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指しゃぶりはいつまでするの?原因や家庭でできる年齢別の対応法を紹介

この記事を書いた人

多村美穂 多村美穂

多村美穂

  • 保育士

元保育士のWEBライターです。

保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。

現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。

保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!

気がつけば指しゃぶりをしている我が子。

「いつまで続くの?」 「放っておいてもいいの?」 「歯並びへの影響があるのでは…」

このように、さまざまな不安を抱えてしまう方も多いでしょう。

指しゃぶりをする子どもへの対応は、子どもの年齢に応じて変化させていくのがベストです。

本記事では、指しゃぶりの原因や発育と指しゃぶりの関係、そして年齢に応じた指しゃぶりへの対応法を紹介します。

子どもの指しゃぶりが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

年齢に応じた指しゃぶりへの対応法を知ることで、子どもが指しゃぶりをしても自信を持って向き合えるようになりますよ。

 

目次

1.指しゃぶりの原因は?

1歳頃までの指しゃぶりは、赤ちゃんの発達過程において自然に現れる生理的な行為です。

赤ちゃんは唇に触れたものに吸いつくという反射から指しゃぶりをしたり、指しゃぶりをすることで手の存在を確認したりするのです。

少し成長してからの指しゃぶりは、気持ちが落ち着くことから、就寝前や退屈なときなどに自然としてしまうことがあります。

また、成長につれてストレスを感じるようになると、ストレスから注意をそらして気を紛らわせるために指しゃぶりをするようになります。この場合の指しゃぶりは、心を落ち着かせる役割を果たしているのです。

「心を落ち着かせるために指しゃぶりをする」と聞くと、「愛情不足では」と心配になる方もいるでしょう。しかし欧米では、自分で感情を立て直そうとする行為として、自立心が育ってきていると考えられていますよ。

 

2.指しゃぶりは何歳まで?発育と指しゃぶりの関係

ここでは、一般的な指しゃぶりと成長の関係を紹介します。ただし発育や指しゃぶりをする時期には個人差があるため、あまり心配になりすぎず、目安として押さえておくといいでしょう。

 

2-1.乳児期

前述の通り、指しゃぶりは赤ちゃんにとって自然な行動で、ママのお腹の中にいるときからの習慣や生理的な行為として現れます。

つかまり立ちやつたい歩きを始め、手を使う頻度が増えてくる頃になると、指しゃぶりは少しずつ減っていきます。

 

2-2.1~3歳

遊びの種類がどんどん増え、指しゃぶりの頻度も下がっていく時期です。

実際、3歳児健診時に指しゃぶりの習慣がある子どもの割合は、15%ほどというデータがあります。この頃になると、指しゃぶりは退屈したときや、眠いときなどに限定されるようになっていきます。

 

2-3.4~6歳

社会性が発達し、友達との関係が深まっていく時期です。この頃になると「指しゃぶりをしているところを友だちに見られるのが恥ずかしい」という意識が徐々に芽生え、指しゃぶりが自然に減少していきます。

 

2-4.小学校入学後

この時期になると、指しゃぶりはほぼ見られなくなりますが、まれに指しゃぶりをする子どももいます。

小学校入学以降の指しゃぶりをやめさせる場合は、周囲のサポートや働きかけが必要になってきます。

 

3.指しゃぶりをする子どもの特徴は?

指しゃぶりをする子どもに、これといった特徴はありません。

指しゃぶりは、生理的な行為であり、多くの赤ちゃんが発達の過程で指しゃぶりを経験します。そのため、病気や障がいがあったり、育て方に問題があったりするから指しゃぶりをするわけではないので、心配しすぎないでくださいね。

 

4.指しゃぶりはやめさせた方がよい?

結論としては、子どもの年齢や状況によっては、やめさせる工夫をした方がよい場合もあります。

前述の通り、指しゃぶりは子どもにとって生理的な行為であり、成長過程で自然に減少する傾向があります。しかし、長時間指しゃぶりを続けていたり強く吸っていたりすると、以下の影響が生じる恐れがあるからです。

<指しゃぶりの影響>

・上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の前歯が前に突き出した、いわゆる「出っ歯」の状態を指します。
口を閉じにくいため口呼吸やドライマウス(口の中が乾燥しやすい状態)になりやすくなると言われています。

・開咬(かいこう)
上下の前歯に隙間ができて、前歯が噛み合わない状態です。
食べ物をかみ切れない・不明瞭な発音となってしまうなどの恐れがあります。

・交叉咬合(こうさこうごう)
上の歯と下の歯が正しく重ならない状態です。
あごの発育にも影響を与えることがあります。

 

5.指しゃぶりはいつからやめさせるべき?

