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子どもの季節感はなぜ大切?身近な自然との触れ合いを親子で楽しもう!

この記事を書いた人

みか みか

みか

  • 保育士

3歳の男の子を育てるアラフォーママです。

子育てしながら保育士資格を取得。

現在は、幼児教室に勤務する傍ら、フリーライターとしてキャリアを構築中です。

好きなことは絵本集めとアウトドア。

自然との繋がりを大切にしながら、子育てを楽しんでいます。

日本には春・夏・秋・冬四季があり、季節ごとに変わる美しい景色や旬の食材など、自然を通して季節を感じられる魅力があります。

「季節感のある子に育ってほしい」「自然との関わりを大切にしたい」と願うママ・パパも多いのではないでしょうか。

一方で「どうやって季節感を取り入れたらいいの?」「身近に季節を感じられる自然がない」という悩みを聞くことも少なくありません。

この記事では、子どもの季節感を育むことはなぜ大切なのかについて説明しながら、子育てに季節感を取り入れるときのポイント、季節を感じられる自然の見つけ方、おすすめの絵本や図鑑を紹介します。

日常生活に季節感を取り入れて、親子で一緒に楽しんでくださいね!

 

目次

 

1.子どもの季節感を育むことはなぜ大切?

季節感のある生活を送ることは、子どもにどんなメリットをもたらすのでしょうか?

ここでは子どもの季節感を育むことの大切さを解説します。

 

1-1.「自立」を助ける

季節感を育むことは、子どもの「自立」を助ける上で重要な役割を果たします。

例えば、服装選びにおいて、季節ごとに気候の特徴を把握できていれば、自分の判断で適切な衣服を選べるようになります。また食生活でも、旬の食材を知っていれば、栄養価の高い時期に積極的に摂取できます。

このように、季節に合わせて衣服や食生活を工夫できる力は、大人になってから一人暮らしをするときにも大いに役立ちます。

「自分で判断・行動する力」を育むためにも、幼児期から季節感を学ぶことは大切なのです。

 

1-2.「学ぶ力」を育てる

季節感を身につけて自然に親しむことは、「学ぶ力」の基礎に繋がります。

幼児期の子どもは、身近な自然と触れ合う中で、探索活動を楽しみ、発見に喜びを感じる時期です。どうして春になると芽が出て花が咲くのか、秋になるとなぜ葉っぱが色づくのか、冬のあいだ虫たちは何をしているのかなど、季節の変化を不思議に思うようになります。

「これはなに?」「どうして?」と疑問を持つのは、知的好奇心が刺激されている証拠です。

このような知的好奇心は、学校の勉強に役立つだけでなく、社会人として必要な思考力や問題解決能力に繋がっていきます。

季節感を育むためには、子どもが自然に親しめる環境を、身近に整えてあげることが大事です。

 

1-3.心が豊かになる

季節感を身につけることは、豊かな心を育てる、いわゆる「情操教育」に繋がります。

四季折々の自然の景色や風、匂い、音、感触を楽しむ時間は、感性や想像力を刺激し、子どもにとって掛け替えのない経験です。自然の変化に敏感になり、美しさに感動し、癒やしを感じられるようになるでしょう。

また、季節の行事を楽しんだり、旬の食材で食卓を彩ったり、日々の暮らしに季節感を取り入れることで、文化的な教養も身につけることができます。

子どもの感性や想像力を育むためにも、季節感を大切にしたいですね。

 

2.季節感を子育てに取り入れるときのポイントは?

それでは、季節感を取り入れる際の効果的なポイントを紹介します。

 

2-1.タイミングは3歳頃がおすすめ

子育てに季節感を取り入れるタイミングとして、明確な年齢はありません。

何歳は早い・遅いということもないので、子どもの発達状況と、ママ・パパが取り入れやすいタイミングがおすすめです。

平均的に3歳頃の子どもは、好奇心旺盛になり、周りの環境により興味を示すようになります。

「なんで?」「どうして?」と周囲の大人に尋ねるようになるのも、この時期です。

幼稚園の教育基準をまとめた「幼稚園教育要項」では、幼稚園修了までに育みたい「生きる力の基礎」として、季節や自然との関わりについて、次のような内容が示されています。

