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【4歳・5歳】子どもが時間管理できない!?タイマーやホワイトボードを使った練習方法を5つ紹介!

この記事を書いた人

haru*(はる) haru*(はる)

haru*(はる)

  • 養護教諭
  • 心理カウンセラー

養護教諭として小・中学校に7年間勤務し、妊娠を機に退職。

現在は4歳の子どもを育てながら、フェルト生地を使った知育玩具のハンドメイド作品販売「sewing_haru*」の運営と、子育てメディアなどで記事の執筆をおこなっています。

子どもの「好き」をたくさん見つけて増やしていく子育てを目指しています!

「そろそろ出発時間なのに、なんでまだ遊んでいるの?」「早くしないと遅れちゃうよ!」と、お子さまを急かした経験はありませんか?

でも、子どもはマイペース。
着替えをせずにテレビを見始めたり、別の遊びをし始めたり、思うように進みません。

時間がなくて急がなければならない場面でも、なぜ子どもは時間を気にせずにのんびりと過ごしているのでしょうか。

この記事では、
・なぜ子どもは時間管理ができないのか
・時間管理の練習は何歳頃からがおすすめか
・時間管理の練習方法にはどのようなものがあるのか

についてまとめていきます。

時間管理能力を身につけるうえで、おとなが気をつけたいポイントも紹介!

ぜひ、お子さまが時間管理をできるようになるためのヒントにしてください。

 

目次

1.子どもが時間管理をできないのはなぜ?

 

親御さんが「早くして!」と声をかけても、お子さまは遊びを続けていたり、「あとでやる」と言ったりすることはありませんか?

実は、おとなと子どもでは、時間に対する感じかたが違うのです。

おとなは「急がないと、あと5分でバスが出発しちゃう!」のように、先が見通せます。

しかし、まだ時間管理ができない子どもにとっては、「いまはやりたくない」という気持ちの他に「まだ時間があるから大丈夫!」と、根拠なく思っていることも…。

時間管理ができるようになるには、子どもが時間の使いかたを学び、自分で時間を意識できるようにすることが大切です。

 

1-1.子どもに大切!時間管理能力とは?

「時間管理能力」とは文字通り、自身で時間を管理してものごとを進めることができる能力のこと。身につくと、ものごとの先が見通せるようになります。

「タイムマネジメント」とも呼ばれ、社会に出て仕事をする上で必須の能力であることは、保護者の皆さんも実感していることでしょう。

先が見通せると、「みたいテレビがあと10分で終わるから、10分後から着替えを始めよう」というように、時間配分が上手になります。

時間配分が上手になれば、ものごとがスムーズに進み、おとなも子どもも時間にゆとりが生まれますよ。

とはいえ、時間管理能力は一朝一夕で身につくものではありません。何度もくり返し時間を意識していくことで身につきます

だから、子どものうちから時間管理を意識することが大切だといえるのです。

 

2.時間管理の練習は4・5歳頃からがおすすめ

時間管理ができるようになるための練習を始めるには、適した年齢があります。

具体的には、4歳・5歳頃が最適です。ここでは、その理由を3つ紹介します。

 

2-1.園で「時間を区切った活動・学習」が始まる頃だから

小学1・2年生になると、算数の授業で「時こくと時間」「とけい」の学習が始まります。

小学校でおこなう時計学習の準備段階として、幼稚園では時間を区切って活動をしています。

そのため、時間管理の練習は、幼稚園生活に慣れてきた年中(4歳・5歳)頃からがおすすめだといえるでしょう

 

2-2.時間管理の大切さが理解できる頃だから

幼稚園の年中(4歳・5歳)頃は「なぜ」「どうして」と、ものごとに疑問を抱くことがさかんになる時期です。

時間管理を意識していくなかで「なんで時間を覚えるのかな?」「どうして時間を守るのかな?」と、自分から「時間管理を学ぶ意味」を考えることで、時間管理の大切さを学んでいくでしょう

 

2-3.時間の感覚が身につき始める頃だから

おとなと子どもでズレがある「時間感覚」の差が縮まり始めるのも、4・5歳頃だとされています

発達心理学におけるある実験では、この頃から、時系列を理解することができるとされています。例えば、起床・昼食・入浴・就寝という1日の中の4つの活動を、時間の流れにそって並べることができるのです。

また、昨日・今日・明日など過去・現在・未来の存在を理解して、会話の中で使うことができるようになるのも、5歳頃からだというデータも見られます。

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まだ大人とイコールではないけれど、時間感覚やその大切さへの理解がすすむ5・6歳を目処に、時間管理の練習を始めるのがおすすめ、なのです。

 

3.時間管理の練習|子どもの時間管理能力を育てる5つの方法

幼児期から時間管理の練習をくり返しおこなえば、次第に時間管理能力が育っていきます。

ここでは、時間管理能力を育てるための練習を「準備段階」から「具体的な練習方法」の順に、5つ紹介します。

時間管理能力をやしなうためにも、ぜひ、お子さまと楽しみながら練習をうながしていきましょう!

