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【0~3歳】子どもの噛みつき癖の原因は?予防・対処法と合わせて解説

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

「一緒に遊んでいるお友だちを噛んでしまった」「子どもが噛みついた時、どうすればいいのか分からない」と悩んでいる方も多いでしょう。

そもそも噛みつき癖は「親の愛情不足」が原因ではありません。しかし、噛みつきはする方もされる方も心が痛む行為であり、子どもの噛みつき癖を早く治してあげたいと思うのは自然なこと。

この記事では、保育士資格を持つ筆者が噛みつき癖の原因や、噛みつきの予防・対処法を解説していきます。

記事を読めば噛みつき癖に関する知識が深まり、子どもの噛みつきに落ち着いて対応できるようになりますよ。

 

目次

1.噛みつき癖は「親の愛情不足」が原因ではない

子どもの嚙みつき癖は「親の愛情不足」だと思い、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

しかし、子どもの噛みつき癖は親の愛情不足が原因ではありません。親の愛情不足が原因で子どもの嚙みつき癖がつくという科学的な裏付けは存在しないのです。

一方で親が愛情たっぷりに子どもを育てていても、他の原因により嚙みつき癖が出ることもあります。

次の項目で詳しく見ていきましょう。

 

2.噛みつき癖の原因は?

子どもの噛みつき癖は、早い子では生後6か月ごろから見られ、1~2歳頃にピークを迎えると考えられています。

一言で「噛みつき癖」と言っても、その原因はさまざまです。ここでは、噛みつき癖の主な原因を4つ紹介します。

 

2-1.歯茎がかゆいから

0歳児に見られる噛みつき癖の主な原因は、歯茎がかゆいことが挙げられます。 生後5~6か月を過ぎると、赤ちゃんに歯が生え始めます。歯の生えかけは歯茎がムズムズしてかゆく感じ、それを紛らわせようとして何かに噛みつくのです。

この場合は、攻撃的な意味で噛みついているわけではないため、特に心配する必要はないでしょう。

 

2-2.まだ言葉を上手に話せないから

噛みつき癖の原因として、まだ言葉を上手に話せないことが挙げられます。

噛みつき癖のピークである1~2歳頃は、自我が芽生え始める時期でもあります。しかしこの時期は、「嫌だ!」「これが欲しい!」という気持ちがあっても、気持ちを上手に表す言葉の力は育っていません。

そのため、言葉の代わりに噛みつくことで気持ちを表している可能性があります。

 

2-3.甘えたい気持ちを表したいから

親に対して噛みつくのは、甘えたい気持ちを表している場合があります。

  • 親が忙しく、長時間子どもと接する時間が取れなかった
  • 他のきょうだいにかかりきりになってしまった

このような場合の噛みつきには、甘えたい気持ちが隠されていることが多い傾向にあるでしょう。

 

2-4.関わり方が分からないから

なかにはお友だちとの関わり方が分からないため、攻撃的になる要素がないのに噛みついてしまう場合があります。

例えば

  • お友だちに会った瞬間に噛みついた(あいさつがしたい)
  • お友だちと楽しくじゃれ合っていたのに急に噛みついた(お友だちと遊べて嬉しい・楽しい)

このような気持ちが隠れている可能性があります。

 

3.噛みつきを予防するには

相手を傷つけてしまう恐れがある噛みつきは、できれば事前に防ぎたいですよね。

ここからは、噛みつきを予防する方法について解説していきます。

 

3-1.噛んでもよいおもちゃを渡す

歯茎がかゆくて噛みつきが起きている場合は、歯固めなどの噛んでもよいおもちゃを渡しましょう。

一方で噛みつくことを前提としていないおもちゃを渡してしまうと、おもちゃが壊れてしまい、赤ちゃんの怪我や誤飲につながる恐れがあります。

なお、この時期の赤ちゃんは目や手よりも口の感覚のほうが鋭く、なめたり噛んだりすることで物の性質を確かめようとする性質があります。

そのため、攻撃性がある噛みつきでない限り、「噛みつき癖をやめさせなければ」と深刻に考えなくても大丈夫ですよ。

 

3-2.気持ちを代弁する

お友だちを噛みそうになった時は、噛みつきを防ぎつつ、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。

お友だちへの噛みつきは、「おもちゃを貸してほしい」「絵本を取られて嫌だ」「一緒に遊びたい」など、言葉にならない気持ちの表れだと言われています。

子どもの気持ちを言葉にしてあげることで、子どもは「ママは私のことを分かってくれている」と安心し落ち着くでしょう。

同時に、気持ちを表す言葉を増やしていくことにもつながり、噛む以外の選択肢を選べるようになっていきます。気持ちを代弁するためには、子どもの行動を見守ることが大切です。

