3歳反抗期を乗り越える!「魔の3歳児」の特徴と対応のコツ、実践例を紹介
この記事を書いた人
猪狩はな
- 司書教諭
- 中学校教諭
- 高等学校教諭
- 小学校教諭
- 保育士
2児ママ× 現役国語科教員×ライター!
持続可能に「好き」を楽しむ生き方をしたくて転職。
・国語科(専門は古典文学)
・私立中高一貫校講師、公立中学校フルタイム教員を経て私立高校講師として勤務
・3歳と5歳の男児を育児中
キャリアに悩む人の助けになれるような発信を目指しています。
「3歳前後の子どもの『わがまま』に悩んでいる」 「言うことをきかない」「イヤイヤ期は終わったはずなのに、癇癪がすごい」 そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では「魔の3歳児」とも呼ばれる3歳反抗期について解説します。
4歳と3歳の男児を育児中の私が日常で実践している対策法もご紹介するので、3歳児への対応にお困りの方はぜひチェックしてみてください。
目次
1.3歳に訪れる反抗期「魔の3歳児」とは?
2歳の「イヤイヤ期」は聞いたことがあるけれど、3歳にも反抗期があるの?という方も多いと思います。
まずは3歳の発達段階や反抗期の原因について確認してみましょう。
1-1.「魔の3歳児」とは?
2歳のイヤイヤ期がいったん落ち着いた後、再びイヤイヤが復活する場合や、さらにレベルアップする場合があります。これを「魔の3歳児」「3歳反抗期」と呼びます。
1-2.3歳ってどんな時期?3歳の発達段階
3歳は脳と心が最も成長すると言われています。
3歳は「第1次反抗期」と呼ばれる自我の芽生えの時期です。
子どもは自分自身を独立した存在として認識し始め、自己主張や自己表現が増えます。
また、記憶力と理解力が大きく発達するので、心の面では以下のような発達の特徴がみられます。
- おもちゃの貸し借りなど、遊ぶときのルールを覚える
- なんにでも興味をもち、「なぜ?」「どうして?」という質問が増える
- 少し長めのストーリーがわかるようになる
1-3.3歳反抗期の原因
言葉が発達し、知恵もつく3歳という年齢。
子ども自身の心に「こうしたい」「ああしたい」という自己主張が生まれます。
それにより「やりたい」「やりたくない」「嫌だ」という感情が表出するようになり、反抗的な態度につながることがあるのです。
一方で、まだ自分1人では思うようにできないことも多く、そのギャップにイライラする場面もあります。
2.3歳反抗期の特徴
では、3歳反抗期「魔の3歳児」にはどのような特徴があるのでしょうか。子どもに見られる言動をまとめました。
2-1.言い訳や反論が多くなる
3歳になると話せる言葉も増え、会話もできるようになってきます。
これにより、親に対して言い訳や反論をする場面が増えることがあります。
会話ができるようになるとはいえ、まだまだ言葉や表現力が未熟であり、思いをうまく伝えることが難しい場合もあります。
そのため、思い通りにならない状況に対してイライラや癇癪を起こすことがあります。
2-2.自己主張が強く、親の思い通りにならない
「自分はこうしたい!」という自己主張が強まり、親の思い通りにならないことが増えます。
今までは親の指示を素直に受け入れていた子であっても、言葉の発達も相まり、自分の希望や意見を伝えようとするようになります。
時には自分の意見や欲求を押し通そうとすることもあります。
2-3.大人のまねをしたがる
大人がしていることを何でもまねしたがる時期です。
中には、3歳にはまだ危ない行動やできないことでも挑戦したがることもあります。
挑戦した結果、思ったようにできなかったというギャップや、挑戦したかったのにやらせてもらえなかったことによるストレスでイヤイヤしてしまう場合も少なくありません。
2-4.癇癪を起こす
気に入らないことや納得できないこと、不快なことがきっかけで癇癪を起す場合があります。
2歳のイヤイヤ期でも癇癪に悩まされていた方は多いのではないでしょうか。
3歳反抗期では、2歳のときよりも体力がつき、体も大きくなっているため、注意が必要です。
私自身、現在4歳の長男が3歳のときに猛ダッシュで逃走され、大変な思いをしたことがあります。
2-5.手が出る
自分の感情や思いをうまく言葉にできずに、いらだちや不満が暴力的な行動として表出する場合があります。
