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【0歳~6歳】冬、子どもに厚着させるのはNG?適切な服装を年齢別に解説

この記事を書いた人

小原宏美 小原宏美

小原宏美

  • 保育士

大学で音楽療法について学び、卒業後は児童養護施設で4年間勤務。

大学での実習や卒業後の仕事、また自身の子育てを通じて、0歳から高校生まで幅広い年齢の子供達と関わってきました。

現在はWEBライターと並行して、子育てと自分育てのために心理学を勉強中です。

特技はピアノと歌うことです。親子で歌ったり、楽器を演奏する時間を楽しんでいます。

冬の季節で、特に朝晩の冷え込みが強い時間帯は「子どもに厚着させた方が良いのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。

一方で、厚着した子どもの体に触れると汗びっしょりで「厚着って本当は良くないの?」と悩んでいる方もいるかもしれません。

今回は、冬における子ども服の適切な着せ方を年齢別にくわしく解説します。

筆者は保育士資格を所持しており、小学1年生と3歳の子どもの母でもあります。自身の経験も踏まえて、服の選び方を紹介しているので、ぜひ最後までお読みくださいね。
 

目次

1.子どもの体温調節機能と衣服の関係

冬の服装

小さな子どもは体温調整機能が未発達なので、暑さ・寒さにより体温が変化しやすい傾向にあります。

そして、体温調整機能を発達させていくうえで大切な要素のひとつが服装選びだと言われています。その理由を解説していきますね。

 

1-1.体温調節機能が成熟するのは3歳頃

一般的に、体温調整機能が成熟するのは3歳頃とされています。

体温調整機能とは、次のような体の働きを指します。

  • 気温が高いときは汗をかいて熱を下げる
  • 気温が低いときは体内で熱を作り出そうとする

※参考:看護roo!

しかし、真夏や真冬といった暑さ・寒さが厳しい時期は、体温調整機能だけでは適切な体温を維持できません。このため、季節や気温に応じた適切な服選びが大切になるのです。

 

1-2.子どもは体温が変動しやすいので厚着はNG

体温調整機能が未熟な0~2歳の子どもは、気温の影響で体温が変動しやすいため適切な防寒は必要です。しかし、厚着し過ぎてしまうと子どもの体内で熱がこもり、体温が上がり過ぎてしまうリスクがあります。

子どもは運動量が多く、寒い日でも外で運動すれば体温が上昇しやすく、汗をかく量も多いです。大人が「寒い」と感じる日も、子どもはそこまで寒いと感じていない場合もあります。

例えば、外遊びで子どもが暑そうにしていたら1枚脱げるようにしておくなど、臨機応変に対処できる服選びを意識しましょう。

 

1-3.子どもに適度な寒さを体験させよう

人間に体温調整機能が備わっているのは、人間が「恒温動物」であることに由来しています。

一方で、現代は暖房や冷房の活用により、快適な気温で過ごす時間が長くなっています。そのため、寒い時期に体温を上げたり、暑い時期に汗をかいて体温を下げたりする機能が発達しにくくなっているという研究もあるのです。

※参考:全日本民医連

一般的に、冬の室内の適温は20~23℃とされています。子どもの表情を見ながら、厚着をさせ過ぎず適度な寒さを体験させて、体温調整機能を育てていきましょう。

 

2.【冬】子どもの服は何枚が適切?保育士が年齢別に解説

子ども服

子どもの適切な服装選びは、子どもの年齢と年齢ごとの運動量を考慮して判断する必要があります。ここから年齢ごとにくわしく解説していきますね。

 

2-1.年齢:0~生後6か月

生後6か月頃までは体温調整機能が未熟な時期です。寒さの影響で体温が下がりやすい傾向にあるため、服の枚数は大人より1枚多めを目安にしましょう。

ただし、生後3~4か月頃になると首がすわり、寝返りをするなど徐々に運動量が増えてきます。その際は服の枚数を大人と同じか1枚少なめにして、赤ちゃんが動きやすいよう配慮してくださいね。

室内での服装の一例

  • 肌着+カバーオール+薄手のベスト

赤ちゃんは言葉で寒さを伝えられないので、親は子どもの感覚が分からず不安になることもあると思います。そのようなときは、赤ちゃんの背中に手を入れてみてください。手足の先が冷たくても、背中が暖かければ体の芯までは冷えていないというサインです。

赤ちゃんは手足で体温調節しているので、室内の温度が23℃前後に保たれていれば靴下を履かせたり手袋をさせたりする必要はありません。外気温が10℃以下になるとしもやけができやすくなるので、お出かけの際は靴下を履かせたり、ブランケットなどで暖かくしてあげましょう。

 

2-2.年齢:6か月~2歳

生後6か月~2歳は、ハイハイ、つかまり立ちから歩いたり、走ったりと運動量が増える時期です。体温調整機能はまだ発達途中ですが、運動により体温が上がりやすいので服の枚数は大人より1枚少なめを意識しましょう。

室内での服装の一例

  • 6か月~1歳頃:肌着+ロンパース+ズボンまたはレッグウォーマー
  • 1歳~2歳頃:肌着+トレーナー+ズボン+薄手のベスト

子どもは冬でもよく汗をかきます。発熱素材などの化学繊維の肌着は水分を蒸発しにくい特性があるため、汗で体が冷えたり、痒みなどの肌トラブルが起きたりすることもあるようです。

