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子どもの共感力はどうやって育つ?思いやりのある子が育つ3つのポイント

この記事を書いた人

榊原なつき 榊原なつき

榊原なつき

  • 心理カウンセラー
  • 小学校教諭
  • 保育士
  • 中学校教諭

小学校教諭として2年間勤め、現在は放課後等デイサービスに勤務

保育士・小学校教諭・中学校教諭・心理カウンセラーの資格をもち、大学では教育社会学を専攻。

ひとりひとりの個性に合った教育や療育を目指しています!

「思いやりのある子に育ってほしい」と願っている親御さんは多いと思います。思いやりのある子になると周りの人を助けられ、より多くのお友だちと仲良く過ごしやすくなるでしょう。

また「思いやりのある子」に育つために必要なのは「共感力」だと言われています。そもそも「共感力」とは一体どんな力なのでしょうか?

今回は「共感力」がどのように育つのかについて解説し、思いやりのある子が育つポイントも紹介します!

 

目次

1.子どもにとっての「共感力・思いやり」とは

「共感力」や「思いやり」は年齢を問わず使う言葉です。子どもの場合では、どのようなものを「共感力」「思いやり」というのでしょうか。それぞれ解説していきます。

 

1-1.「共感力」とは何か

「共感力」とは、相手の意見や感情にその通りだと感じたり、同じ気持ちを抱いたりすることです。

具体的には、相手の話を聞いたりその場の状況を見たりした時に、相手と同じように「楽しい」「嬉しい」「悲しい」「怒っている」「困っている」などと感じられることを指します。

また、「自分が同じことをされたらどう思うかな?」と想像して、相手の気持ちを推測する力も共感力といわれます。

 

1-2.「思いやり」とは何か

「思いやり」とは、相手の気持ちに共感した上で、「相手のために何か自分ができることはないだろうか?」と考え、行動しようとする気持ちです。相手が困っている様子に気づき、相手の気持ちを想像し、相手のために何かしよう!と思う心です。

一方で「共感力」は相手のためを思い、相手の立場になって考える気持ちです。その「共感力」があってこそ、はじめて思いやりのある行動とはどのようなものかを考えて、相手のために手助けをすることができます。

 

2.子どもの「共感力」はいつから獲得するのか

子どもの共感力はいつから、どのように発達していくのでしょうか?実は「共感」する力は生まれたときから備わっているのですが、その姿は成長とともに変化していきます。

ここでは共感力が高まり、思いやりのある行動が取れるようになるまでの道のりをみていきましょう。

 

2-1.生まれてすぐ:周りの人の感情と同じように反応する

生まれてすぐの赤ちゃんは自分と他者の区別がはっきりついていません。なので周りの人の様子をそのまま受け取って同じような感情を抱きます。

例えば、お母さんが笑っていれば赤ちゃんも笑います。しかし他の赤ちゃんが泣いているのを耳にすると、自分も一緒に泣いてしまいます。

 

2-2.2歳前後:自分と他人の区別がついてくる

自分の相手を区別することができるようになると、悲しそうにしている相手に対して「大丈夫?」と声をかけられるようになります。自分と他人の区別がついて、自分と相手は違う感情を持っているということが理解できるようになるからです。

相手の様子を見て、どのような気持ちなのかを想像し、それを解決しようとする力が備わってきます。

しかし、よかれと思った行動が必ずしも相手のためになるかはまだ区別が難しいです。相手がどのようなことに困っているかを正しく理解することや、自分の行動によって相手がどう思うかを考えることはまだ完璧にはできず、その後少しずつ発達していきます。

 

2-3.幼児期(4歳前後):他者の視点を獲得する

4歳ごろになると、相手の視点に立って物事を考えることができるようになります。この「他者視点」の獲得ができているかどうかが分かる「サリーとアンの課題」というテストがあります。実際にお子様が解けるかぜひチェックしてみましょう。

まず以下のお話を伝えます。

  1. サリーとアンがお部屋にいます。
  2. サリーは大好きなボールをカゴの中に入れました。
  3. サリーはお部屋から出て行きました。
  4. アンはカゴの中のボールを箱の中に移しました。
  5. サリーが戻ってきました。

 

次の2つの問題を考えます。

  • 問題1: ボールはどこにありますか? (カゴの中ですか、箱の中ですか?)
  • 問題2: ボールで遊びたいサリーは、どこを探しますか? (カゴの中ですか、箱の中ですか?)