手を出す、足で蹴る、噛みつく、物を投げるなどの他人への加害行為は親としても落ち込むものです。
暴力的な行動に対しては毅然とした態度で対応しつつ、子どもの気持ちに寄り添う姿勢はぜひ示してあげてくださいね。
2-6.認めてもらいたい気持ちが強くなる
自分の頑張りやできたことを見てほしい、認めてほしいという気持ちが強くなる時期です。
「見て見て!」「すごいでしょ」「これ作ったんだよ!」と頻繁に報告に来る子もいます。
ここで大人が適当な対応をしてしまうと、子どもは失望や不満を感じ、それが癇癪につながる場合も多いです。
3.「3歳反抗期」どうやって乗り越える?対応のコツ
では、そんな3歳反抗期はいったいどんなふうに乗り越えたらよいのでしょうか。ここでは、対応のコツを4つご紹介します。
お子さんの性格やこだわりによってもよりよい対応方法は変わってくるので、選択肢の1つとして確認してみてくださいね。
3-1.まずは子どもの話を聞く
「なにをしたいのか」「なにをしたくないのか」「なにを言いたいのか」をまず本人に確認しましょう。
頭ごなしに否定したり、決めつけたりせず、子どもが落ち着くのを待って聞き取りをしてあげてください。
本人なりの意思が隠れているはずです。
3-2.子どもの気をそらす
目の前のものにこだわっている場合、「別の選択肢を出して気をそらす」というのも1つの手段です。
- 「テレビが見たい!」と主張しているときに「こっちにブロックもあるよ」と誘導する
- 抱っこしてベランダに出て、一緒に外の景色を見てみる
など、ちょっとしたきっかけで気分が変わる場合もあります。
3-3.子どもが納得のいくまで付き合う
例えば「大人と同じように、自分で自分の靴を履きたい」という場合を考えてみましょう。
何回も挑戦するけれどうまく靴に足を入れられずに悪戦苦闘、けれど親が手伝おうとすると「自分でやるの!」と怒って手出しさせてくれない…。同じような経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
こういった場合に、「子どもが納得できるまで付き合う」という対応もぜひ選択肢に入れてみてください。
忙しいタイミングではなかなか難しいかもしれませんが、自分でできたという成功体験は、子どもの心をぐっと成長させてくれます。
3-4.言い聞かせ方を変えてみる
同じ言い方で繰り返し伝えてもなかなか本人には届かない場合も多いです。
- 少し時間をおいてから再度伝える
- ぎゅっと抱きしめて、優しく声をかける
- パパ、ママ、先生など周囲の人からも話してもらう
など、伝えたい中身が同じでも、タイミングや表現方法を変えることですっと話が入ることもあります。
何度言っても上手くいかない…。と思い悩んでいる人はぜひ試してみてください。
4.「3歳反抗期」親のイライラ対策
「3歳反抗期」が発達段階によるものとはいえ、日々育児している親はついついイライラしてしまいますよね。
親のイライラにどのように対処すればよいのでしょうか。対策法を3つご紹介します。
4-1.赤ちゃんだったときを思い出す
3歳児の言動にイライラした時は、子どもが赤ちゃんだった頃を思い出してみましょう。
赤ちゃんのときの写真を目に見える場所に飾っておくのも効果的です。
その写真を見ることで、子どもがどれだけ成長しているのか、過去のかわいらしい姿を思い出すことができます。
冷静な気持ちを保ちながら子育てに取り組むのに役立つでしょう。
4-2.安全を確保したうえで少しその場を離れる
親がその場からいったん離れて気持ちを落ち着ける方法も効果的です。
子どもの安全を確保できているという前提にはなりますが、別室やトイレなど、1人になれるところに移動してみてください。
そこで深呼吸をしたり、リラックスしたりすることで、自分自身の感情を整理することができます。
イライラがピークに達した時に冷静さを取り戻すのに役立つでしょう。
4-3.深呼吸する
怒りをコントロールする手法・アンガーマネジメントには、「頭に血が上ったら6秒数える」というワークがあります。
怒りの感情が湧いた瞬間にその場で数を数える、深呼吸をするといった、一呼吸置く動作を取り入れることで気持ちを落ち着けることができます。
アンガーマネジメントについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
親子で実践!「アンガーマネジメント」をマスターして怒りの感情を上手に扱おう!