運動量の多い子どもの肌着は綿素材を選ぶと吸水性が良く、体温調整もしやすいのでおすすめですよ。

ただし、屋外をベビーカーで移動する場合、子どもは動かないので気温の影響を受けて体温が下がりやすくなります。そのような場合は上着やブランケットなどで防寒し、屋内の暖かい場所では脱ぐなどして調整しましょう。

 

2-3.年齢:3~5歳

3~5歳は、動きがさらに活発になり汗をかきやすい時期でもあります。服の枚数は大人より1枚少なめを目安に、子どものサイズに合った動きやすい服を選びましょう。

室内での服装の一例

  • 綿の肌着+トレーナー+ズボン+薄手のベスト

外でたくさん体を動かす日は体温が上がり、冬でも暑い位に感じる子どももいます。厚手の服を1枚着せるよりも、薄手の服を重ね着する方が子どもの状況に合わせて調整しやすいですよ。

また、公園の遊具などで遊ぶ際、マフラーなどの防寒具が遊具に挟まり思わぬ事故につながる恐れがあります。公園に行くまでの道中はマフラーをして、公園に着いたらマフラーを外すなど、状況に応じて防寒具を取り入れましょう。

 

2-4.年齢:6歳以降

6歳以降になると、子ども自身で「暑くなったら脱ぐ、寒くなったら着る」という調整ができるようになってきます。

そして、小学校では感染症対策のため換気を実施しているところがほとんどです。教室での授業中は冷えを感じやすくなるため、服の枚数は大人と同じか1枚多めにして、調整できる服装にしましょう。

室内での服装の一例

  • 肌着+Tシャツ+トレーナー+薄手のベスト+ズボン

薄手の服を重ね着することにより服と服の間に空気の層ができて、暖かさを感じやすくなります。外遊びで暑くなったらトレーナーを脱ぐなど、簡単に調整できる服装が良いですね。

このほか、防寒アイテムとしてカイロを活用するのも良いですが、直接肌にあたらないようにして低温火傷に注意しましょう。

 

3.大人が選んだ服を子どもが着てくれないときの対処法

お着替え

子どもの成長に伴って、大人の選んだ服を着てくれず、困っているというお悩みを耳にします。そのようなときの対処法を、保育士の視点からくわしく解説していきますね。

 

3-1.選択肢を用意して子どもに服を選ばせる

服の好き嫌いがはっきりしてきたというのは、子どもの個性であり、成長の証でもあります。

例えば真冬に子どもが薄手のTシャツだけ着て過ごしていると、親としては「トレーナーも着て欲しいな」と感じますよね。

そのようなときは、親が同じ位の厚みのトレーナーを2着用意して「どっちが良い?」と子どもに選ばせてあげてください。子どもが「自分で選んだ」という気持ちを感じられると、納得して服を着てくれることが多いですよ。

子どもの好みを尊重しながら服を提案してあげましょう。

 

3-2.子ども自身に気づかせる声かけをする

例えば、子どもが汗をかいていて上着を脱いで欲しいとき、親が「上着を脱ぎなさい」と言うだけでは上着を脱いでくれない場合があります。子どもは上着を脱ぐ理由が分からず、「指示された」と感じて反発心を抱くことがあるためです。

このようなときは、まず「ほっぺが赤くて暑そうだね」「汗をかいているから、タオルで拭こうか」と、子ども自身の状態が分かる声かけをします。そのうえで「暑そうだから上着を脱ごうね」と伝えると、子どもは「暑いから上着を脱いだ方が良いんだ」と気づき、行動してくれますよ。

 

3-3.危険がなければ子どもの選択を尊重する

先述のとおり、子どもの服の好みは個性であり、成長の証でもあります。子どもが汗をかいている、または背中が冷たいなどの問題がないときは、子どもの選択を尊重してあげることも大切です。

ただし、以下のケースに該当する場合、思わぬ事故につながる可能性が「政府広報オンライン」にて報告されています。

  • フード・紐・飾りのついた服を着て公園で遊ぶ(遊具やドアノブにフードなどが引っかかって、怪我をする可能性がある)
  • サイズの大き過ぎる服を着て過ごす(子どもが動きにくい、裾を踏んで転ぶなどの可能性がある)

特に公園の遊具で遊ぶときや、親の見守りがない環境で遊ぶときは、子どもに理由を説明したうえで着替えさせるのが良いでしょう。子どもが「どうしてもこの服が着たい」という気持ちが強い場合は、以下のように対処するのも方法のひとつです。

  • 服の紐を短く切る、紐を外せる服は外しておく
  • 紐を適度な長さで服に縫い付け、遊具に引っかからないようにする
  • 公園で遊ぶときは、ポンポンや飾りボタン、金属製のチャームなど遊具に引っかかりそうな飾りを外す
  • フードの付け外しができるアウターを選ぶ

防寒だけでなく、安全面にも配慮した服選びを心がけたいですね。

 

4.冬は子どもが体温調整しやすく安全な服を選ぼう

公園

子どもは運動量が多く体温が変動しやすいため、冬は薄手の服を重ね着して、体温調整しやすい服装が望ましいです。

そして、子どもの動きやすさや安全性にも配慮した服選びをすることが外遊びを楽しむコツです。

子どもの表情や背中の温度、遊ぶ場所に応じて衣服を調整して、親子で元気に過ごしましょう。

 

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