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【2〜5歳】毎日のお着替えで子どもの自己肯定感を伸ばす!正しく着替えられるコツを保育士目線でご紹介

この記事を書いた人

工藤りえ 工藤りえ

工藤りえ

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

幼稚園・こども園にて12年勤務。主にクラス担任と障害児保育を経験してきました。

特に障害児保育に関心を持ち、子どもの自己肯定感を高める関わり方を勉強しています。

小1・2歳の兄弟がおり現在は、ママ向けWebマガジンや保育メディアなどで記事執筆を行っています。

得意なことは、ダンス、歌遊び、読み聞かせ、リトミックです。

子どもが自分で着替えをすると、服が後ろ前になっていることはありませんか?大人からすると、気になって直したくなったり、つい指摘したくもなりますよね。

「どうしたら正しく着替えができる?」「後ろ前を間違わずに着替えるには、どう教えたらいいの?」そんなお悩みをお持ちの方へ、この記事では、子どもがより楽しく、自信を持って着替えるようになる方法を、着替えに関する年齢ごとの発達段階、便利アイテム、おすすめ絵本と共に、保育士目線からご紹介しています。

ぜひ、お子さんの着替えにお悩みの方はお試しくださいね!

 

目次

1.お着替えが正しくできるのは5歳頃から!年齢ごとの実例をご紹介

「着替えたくない」「自分でやると言ってできずに泣いてしまう」「着替えても後ろ前になる」など、子どもの着替えに関するお悩みは多いのではないでしょうか。

子どもが自分で着替えをするというのは、実は大人が思うよりとっても複雑で難しいことなのです。

自分で着替えやすくするためにまず「着替えやすい素材」の服を用意することも大切。伸縮性がない素材は子どもが自分で着替えるのに難しい服が多いので、伸びる・柔らかい・余裕があるサイズの服を用意するといいですよ。

ここでは、子どもの着替えの様子を、保育現場での実例をあげて年齢ごとにご紹介します。

 

1-1. 【2〜3歳頃】のお着替えの様子と保育現場での対応

自分で着替えたいという気持ちが芽生えるのは、だいたい2〜3歳頃からです。「2〜3歳なのに自分で着替えようとしない」と悩んでいるお母さんもいるかもしれません。

着替えへの関心は個人差が大きく、自分で着替えをしなくても問題ない年齢なので、安心してくださいね。

 

【2〜3歳頃の着替えの様子】

・大人の着替えをしっかり観察し、真似するのが上手。
・自分で着替えたいのにできなくて、かんしゃくを起こし泣く。
・できないけど手伝ってほしくないというもどかしさで泣く。

2〜3歳頃は、周りの真似をするのがとても上手になります。

子どもは、家族の着替えを見たり、着替えさせてもらっているときの様子をしっかり感じながら観察していますよ。「自分で着替えてみたい」気持ちは、「チャレンジしたい」という生きていくうえで非常に大切な心の芽生えです。

 

【保育現場での対応】

・「自分で着替えようとしていること」をとにかく具体的な声がけで褒める。
・声がけのあとに、着替えを手伝って良いかと子どもに聞く。

保育現場では、「ズボンに足を入れられたんだね!」「靴下をここまで上げられるなんて、とっても嬉しいね!」「やったね!お着替え頑張りたいってチャレンジしたんだね!」など、子どもが今何をしているのかをしっかり言葉で伝えることを意識します。

そうするうちに子どもは、先生の言葉や表情で、自分のしたことが認められていることに気がつくでしょう。褒められ認められた子は、とっても満足感に満ちた顔をしますよ。

声がけのあとに着替えを手伝って良いか子どもに聞くと、達成感を感じるからか、割とすんなり手伝わせてくれます。
とにかく具体的に褒める!子どもが自分で着替えたがるけれどできない時には有効ですよ。

 

1-2. 【4〜5歳頃】のお着替えの様子と保育現場での対応

4〜5歳頃になると、だいたい自分の着替えをこなせるようになります。

衣服の着脱はもちろん、脱いだ服をたたむ・靴下を丸めるなども、やり方を伝えるとできるようになる子が増えますよ。

 