5.3歳育児中!我が家の反抗期対処法を紹介
我が家では、現在4歳と3歳の男児を育児中。本人なりのこだわりが強くなってきた次男への、私の対応方法をご紹介します。
長男相手でも通用する場合があるので、ぜひ試してみてください。
5-1.子どもの発言を肯定する(傾聴する)
なにを言っても「嫌だ!」と泣く、なにを提示しても「やらない」と言う、果てはパニック状態になり大号泣……ということがよくあります。
忙しい朝などにスイッチが入ってしまうと、こちらもイライラ。
ここで無理になにかを押し付けてしまうと、悪循環に陥ります。
こういうとき私が実践しているのは「まずは全ての発言を肯定する」という対応です。
例えば「嫌だ!ごはん食べない!」と言われたら、「嫌なんだね。ごはん、食べないんだね。わかった」といったん感情を引き受けます。
子どもが言ったことそのままのおうむ返しでもいいので「〇〇なんだね」と返すのです。
親としたら朝ごはんを食べてほしいのに、これでは逆効果になるのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、こうやって「わかったよ」と子どもの気持ちを受け入れることで、パニックになっている心が落ち着きます 。
次男の場合は、いったん感情が落ち着くとケロッとして「ごはん食べようか!」とにっこり笑顔でご飯を食べだす場合が多いです。
ぜひ一度試してみてください。
5-2.2つのものを提示して選んでもらう
例えば「ご飯食べたくない!」と子どもが断固拒否してきた場合、あえて、2つの選択肢を準備して子どもに選んでもらうプロセスを踏むのもオススメです。
私自身、長男のときには「ご飯とパン、どっちがいい?」のように「ご飯」というカテゴリーの中で選択肢を提示する方法をよくやっていました。
しかしこの場合、子どもからこちらが提示した以外の「第3の選択肢」を出されるという危険性があります。
ここで「バナナがいい」と突然バナナを要求され、家にバナナがなかったらと思うと恐ろしいですよね。
そこで、次男のこだわりが出始めてからは選択肢を広めに取るようにしています。
例えば「ご飯とお着替え、どっちがいい?」「お風呂と歯磨き、どっちを先にする?」のように、行動の2択を提示して選んでもらうのです。
「どっちも嫌だ!」と言われることや、先にお風呂に入ったのに歯磨きを拒否されることもありますが、本人に「選ぶ」余地があることで揉めないで行動できるような気がしています。
5-3.諦める
あれこれと手を尽くし、それでもどうにもならないときの最終手段は「諦める」です。
例えば、服装の場合です。次男は服にこだわりがある子なので、天候に関係なく厚手の「お気に入りの1枚」を着たがる期間がありました。
「今日は暑いから半袖を着よう」といくら説得してもかたくなに譲らなかったので、諦めてお気に入りの服を着せ、半袖は荷物に入れて出発することにしました。
歯磨きも嫌がるので、毎晩が戦いです。
待てるときは次男が「磨こう」と言うまで待つのですが、待てない場合やあまりにもかたくなで次男が折れそうにない場合は、諦めて強行突破で歯を磨きます。
こちらが折れてなんとかなることであれば譲りますが、健康面や安全面に関わる場面では「ここは譲れない」という判断も必要です。
強行突破したあとは、あとから褒める、認めるのもセットにするようにしています 。
6.「魔の3歳児」反抗期は成長の証!
3歳反抗期には、「自分でやりたい!」「でもうまくできない」という子ども自身の成長や個性が反映されています。
子どもの気持ちや意思を尊重し、親子で前向きに3歳反抗期を乗り越えましょう!
この記事が3歳反抗期でお悩みの方の助けになれば幸いです。
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