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子どものおもちゃの取り合いはどう対応すればいい?原因や対応法をご紹介

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

子どもがお友だちと遊ぶようになると、目立ってくるのがおもちゃの取り合い

取り合いをしている子どもを見ると「おもちゃの取り合いをするのは、育て方が悪かったからかな」などと思ってしまい、どうしたらいいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

おもちゃの取り合いは成長の過程で起こるものであり、育て方が悪いからではありません。

ここでは、保育士資格を持つ筆者が、おもちゃの取り合いが起こる原因や、取り合いが起こった場合の対応を紹介します。年齢別の対処法も解説するので、おもちゃの取り合いに困っている方はぜひ参考にしてくださいね。

この記事を読むことで、子どもがおもちゃの取り合いをしても悩まないで対応できるようになりますよ!

 

目次

1.子どもがおもちゃを取り合う原因は?

子ども同士がおもちゃを取り合う理由は、大きく分けて2つあると考えられています。おもちゃの取り合いを目にしても焦らないで済むように、まずは原因を理解していきましょう。

1-1.自分の意志と執着心が育ってきたから

子どもがおもちゃを取り合うのは、子どもの心が育ってきたことにも関係しています。子どもは成長するにつれて、「あれがしたい」「これが欲しい」という意思が育ち、「これは自分の物だ」と物に執着するようになります。そのため、「これは自分のおもちゃだから取られたくない」という気持ちになり、トラブルにつながるのです。

 

1-2.おもちゃは全部自分の物だと思うから

子どもは2~3歳くらいまで、目の前のおもちゃは全部自分の物だと思っています。なぜなら、この時期の子どもは「自分の物」と「人の物」の区別がつかないからです。

例えばお友だちが自分のおもちゃを使っていたとしても、「自分のおもちゃを取られた」という気持ちになり、手に入れようとするでしょう。それがおもちゃの取り合いに繋がるのです。

2.子ども同士のおもちゃの取り合いから学べること

子どものおもちゃの取り合いは、マイナスな面ばかりではありません。むしろ、おもちゃの取り合いをすることで育める力もあるでしょう。おもちゃの取り合いの体験から学べるのは、主に以下の2点です。

 

2-1.他人の気持ち

まず、おもちゃの取り合いを通して、他人の気持ちが分かるようになります。子どもは、4歳を過ぎるころには、他人にも心があることが分かるようになると考えられているのです。

その時期におもちゃの取り合いをした結果、お友だちが泣いてしまったとしましょう。すると、「おもちゃを取られると人は悲しい気持ちになるんだ」と気づく過程を体験でき、他人の気持ちを学べるのです。

 

2-2.社会のルール

続いて、おもちゃの取り合いには、社会のルールが学べるという側面もあります。おもちゃの取り合いをして叱られたり相手が怒る姿を見たりして、「おもちゃを取ることは悪いことなんだ」と学んでいけるからです。

また、何度も同じ体験をして学びを重ねていくうちに、「どうしたら取り合いにならないのだろう」と考えるようになっていきます。その結果、例えば「貸して」「どうぞ」などのやり取りを学んでいくでしょう。

このように、おもちゃ取り合いは社会性を育てていくことに繋がるのです。

 

3.おもちゃの取り合いが起きた時の対応は?

ここからは、おもちゃの取り合いが起きた際の対応策を紹介していきます。まず、全年齢を通じて意識したい3つのポイントから見ていきましょう。

 

3-1.まずは見守る

子ども同士のおもちゃの取り合いが起きた場合は、まずは見守ることを心がけましょう。

子どもはおもちゃの取り合いというトラブルから、他人の気持ちや社会のルールを学んでいきます。ここで、トラブルを避けるために大人が率先しておもちゃの受け渡しをしてしまったら、子どもは学ぶ機会を失い、「おもちゃで遊びたかった」という気持ちも置き去りにされてしまいます。

子どものトラブルを見ているとつい手を貸したくなってしまいますが、「子どもの成長のため」と考え、おおらかな気持ちで見守ってください。

ただし、噛みつきやひっかきなど、怪我に繋がるトラブルが起きやすい1~2歳頃は要注意です。すぐそばで見守り、怪我を未然に防げるよう早めに対処しましょう。

 

3-2.子どもの気持ちに共感する

おもちゃの取り合いをしている最中、もしくは取り合いが終わった後は、まず子どもの気持ちに共感してあげてください。

例えば「このおもちゃが欲しかったんだよね」「おもちゃが取られて悲しかったんだよね」など、子どもの気持ちを推し量って言葉にしてあげましょう。

子どもは、大人に代弁してもらうことで気持ちが整理でき、落ち着いていきます。気持ちが落ち着けば、「次は貸してって言ってみようね」などのアドバイスにも耳をかたむけるようになるでしょう。