 

3-1.アナログ時計を置こう

お子さまが時間を意識する準備段階として、まずはアナログ時計を使って、時間を「目でみえる化」しましょう

デジタル時計の場合、数字が羅列しているため、「何時、何分、何秒」のように、並んでいる数字の順番と意味を理解しなければなりません。

そのため、「いま10分過ぎたね」のような時間の経過や、「あと10分で出発」などの時間を予測する感覚が身につきにくいことも…。

時間を「目でみえる化」できるアナログ時計であれば、針が一周するため、数字がわからなくても目でみて覚えられます。

針の動きを見て時間の流れを認識することで、時間の進みかたを自然と覚えていきますよ

 

3-2.会話のなかに具体的な時間を入れよう

子どもは「もう少し」「ちょっと」のような、抽象的な言葉の理解が難しく、おとなと同じようには時間の感覚が伝わらないことがあります。

おとなと子どもとでは、時間に対する感じかたが違うのです。

なぜなら、長い年月を過ごしてきたおとなと比べると、子どもは「過ごした時間」の経験値が圧倒的に少ないから。

お子さまと会話をするときには、「もう少し」「ちょっと」のような抽象的な言葉ではなく、「12時になったら、お昼ごはんの時間だね」「6時になったら、お風呂に入ろうね」のように、具体的な時間をいれて話をしましょう

会話のなかで聞こえる時間を覚えていくことで、お子さまが「3時だからおやつの時間!」と具体的な時間がいえるようになり、日常的に時間を意識できるようになりますよ

 

3-3.時間を区切って活動しよう

子どもが活動(遊び)を始めるまえに、おとなは「いまから、おえかきの時間です」のように声をかけましょう。

声かけをして時間を区切ることで、お子さまは「これから、おえかきするんだ!」と先が見通せるようになります

時間を区切ることに慣れてきたら、「やること」「やったこと」を「目でみえる化」していきましょう

3-4.タイマーで10分の感覚を覚えよう

遊びを始めるまえに「いまから10分間、ブロックで遊びましょう」と声かけをし、キッチンタイマーや携帯電話のタイマー機能を使って10分間をはかりましょう。

10分が経つと、タイマーの音が鳴ります。

「ピピピピッ」という音を聴くことで、時間の感覚が身についていないお子さまも、なんとなくでも10分の感覚がもてるでしょう

10分間の感覚が身につくと、「10分が2回で20分」という応用もできます。 遊びのなかで定期的にタイマーを取り入れて、10分の感覚を覚えていくとよいでしょう。

 

3-5.イラスト時計を使って時間を覚えよう

ホワイトボードに時計のイラストを描き、「このイラストと、本物の時計の針がおなじ形になったら、お片づけをしましょう」とお子さまにみせます。

ホワイトボードに描かれている時計は、「終了時間(ゴール)」をあらわしています。

「どのくらい針が動いたら、おなじ形になるのかな?」と針の動きを見比べることで、より時間を意識していくでしょう。

ホワイトボードの時計のイラストは、事前に油性ペンで描き、長針と短針だけ水性ペンで描き足せるようにしておくと、くり返し使えて便利ですよ。

 

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時間管理の練習に慣れてきたら、「いまは9時です。公園にいくけど、これから準備をしたら何時に出かけられる?」とお子さまに相談をしてみるとよいでしょう。

時間管理能力が身につくと、お子さまは「いまは9時だから、10時に出かけたらいいかもしれない」と時間を決められるようになります。

自分で時間を決めることで、時間をしっかりと守ろうとするでしょう。 お子さまの時間管理の力をより育てるためにも、ぜひチャレンジしてみてください。

4.時間管理の練習|おとなが気をつけたい2つのポイント

時間管理の練習をするとき、おとなが気をつけたいポイントが主に2つあります。

お子さまの時間管理能力をより育てるためにも、ポイントに気をつけながら練習をうながしていきましょう。

4-1.「子どもの時間は子どものもの」ということを理解しよう

お子さまのことを思うあまり、「急いで!幼稚園に遅刻しちゃう!」というように、「親側の都合」で急かしていませんか?

遅刻をしてしまうのはお子さまであり、親御さんではありません。

親御さんが忘れてはいけないのは、「子どもの時間は子どものもの」ということ

「急いで!」という言葉でお子さまを急かすのではなく、「遅刻をすると困るのはあなた(子ども自身)だから、したくを頑張ろうね」と、「子どもが主体となって準備をする」ということを念頭においたスタンスを心がけましょう

 

4-2.時間を知り、守ることを楽しめるようにサポートしよう

時間管理能力はおとなになってからも不可欠なスキルです。

お子さまが楽しみながらくり返し続け、しっかりと身につけることが大切です。

親御さんは、お子さまが時間管理の練習を楽しめるような雰囲気づくりを心がけましょう

「何歳までに時計を読めるようにしよう!」と、おとなが一方的に目標をたててしまうと、子どもにとってはストレスになり、プレッシャーを感じて「時間を覚えるのはイヤ!」となってしまうことも…。

時間管理はすぐに身につくものではありません。

お子さまが楽しみながら、くり返し時間管理の練習をできるようにサポートをしていきましょう。

5.時間管理の練習|おうちで簡単にできる!時間管理ゲーム2選

ここでは、おうちで手軽に取り入れることのできる『時間管理ゲーム』2選を紹介します。

いつもの遊びのなかに時間管理ゲームを取り入れて、お子さまの時間管理能力を育てる手助けをしていきましょう!

