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短時間でも大丈夫!「スキンシップ」で親子の絆を深めよう!

この記事を書いた人

なな なな

なな

  • 高等学校教諭
  • 保育士

早稲田大学在学中に放課後等デイサービスでアルバイトとして勤務。

一般企業に就職後、子どもの人生に関わる仕事がしたいと思い、保育園で働きながら保育士資格を取得しました。

現在は保育士として勤務しています。

「子どもと一緒に楽しむ」ことを大切に、子どもと接しています!

「子どもにスキンシップを求められるけど、どうしていいかわからない」
「大きくなったのに抱っこを求められ、困ってしまう」

そんなお悩みはありませんか?

今回の記事では、

・スキンシップとは子どもにとってどういう意味があるのか
・スキンシップが苦手な方でも短時間で行いやすい方法

をご紹介します。

科学的な根拠に基づいて、スキンシップがもたらす効果やメリットについてご説明します。

「スキンシップは恥ずかしい」「時間がない」という方にも取り入れていただきやすい方法をお伝えしますので、お子さんと信頼関係を築く上での参考にしてみてください!

 

目次

 

1.スキンシップはなぜ必要なのか

スキンシップは肌と肌の触れ合いを通して、心の交流をはかるコミュニケーションの一つです。

ハグするなどをイメージされる方が多いかもしれませんが、「触れる」「なでる」などもスキンシップに含まれます。お互いの手を合わせてタッチすることもスキンシップと言えるのです。

まずはスキンシップがどうして重要なのかについて、2つのポイントを取り上げて紹介します。

 

1-1.幼少期の親子関係が子どもの自己肯定感につながる

子どもたちにとって、世界は知らないことであふれています。大人から見ると大したことない出来事でも、子どもは不安や恐怖を感じるものです。

子どもが初めてのことや、怖い出来事に遭遇した際、周囲の信頼できる大人が「怖かったね」と共感したり、「もう大丈夫だよ」と慰めたりすることはとても大切です。

子どもの頑張りに対して、「よくやったね!」と頭を撫でるなどの幼児期のスキンシップを通して、「失敗しても守ってもらえる」「受け止めてもらえるから大丈夫」という安心感につながります。

「自分は愛されている」「守ってもらえる」と感じる経験の積み重ねによって自己肯定感が育まれ、新しいことにも前向きに挑戦しようと思えるのです。

 

1-2.皮膚感覚の重要性

子育てにおいて、もっとも大切な「感覚」は、どの感覚だと思いますか? 意外に思われるかもしれませんが、答えは「触覚」です。

五感のなかで最も最初に発達するのが触覚であり、妊娠7週目からお母さんのお腹の中の赤ちゃんは触覚を頼りに動いているとも言われています。

また私たちは、皮膚の感覚を通して、自分の身体の場所を把握したり、熱さや痛みを感じ危険を察知したりしているのです。

触覚に関するある有名な実験があります。

心理学者のハーロウは、生まれて間もないサルの赤ちゃんを2種類の模型で育てました。1つは哺乳瓶がついている針金でできている模型、もう1つは哺乳瓶はついておらず柔らかい布で包まれている模型です。

実験では、赤ちゃんはお腹が空いているとき以外は布でできた模型を好み、恐怖を感じる場面では布製の模型が見つかるまで落ち着きませんでした。赤ちゃんは自分を安心させるために、布のぬくもりや柔らかさを求めたのです。

この実験から、触覚を通してぬくもりや温かさを感じることで、他者とのつながりや安心感、心の安らぎを得ることができるということがわかります。

人間の場合も同様で、皮膚感覚を通じて他者のぬくもりを感じることでネガティブな感情が解消され、安心・安全を感じることができるのです。

大事な感覚である皮膚感覚を使って親子関係を築くことがまさに「スキンシップの目的」です。

では、実際にスキンシップを行うとどのような効果があるのでしょうか?ここからは科学的な実験などもご紹介しながら、スキンシップのメリットをご説明します。

 

2.親子のスキンシップにはどんな効果があるの?

ここでは、親子のスキンシップがもたらす効果について説明します。

 

2-1.子どもへの効果

1.自己肯定感を育む

子どもは優しく抱きしめられたり、目を見て触れてもらったりする経験から、「自分は受け止めてもらっている」「大切にされている」と感じることができます。自分の存在を他者に認めてもらうことで「自分は人に愛されている」と感じ、自己肯定感を高めることができるのです。

2.他者との信頼関係を築きやすくなる

愛情のこもったスキンシップをすると、私たちの脳では「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。オキシトシンは、別名「絆ホルモン」とも呼ばれています。

オキシトシンが分泌されると、他者への警戒心が薄れ、「関係性を深めたい」という気持ちが高まることで、周囲と良い信頼関係を築きやすくなります。

3.学習意欲が高まる

オキシトシンは、学習意欲や記憶力を高めることが分かっています。

また、「幼い頃にスキンシップが多かった子どもは、高校生になっても攻撃性が低く、自己肯定感が高い」という実験データも明らかになっています。
親子のスキンシップを積み重ねることは、お子さんの心の安定につながり、学習面にも良い影響をもたらすようです。

