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学童に行きたがらない子どもへの適切な対応は?学童クラブ職員と保育士の視点から解説

この記事を書いた人

宮先惟之 宮先惟之

宮先惟之

  • 保育士

保育所や子ども園にて15年間勤務。

主に、3〜5歳児のクラス担任や障がい加配保育士をしてきました。

2児の父でもあり、子育ての大変さや楽しさを感じながら、日々子どものやる気を引き出す環境作りや言葉のかけ方を工夫しています。

入学したばかりの子どもが「学童に行きたくない」、「学童が嫌だ」と話す姿に困ることはありませんか?行きたくない気持ちを受け入れてあげたいが、仕事や家庭の事情があるとそうもいかないですよね。

本記事では、保育士として子どもの心情を理解する筆者が、学童クラブの職員と意見を交わすことで見つけた、学童を嫌がる子どもの心理や適切な対応を紹介します。

具体的な対応の前に、小学1年生の子どもがなぜ行きたがらないのか、子どもの心理を見ていきましょう。

 

目次

1.学童に行きたがらない理由は?

それでは、1年生が学童に行きたがらない理由を探っていきましょう。

大きく分けて5つあり、1つ当てはまる場合もあれば、複数当てはまることもあるでしょう。お子さんの様子を思い浮かべながら、ご覧ください。

 

1-1.学童が嫌ではなく、家が良いため

学童を嫌がる子どもの多くは、家が良いと感じています。おうちの方と一緒にいたい気持ちもあるでしょう。

筆者の友人である学童クラブの職員も、学童に行きたがらない理由に「保護者と一緒にいたい」が多いと話していました。みんなが同じ環境なら仕方ないと感じるかもしれませんが、下校する友達を見ると自分も帰りたいと思うのは無理もないですね。

子どもにとって家は、安心できる場所です。

お子さんが学童への不満や困っていることを話さない場合や理由がはっきりが分からないときは、これに当てはまるかもしれません。

 

1-2.環境に慣れないため

環境に慣れないことにストレスを感じている子どももいるでしょう。これまで子ども園や保育所、幼稚園といった慣れ親しんだ場所にいた子どもは今、環境がガラッと変わり小学校に通い、過ごし方も大きく変わっています。

私たちも環境やすることが変わると、知らず知らずのうちに疲れて、嫌になることはありますね。子どもも同じです。環境に慣れることや安心できる時間が必要ですね。

 

1-3.好きなことができないため

好きなことができないことから「自由がない」と感じ、学童が嫌になる子どもも多いですよ。家なら好きな遊びができ、落ち着いて過ごせますが、学童では遊びや使えるおもちゃが限られます。

「学童では折り紙が使えるけど、1日に使える枚数が決まっている」、「毛糸や箱、使いたいペンがないから、好きな工作ができない」と話す子どももいました。「野球盤で遊びたいけど、他の友達がしていて使えない」、「新しいおもちゃがほしい」といった声も聞きます。

通う学童や子どものしたいことによって状況は違うでしょうが、好きなことができないのは辛いですね。

 

1-4.苦手な人がいるため

苦手な人や嫌な友達がいるため、学童に行きたくないと思う子どももいます。嫌なことを言われたり、トラブルが多いと楽しく過ごせません。

自分はしたいことがあるけど、友達の誘いを断れず、付き合って遊ぶことがストレスになっている場合もありますよ。

また、学童は様々な学年の子どもがいます。1年生にとってみたら、他の学年の子はみんな年上ですね。ちょっとした一言が怖いと感じることもあるでしょう。苦手な人が、上級生である場合もあります。

学童は、学校以上に子ども達が密に関わります。いろいろな人と交流できる良い部分でもありますが、小1にとっては「それが大変」と感じる子どももいるでしょう。

 

1-5.落ち着く時間がなく、疲れるため

学校の後に、学童に行く生活に慌ただしさを感じる子どももいるしょう。落ち着く時間がないと、大人も疲れますよね。

学童には、生活の流れやルールがあり、場所によっては遊ぶ時間も決まっています。自分のペースでできないことが嫌なときもあるかもしれません。

また、集団生活であるため、気を張ったり周りの様子をうかがったりすることもあるでしょう。1年生は、学童以前に学校での勉強や生活にまだ慣れていません。子どもなりに、「ゆっくり過ごしたい」と感じることもあるでしょう。

 

2.学童に行きたがらない子どもへの対応策

続いて、学童に行きたがらない子どもへの対応策を紹介します。

学童クラブの職員からのアドバイスや学童に通わせているご家庭の体験談なども含めながらお伝えしますので、参考にしてみてください。

 

2-1.子どもの話をじっくり聞く

まずは、子どもとじっくり話をしましょう。「学童、頑張ってね」と励ます前に、子どもの話を聞く中で思いを把握することが大事ですよ。子どもが話せるように「どうして行きたくないの?」と理由を尋ねましょう。

お子さんがはっきり話さないときは、YESかNOで答えられるような質問の仕方をしましょう。「1.学童に行きたがらない理由は?」でお伝えしたものを1つずつ聞くと良いですよ。

聞き方のポイントは話しやすい雰囲気作りです。親は「早く解決しないと・・・」と考えないように注意しましょう。親が焦っていると、自然と迫った聞き方になってしまい、子どもは話しにくくなります。

