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「魔の2歳児」対応のコツとは?現役保育士がイヤイヤ期との上手な付き合い方を紹介

この記事を書いた人

宮先惟之 宮先惟之

宮先惟之

  • 保育士

保育所や子ども園にて15年間勤務。

主に、3〜5歳児のクラス担任や障がい加配保育士をしてきました。

2児の父でもあり、子育ての大変さや楽しさを感じながら、日々子どものやる気を引き出す環境作りや言葉のかけ方を工夫しています。

「何でも嫌がる」「急にわがままになった」「泣いたり怒ったりが激しい」と2歳前後の我が子を見て、困ったことはありませんか?

言うことを聞いてくれず、どう関わっていいのか分からないことありますよね。

子どもに訪れる最初の反抗期と言われている2歳頃の子どもには、対応方法にもコツが必要です。

本記事では、保育士として子どもの心情を理解する筆者が、魔の2歳児を乗り越える方法をお伝えします。記事の後半では、親向けの気持ちのコントロール法も紹介しますよ。

子どもと関わる中で、自分がイライラしてしまうという方には、おすすめの内容です。

対応のコツと合わせて試してみてくださいね。

 

目次

1.「魔の2歳児」は自己主張の表れ

はじめに、2歳児の発達を分かりやすくお話します。

子どもの育ちを知ることで、サポートする所が分かり、より効果的な関わりができますよ。

お子さんの様子を想像しながらご覧ください。

 

1-1.「魔の2歳児」とは?

そもそも「魔の2歳児」とはなんでしょうか?何やら恐ろしい感じがしますね。

2歳児は、親の思うようにはいかないことが増えます。今までしていたことを嫌がったり、激しく怒ったりするため、時間ばかりが過ぎることもありますよね。

まさに、子育ての大変さを痛感する時期だからこそ、「魔の2歳児」と呼ばれるのでしょう。

 

1-2.2歳ってどんな時期?発達段階の特徴は?

2歳児は、自分の気持ちや意見を主張をし始める時期です。

発達は、以下のような特徴がありますよ。

・自我が芽生える。
・簡単な言葉を使って話せる。
・身の回りのことを「自分でしたい」と意欲を持つ。
・手先が器用になり、少しずつ身の回りのことができる。

自我が芽生え、気持ちを話せるとなれば、あれこれと主張するのは当然ですね。

2歳児といえば、イヤイヤ期と聞いたことはありませんか?イヤイヤ期とは、一般的に1歳前後から始まり2歳頃にピークを迎える、何に対しても「イヤ!」と拒否をする時期です。

子どもに訪れる第一次反抗期とも言われていますね。

 

1-3.イヤイヤ期の原因とは?

イヤイヤ期の原因は、2歳の発達と関係しています。

子どもなりにしっかり主張する姿はありますが、話せるといってもまだ2歳です。自分の思いを明確に言えないことや、伝えたいことが曖昧なことも多く、結局どうしたいか分からなくなるといった姿はよく見られますよ。

また、身の回りのことも少しずつ自分でできるようになりますが、スムーズにいくことばかりではありません。

ぼんやりと感じたことを言葉にできないモヤモヤした気持ちや、したいことが上手くできないもどかしさから心が乱れ、イヤイヤへとつながるのでしょう。

 

2.「魔の2歳児」どうやって乗り越える?《対応編》

では、そんな「魔の2歳児」にはどう関わっていけばよいのでしょう?

具体的な方法を、《対応編》と《環境・準備編》に分けて紹介していきますね。

まずは《対応編》からです。

 

2-1.子どもの気持ちを言葉にして共感する

子どもが困ったり、怒ったりしている様子を見ると、ついつい「どうすればいいのか」「子どもが何をしたいのか」が気になりますよね。

しかしその前に、自分の気持ちを分かってほしいと子どもは感じています。

保育現場では、子どもの気持ちに共感するとしないでは、子どもの反応も大きく違いますよ。

「嫌だったね」や「○○がしたかったね」など、大人が言葉にすることで子どもは自分のことを分かってくれていると感じ、安心します。

心がほぐれると、子どもも周りの話に耳を傾けたり、立ち直るきっかけが持てたりしますよ。

 