 

2-2.保護者への効果

オキシトシンは触れられた側だけでなく、触れる側にも分泌されると言われています。つまり、お子さんとスキンシップをとると、保護者にもオキシトシンが分泌されるのです。

サルを使った実験では、親ザルは子ザルの毛づくろいをすることによって、オキシトシンだけでなく、「脳エンドルフィン」という快楽物質が分泌されることがわかりました。

脳内モルヒネとも言われるエンドルフィンにはストレスを軽減させたり、多幸感をもたらしたりする効果があります。

「子育てにイライラしたときは、スキンシップの頻度を増やすとよい」とアドバイスする専門家もいるほど、スキンシップには親子ともに様々なメリットがあります。

お子さんのイヤイヤ期や反抗期に悩んだ時は、親子のスキンシップを増やすことで、育児ストレス軽減にもつながるかもしれません。

 

3.おすすめのスキンシップの方法

「スキンシップが大切なのはわかるけど、ベタベタするのが苦手」「忙しくて時間がない」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは簡単に取り入れやすいスキンシップの方法をまとめました。無理なく続けられる方法を探してみてください!

 

3-1.日常のコミュニケーション

「スキンシップをする時間がない」という方におすすめなのが「挨拶+α」のスキンシップです。

保育園のお見送りのときに「行ってきます」のタッチをしている方も多いのではないでしょうか?

朝起きたときや家を出発するとき、寝る前など、言葉での挨拶と一緒に、タッチや頭を撫でるなどの短時間でできるスキンシップを心がけると、無理なくスキンシップを習慣化できます。

毎日のルーティンが決まっているとお子さんの安心感にもつながるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

 

3-2.マッサージ

お子さんへのマッサージもおすすめのスキンシップです。マッサージと聞くと難しそうなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、お子さんの体に手を当てて温めてあげるだけでよいのです。

お風呂あがりや寝かしつけのときなどに、おへそのあたりや背中をゆっくり優しくさすってみてください。恥ずかしがる、くすぐったがるなどの場合は、洋服の上からでも構いません。

身体が温まると血のめぐりがよくなり、気分がスッキリしたり、イライラが落ち着いたりすると言われています。

 

3-3.絵本の読み聞かせ

お子さんを膝の上に座らせ、絵本を読むことも立派なスキンシップです。膝の上にのることを恥ずかしがる場合は、お子さんの隣に寄り添うだけでも構いません。

大好きなママやパパが家事の手を止めて、自分のために本を読んでくれることは、子どもにとって嬉しいことです。読み聞かせをするときは、文章を読み上げるだけでなく、ぜひ一緒に絵本を見て気づいたことをお話してみてください。

物語を一緒に味わうことももちろん素敵ですが、絵を見て発見したことや気づきを伝えあうことも絵本の楽しみ方の一つです。

 

3-4.運動遊び

お子さんに優しく触れたり、一緒にゆったり過ごしたりすることだけがスキンシップではありません。たまには親子で体を動かしながら、スキンシップを楽しむのもおすすめです。

特にパパの場合は、優しく触れるよりも体を動かしながら触れたほうがオキシトシンが分泌されやすいと言われています。

パパの股の間をお子さんがくぐったり、パパが長座になり、お子さんがその上をジャンプしたりする運動遊びもお子さんに人気があります。時間がある日は、公園で一緒に鬼ごっこやボール遊びをするのもおすすめですよ。

 

4.ベタベタは禁物?親子のスキンシップの注意点

お子さんにスキンシップを嫌がられ、ショックを受けた経験のある方もいるかもしれません。しかし、あくまでスキンシップは愛情を伝える方法の一つであり、「スキンシップが嫌い=相手のことが嫌い」というわけではありません。

皮膚感覚が敏感で触れられることが苦手なお子さんや恥ずかしいと感じるお子さんもいます。

スキンシップをとる場所や、お子さんの成長に合わせてスキンシップの方法を変えることも大切です。

遊びの延長で始めてみたり、機嫌がよいときに取り入れたりするなど、お子さんの様子を見ながら、それぞれに合ったスキンシップの方法を探してみてくださいね。

 

5.無理なく続けられるスキンシップで親子の絆を深めよう

スキンシップはお子さんの健やかな発達や親子の信頼関係を築く上でとても大切です。身近な人と身体をくっつけることで、私たちは身体だけではなく、心の距離を縮めることができると言われています。

特に進級や入園・入学の時期は、不安定な気持ちからスキンシップを求めるお子さんも多いです。子どもは不安なときに特定の大人とくっつくことで、ネガティブな感情が解消され、安心・安全を感じることができるのです。

お子さんが成長して抱っこなどが難しくなってきた、お子さんや保護者の方が密着するのが苦手だという場合には、ぜひ今回ご紹介した中からできそうなものを試してみてくださいね。

 

主な参考文献
・山口創『手の治癒力』(草思社)
・デイヴィッド・J・リンデン『触れることの科学 なぜ感じるのか どう感じるのか』(河出書房新社)
・山口創『皮膚という「脳」』(東京書籍)

 

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