  1. 自然に触れて生活し、その大きさ、美しさ、不思議さなどに気付く。
  2. 生活の中で、様々な物に触れ、その性質や仕組みに興味や関心をもつ。
  3. 季節により自然や人間の生活に変化のあることに気付く。
  4. 自然などの身近な事象に関心をもち、取り入れて遊ぶ。
  5. 身近な動植物に親しみをもって接し、生命の尊さに気付き、いたわったり、大切にしたりする

引用:「幼稚園教育要領」第2章 ねらい及び内容より一部抜粋引用元

保育園の方針である「保育所保育指針」の「3歳以上」の項目にも同様の内容が記載されていることから、この時期から季節感を積極的に取り入れてみるのもいいでしょう。

 

2-2.実体験を積み重ねる

「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、季節感を味わうためには五感を使った「実体験」が効果的です。

例えば、植物や生き物を実際に見たり触ったり、匂いや味わいを体験することは、子どもたちの好奇心を刺激し、新たな発見や「なぜ?」という疑問を生み出します。

また、実体験は記憶に残りやすく、後から同じような体験をしたときに、「これ知ってる!」「やったことある!」という自信にもつながります。

季節感を育むには、知識を教え込むのではなく、子どもたちがありのままに感じたり、発見を楽しめたりするようにサポートすることが大切です。

 

2-3.図鑑や絵本を活用する

季節感を育むには、図鑑や絵本を活用するのがおすすめです。季節や自然に関する知識を深め、わからないことを調べる習慣が身につき、自分から勉強を楽しめる子に成長します。

例えば、散歩中に見つけた花や昆虫について図鑑で調べたり、日頃から季節感のある絵本を読んだりしていると、「もっと知りたい」「本物を見てみたい」という想像力や知的好奇心が膨らみます。

図鑑や絵本には、写真やイラストがメインで構成されているため、まだ文字を読むことができない子でも、視覚的に幅広く情報を吸収できます。

ポイントは、親子で対話しながら図鑑や絵本を開くことです。

「今日これと同じ◯◯見たね」「冬になると、こんな色になるんだね」など声をかけてみましょう。

実体験と図鑑や絵本の内容が結びつけば、知識と経験が子どもたちの中に構築され、自然と季節感も身についていきます。

 

3.季節を感じられる身近な自然を探そう!

遠出をしなくても、季節を感じられる自然は身近なところにたくさんあります!

大切なのは「大人も子どもと一緒に楽しむ」ことです。ぜひ、日常生活の中に取り入れてみてくださいね。

 

3-1.近所の歩道や公園を散歩する

散歩は手軽に季節を感じられる方法です。自宅の近くにある歩道や公園など、同じ場所を散歩することで、自然の変化が分かり、季節の移り変わりを実感できます。

例えば、桜やイチョウは、四季の変化が一目でわかる樹木の代表です。街路樹に多いハナミズキも、春には白やピンクの花を咲かせ、秋にはサクランボのような真っ赤な実を付けます。

どんぐりや松ぼっくりを見つけて集めるのも、子どもが好きな遊びの1つです。春に足元に咲く小さなスミレやカタバミの花も、秋になると実を付け、種を弾き飛ばします。

春にはアリたちの巣作りの様子、夏にはセミの声、冬には越冬する蝶のサナギを発見できるかもしれません。

虫眼鏡を持たせてあげると、さらに観察が楽しくなりますよ。

小さな自然の変化に子どもは大喜びするでしょう!足を止めたときには、大人も一緒に興味を持って観察してみてください。小さな発見が、子どもの大切な学びとなり、季節感を育むことにも繋がります。

 

3-2.家で植物を育てる

自宅のベランダやお庭を活用して、花や野菜を育てる経験もおすすめです。

例えば、春にはチューリップやパンジー、夏にはヒマワリやアサガオなどの季節に合った花を育てることで、子どもは季節を身近に感じられます。春にはイチゴ、夏にはトマトやキュウリなどの野菜を育てれば、収穫体験もできます。

野菜には「旬」があることを学ぶ機会にも繋がるでしょう。

自分の手で種から育てることで、「芽が出た」「花が咲いた」「実がなった」など植物の成長に喜びを感じられます。

さらに、収穫した野菜を一緒に料理して味わえば、より一層、旬を楽しめますよ。もちろん、子どもと一緒にスーパーで旬の野菜や果物を買って、食べてみることで季節感を味わうこともできます。