【4〜5歳頃の着替えの様子】

・おおむね自分の着替えをこなせるようになる。
・脱いだ服をたたむ、靴下を丸めるなどもできるようになる。
・わからないときは先生に聞ける。

4〜5歳頃は、間違えることを「恥ずかしい」と思う気持ちが芽生えます。自分でできることが増えるぶん、間違えてしまうこともまだたくさんあるので、自己肯定感をのばしつつ、自信をつけてあげられる関わりをしていきたいですね。

 

【保育現場での対応】

・「着替え方」や「脱いだ服はどうするか」などを詳しく保育の中で実践できるように関わる。
・着替えを間違えている子どもには、まず褒めてからこっそり間違いを伝える。

4〜5歳の子も、たくさん褒めることで自信がつきます。自分で着替えられる子がほとんどになるので、間違えている子にはまず褒めてから周りの子にあまり聞こえないように間違いをこっそり教えて直してもらうといいですよ。

子どものプライドが傷つかず、大勢の前で恥ずかしい思いをさせない関わりが重要です。

 

2.お着替えで自己肯定感を伸ばす!後ろ前は指摘しないほうがよいのはなぜ?

子どもが服を後ろ前に着ているとつい指摘して直そうとしてしまうことがあるかもしれませんが、実は、後ろ前になっていることを指摘しない方が、子どもの自己肯定感【ありのままの自分に価値があると思える感覚】はグンと伸びるのです。

特に着替えは毎日必ずする習慣のひとつだからこそ、子どもの「自分でやりたい」気持ちも芽生えやすいです。

お母さんに認めてもらうことは、子どもにとって1番嬉しくやる気につながります。子どもは着替えができたことを見てほしいのに、間違えていることを指摘されると自信をなくしてしまいますよね。

子どもからすると「服が後ろ前かどうか」は重要ではなく「自分で着られたこと」がなにより大切。

まずは、子どもが自分で着替えられたことをたくさん褒めてあげてください。できるだけ具体的に褒めることが、子どもの自己肯定感をグンとのばす栄養になりますよ。

 

3.お着替えが楽しくなる!簡単な対策で着替えの時間を楽しく!

子どもが服を正しく着られるようになったら、お母さんも毎日の準備が少し楽になりますよね。

今は後ろ前をわかりやすくする便利アイテムも販売されているので、そういったものも取り入れつつ、ほんの少しの対策だけで子どもとの着替えの時間が楽しくなるおすすめの方法を3つご紹介します。

 

3-1.前みごろの内側にアイロンシールを貼る

簡単に貼ることができるアイロンシールは、100円ショップにも売られていますよ。目印になればどんなアイロンシールでも大丈夫です。

子どもが見つけやすいように、前みごろの内襟に貼るとわかりやすいですよ。子どもに「シールが見えるように着てね」と教えると、後ろ前を正しく着られるようになっていきます。

服を新調したら、必ず名前をつけるご家庭が多いかと思います。そのときに一緒にアイロンシールを貼ると、貼り忘れがなくていいですね。

 

3-2.洋服用の目印スタンプを押す

洋服用の目印スタンプが売られているのをご存じですか?洗濯をしても落ちにくいスタンプで、洋服の内襟などに押して使います。

アイロンシールと同様、子どもに前だとわかるよう使うのがポイントです。ネット通販で簡単に購入できますよ。

かわいいイラストのスタンプで「絵が見えるように服を着てね」と伝えると子どもが喜んで見つけ、一生懸命後ろ前を正しく着ようと頑張る姿が見られます。

 

3-3.首元のタグに紐を結ぶ

服の首元には、サイズ表記のタグがついていることが多いかと思います。そのタグに紐を結ぶと、目印になりますよ。

「紐が付いている方を後ろに来てね」と説明すると、子どもはすぐに覚えます。スタンプだと消えてしまう不安がある方におすすめの方法ですよ。

ただ、タグ部分に紐をつけるのは禁止の園もあります。幼稚園・保育園に着ていく服に紐をつける場合は、先生に相談してからがいいかもしれませんね。

 

