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子どもの「仲間はずれ」はなぜ起こる?その理由と場面、親の関わり方を紹介

この記事を書いた人

榊原なつき 榊原なつき

榊原なつき

  • 心理カウンセラー
  • 小学校教諭
  • 保育士
  • 中学校教諭

小学校教諭として2年間勤め、現在は放課後等デイサービスに勤務

保育士・小学校教諭・中学校教諭・心理カウンセラーの資格をもち、大学では教育社会学を専攻。

ひとりひとりの個性に合った教育や療育を目指しています!

幼稚園や保育園に毎日楽しく通っているお子さん。

「お友達と仲良く遊べているのだろうか?」
「最近、お友達と一緒に遊んでいないみたいだけど大丈夫?」
と保護者の方の心配は尽きないことでしょう。

4歳ごろから幼稚園や保育園でみられるトラブル、「仲間はずれ」。

もしお子さんが仲間はずれにされていたらとても心配ですよね。

今回は、幼稚園や保育園に通う4歳ごろのお子様の中で「仲間はずれ」というトラブルが起きる原因と、もし仲間はずれというトラブルに直面した時の保護者のサポート方法を紹介します!

 

目次

1.仲間はずれはこんな場面で起こる -主な4つのシチュエーション-

 

まずは、実際に仲間はずれが起こるシチュエーションを4つ紹介します。

なぜ4歳ごろのお子様が仲間はずれをしてしまうのか、見てみましょう。

 

1-1.お友達を独り占めしたいとき

何人かのお友達が一緒に遊ぼうとしている場面です。

AちゃんはBちゃんとおままごとで遊んでいます。
ふたりと一緒に遊びたいCちゃんは「いれて!」と言いますが、「Cちゃんはだめ!」「はいらないで!」と言い、二人だけで遊ぼうとします。
気付いたら「Bちゃんあっちで遊ぼう!」とAちゃんはBちゃんと別の遊びへいってしまいます。
AちゃんはBちゃんのことを独り占めしたいようです。”

 

1-2.自分のやりたい遊びを一緒にしてくれないとき

別の子と遊んでいるお友達を、違う遊びに誘っている場面です。

AちゃんはBちゃんとおままごとで遊んでいます。
ふたりと一緒に遊びたいCちゃんは外遊びに誘いますが、「Cちゃんとは遊ばない!」と言われてしまいます。
Aちゃんはおままごとがしたかったので、今は外遊びをしたくないようです。
しかし言葉が足らず、Cちゃんと遊ぶこと自体を嫌がっているような言い方をしてしまいます。

 

1-3.ルールにこだわりすぎるとき

ルールを決めておこなう遊びでの出来事です。

何人かで鬼ごっこをしている途中で、Dくんがやってきます。
「いれて!」と伝えてもEくんは「だめ!」と言って、Dくんを入れようとしません。
よくよく聞いてみると「途中でゲームに参加するのはだめ!」というルールだとEくんは思い込んでいたようです。

 

1-4.自分がいちばんでいたいとき

DくんはEくんとおにごっこで遊びたいのですが、「Eくんきらい!もうEくんとは遊ばない!」というDくん。
以前に、EくんはDくんとおにごっこで遊んだ時に負けたことがありました。
そのことを気にしているようです。

 

2.仲間はずれはなぜ起こるのか? -考えられる4つの理由-

このように、毎日の園生活の中で仲間はずれが起きる場面は多くあります。

なぜ、このようなトラブルが起きてしまうのでしょう?

 

2-1.4歳ごろの心の成長過程のひとつ

幼児期には心の成長に伴い、あそびの仕方が以下のように変化していきます。

ひとりあそび

傍観的行動(お友達の遊びをじっと見るが参加しない)

平行あそび(お友達の隣で同じおもちゃで遊ぶが、会話などはない)

連合あそび(おもちゃを貸し借りしたり会話をしたりして一緒に遊ぶ)

協力あそび(ルールや役割分担を作って遊ぶ)

幼稚園・保育園に通うようになる3歳〜5歳ごろになると、「連合あそび」や「協力あそび」ができるようになってきます。

お友達とのやり取りが増えてくる中で、お友達とのトラブルも経験して人との関わり方も学んでいるのです。

 

2-2.相手の気持ちを考えることが苦手

4歳ごろのお子さんは、相手の立場に立って考える力がまだ十分に育っていません。

そのため、互いに自分のやりたいことをどうにかしてやり通そうとしてぶつかり合います。

自分のやりたいことに適さないと、その子を遮って自分のやりたいことを優先してしまいます。

 

2-3.自分の感情にこだわってしまう

保護者の方も、何かに対して怒りを覚えるとしばらくそのイライラが収まらない、という経験をしたことがあるかと思います。

幼い頃は自分の欲求や考えが相手にうまく伝えられないことが多く、怒りや悲しみの感情などを特に強く感じます。

感情が強くなるとなかなか冷静に考えることは難しく、お友達とのトラブルにつながります。

 

2-4. コミュニケーション能力の未熟さ

4歳では、聞いたことを理解したり自分の思いを正しく伝えたりする力がまだ未熟です。

そのため遊びの進め方やルールなどを互いにきちんと理解できていない、あるいは理解の仕方が異なっていることも多く、遊びがスムーズにいかずにトラブルにつながります。

 

3.我が子が仲間はずれにされたらどうする?