5-1.ぴったり1分!当てられるかなゲーム

アナログ時計の秒針をみて、「1分」を目で数えるゲームです。

ゲーム感覚で手軽に「1分」を体感できて、お子さまも「もう1回やる!」と意欲的になり、くり返し遊べるでしょう。

 

<準備するもの>
・アナログ時計(秒針あり)

<遊びかた>
(1)みえやすい場所にアナログ時計を置きます。
(2)秒針が一番上(12の数字)にきたときに、おとなが「スタート」といいます。
(3)子どもは、1分間を目でみて数えます。
(4)秒針が一番上(12の数字)に戻ってきたときに、子どもは「はい!」と声を出しましょう。

<おとなが気をつけたいこと>
最初のうちは、秒針が「ぴったり1分」ではなくても、「だいたい1分」で大丈夫。 お子さまのやる気を継続させてあげることが大切です。
ぜひ、お子さまとゲーム感覚で楽しみながら、「1分」を体感していきましょう!

実際に遊んでみました!

時計を読む練習をするために、3歳頃にアナログ時計を購入しました。 初めてアナログ時計をみた子どもは、動く秒針に釘づけでした!
4歳になった頃、このゲームを始めました。秒針が一番上(12の数字)にきてから、戻ってくるまでが「1分」ということを、目でみて覚えるのが目的です。
最初は私がお手本となり、「一番上にきたからスタート!」「戻ってきたからゴール!1分!」といって、やりかたを教えました。
やりかたを理解してきた頃、試しに「1分」をスタート!
私が「スタート」というと、「まだかな?まだかな?」といいながら秒針をみつめていました。
一番上(12の数字)あたりにきたとき、子どもは「1分だ!」と嬉しそうに叫びました。

秒針がぴったりではなくても、最初は「だいたい1分」で大丈夫!
お子さまが「だいたい1分」に慣れてきてから、「ぴったり1分」にチャレンジしていきましょう!

 

5-2.いつもはなにをしているでしょうかゲーム

おとなが「いまの時間」を子どもに伝えて、「いつもはなにをしているでしょうか?」と考えるゲームです。

習慣化している行動と時間を結びつけることで、クイズ感覚で遊びながら時間を覚えられるでしょう。

 

<遊びかた>
(1)「いまは朝の8時です」のように、おとなが「時間」を指定します。
このとき、いまの時間が本当に「朝の8時」ではなくても大丈夫です。
(2)子どもが「いまの時間」を理解してから、おとなは「いつもはなにをしているでしょうか?」と聞きましょう。
(3)子どもは「いまの時間」と「いつもの行動」を結びつけて考えて、「8時は、いつもテレビのアニメをみている時間!」のように答えます。

<おとなが気をつけたいこと>
まずは普段から、「いまは朝の7時だから、朝ごはんを食べる時間だね」のように、「具体的な時間」と「行動」を取り入れて話しましょう。
お子さまは日常会話の中でくり返し聞くことで、「具体的な時間」と「いつもしている行動」が結びつくようになります。
また、「いまの時間」は、お子さまが習慣化している行動がある「時間」を選びましょう。
「いつもしている行動」であれば、お子さまは指定された時間とスムーズに結びつけられます。

実際に遊んでみました!

最初のうちは、「具体的な時間」を会話に取り入れることを意識しました。
例えば、「いまは12時です。お昼ごはんの時間です」といったあとに、「お昼ごはんは、何時でしょうか?」とすぐに質問をするなどです。
先に答えが出ているため、子どもは「12時!」と答えやすく、スムーズにやりとりができるのでおすすめです。

わが家では日常的に「いつもはなにをしているでしょうかゲーム」を導入しています。
答えられないと「もう1回!」と悔しがり、クイズ感覚で楽しめますよ。
お子さまが悔しくて諦めそうなときは、「悔しい気持ちも大切!つぎにチャレンジする気持ちも大切!」と励まして、また楽しい気持ちで遊べるようにサポートしましょう!

 

6.練習やゲームを活用して時間管理能力を育てよう!

子どもが時間管理をできないと、親御さんは思わず急かしてしまいますよね。

しかし、自分の力で時間管理をできるようになるには、子ども自身が時間を意識していくことが大切です。

時間管理の練習やゲームを通じて、お子さまが楽しみながら時間管理能力を身につけて、自分で時間管理ができるようにサポートをしていきましょう。
 

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参考文献
・竹内謙彰・丸山 真名美. 慣用的時間概念理解の発達,愛知教育大学研究報告,心理学教室,2000
・山本瑠璃子・大伴潔,幼児における日付けや季節に関する言葉の理解 ─カレンダー・季節・年中行事の知識を対象として─,東京学芸大学教育実践研究,2021

 

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