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だらしない子どもの行動、小学生までに改善できる?試したい方法4選を紹介

この記事を書いた人

さやまる さやまる

さやまる

  • 司書
  • 保育士

5歳と3歳の息子がいます。

現在は大学図書館司書として働いていてます。

情報収集が好きで、色々な考え方や方法を調べ、取捨選択をしながら育児にも活かしています。

また育休中に保育士の資格を取得しました。

とはいえ、知識や情報のとおりにいかないのが育児です。

子どもに向き合い、楽しみながら毎日奮闘しています!

年長のお子さんをお持ちで、「もうすぐ小学生になるというのに、うちの子はなんだかだらしない…」とお悩みではないでしょうか。

身支度をうまくできない・行動が遅い・散らかしっぱなしなど、気になることはいろいろあるでしょう。

そこで本記事では、年長さんのだらしない行動の原因を分析し、改善につながる方法を紹介します。

お子さんの発達段階や個性、ペースに合わせて、これから紹介する方法を生活に取り入れてみてくださいね。

 

目次

1.年長の子どもがだらしない原因

朝の登園準備でお子さんがさっさと着替えないとき、「早く準備しなさい!」と言っていませんか?前に遊んでいたおもちゃを出しっぱなしで次の遊びを始めたときに、「ちゃんと片づけなさい」と叱っていませんか?

実はこれ、私が5歳の息子によく言ってしまう言葉です。

でもこの言葉をかけても息子は早く準備できないし、きちんと片づけることもできるようになりません。

1度立ち止まって、どうしてなんだろうと考えたとき、このだらしなく見える行動にはいくつかの理由があることが分かりました。

ここでは発達心理学や行動分析学の考え方も踏まえながら、その理由を3つに分けて説明します。

 

1-1.発達が未熟

年長さんともなるとしっかりしてきて自分のことは自分でできそうに感じてしまいますが、発達段階を考えると実はまだ難しいことなのです。

そんな年長さんは、主に次のことができるようになると言われています。

  • 簡単な手順を考えて進めることができる
  • 当番などの役割を果たすことに喜びと責任感を感じる
  • 自分の持ち物を管理することができる

あくまでも目安なので個人差があることは大前提ですが、年長さんは個別の指示があれば対応できるものの、自分の頭の中でやるべきことの順番を組み立てることはまだ発達の途中なのです。

また、時間の感覚もまだ未熟なため、「あと10分で○○する」などはまだ理解しにくいとも言われています。

上記のことから、だらしないのではなく発達がまだ未熟だから、ということがわかりました。

 

1-2.個性・気質

子どもたちがまだ赤ちゃんだったころから、よく寝る子、よく笑う子、よく泣く子など、いろんな子がいましたよね。また、兄弟姉妹であっても全然違う性格をしているとはよく聞く話です。

これには生まれつきの性格や気質が関係しており、その気質によってだらしなく見える子と、きちんとして見える子がいるのです。

気質には5つのタイプがあり、それぞれの特徴は以下です。

・エンジェルタイプ・・・おおらかな人気者

・テキストタイプ・・・知的で優等生

・アクティブタイプ・・・好奇心旺盛

・デリケートタイプ・・・感受性が豊か

・ネガティブタイプ・・・こだわりの強い努力家

出典:竹内エリカ「0歳から6歳までは生まれながらの「気質タイプ別育て方」でラクになる!」引用

 
例えばエンジェルタイプのお子さんは素直で大人の言うことをよく聞きますが、おっとりしているので指示されたことをすぐに忘れてしまうなんてこともよくあります。ですが、いつでもにこにこと明るい性格で周囲の人から好かれる性格です。

だらしなく見える行動をしがちなのは、エンジェルタイプとアクティブタイプ、逆に生活習慣がきっちりして見えるのはテキストタイプとデリケートタイプです。

ここで、気質について理解しておきたいポイントが2つあります。

1つは、どのお子さんも5つのタイプの気質の内いくつかを複合的に備えているということです。気質を判断するチェックシートがあり、それによると私の長男はアクティブタイプを軸として、エンジェル、テキスト、デリケートタイプの面を併せ持っているようです。

もう1つは、どのタイプにも得意不得意があるので、○○タイプだから良い子、△△タイプだから悪い子などと決めつけないようにすることです。

注意が散漫なアクティブタイプは集中してお着替えをすますことは苦手かもしれませんが、集団の活動のなかでは率先してアイデアをだす「良い子」かもしれませんよ。

とにかく、うちの子はこのタイプだ!と盲信せず、1つの指針として参考にしてくださいね。

 

1-3.だらしなくても困っていない

いつまでもお着替えをしないでいると幼稚園・保育園に遅れてしまうから、最終的にはパパっと着替えさせてしまいませんか?