特に以下のような場合は、子どもから目を離さないようにしましょう。

  • おもちゃや絵本・遊具などを取った時、もしくは取られた時
  • 相性の悪いお友だちが近くにいる時
  • お腹が空いている時

このような場合は、子ども同士のトラブルが起きやすく、噛みつきをしてしまうことが多い傾向にあります。

 

3-3.親子のスキンシップを増やす

子どもの心が落ち着かないと思われる要因がある場合は、積極的にスキンシップを増やしましょう。

子どもの情緒を安定させることで、噛みつきを防げる場合もあります。

子どもの心が落ち着かなくなる要因の具体例は、次の通りです。

  • 下のきょうだいが生まれた
  • 引っ越しをして環境が変わった
  • バタバタしていて子どもとゆっくり過ごす時間が取れない

スキンシップは量より質が重要です。1日10分でも構わないので「抱っこしながら読み聞かせする」「手遊び歌で遊ぶ」などスキンシップの時間を取ることを意識しましょう。

 

4.噛みつきをしてしまった際の対処法

ここからは、子どもが噛んでしまった後の対処法を解説していきます。

1つ注意したいのは、噛みついたからと言って反射的・一方的に子どもを怒ることはNGだということです。一方的に怒られた子どもはモヤモヤした気持ちを抱えてしまい、そのモヤモヤから次の噛みつきを起こしてしまう恐れがあるからです。

この点を踏まえたうえで、具体的な対処法を確認していきましょう。

 

4-1.気持ちを受け止める

子どもが噛みつきをした際、最初に行いたいのことは、子どもの気持ちを受け止めることです。

子どもの気持ちが落ち着く前にあれこれ言っても、子どもの心には響きません。まずは共感し、子どもを受け止めることで、子どもを落ち着かせてあげることが大切です。

「○○君の使っているおもちゃが欲しかったんだね」「押されて嫌な気持ちになっちゃったんだね」など、子どもの気持ちに丁寧に寄り添い言葉にしてあげることで、子どもの気持ちを落ち着かせてあげましょう。

また、噛みついた子どもも、相手が泣いている姿を見ることでショックを受けているものです。子どもの気持ちを受け止めることは、噛みついてしまった子どものケアにもなりますよ。

 

4-2.きちんと叱る

子どもが落ち着いたら、タイミングを逃さないうちに、きちんと叱ってあげましょう。

ここで言う「叱る」とは、間違っていることを正したり、ルールを伝えたりすることです。何がいけなかったのか、どうすれば良かったのかを教えてあげることで、子どもは正しい行動を学んでいきます。

「お友だちの持っているおもちゃが欲しい時は、『貸して』って言えばいいんだよ。ママと一緒に言ってみようか」「嫌なことをされた時は、相手の目を見て『やめて』って伝えてごらん」など、噛みつく以外の方法を教えてあげてください。

お友だちが噛まれた傷の手当てをしているところを見せながら「噛みつくとイタイイタイだね」と、噛みつきが悪いことであることを教えてあげるのもいいでしょう。

 

4-3.別の関わり方を教える

まだおしゃべりが上手ではない子どもには、ジェスチャーを教えるなど、別の関わり方を教えることも有効です。

ジェスチャーの具体例には、次のようなものがあります。

  • 「貸して」:胸の辺りで、左の手のひらを上に向け、左の手のひらに右の手の甲を3回打ち付ける
  • 「おはよう」「楽しいね」:頭をなでてイイコイイコする

「貸ーしーて」と言葉にしながら、ジェスチャーをするのがポイントです。実際に親がお手本になって、お友だちにジェスチャーをするところを、子どもに見せてあげましょう。

 

5.噛みつきをされた時は

子どもが噛まれてしまった場合は、洗い流したり血を止めたりなどの手当てをしながら、「痛かったね」「嫌だったね」と気持ちに寄り添ってあげてください。

噛まれた子どもはショックを受けているものです。子どもの気持ちに共感することで、心のケアをしてあげましょう。

その後で、「○○ちゃんは、あなたの持っていた絵本が欲しかったんだろうね」「○○くんは、あなたにおはようって言いたかったんだね」などと、噛みついた子の気持ちを教えてあげてください。

相手にも気持ちがあることを学ぶと同時に、相手の気持ちを推し量る練習になります。

 

6.「噛みつく時期」だと割り切り、上手に乗り切ろう

子どもの噛みつきはお友だちに怪我をさせる恐れがある一方で、大人もショックを受けてしまうこともあるでしょう。

しかし、ショックに任せて感情的に子どもを怒ってしまうと、子どもは正しい行動を学べず噛みつきを繰り返してしまうリスクがあります。

噛みつき癖は一生続くものではなく、成長とともに収まっていくことがほとんどです。大変な時期ではありますが、「噛みつく時期」なんだと割り切り、根気よく付き合ってあげましょう。

 

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