日本小児歯科学会によると、3歳頃までの指しゃぶりは無理にやめさせる必要がないと言われています。

前述の通り、指しゃぶりが長期間続くと歯並びの乱れや発音に影響がでる恐れがあるため、4~5歳になっても続く場合には対応を検討しましょう。

ただし、一日中指しゃぶりをしていたり、指に「吸いダコ」ができるような強い吸い方をしていたりする場合は、習慣化しないために早めに対応した方がよい場合もあります。

 

6.【年齢別】家庭でできる指しゃぶりへの対応法

ここからは、子どもの年齢に合わせた指しゃぶりへの対応法を紹介していきます。

 

6-1.乳児期の指しゃぶりへの対応法

繰り返しお伝えしているように、乳児期の指しゃぶりは生理的なものであり、特に気にする必要はありません。そのまま経過を見てあげてください。

 

6-2.1~3歳の指しゃぶりへの対応法

この時期の指しゃぶりも、無理にやめさせる必要はありません。あまり神経質になりすぎず、様子を見てあげてください。

3歳を過ぎても指しゃぶりをする頻度が減らなかったり、口の状態が気になったりした場合は、4歳に向けて少しずつ指しゃぶりを減らしていきましょう。

この時期の指しゃぶりを減らす方法の具体例は、以下の通りです。

<3歳を過ぎた子どもの指しゃぶりを減らす方法>

  • 子どもの興味を引くおもちゃを使って指しゃぶりから注意をそらす
  • 外遊びや運動する機会を増やして、手持ちぶさたな時間を減らす
  • 寝るときは手をつないで安心させる
  • おしゃべりしたり歌を歌ったりして気分転換させる
  • たくさんスキンシップをとりストレスを解消させる

 

6-3.4~6歳の指しゃぶりへの対応法

この時期になると指しゃぶりは口の発達に影響を及ぼし始めるため、焦ってしまう方もいるでしょう。しかし強制的に指しゃぶりを禁止するのは逆効果です。子どもと話し合い、楽しみながら指しゃぶりを減らしていきましょう。

この時期の子どもにも前項で紹介した、「3歳を過ぎた子どもの指しゃぶりを減らす方法」を続けていきましょう。

加えて、ルールを理解できるようになる年齢のため、指しゃぶりを減らすための「お約束」をするのも効果的ですよ。

例えば、「園から帰ったらおやつの時間まで我慢する」など、時間と場所を限定して目標をたてます。そして目標を達成できたら、たくさん褒めてあげてください。ごほうびシールを貼る・スタンプを押すなどの工夫をしてもいいですね。

親に褒められることで自信がつき、「また頑張ろう」と思えるようになりますよ。

また、指しゃぶりを題材とした絵本の読み聞かせもおすすめです。 例えば、『ゆびたこ』の絵本がおすすめです。

『ゆびたこ』 作:くせ さなえ ポプラ社

小学校入学前の指しゃぶりがやめられない関西弁の女の子が主人公のお話です。
絵本を通じて指しゃぶりをやめる方法や、指しゃぶりをやめるメリットを学べ、子どもが指しゃぶりについて考えるきっかけになりますよ。

>>「ゆびたこ」 Amazon販売ページ

 

 

6-4.小学校入学後の指しゃぶりへの対応法

小学生になると子どもは指しゃぶりを恥ずかしいと感じるようになります。また、学校生活のストレスなどで再発することもあるでしょう。

親は「みっともない」と否定的に対応するのではなく、子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。

この時期の指しゃぶりをやめさせるためには、子どもが自ら「指しゃぶりをやめたい」と思うように促すことが大切です。

「歯並びが悪くなる」などの指しゃぶりのデメリットを伝えたり、「周りの目が気にならなくなる」「自信がつく」などのメリットを子どもと一緒に考えたりしましょう。

なかなか効果が出ず、かえってストレスをためてしまうような場合は、市販の指しゃぶり防止マニキュアなどの対策グッズを試してみてもいいですね。

 

 

7.子どもの成長に合わせて指しゃぶりへの対応を変えていこう

指しゃぶりは、子どもの発達段階において自然に見られる行動です。

親は子どもの気持ちに寄り添いながら、年齢や発育に応じて、指しゃぶりへの対応を変えていきましょう。

また、指しゃぶりで悩んだ場合は、かかりつけの小児科や小児歯科医院・幼稚園や保育園の先生・保健センターなどに相談するのもおすすめです。専門家が指しゃぶりへの対応を一緒に考えてくれるため、気持ちも楽になりますよ。

無理は禁物です。ゆっくりと指しゃぶりを減らす工夫をしつつ、子どもの成長を見守っていきましょう。

 

参考文献
『乳幼児における指しゃぶりの開始と習慣化にかかわる要因』口腔衛生学会雑誌
『こどもたちの口と歯の質問箱』 日本小児歯科学会
『指しゃぶりについての考え方』 小児科と小児歯科の保健検討委員会

 

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