子どもの「自立心」を育てるおすすめの方法3選!自立心の意味や親の心構えも紹介
この記事を書いた人
多村美穂
- 保育士
元保育士のWEBライターです。
保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。
現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。
保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!
「何をするにも親に頼りきりのまま、子どもが自分でやろうとせず気になってしまう」
「お友だちと比べると、自分の子どもは自立していないように感じてしまう」
親に甘えて身の回りのことをやってもらう我が子の姿を見て、自立心が育っていないのではないかと不安に思う人も多いでしょう。
自立心は、親に見守られながらさまざまな経験を積むことで、少しずつ育てていけます。
この記事では、自立心の意味や自立心を育てる方法、2歳から5歳頃の子どもの自立心を育てるための親の心構えを紹介します。
子どもの自立心を育てたいと思っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.自立心の意味
自立心とは、自分の力で考え・行動するための心構えのことです。
具体的には、
- 身の回りのことを自分でできて達成感を得る
- 自分がやりたい遊びを自分で選んで満足感を味わう
- 新しいチャレンジに成功して成功体験を味わう
こういった経験が自立心が芽生えるきっかけとなり、その積み重ねで少しずつ自立心が育っていきます。
保育園の基本方針を定める「保育所保育指針」でも、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として自立心を挙げています。
“身近な環境に主体的に関わりさまざまな活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動するようになる。”
引用:保育所保育指針
自分の力で問題を発見・解決していく力の元になる自立心は、これからの社会を生き抜くために必要不可欠です。
幼いころから自立心を育てることを意識し、たくさん経験を積ませてあげましょう。
2.自立心はいつから育つ?
自立心は2~3歳ごろから態度や行動で表れ始めると言われています。
親の働きかけに対して、自分の意に沿わないとすぐに拒否する「イヤイヤ期」と呼ばれる時期は、自立心の元になる自我が育ってきている時期でもあるのです。
例えば、以下のような場合の「イヤイヤ」は、まさに自立心の表れと言えるでしょう。
- 自分で服を選びたかった
- 自分で靴が履きたかったのにできなかった
なお、本格的な自立心は女の子は小学3年生、男の子は小学5年生くらいから出てくるとされています。
3.自立心が育っていない子どもの特徴
自立心が育っていないとどのような弊害が生じるのでしょうか。
ここでは、自立心が育っていない子どもの主な特徴を3つ紹介します。
3-1.自分の意思で決断・行動できない
自立心が育っていない場合、自分の意思で決断・行動できない人間になってしまう可能性があります。
「自分で決めて行動する」という考えがないため、他人からの指示がないと動けないからです。
大人になるにつれて、自分の意思で決断し、行動しなければならないことが増えてきます。
自立心が育たないままに成長してしまうと、目の前の事態にうまく対処できないことが多くなり、苦労する場面も増えてしまうでしょう。
3-2.人の意見に流される
自立心が育っていないと、人の意見に流されることも多くなってしまいます。
自分で考えることがないため何が正しいかも判断できず、他人の意見をそのまま受け入れてしまうのです。 仮に他人の意見が間違っていたり、悪い意見だったりした場合、取り返しの付かないことになりかねません。
3-3.責任感がない
自立心が育っていないと、責任感も育ちません。
先ほど紹介したように、自立心が育っていない場合、「自分で決める」ことも少なくなります。
そのため、自分が決めたことではないからと、責任を感じることもなくなってしまうのです。
その結果、何か悪いことが起きるとすべて人のせいにしてしまい、反省や成長もできないままになってしまう恐れがあります。
4.自立心を育てるおすすめの方法3選
では、自立心を育てるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
ここでは、自立心を育てるおすすめの方法を3つ紹介します。
4-1.目標を立て、実行する
自立心を育てるためには、目標を立て、「目標達成に向けた行動をする」という経験をさせてあげるのがおすすめです。