もしお子さんが仲間はずれにされた場合、保護者様としてはとても心配になりますよね。

そのつらい気持ちを何とか和らげてあげたいと感じるのではないでしょうか。

保護者の方がどのように関わっていくかが、我が子はもちろん、仲間はずれをしてしまった子どもにとっても今後の生活や心の成長にとても重要になってきます。

 

3-1.子どもの心が成長するチャンスととらえる

良好な人間関係を築くスキルは大人になってもとても大切です。

この能力は、実際に人と関わる中で試行錯誤しながら学ぶものです。

お友達とうまく遊べなかった体験もお子さんの心が成長するチャンスと捉えて、お子さんが主体的に問題を解決できるように保護者の方はサポートする姿勢をもちましょう。

 

3-2.子どもの思いをとことん聞く

まずは、お子さんの思いをとことん聞いてあげましょう。

状況や理由が何であれ、その時のお子さんにとってはとても悲しいことであったことには変わりありません。

「~されて悲しかったね」と、お子さんの悲しい気持ちを肯定してあげましょう。

 

3-3.アドバイスは控えめに。子どもがどうしたいかを大切に

お子さんが仲間はずれにされていると聞くと「どうにか仲直りさせたい!」と思うこともあるかもしれません。

その一方で、子どもの気持ちはすぐに移り変わることもあり、園の中のお友達関係は日々変化していきます。

もしかするとお子さんは保護者の方に話を聞いてもらえただけですっきりして、次の遊びに夢中になるかもしれませんし、これまでとは別のお友達と仲良くなるかもしれません。

いろいろな可能性があることを考えて様子を見つつ、「〇〇ちゃん(くん)はどうしたいのかな?」と考えるきっかけをつくってあげましょう。

どうしてもトラブルが長く続くような場合は、園の先生にこっそり様子を聞いてみることもいいでしょう。

 

4.もし我が子がお友達を仲間はずれにしていたら…

 

「もしかすると、我が子がお友達を仲間はずれにしてるかも…」と思うと不安になりますよね。

保護者の方は、お子さんにはみんなと仲良く楽しく園で過ごしてもらいたいと思うことでしょう。

これから紹介するポイントを意識することが、お子さんが仲間はずれをする要因を減らしていくことにつながるでしょう。

 

4-1.その行動は子どもの「SOSサイン」かも

幼児期の子どもたちは、まだストレス耐性が強くありません。

家や園の先生の前ではいい子にしているという場合、家でお子さんが頑張りすぎている分、大人の目がないところで自分の欲求を出していることがあります。

まずはお子さんと触れ合う時間を取ったり、無理をさせてないかを振り返ったりしましょう。

 

4-2.子どもは親の鏡。親自身の行動を振り返るチャンス

子どもは親の行動や言動をよく見ていて、無意識のうちに同じように振舞うことがあります。

保護者の方同士が他の大人の愚痴を言っていたり、噂話をしたりしてるところを、お子さんは聞いているかもしれません。

また、大人が「仲間はずれはよくあること」という認識でいるとその雰囲気は子どもにも伝わります。

子どもとの何気ない会話の中で「仲間はずれは絶対にいけないことだ」と日々伝えることで、子どもも良いことといけないことをしぜんと区別していきます。

 

4-3.成功体験、失敗体験をたくさんさせる

仲間はずれをする子の中には、自分の思い通りにならないことやゲームの中で負けるということをひどく恐れている場合があります。

たとえうまくいかなくても、失敗しても、「大丈夫」「もう一回やればいい」と感じる経験を増やすことで、「失敗しても大丈夫」と考えられるようになり、周りにも寛容になれます。

また、「できた!」という成功体験を増やすことで、「上手くいくこともあれば、失敗することもある」と気付くようになります。

日ごろからいろいろなことに挑戦できる環境を作り、成功体験も失敗体験もともに増やしていきましょう。

また、親御さん自身が失敗する姿を見せることも有効です。

 

5.失敗からたくさん学んで、人間関係構築を練習するチャンスに!

 

大人でも人間関係の構築は難しいものです。

しかし、いろいろな価値観をもつ人と幼い頃から関わることで、少しずつそのスキルを学んでいきます。

「仲間はずれ」という経験は、お子さんにとってはつらく悲しい出来事です。

そんな思いを保護者の方のサポートの上でお子さん自身が解消することができれば、その経験がその後の園や小学校ではお友達と楽しく過ごすことができるようになるでしょう。

ぜひ、親子で乗り越えていきましょう!

 

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