問題1の正解は「箱の中」です。

問題2の正解は「カゴの中」です。

 

サリーはアンがボールの場所を移動させたことを知らないということを、お子さんが推測することができれば正しく正解することができます。

このように自分と相手は違う考え方をしているということを理解し、相手の立場を想像することができるようになると、「相手はどう思っているのかな?」「どういう行動をしたら相手は喜んでくれるかな?」と考え、思いやりのある行動をとることができるようになります。

 

3.友だちとのやり取りでわかる!共感力がある子、ない子の特徴

共感力のあるお子さんは実際にどのような行動をとることができるのでしょうか?また共感力が低い場合は、どのような行動をとってしまうのでしょうか?実際のお友だちとのやり取りの様子を見てみましょう。

 

3-1.共感力のある子は、友だちのために行動できる

共感力のある子は、お友だちの様子を見て「今あの子はどう思っているのかな?」と考え、思いやりのある行動をとることができます。

例えばお友だちが転んでしまったときには、「大丈夫?」と声を掛けたり、「先生を呼んでくる!」と相手のために行動をすることができます。

またお友だちが使っているおもちゃを使いたいと思っていても、勝手に取ったりせず「貸して」と言ったり「一緒にやってもいい?」と声を掛けたりできます。

 

3-2.共感力のない子は自分の立場を主張する

一方で共感力のない子は自分の「~したい!」という思いが先走ってしまいます。使いたいおもちゃをお友だちが使っていても勝手に取ったり、「なんで僕は使えないの!」と抗議をしたりします。

またお友だちとケンカをした時にも「僕は~されたんだ!」と自分の嫌だったことだけを主張することがあります。

 

4.子どもの共感力の育て方~3つのポイント~

思いやりのある子に育つためには、どのようにお子さんと接するとよいのでしょうか?実は日常のやり取りにちょっとした工夫をすることで、お子さんの「共感力」を育てられます。

 

4-1.子どものよいところ、がんばったところを「アイメッセージ」で褒める

相手に思いを伝える方法として「アイメッセージ」というものがあります。

親子の場合、お子さんに対して「お母さんは~と思うよ」「お母さんは~してくれてうれしいよ!」と主語が「私」になるように思いを伝えることで、お子さんはその言葉を聞いて自分で考えて動く習慣が身に付きます。

「共感力」を身に付けるには、まずはお子さん自身が自分の気持ちを相手に「共感」してもらうことが大切です。お子さんが心動かされることがあった時には「嬉しかったね」「悲しかったんだね」とその気持ちを言葉にしてあげましょう。

さらに「お母さんも〇〇くんが~しているところを見れてうれしいよ!」「~しているのを見ると悲しいな」と「アイメッセージ」伝えてあげます。大事なことはその行為が「よい」「悪い」ではなく、その行いによって相手がどう思うかを知っていくことです。

まずは保護者の方の行動を見て「こうすると相手は嬉しいんだな」「こう言うと相手は嫌な気持ちになるんだな」と学ぶ経験を積んでいきましょう。

 

4-2.子どものやりたいことを否定しない

子どもの行動を頭ごなしに「だめでしょ!」と否定するのは避けましょう。子どもはただ「だめ」と言われても、なぜいけないのかを理解できないまま怒られた記憶だけが残ってしまいます。

子どものしていることが気になった時には「どうして~しようと思ったの?」と問いかけてみましょう。きっと子ども自身は「~したかったから」「お友だちに~されたから」等、その子なりの考えで行動しているはずです。

その時は「~されたら相手はどう思うかな?」「自分が~されたらどう思うかな?」と聞いてみましょう。相手の気持ちを考えるきっかけを作るとともに、「これをすると相手はこう思うんだ」と自分で納得することができるはずです。

 

4-3.うまくいかなかった時に、どうすればよかったのか一緒に考える

お友だちとのやり取りで思うようにならなかった時は、どうすればよかったのか一緒に考えることで、その経験が学びになります。

例えば、お友だちを叩いてしまった場面を考えてみます。

  • 親御さん「どうして叩いてしまったんだろう?」「その前になにがあったのかな?」と状況を思い出します。
  • 子ども「僕が先におもちゃ使ってたのに、~くんが勝手に取ったんだ!」お子さんなりの理由を答えます。
  • 親御さん「それでどうしたの?」状況の続きを聞きます。
  • 子ども「取られて嫌だったから叩いちゃった」
  • 親御さん「取られたのが嫌だったんだね」「それは〇〇くん(お子様)が持っていたの?」
  • 子ども「マットの上に置いておいた」
  • 親御さん「置いて取ってあったんだね。」「それは~くんにはお口で伝えたのかな?」
  • 子ども「伝えてない」
  • 親御さん「もし〇〇くんが、お友だちに急に叩かれたらどう思うかな?」
  • 子ども「いやだ」
  • 親御さん「じゃあ~くんは〇〇くんに急に叩かれたらどう思うかな?」
  • 子ども「いやだったと思う…。〇〇くんにごめんね言う!」

このように相手の状況や自分の気持ちを整理することで、思いやりの気持ちをもった行動を自発的に促せます。

 

5.子どもの思いに保護者が共感することからはじめよう!

 

「共感力」は自分が相手に共感される経験を重ねることによって育まれていきます。

まずは、保護者の方がお子さんの気持ちに寄り添い、「アイメッセージ」を伝えていきましょう!

 

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