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【1~3歳】なんでも自分でやりたがる子どもにどう対応する?

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

「自分で靴を履きたがる」「ご飯作りのお手伝いをしたがる」

時間のない時に限って自分でやりたがる我が子を前に、どう対応すればいいのか分からず、迷ってしまう方もいるでしょう。

1~3歳の子どもがなんでも自分でやりたがるのは、すこやかに成長している証です。この時期に子どもの気持ちを受け止め、適切にサポートすることで、子どもの自立心を育むことができます。

この記事では、子どもが自分でやりたがる理由や親が対応する際のポイント・具体的なシーン別の対応法を紹介します。

「やるー!」「自分で!」と言ってくる子どもの対応に困っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

目次

1.なんでも自分でやりたがるのは何歳から?

なんでも自分でやりたがるやるやる期」は一般的に2歳〜3歳頃から見られますが、実は子どもの「やりたい」という気持ちは乳児期から存在すると言われています。

しかし赤ちゃんの頃は自分で移動できず、「やりたい」と思っても手が出せない状態でした。

成長して歩き回れるようになると、さらに自分の力で行動したい欲求が高まり、やるやる期として現れるようになるのです。

 

2.なんでも自分でやりたがるのはどうして?

この時期の子どもがなんでも自分でやりたがる理由は、子どもに自我が芽生えてくるからです。

「自分が自分である」という自我が発達し、自分の意思を持ち始めると、子どもは自分の意思を通そうとするようになります。

また、好奇心が旺盛になり、自分で試したい・経験したい気持ちが強くなっていることも背景にあると考えられます。

子どもがなんでも自分でやりたがるのは、すこやかに成長していることの現れと言えるでしょう。

 

3.「イヤイヤ期」と「やるやる期」の関係

「イヤイヤ期」と「やるやる期」は同時期に来ることが多いと言われています。

1~3歳の子どもは万能感、すなわち「なんでもできる」と思っている傾向があり、自信満々になんでも自分でやりたがります。

しかし、実際には子どもの力ではうまくできず、イライラしたり悲しくなったりすることも多いでしょう。その気持ちをうまく言葉で表せず、「イヤ」という言葉や態度で表現するのです。

 

4.なんでも自分でやりたがる子どもへの3つの対応ポイント

ここからは、なんでも自分でやりたがる子どもに対応する際のポイントを3つ紹介します。

子どもが「自分でやる!」と言ってきた時に意識してみてくださいね。

 

4-1.子どもの気持ちを受け止める

子どもが自分でやりたがっていたら、まずは子どもの気持ちを受け止めましょう。

一度親に受け入れてもらえたことで、子どもには「受け止めてもらえた」という安心感が残ります。

反対に「ダメ」「○○君にはできないよ」と言われてしまうと、子どものプライドが傷つき、物事に挑戦する意欲も失ってしまいます。

実際にはやらせてあげられない時も、「そっか、やってみたいんだね」と子どもの気持ちを肯定してあげてください。

 

4-2.やらせてみる

子どもが「やりたい!」と言った時は、時間が許す限り、実際にやらせてあげましょう。

自発的な動機がある時に挑戦してみることで、子どもの能力はグンと成長します。頑張っている子どもの姿を見守ってあげてください。子どもだけではできない難しいことは、親がこっそりサポートするのも1つの手です。

例えば、自分でズボンを履こうとしている時に、後ろを一緒に引っ張って着替えさせ、「できた!」という達成感を味わわせてあげましょう。

「ママに手伝ってほしい時には声をかけてね」と伝え、子どもが困った時に、親に助けを求めやすくするのも良いですね。

ただし、危険な行為やマナーに反することは、毅然とした態度で止める必要があります。その際もただ「ダメ」と言うだけでなく、「お鍋に触ったらイタイイタイだよ」などと理由を説明すれば、危ないことやマナーを学ぶいい機会になりますよ。

 

4-3.できたことを見つけて褒める

自分で挑戦して失敗した時も、「できないって言ったじゃん」と否定するのではなく、できたことを見つけて褒めてあげましょう。

「自分でやりたい」気持ちを尊重しつつ褒めることで、子どもの自信や達成感が高まります。

「ボタンを半分とめられた」「途中まで上手に食べられた」など、小さなことでも褒めるポイントを見つけて、言葉にしてあげてくださいね。

 

 

5.なんでも自分でやりたがる子どもへのシーン別対応法

ここからは、シーン別に自分でやりたがる子どもへの対応法を紹介します。

 

