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小1で友達がいない子どもが心配…親ができるサポートを紹介

この記事を書いた人

柳生有香子 柳生有香子

柳生有香子

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

保育士、幼稚園教諭の資格所持し、保育園や児童発達支援、放課後デイサービスなどで計12年以上勤務してきました。

息子が3人います。

子育てや幼児教育、LDの子どもへの支援について関心が強く勉強しています。

子どもが小学校に入学してしばらくたっても友達ができない場合、親としては気になりますね。

「休み時間に教室でひとりぼっちになっていないか」「寂しい思いをしていないか」と心配になることもあるでしょう。

この記事では、「小学生の子どもに友達がいない。どうすれば友達と楽しく過ごせるの?」といったお悩みを抱える保護者の方に向けて、小1の友達関係や友達ができない子どもへの親のサポート方法について解説します。

保育園や放課後等デイサービスに長年勤務し、3人の子育て経験がある筆者が、家庭での見守り方や注意点を紹介しますので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。

 

目次

 

1.小1の友達作りはどう進む?

幼稚園や保育園に比べると、小学校では親と先生との直接的なコミュニケーションが少なくなることがあります。

そのため、子どもの様子や友達関係が見えにくいと感じる保護者の方もいるかもしれません。

ここでは、小1の友達関係がどのように築かれていくのか、友達付き合いが苦手な子どものタイプについて解説します。

 

1-1.小1の友達関係の特徴

小学校に入学したばかりの頃は、同じクラスの子がどんな子なのか知らない状態からスタートします。

顔も名前もわからない中で、「教室の席が近い」「帰る方向が同じ」「学童が一緒」などをきっかけに自然に仲良くなっていきます。

小1の子どもは、話す機会や一緒に過ごす時間が多い子と友達になる段階です。

進級しクラスが変わると、仲良しの友達が変わることもよくあります。

筆者の3人の息子や周囲の子どもを見ても、小1の友達関係がずっと続くわけではなく、学年が上がるごとに仲の良い友達も変わっていきました。

小1の時期の友達関係が後々まで影響することは少ないといえるでしょう。

 

1-2.友達作りが苦手な子のタイプ

小1で友達作りに苦戦する子どもは、大まかに3つのタイプに分けられます。

1.内気で引っ込み思案な子:自分から友達に話しかけず、恥ずかしがり屋なタイプ。遊びや活動に「いれて!」と言えないので、誘ってもらえるタイミングを待つことが多いかもしれません。

2.周りへの関心が薄くマイペースな子:周りの友達にあまり興味を持たず、自分のペースで行動するタイプ。友達の輪に入れていなくても、本人はそれほど気にしていない場合もあります。

3.自己主張が強すぎる子:自分のやりたいことを押し通す傾向が強く、友達との折り合いがつけられないタイプ。友達と相談せず自分で遊びを決めたり、思い通りにならないと怒ってしまったりすることがあります。

 

どのタイプの子どもでも、ネックとなるのは友達とのコミュニケーションです。その子に合ったコミュニケーションを習得できるように、後押ししていきましょう。

 

1-3.1人で過ごすことが多い子どもには、どう対応する?

子どもが学校の休み時間などに1人で過ごすことが多い場合、親は「友達がいないのかな?」と心配になりますよね。

でも友達がいても、1人で過ごすのが好きな子どももいます。ぜひお子さんの個性を尊重する関わりを心がけてください。

本人が困っていないなら、「友達をたくさん作ってほしいな」ではなく、「1人で遊ぶのもいいね」と肯定的な言葉をかけましょう。

親に自分の行動を認めてもらう経験は、友達を作ることにもつながります

子どもは「自分は自分のままでいいんだ」と安心し、自信を持って友達関係を築いていけるようになっていくのです。

 

2.小1で友達がいない子どもが心配…親の適切な関わり方

子どもに友達がいないと感じたら、家庭では何をすれば良いのでしょうか。

子どもをサポートするために、親が気をつけてあげると良いポイントを紹介します。

 

2-1.小学校生活に慣れる

子どもが学校で友達を作るためには、まず学校生活に慣れることが大事です。

初めての小学校生活は、宿題・授業・登下校など分からないことだらけです。入学してしばらくは体力的・精神的にも疲れやすく、友達と過ごす余裕が持てない子どもも多くいます。

学校に慣れて気持ちが落ち着いてくると、自然に友達への興味が芽生えて、友達関係を築こうとする気持ちが生まれます。

子どもがスムーズに小学校に慣れるためにも、家庭では次のようなサポートをできると良いですね。

 

2-2.学校生活のルールを教える

保育園や幼稚園の頃と違って、小学校では、親や先生が友達との間を取り持ってくれるわけではありません。

学校のルールを守ることができないと、クラスメイトから「ルールを守れず、迷惑をかける子」と思われてしまい、友達の輪に入りにくくなる場合があります。

筆者が勤務先で支援した小1のお子さんの中に、授業中に歩き回ってしまうため、クラスの友達から遠巻きにされてしまった子がいました。

文部科学省の資料でも、小学校低学年で身に付けるべき力として「集団や社会のルールを守る態度」があげられています。

お子さんがクラスに溶け込み、友達と楽しく過ごせるようになるためにも、家庭でも学校生活のルールを少しずつ教えていけると良いでしょう。

 

