写真にすることで、かさばらずに整理できる。
- 作った折り紙と一緒に写真を撮り、祖父母にSNSやカードで送ってあげる。
子どもにとって写真を撮ることは特別感があります。自分が作ったものが記録として残ることで喜びも感じられるでしょう。
また、一緒に写真を撮ることでさらにコミュニケーションがとれるのでおすすめです。遠く離れた祖父母に送ればコミュニケーションをとるきっかけにもなって喜ばれるでしょう。
5.中間反抗期のすすめ~いつでも折り紙遊びができる環境づくりから始めよう~
5歳児には言い返すシーンがが多くなる「中間反抗期」があることを知り、我が子だけではないと安心した方もいるのではないでしょうか。
この時期は自分でやりたい気持ちを受け止め、見守ってあげてくださいね。
いくら一人前に口答えはしても、まだまだ甘えたい気持ちもあるのが5歳児です。発達の特徴を理解し、遊びを通じてコミュニケーションをとってみましょう。
日本では簡単に手に入る折り紙ですが、海外では貴重なアイテムであり、「origami」と呼ばれて親しまれている日本独自の文化です。将来、留学など海外に行くようなことがあれば、友だちと仲良くなるきっかけ作りにも役立つでしょう。
いつでも折り紙あそびができるよう子どもの目につきやすいリビングなどに置いて、子どもと一緒に楽しんでくださいね。
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参考文献
・お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター 『幼児教育ハンドブック』
・仲田安津子 折り紙全書