あえて穏やかに話しかけることで、子どもの気持ちを引き出せますよ。

 

2-2.学童クラブの職員に相談する

お子さんが学童に行きたくない理由が分かったら学童クラブの職員に相談しましょう。悩みは共有することで解決につながります。

学童クラブの職員は、親の意見に加え子どもの意見も聞き、整理しながら解決策を職員みんなで考えて対応されると聞きました。心強いですよね。

例えば、好きなことができないが理由だった場合、好きなおもちゃで遊べるようにしたり好きな遊びを一緒に探したりと配慮してくれます。

また、苦手な人がいる場合は子ども同士のやりとりを見守る中で、必要に応じて仲立ちしてくれますよ。

さらに、子どもが少しでも環境に慣れるために、見通しが持てるようなスケジュールを用いることで、落ち着いて過ごせるような工夫もされているようです。

学童クラブの職員からの話に、私たちが知らない姿や発見があるかもしれませんよ。気軽に相談してみましょう。

 

2-3.学童保育で楽しかったことを共有する

学童に何となく嫌なイメージを持っているお子さんに効果的な対策です。ある家庭では、お風呂タイムや夕食後のゆっくりした時間に、学童でしたことや楽しかったことを共有していると聞きました。

子どもがリラックスしているときに、親と楽しいことを共有すると、学童に良いイメージを持ちます。入学当初は、行き渋っていた学童にも今は前向きに通っているといいます。

またある家庭では、子どもが学童で励んでいることを褒めるようにしていると聞きましたよ。

学童でけん玉の記録が伸びるたびに両親で褒めて一緒に喜び、月のおたよりに書かれたけん玉の記録をリビングに飾るなど工夫したようです。こちらも、子どもの意欲を引き出す良い関わりですね。

話のネタがあまりないといった方は、学童だからこそ経験できることを会話にしてはいかがでしょう?例えば、最近の学校は放課後の校庭は開放していませんが、学校と併設されている学童に通う子は校庭で遊べます。

体を動かすことが好きなお子さんの場合は、サッカーやドッジボールなどの球技や鬼ごっこが思いきりできることを話題にしても良いですね。

 

2-4.家庭で過ごす時間を作る

平日に家庭で過ごす時間を作り、子どもの思いを満たすことも大事です。可能であれば、いつもより早く迎えに行ったり、学童に行かない日を作るとよいでしょう。

この方法は、落ち着く時間がなく、疲れを感じている子どもに有効ですよ。

学童クラブの職員から見ても、休んだ次の日にスッキリした表情で過ごす子は多いと聞きます。保育現場でも同じです。安心できる家庭でゆったり過ごすことで、リフレッシュし、前向きになるのでしょう。

休みで回復するのは、大人も子どもも一緒ですね。

 

3.学童に通う子どもを伸ばす方法

少し視点を変えた話をします。

学童クラブの職員や保護者と話す中で、親子の関わりを通して子どもを伸ばす方法を知りましたので、ぜひ共有させてください。

 

3-1.宿題をチェックし、一緒に学びを楽しむ

突然ですが、子どもの宿題はチェックしていますか?学童で宿題はしてくるため、「大丈夫だろう」と子どもに任せている方もいますよね。

実は、子どもの宿題をチェックしながら会話をすることで、学びの定着につながります。

チェックするときは、「こんなことを勉強しているんだね」と伝えるなど、和やかな雰囲気で行いましょう。間違いや理解できていないところがあったときには、優しく伝えると子どもも受け入れやすいですよ。学習は日々の積み重ねですので、気にかけていきましょうね。

 

3-2.学童でした遊びを親子で楽しむ

学童で楽しかった遊びがある場合は、家庭でも楽しむことをおすすめします。

遊びは、回数を重ねるたびにいろいろな発見や学びがありますし、身近な人が一緒にしてくれると嬉しくなり、取り組む意欲が増します。

先ほどのけん玉が好きな子の例では、親もけん玉をすると、子どもはますます楽しむ中でコツが分かりさらに上達したといいますよ。得意になったけん玉を披露したいから学童に行きたくなるといった好循環も生まれました。

学童でしたことを家庭でも楽しめると、学童へのイメージも良くなるかもしれませんね。

 

3-3.自立できる機会を増やしていく

学童に通う子にとって、自立は1つのポイントではないでしょうか?学童は、学校のようにずっと通い続けるわけではありません。場所によっては、学童は3年生までのところもあります。

そうなれば、4年生からは下校後は家で留守番をする子もいるでしょう。

1年生にとっては、自立は少し先のことかもしれませんが、自分のことを自分でする経験を重ねることは大事です。ランドセルや教科書など自分の物を整えたり、食事やおやつの準備をしたりするのも1つです。

今は、学童に楽しんで行くことに目を向けつつ、子どもが自立できる機会を増やしていきたいですね。

 

4.学童と向き合い、子どもの自立につなげよう!

学童に行きたくない子の理由には、様々な思いがありましたね。つい最近入学した子どもにとってみたら、新生活に慣れるだけでも大変です。ときには、甘えたくなるでしょう。子どもの思いを受け止めながら、対応していきましょう。

困ったら、学童指導員との協力も大事ですよ。解決につながることを願っています。

子どもと関わる上では、自立も1つのポイントでした。先を見据えつつ、子どもができることを増やしていきましょうね。子どもの成長を温かく見守っていきましょう。

 

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