花や野菜など身近な植物と触れ合いながら、季節感や食べ物の大切さを学んでみましょう。

 

3-3.虫の飼育に挑戦する

昆虫は、公園や道端で見つけられる、子どもにとって最も身近な生き物です。

昆虫を飼育して観察することは、子どもの自然への興味と関心を高め、季節への理解も深まります。

比較的飼育しやすく、小さな子どもでも変化に気づきやすい昆虫は、モンシロチョウやカブトムシなどです。卵から始まり、幼虫、蛹(さなぎ)、成虫へと成長していく過程は、季節と生命のサイクルを学ぶのにうってつけです。

生き物を飼育することは、季節感を育むだけでなく、思いやりの心や命の大切さを学ぶきっかけにも繋がります。

虫が苦手というママ・パパもいるかもしれませんが、子どもが「飼ってみたい!」と目を輝かせていたら、期待に答えてあげたいですね。

 

4.季節を感じられるおすすめの絵本・図鑑

ここでは季節感を学ぶのに役立つ図鑑や絵本を紹介します。紹介にあわせて、実体験についても触れますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

4-1.きせつの図鑑 (小学館の子ども図鑑 プレNEO)

道端で「この花なぁに?」と子どもに聞かれて戸惑ってしまった、という経験はありませんか?

そんなとき役立つのが「きせつの図鑑」です。

この図鑑には、季節ごとに見られる代表的な草花や生き物の名前がまとめられており、大人も目を通しておけば、外出先でも子どもの疑問にすぐ答えてあげられます。

また、草花遊びや昆虫の飼育方法、旬の食材の調理法なども掲載されているので、子どもが興味を持てば実体験に繋げられますよ。3歳頃の子どもなら「公園のお花と一緒!」「こっちの葉っぱはなぁに?」と指差しして興味を示してくれます。

他にも季節の行事、天気、童謡など、四季の特徴が詳しく紹介されているので、親子で季節感を共有するのにぴったりな1冊です。

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4-2.さくら(文/長谷川 摂子 絵・構成/矢間 芳子)

桜は、学校や公園、歩道などで目にする身近な樹木の1つです。春には美しい花を咲かせますが、その他の季節にはあまり注目されません。

この絵本では、四季を通じた桜の変化が詳細に描かれ、子どもが季節の移り変わりを感じやすい物語に仕上がっています。

夏には緑の葉が茂り、昆虫採集なども楽しめますし、秋には赤や黄色に染まった落ち葉で遊ぶこともできます。冬には、ぷっくり膨らんだ新芽を観察することもできますよ。

この絵本を読んで、お花見以外の季節にも、子どもと一緒に桜の木を訪れてみてくださいね。

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4-3.えほん七十二候 はるなつあきふゆ めぐるぐる(作/白井明大 絵/くぼあやこ)

かつて日本には、72もの季節があったことをご存知でしょうか?

七十二候(しちじゅうにこう)と呼ばれるもので、「立春」に始まり「大寒」で終わる二十四節気(にじゅうしせっき)をさらに細かく分けたものです。

例えば「桜始めて開く」「寒蜩鳴く(ひぐらしなく)」「地始めて凍る」など、季節ごとの草花や生き物、気候の変化がそのまま季節の呼び名になっています。

この絵本は、七十二候に沿って、季節感いっぱいの詩とイラストを楽しむことができます。擬音語・擬態語がたくさん使われたリズム感の良い詩なので、ママ・パパが楽しげに読めば子どもは大喜び!いつのまにか季節の言葉を覚えてしまいますよ。

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5.身近に自然を取り入れて、親子で季節感を楽しもう!

身近な自然と触れ合い季節感を育むことは、学びの土台となり、自立する上で役立つ知識にもなります。

大切なのは、親子で一緒に取り組み、子どもと一緒に発見を喜び、気持ちに共感することです。

幼児期は好奇心に溢れ、スポンジのようになんでも吸収する時期です。親子で季節感を大切にして、自然と共に過ごす楽しさを味わってみましょう。

 

・非認知能力がどうして大事なの?効果は?

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