5-1.ご飯

子どもが自分でご飯を食べたがる場合は、まず環境を整えるのがおすすめです。

シートを敷くなどして掃除しやすくする・ご飯の量を少なめにして、こぼした時の被害を小さくするなどの工夫をしてみてください。

親のストレスが減って、余裕を持って子どもに対応できるようになります。

また、お箸やスプーンを自分で持ちたがる時は、「その持ち方は違うよ」などと否定せず、子どもの気が済むように持たせましょう。

その上で「こうやって持つと上手にご飯が食べられるよ」と見本を見せたり、「一緒にやってみようか」と持ち方を教えたりすると、子どもは親のサポートを受け入れやすくなりますよ。

 

5-2.お着替え

できるだけ手を出さず見守ってあげてほしいのが、子どもが自分で着替えたがっている場合です。

基本的に子どもに任せ、ボタンやファスナーなど子ども一人では難しいところのみ、「手伝ってもいい?」と声をかけたり、こっそりサポートしたりするのがおすすめです。

子どもが一人でできる状態まで手伝い、「後はよろしくね!」と仕上げを任せるのもいいですね。

気をつけたいのは、子どもには子どもなりの着替えの手順がある点です。それを無視して親が先回りしてしまうと、子どもは反発心を抱いて泣いたり癇癪をおこしたりする可能性があります。

子どもが自分で着替えているのを見ていると、見かねて手を出したくなってしまうこともあるでしょう。しかし、「子どもの成長のため」とぐっとこらえて見守り、着替えが終わったらたくさん褒めてあげてください。

 

5-3.お買い物

お買い物中に子どもがお手伝いをしたがる場合は、少しだけ手伝ってもらうのがポイントです。

子どもの意欲を尊重しながら、子どもに合ったお仕事を任せることで、責任感や自己肯定感を育めますよ。

<具体例>

  • 小さな買い物かごを持たせ、壊れにくいものを1~2品持ってもらう
  • 2~3歩の距離だけ小さな買い物袋を持ってもらい、「ありがとう、後はパパが持つね」と荷物を受け取る
  • カートを押したがる場合は、後ろからカートをこっそりコントロールする
  • 商品を2~3個を手に取り、どれがいいか子どもに選んでもらう

とはいえ、子どもを連れての買い物は大変で、大きな負担になることもあるでしょう。そのような場合は、ネットスーパーや生協などを利用することも考え、ストレスをためすぎないようにしてくださいね。

 

5-4.お手伝い

お家で子どもがお手伝いをしたがる場合も、お買い物と同様に、子どもにできることを手伝ってもらうといいでしょう。

「スプーンを並べる」「野菜をちぎる」「ゴミを捨てる」「タオルをたたむ」といった、安全な作業を、できる範囲でお手伝いさせてあげてください。

そして、子どもがお手伝いを終えた時には、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えましょう。子どもは達成感や喜びを感じ、自己肯定感や挑戦する意欲を育んでいきますよ。

 

6.なんでも自分でやりたがる子どもに関するQ&A

ここでは、自分でやりたがる子どもに関する疑問に答えていきます。

 

6-1.時間がない時や危険なことをしたがる時は?

時間がなかったり危険なことをしたがったりして、子どもに体験させてあげられない場合は、遊びを通して体験させるのがおすすめです。

「今は時間がないから、後でお人形にお洋服を着せてあげてくれる?」「この包丁は危ないから、あっちの(おもちゃの)包丁を使おう」など、代わりの案を出すと、子どもも「ダメ」と否定されるより受け入れやすくなります。

また、「ママは今すごく急いでるんだ。手伝ってくれる?」「ママは○○ちゃんに、けがをしてほしくないの」などと真剣に伝えると、子どもも分かってくれることがありますよ。

 

6-2.うまくできなくて、泣いたり怒ったりする時の対応は?

自分でやってみたもののうまくいかず、子どもが泣いたり怒ったりしてしまった場合は、まず子どものイライラを受け止めてあげてください。

その上で、「上手に靴が履けなくて悔しかったね、次は右から履く?左から履く?」と子どもに次の行動の選択肢を与えましょう。

「自分で選んだ」事実に満足でき、気持ちを切り替えるきっかけになりますよ。

 

7.なんでも自分でやりたがるのは成長の証!子どもの気持ちを受け止めサポートしよう

親がやれば一瞬で終わることなのに、「自分で!」「○○君がやる!」と主張され、ウンザリしてしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもが自分でなんでもやりたがる時期は短いものです。

なかなかお手伝いしてくれない我が子の姿を見ながら、「あの頃はなんでもお手伝いしたがってたな」と懐かしく思う日がやってきますよ。

この時期に育まれた自己肯定感や達成感は、子どもの一生を支えてくれる力になります。できる範囲で子どもに挑戦する機会を与え、成長をサポートしてあげてくださいね。

 

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