4.お着替えしたい気持ちを伸ばす!保育士おすすめの絵本3選

子どもの「着替えたい」気持ちを伸ばすには、イメージを膨らませるのもひとつの手段です。楽しい着替えのイメージを持つには、絵本もおすすめですよ。

今回はたくさんある絵本の中から、親子で楽しく読める着替えの絵本を3冊ご紹介します。

 

4-1. [2.3歳向け]おきがえいろいろかくれんぼ(いしかわこうじ)

【あらすじ】

お着替えする洋服がかくれんぼしているしかけ絵本です。

頭にかぶるものは何かな?足に履くものは何かな?かたぬきページをめくると、かわいい洋服がたくさん出てきます。

>>「おきがえいろいろかくれんぼ」 Amazon販売ページ

【おすすめポイント】

楽しいしかけに子どもの目線も釘付けの1冊。

2〜3歳頃は体の部位を覚え理解し、どの部位に何を着るのか、着替えの習慣を身につけるファーストステップを踏み出す大切な時期です。

だいたい1歳半頃から体の簡単な部位を覚えはじめ、3歳頃にはおおよその部位を指させるようになります。

繰り返しでリズム良くわかりやすい内容で、2〜3歳頃の子どもにぴったりな1冊です。次は何の絵が出てくるのか、子どもたちが一生懸命のぞこうとする姿がとてもかわいらしいですよ。

お母さんのお膝で読むときは、絵本に合わせてお子さまの体をタッチすると、スキンシップがより深まるのでおすすめです。

 

4-2. [2.3歳向け]おきがえあそび(きむらゆういち)

【あらすじ】

1人で着替えられたら、赤ちゃんからお兄さんお姉さんになれる!

動物たちは張り切って自分で着替えようとしますが、上手くできません。困っているところにゆうちゃんがやってきて…?

>>「おきがえあそび」 Amazon販売ページ

【おすすめポイント】

お兄さんお姉さんに憧れて、真似をし始める2〜3歳頃の子どもにおすすめの絵本です。

1人で着替えるって素敵!と憧れを抱く内容で、自分で着替えることに興味が増す1冊ですよ。

ダイナミックなしかけが見応え抜群で、子どもも集中して見てくれます。

何度も着替えにチャレンジする動物たちから「何度失敗してもいい。たくさんチャレンジして1人で着替えられるようになるからね」と勇気をもらえる作品です。

 

4-3. [4.5歳向け]ペネロペひとりでふくをきる
(著/アン・グッドマン 絵/ゲオルグ・ハレンスレーベン 訳/ひがしかずこ)

【あらすじ】

1人で着替えに挑戦するペネロペ。着替えるものがたくさんあるけど、頑張って着替える!

上手に着替えられたら、パパとママに見せに行くんだ!

>>「ペネロペひとりでふくをきる」 Amazon販売ページ

【おすすめポイント】

保育現場でもペネロペシリーズが好きな子が多く、集中して見てくれることが多い絵本。

1人で着替えるペネロペを見て、自分も着替えてみたい!と真似をする子もいるほどです。

4〜5歳児になると起承転結があるお話を理解し、内容が具体的でページ数が多いものも理解できるので、物語に入り込んでペネロペの頑張りや成功に共感できるでしょう。

ペネロペが、どうしたらうまく着替えられるのか失敗を繰り返しながら考える姿は、子どもに多くの刺激を与えます。

何度もチャレンジして、成功のコツを掴んでいく大切さを、絵本を通して教えていきたいですね。

 

5.お着替え成功のコツは、とにかくたくさん褒めること!

子どもの着替えに関するお悩みは、解決策が見つからず大変なときもありますよね。

今回の記事をぜひ参考にしていただき、まずは、子どもが着替えを「楽しい」と思える関わりをおすすめします。

子どもは、楽しいことをするときはとても素早く生き生きと行動します。着替えは毎日する習慣ですから、少しでも楽しくできるとお母さんも嬉しいですよね。

子どもが着替えを楽しめたら、お母さんの心も少し楽になります。

お母さん自身が子どもの着替え時間が苦痛にならないためにも、子どもをたくさん褒めてあげてくださいね。

 

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