2-2.譲れないラインを決めておく

2歳児は、いろいろなことに興味を持ち、様々な行動をします。どこまで許していいか迷うこともあるでしょう。

しかし、親が何でも許していると、子どもはいつも自分の意見が通ると考え、だんだん言い聞かせられなくなります。

そこで、譲れないライン、つまり許せないことを決めておくといいですよ。

例えば、「迷惑につながることは注意しよう」と決めるとします。すると、子どもの行動を見ながら、「ここまではいいか」と判断する軸ができるため、迷うことが減りますね。

ポイントは、夫婦や親戚など子育てを一緒にする人と譲れないラインを共有することです。周りの大人の対応も同じだと、子どもも納得するでしょう。

最初は言い聞かせることが大変でも、機会を重ねることで子どもは学び、気持ちの切り替えが早くなりますよ。

 

2-3.選択できるような問いかけをする

何でも「イヤ!」と話す子どもには、選択できるような問いかけをしましょう。

自分でしたい気持ちが強いのが、2歳児でしたね。選択できることは、自分で決めることにつながります。

用意した服を着たがらない子に、「○○にする?それとも□□にする?」と2つか3つ選択肢を出して聞いてみてください。

「これ!」と選んで着る姿があるでしょう。選べるって、楽しいですね。

 

2-4.落ち着いたトーンで話しかける

子どもが大きな声で主張する姿から、こちらも大きな声で返すことはありませんか?

大人まで声を荒げては、さらに子どもが言うことを聞かないこともありますよね。子どもには、あえて落ち着いたトーンで話しかけましょう。

保育現場では、慌てて話す子どもに対して保育士は、わざと間をとって会話をします。

興奮していた子どもが、保育士のテンポにつられ、いつのまにか落ち着くことはよくありますよ。

 

2-5.達成感を味わえるように褒める

できたことを褒めてあげると子どもは嬉しくなり、気持ちが安定します。

衣服の着脱や歯磨きといった身の回りのことや、外遊びで遊具にチャレンジする姿など、タイミングはたくさんありますよ。

子どもは、信頼できる大人から褒められることで、自分がしたことに達成感を味わいます。気持ちが満たされると、くじけそうになっても乗り越えることができますね。積極的に子どもの頑張りを褒めていきましょう。

イヤイヤ期の癇癪にお困りの方は、昔ながらの子育て方法「タイムアウト」もおすすめですよ。詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

 

3.「魔の2歳児」どうやって乗り越える?《環境・準備編》

次は《環境・準備編》です。

家庭の環境を少し工夫することで、「魔の2歳児」が今後の成長へとつながり、子ども自身も心地よくスムーズに過ごすことができるでしょう。

 

3-1.自分でやりやすい環境を作る

2歳児の、自分でやりたい気持ちを叶えられる環境を用意しましょう。

具体的には、以下がおすすめです。

・手洗いやうがいができるように洗面所に子ども用の台を置く。
・タオルを子どもの高さに合わせて吊るしておく。
・前と後、表と裏が分かりやすい服を用意する。
・子どもの服や靴下を取りやすい所に置く。
・机にウェットテッシュを置いておく。
(子どもが机や手を拭くときに便利)

自分でできると、満足感が味わえ、心の安定につながるでしょう。

余談ですが、部屋をきれいにすることもポイントです。

床に物が散乱していると、落ちつかない雰囲気から、子どもの気持ちにも影響するでしょう。

 

3-2.先を見通して準備をしておく

子どもの気持ちを優先しつつ、後から対応(変更)できるように準備することも方法の1つです。

例えば、寒い日に「上着をきたくない!」と薄着で行くと言ってきかない場合には、上着を持って出かけると良いでしょう。実際に外にでて、寒く感じた子どもは親から「上着を着ると温かくなるよ」と言われると、素直に着ます。

公園に遊びに行く日に長ぐつを履きたがる子どもの場合は、運動靴も持っていきましょう。用意しておけば、遊ぶ前に履き替えさせることができますね。

2歳の子どもは、大人のように見通しを持つことができません。

先を見通してさりげないサポートができるといいですね。

 