 

3-3.お友だちにおもちゃを貸せなくても焦らない

おもちゃの取り合いが起こった際、毎回お友だちにおもちゃを渡せなくても問題ありません。

「お友だちにおもちゃを貸せるのは良いこと」というのは、ひとつの価値観にすぎないからです。また、嫌なことを嫌だと言えるのも大切な力です。

まずは子どもの気持ちやペースに寄り添ったうえで、少しずつ相手の気持ちや解決策を教えてあげてください。

 

4.【年齢別】おもちゃの取り合いへの対処法

同じおもちゃの取り合いでも、子どもの年齢によって適切な対処法は異なります。ここからは、年齢に合わせた対処法を紹介していきます。

 

4-1.0~1歳

0~1歳の時期は、物に対する執着もそれほど強くないため、おもちゃの取り合いも起こりにくい傾向にあるでしょう。そのため、はずみでおもちゃを取ってしまったような場合も、「このおもちゃも楽しいよ」などと他のおもちゃを差し出せば子どもの気を逸らせます。

ただし、体格の違いから怪我などのトラブルに繋がることもあり得るので、子ども同士のやり取りは近くで見守ってあげてください。

 

4-2.1~3歳

1~3歳頃は、おもちゃの取り合いが起こった時の解決方法や、解決するための言葉を覚えていく段階です。取り合いが起こった際には、大人がお手本を示してあげましょう。

例えば「このおもちゃで遊びたいんだよね?『貸して』って言ってみようか」「貸してもらえて良かったね。『ありがとう』しよう」「おもちゃを貸したくないんだよね。じゃあ『後で』って教えてあげてごらん」など、やり取りする言葉を教えてあげてください。

まだあまり言葉を話せない年齢であれば、ジェスチャーを教えてあげてもいいですね。

噛みつきやひっかきなどのトラブルが起きそうな時は、早期にトラブルを収めつつ、子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。その上で「このおもちゃで遊びたかったんだよね。でもガブってしたら○○ちゃんイタイイタイになっちゃうよ」などと教えてあげるといいでしょう。

 

4-3.3歳~

3~4歳頃になると、少しずつ自分の行動の意味が分かるようになってきます。そのため、トラブルの解決方法を子どもたちに考えさせるのがおすすめです。

しかし、子どもたちだけで話し合いを成立させるのは難しい年齢です。大人は、取り合いをしている双方の気持ちを聞きつつ代弁して、子どもたちに解決策を考える機会をあげましょう。

例えば「○○くん、おもちゃを取られて泣いちゃったね。どうしようか」「○○ちゃんがおもちゃを取られたら、どんな気持ちになるかな」「悪いことしちゃったら、どうすればいいと思う?」「ケンカにならないように、次はどうしたらいいかな?」などと提案し、うまく解決に導いてあげてくださいね。

 

5.おもちゃの取り合いへの予防策

おもちゃの取り合いは子どもを成長させるとは言え、頻繁にトラブルが起こると子どもはストレスを溜めてしまうし、大人も疲れてしまいますよね。そこで、おもちゃの取り合い予防策を2つご紹介します。

 

5-1.お友だちと同じおもちゃを用意する

おもちゃの取り合いは、おもちゃの数と子どもの人数が合わない時に、起こりやすい傾向があります。

そのため、手作りおもちゃなどで工夫して、お友だちと同じおもちゃを用意するのがおすすめです。全く同じおもちゃが準備できない場合は、子どもの興味を引くおもちゃを複数準備するとよいでしょう。

おもちゃが1つしかなく、取り合いが予想できる場合は、あらかじめ隠しておくことも検討しましょう。

 

5-2.遊ぶスペースを十分に確保する

遊ぶスペースが狭い場合、お友だちのおもちゃが目に付きやすくなり、トラブルに発展する可能性も高まります。子ども1人ひとりが十分なスペースを持って遊べるよう、スペースの大きさと子どもの人数を考慮しましょう。

例えば

  • 家で遊ぶ場合はなるべく少ない人数で遊ぶ
  • 遊ぶ人数が多い時は公園などに出かける

などの対策がおすすめです。

 

6.おもちゃの取り合いは成長の過程だと理解しよう

子どものおもちゃの取り合いは成長の過程で起こるものであるため、「育て方が悪かったのかな」などと悩む必要はありません。

おもちゃの取り合いは社会性を学ぶチャンスだと捉え、まずは前向きに子どもを見守ってあげましょう。その上で、子どもの年齢や性格に合わせた対応をして、解決策を教えてあげてくださいね。

 

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