2-3.リフレッシュの時間を作る

小学校に入学すると学習メインの生活になり、毎日の宿題や時間割の準備に忙しくなります。

やらなければならないことは習慣づける必要がありますが、それ以外の時間は子どもが好きなことで楽しく過ごせるように配慮しましょう。

例えば、筆者の長男は、小1の個人懇談で運動面を指摘されたほど運動が苦手な子でした。そのせいか、クラスの活発な男の子たちとなかなかなじめず、心配したのを覚えています。

そこで家庭では、長男が好きな読書に集中できる環境を整えることにしました。学校以外で「本」という自分の世界を持つことが彼の心の支えになったようで、その後友達関係で大きな困りごともなく過ごすことができました。

家庭で過ごす楽しい時間は、学校生活での気持ちの余裕につながります

集団生活には我慢がつきものです。ずっと緊張や我慢してばかりでは、大人も子どもも疲れてしまいますよね。

家庭ではお子さんが気持ちを解放して、くつろげる時間を大切にしましょう。

 

2-4.生活リズムを整える

小1では、初めてのことだらけで疲れやすくなる子どもが多いです。

家庭では、生活リズムを整えて、学校で活発に活動できる状態を作ることが大切になってきます。

文部科学省でも、子どもの生活リズムを重視して「早寝早起き朝ごはん」を推奨しています。

食事と睡眠のリズムを整えて体調を良好に保つと、学習や友達作りにも良い影響が期待できます。

子どもが毎日元気に登校できるように生活リズムを整えましょう。

 

3.学校で友達を作るために親ができるサポート

ここでは、子どもが友達を作っていけるようになるために、親ができるサポートを3つ紹介します。

親がサポートしたからといって、すぐに友達ができるわけではありません。

穏やかに関わりながら、長い目で見守りましょう。

 

3-1.子どもの話を聞く

まずは子どもの話をよく聞きましょう。

学校の出来事だけでなく、好きな本やテレビの話など、大人からしてみればとりとめのない話でも、子どもに視線を送りながら最後まで聞くことが大切です。

子どもは無条件に話を聞いてもらえることで、安心感や落ち着きを感じます

もし子どもが「学校で一緒に遊ぶ友達がいなくて寂しい」「友達とうまく遊べない」などの悩みを相談してきたら、子どもの行動を「良い・悪い」と評価したり、否定したりしないように気をつけます。

子どもは自分の行動を否定されたと感じると、親に学校の出来事を話さなくなってしまいます。

アドバイスをするときは、子どもの気持ちに共感した上で、親の意見を伝えると子どもは素直に受け入れやすくなりますよ。

親に話を聞いてもらうことで、子どもは気持ちの整理ができて、友達に「一緒に遊ぼう」と言える心の状態が作られます。

日頃から子どもが安心して自分の気持ちを話せる親子関係を築くことが大切です。

 

3-2.共感力を育てる

子どもは、親の言動を見てコミュニケーションを学んでいきます。

親が思いやりのない言葉を使うと、子どもも同じような言い方を友達に使ってしまうことがあります。

普段から、親が子どもの意見に耳を傾けて共感する姿勢で接することが大切です。

例えば、子どもが友達と意見がぶつかって言い合いになってしまった場合、親はどのように対応すれば良いのでしょうか。

最初は子どもの言い分を受け止めて、「そう感じたんだね。わかるよ」と子どもの気持ちに共感を示します。

子どもが悪いと決めつけて、「謝りなさい!」と頭ごなしに叱るのは避けましょう。

子どもが自分の気持ちを認めてもらって満足したら、「友達はどう思っていたんだろうね」と友達の気持ちに意識が向くように促します。

子どもが自分で「友達も自分と同じように悲しい気持ちだったのかも」と気づけるように、寄り添いながら会話する関わりを心がけましょう。

 

3-3.好きなことを大切にする

子どもが好きなことを通して、学校で同じ趣味を持った友達と仲良くなれることがあります。好きなスポーツやアニメなどが共通の話題になって、友達ができる場合です。

筆者の勤務先では、野球好きな子どもたちが最初はお互いに人見知りをしていても、キャッチボールをしているうちに打ち解けている姿が見られました。

他にも、それまでは仲良くなかったのに、ブロックを好きな子同士が相談しながら一緒に大きな作品を作っている場面もありました。

好きなことは友達作りにもつながることがあるので、家庭でも大切にしてあげたいですね。

 

4.小1で友達がいない。学校に相談したほうが良いケース

基本的に小1で友達がいなくても、長い目で見守っていただければ問題ありません。

ただし以下のような状況では、親が学校に相談したほうが良いケースもあります。

<親が学校に相談したほうが良いケース>

・子どもがけがをしたり、他の子にけがをさせたりした場合
・子どもが泣いて帰宅した場合
・物が壊されたり、取られたりした場合

 

どの状況でも感情的にならず、冷静に子どもの話を聞いて対応することが大切です。

問題が起きたら、トラブル相手の親と直接話すのではなく、クラスの担任の先生に相談しましょう。

 

5.小1の友達関係はゆったりと長い目で見守ろう

小1の子どもはまだ幼く、友達関係でも、自分で友達を選ぶというよりも近くにいる子と一緒に行動していることが多いようです。

小学校低学年のうちは、友達関係がそこまで深まったり、固定されたりするわけではありません。

子どもが楽しく学校に通えていれば、日々の活動の中で気の合う友達は自然にできてくるでしょう。

友達がいないことを過度に気にするのではなく、それも子どもの個性の1つとして受け入れられると良いですね。

親のおおらかな姿勢が子どもに伝わって、子どもは安心してのびのびと成長していきます。

家庭では、友達がいないことを心配しすぎず、小学校生活を温かくサポートしていきましょう。

 

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