3-3.気が紛れるグッズを用意する

子どもにとって癒しのグッズはありますか?筆者の家庭の場合は、キャラクターや動物のぬいぐるみでした。

ご飯を食べたくないときやお風呂に行きたくないときには、お気に入りグッズの出番です。

グッズを片手に「一緒に食べようよ!」「私があそこまで一緒に行くね!」とつぶやいてみてください。子どもの表情は一変し、笑顔で行動し始めますよ。

お世話になったぬいぐるみには、今も感謝しています。

 

4.「魔の2歳児」とうまくやる!保育士がおすすめする気持ちのコントロール法

続いては、保育士が実践する気持ちのコントロール法を紹介しますよ。

「魔の2歳児」はなかなか手強く、ついイライラしてしまうことはありませんか?

大人も、気持ちを切り替えることは大切です。

リフレッシュして、子育てに前向きになれる方法を5つ紹介しますね。

 

4-1.イラっとしたら深呼吸。外の風に当たる

イライラが限界に達したら、子どもの安全を確保したうえで、外の風に当たりましょう。

景色を見ながら深呼吸すると、怒りも少し収まり、冷静になれますよ。

子どもにイライラをぶつけては、余計に話がこじれます。

保育現場では休憩があり、少しの間先生が入れ替わるのですが、外の空気を吸うことでリフレッシュできます。

気分が変わると、見え方も変わり、落ちついて子どもと関われるでしょう。

 

4-2.子どもが生まれたときを思い出す

我が子の自己主張に疲れたときは、子どもが生まれたときのことを思い出しましょう。

ぜひ、この機会に子どもの赤ちゃんの頃の写真を見返してみてください。

生まれたときの感動や成長の様子に、心がほっこりしますよ。

 

4-3.複数人で対応する

イヤイヤ期真っ盛りの子どもを、1人でみるのは大変です。周りに頼れる人がいる場合、協力して子育てをしていきましょう。

夫婦で順番に子どもと関わったり、祖父母に見てもらったりできると、子どもの悩みを共有できます。一緒に大変さを分かち合える人がいると、心強いですよね。もしかすると、子どもに合った上手な関わり方が見つかるかもしれません。

保育現場では、2歳児は複数で担任することが多く、お互いの状況に合わせて動くことで、上手く子どもと関われています。

身近な人も頼りつつ、子育てしていけるといいですね。

 

4-4.時間を多く見積もって行動する

時間を気にして、ついつい子どもを急がせることはありませんか?時間がないと、子どもの主張を聞いても柔軟に対応できませんよね。

もし、時間に余裕があるとどうでしょう?子どもとじっくり関われますし、落ち着いたトーンで話すこともしやすいですね。

保育所や子ども園に通園している方だと、朝の準備に10分ほど余裕を持って行動すると親の心持ちもずいぶん違いますよ。

大人の焦りが子どもに伝わることも減るため、自然と落ちついて過ごせるでしょう。

 

4-5.他の子と比較しない

周りにいる2歳の子どもを見て比較することもありますよね。

比べると、どうしても良い悪いと評価をしてしまい、子どもにとっても自分にとってもプラスになりません。

子どもの育ちは、人それぞれです。比べるのは、他の子とではなく、我が子の1年前や1カ月前にしましょう。

言葉が増えた、気持ちを伝えることが増えた、体が大きくなったなど、子どもの成長を実感できますよ。

これからも成長していくと思えれば、気持ちも前向きになれますね。

 

5.「魔の2歳児」から子どもは伸びる!

「魔の2歳児」は、子どもの自己主張が強く、イヤイヤ期と重なるため、おうちの人も対応が大変でしょう。

しかしこの時期は、親からの愛情や丁寧な関わりが、子どもの育ちを支えます。

少しずつですが、気分の切り替えが早くなり、自分でできることが増え、感情の表現が上手になって、というように日々成長していくでしょう。

保育士がおすすめする気持ちのコントロール法も活用しつつ、「魔の2歳児」を乗り越えていきましょうね。

 

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