床に落ちている靴下も、ママがサッと拾ってしまったり、おもちゃを片付けてあげたり…待っていてもなかなかやってくれないことには、ついつい業を煮やして手を出してしまいますよね。

ただ、そうするとお子さんが気づかないうちにすべてが整っていることになります。
これではお子さんは困ることがないので、自分でやらなきゃと気づけなくなってしまいます。

とはいえ実際には本当に困るのはママなんですよね。

お子さんが困るまで待つことは難しいと思います。

小学生になれば、誰でも小さな失敗をして困るということを経験するでしょう。

そのときに、「困らないためにどうしたらよかったのかな?」と一緒に考えていくことで行動を変えていけたらいいですね。でもそれはまだ先の話です。

まずは最初のステップとして、この後にご紹介する改善方法の「効果的な伝え方」を参考にして、ママが困っていることを伝えていきたいですね。

 

2.子どものだらしなさを改善する方法

だらしない行動をとってしまう理由はわかったけど、じゃあどうすればいいの?と思われる方へ、ここで4つの改善案をご紹介します。

すぐに実践できる内容ですので、ぜひ今日から試してみてください。

毎日の変化は少しずつでも、長い目で見ればきっと成長を感じられるはずですよ!

 

2-1.環境を整える

子どもがだらしなく見える原因として、発達がまだ未熟だということがありました。

複雑なルールを理解するのが難しいこの年頃のお子さんにもわかりやすい仕組みを整えてあげて、自分でもできるようにしてあげましょう!

分かりやすい仕組みのポイントは

・お子さんの手が届くところに

・パッと見てすぐ分かる方法で

・いつもの生活の動線に沿った場所へ物を置くこと

 
です。

具体的には、保育園・幼稚園をイメージしてみてください。

通園かばんをかけるフックは、手が届く高さに設置されていませんか?

おもちゃを片付ける棚には、どのおもちゃを入れる場所かを写真などで示してあるなどの工夫がされていることもありますよね。

また、普段リビングで着替えるのであれば、2階の子ども部屋に洋服をしまっていると、それだけでハードルを上げてしまいます。

いつも使うものは使う場所の近くにまとめて収納することで、やるべきことがわかりやすくなりますよ。

 

2-2.効果的に声かけをする

お子さんに何かしらのアクションを起こしてほしい時の声かけの基本は「一緒に○○しよう!」です。

そして手順を考えて進める力を伸ばすために、はじめのうちは手順を口に出して何度もやってみることが大切です。

大人だって、1度聞いただけで着物を着られるようにならないですよね。同じように、お子さんも何度も繰り返していくうちに、身だしなみを整えることや片付けなどができるようになります。

また、ママが困っていることをお子さんに伝えたいときには、アイメッセージ(I message)で伝えるとよいでしょう。

アイメッセージとは、「私は会社に遅れそうで困っている」などと、主語を「 I 」にする方法です。

やわらかい表現で自分の考えや気持ちを伝えられるので、お子さんのことを責めることなくママが困っているという事実を伝えられますよ。

それとは逆のユーメッセージ(You message)で伝えると、「あなたは着替えるのが遅くてだらしない」とお子さんの自己肯定感を下げてしまいかねません。

そしてどんどん褒めましょう!褒め方のコツは次でご紹介します。

 

2-3.叱るよりも褒める

まずはなぜ叱るより褒める方がいいのかを簡単に説明します。

行動分析学に「ABC分析」という考え方があります。

Aの条件のとき、Bの行動を起こし、Cの結果が得られると、Cがよい結果であればBの行動は増え、悪い結果であればBの行動が減る、という考えです。

筆者がしょっちゅう叱っている母なら、子どもは次のように良い結果を得るのでいたずらをしないでしょう。

A:母がいるとき → B:いたずらをしない → C:怒られない(良い結果)

しかし、母がいないときにはいたずらをすることでも良い結果を得てしまいます。

A:母がいないとき → B:いたずらをする → C:怒られない(良い結果)

総合して考えると、「母がいないときにはいたずらをする」が強化されてしまうわけです。

逆に筆者がよく褒める母だったら、いたずらをしないようになるだろうと考えます。いつも褒めてもらっていれば、怒られないだけでは「良い結果だった!」とはとらえなくなるんですね。

A:母がいるとき → B:いたずらをしない → C:褒められる(良い結果)

A:母がいないとき → B:いたずらをする → C:褒められない(悪い結果)