目標を立てると、目標を達成するために自分で計画したり、スムーズに達成するための工夫を考えたりするきっかけができるからです。
また、自分の行動で結果が左右されるため、自然と自分の行動に責任感が芽生えてくるでしょう。
目標を立てる際には、あまり高望みをせず、意識すれば達成できるような内容にすると良いでしょう。
例えば、以下のような目標がおすすめです。
・玄関で靴を脱いだら揃える
・毎朝お花に水をあげる
・寝る前に明日の持ち物を確認して、準備する
身の回りのことを目標にすると、生活習慣も身に付くため一石二鳥ですよ。
4-2.お友だちとのトラブルをなるべく自分で解決させる
自立心を育てるためには、お友だちとのトラブルをなるべく自分で解決させるように心掛けることが大切です。
何かトラブルが発生した時に問題を発見し、解決方法を考えるというプロセスは、自立心を大きく育てるからです。
また、トラブルを親が解決してしまうと、子どもが「自分で解決しなくてもいいんだ」と甘えてしまうようになってしまう可能性もあります。
ただ、小さな子どもがすべてのトラブルを自分で解決するのは難しいでしょう。
また、困っているのに見ないふりをしてしまうと、子どもが「見捨てられた」と思ってしまう恐れもあります。
その場合は、「まずは何で怒ってるのか聞いてみたらいいんじゃないかな」などとアドバイスをしたり、「一緒に謝りに行こうか」などと子どもの気持ちに寄り沿ってあげるといいでしょう。
4-3.成功体験を積ませる
子どもの自立心を育てるためには、成功体験を積ませてあげることも重要です。
「できた」という経験により自分に自信が持てるようになり、「またチャレンジしよう」「次はこうしよう」という挑戦意欲が生まれ、自立心を育てるからです。
成功体験は小さなことで構いません。
例えば以下のようなことも立派な成功体験になるでしょう。
・自分で靴下がはけた
・昨日より上手に積み木がつめた
・自分だけでお片付けができた
そして、何かに成功した場合はたくさん褒めてあげてください。
親に褒められることで子どもは自己肯定感を高め、相乗効果を生むでしょう。
5.自立心を育てるために心掛けたい3つのこと
ここからは、自立心を育てるために親が心掛けたいことを3つ紹介します。
5-1.手出し・口出しを控え、子どもを見守る
子どもの自立心を育てるためには、子どもの行動になるべく手出し・口出しをしないで見守るスタンスを保つことがとても大切です。
子どもの行動に親が手出ししたり、先回りして行動したりすることで、子どもが自ら考え・行動する機会を奪ってしまうからです。
さらに、「自分が困っても他人がなんとかしてくれる」と間違った学習をしてしまうことにもなりかねません。
子どもが自分で行動する姿を見ていると、時間がかかったり失敗してしまいそうになったりして、つい手を出してしまいたくなることもあるでしょう。
しかし、子どもが自分なりに挑戦して自立心を育てている途中なのだとぐっと我慢して、側で見守ってあげてください。
5-2.お友だちと比べない
他のお友だち、もしくはきょうだいと比べないという点も、子どもの自立心を育てるための重要なポイントです。
比較されることで他人からの評価を気にするようになり、他人に依存した価値観を作ってしまう恐れがあるからです。
また、「自分はできない子なんだ」と自信や自己肯定感を失ってしまうきっかけにもなりかねません。
比較するのであれば、お友だちやきょうだいではなく、過去の子ども自身を対象にしてあげてください。「この前よりうんと上手になったね」と子どもを褒め、自信をつけさせてあげられますよ。
5-3.子どもの気持ちを尊重する
子どもの自立心を育てるためには、子どもの気持ちを尊重することを忘れてはいけません。
子どもが何かに挑戦したいと言った際に、否定したり親の価値観を押し付けてしまうと、挑戦する意欲を失ったり、親の顔色をうかがうようになってしまうからです。
子どもが言い出した内容によっては、安全性や発達の面から挑戦させてあげることが難しいこともあるでしょう。
その場合も、一緒にできることを考えたり、工夫したりするなどのサポートをして可能な限り子どもの気持ちを受け止めてあげてください。
6.見守りながら経験を積ませ、自立心を育てよう
子どもが行動している姿を見ていると、親が手伝った方が早かったり、失敗して泣いてしまうのがかわいそうだったりして、代わりにやってあげたくなることも多いでしょう。
しかし、子どもは物事に挑戦し、失敗や成功を繰り返すことで自立心を育てていきます。
親は笑顔で見守り、落ち込んだり行き詰っている時にさりげなくサポートをしてあげつつ、自分で最後までやりとげられる環境を整えてあげましょう。
小さなころから育ててあげた自立心は、子どもが社会を生き抜くための大きな力となりますよ。
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