褒めると良いということはわかっているけど、いつどうやって褒めたらいいのかなとお悩みの方もいるかもしれません。

褒め方にもポイントがあるので、次のことを意識してみてください。

  • 些細なことをすぐ褒める
  • 行動の内容を具体的に褒める
  • 第3者を介して褒める

些細なこととは、例えば筆者は、ただ兄弟で遊んでいるだけでも「仲良ししてるねー」と声をかけることがあります。2人が仲良くしているとママはうれしいんだよと伝えたいからです。

褒めるといっても偉いとかすごいなどと言わなくても、いいなと思う行動を口に出すだけでもいいんですよ。

そして第3者を介して褒めるとは、例えばパパや幼稚園・保育園の先生などに、「昨日はこんなことができたんですよー」と話すことです。確かに、自分もそんな風に言ってもらえたら嬉しいですよね。

上手に褒めてお子さんの自信やできるとこを増やしてあげたいですね!

 

2-4.タイマーを活用する

あと10分で食事を終えてほしい、30分後に家を出るために準備してほしい、など、比較的短い時間を意識してほしい時にはタイマーを使う方法がおすすめです。

アナログ時計のような形で残り時間がわかる専用のタイマーも販売されていますし、可愛いデザインのアプリや、デフォルトの時計アプリのタイマー機能を使ってもいいでしょう。

視覚的に時間の経過がわかればいいので、砂時計でもいいですね。

「○○分でこれをやろう」と具体的に時間を伝えてタイマーを見せながら時間の経過を体感できるようにしてあげましょう。

繰り返していくと時間の感覚がどんどん身についていきますよ。

そして、短時間ではなく、何時に食事、何時に寝る、というような生活習慣の時間を意識してほしい場合、次で紹介する我が家の作戦の内1番目と2番目を参考にしてみてください!

 

3.我が家で実行している作戦をご紹介

一般的な解決方法を紹介しましたが、具体的にまず何をやろうか?と考えてしまっている方もいるかもしれません。

そんな方に、我が家でおこなっているいくつかの作戦をご紹介します。

これらは5歳の長男には比較的有効なものですが、3歳の次男にはまったく効かないものもあります。

年齢や発達段階の差もありますが、実感としては性格の差の方が効き目の違いにつながっているように感じます。

4つ紹介しますので、これはうちの子に合っているかも、というものがあれば真似してみてもらえたら嬉しいです!

 

3-1.朝の時間はラジオをタイムキーパーにする

我が家は共働きのため、朝の時間は相当慌ただしいです。

そこで、朝起きたらまずラジオをつけています。

平日のラジオは詳細なコーナー名こそ曜日ごとに変わりますが、大枠は毎日同じCMや声やメロディーで時間を知らせてくれています。毎日聞いていると、このCMの次にあのメロディーだなと予想できるほどです。

それは子どもにとっても同じようで、「もうタララ~ンの音なっちゃった!ご飯食べ終わらないと!」と、やるべきこととラジオの音を関連づけて気がつけるようになってきました。

朝のテレビ番組も同じような効果が得られると思いますが、子どもは画面に集中してしまい一切の動きを止めてしまうので、我が家ではラジオを採用しています。

この方法で、6時に起床し7時半に全員で家を出発することができるようになりました。

 

3-2.時計の写真を貼って今何をする時間?を視覚化する

我が家のリビングにある時計の下にずらりと貼った紙には、時計の写真と、そのときするべき行動のイラストが描いてあります。

6時:おきる
7時半:保育園
9時:おやつ
12時:おひるごはん


という風です。

これは元々、食いしん坊の長男が朝食直後に「おやつまだ?」、おやつを食べ終えれば「ごはんは??」と聞いてくることへの対策として始めたものでした。

「おやつの時間の時計の形、これでしょう?いまは時計の針ここにないよね。まだおやつ食べないよ」と毎回諭していました。

まだ正確に時計を読めるわけではないので、あとどのくらいかをきちんとわかっているかと言えばそうでもないのですが、まだまだなのか、もうすぐなのかをなんとなく掴んでいるので試してみてよかったと思っています。

ちなみに、午前9時と午後3時におやつタイムを設けているので、時計の針が90°になることを心待ちにしている長男です。

 

3-3.アラーム+音楽でモチベーションアップ

運動会と言えば、「天国と地獄」を連想する人は多いと思います。あの曲が聴こえてくるとちょっと急ぎ足になってしまう気がしませんか?

それは子どもも同じらしく、あのメロディーが流れると慌ただしく動きたくなるようです。

これを片づけや着替えだったり、行動を最後まで完遂してほしい時に活用しています。

ただし私が「お着替え急いでやろう!」とでも言いながら曲をかけてしまうと、やらされている感が気に入らないのかあまり効果がありません。

そこで、数10秒後でもいいのでアラームをセットして、スマホが勝手に曲を流し始めたという体裁を整えます。

そして、音楽が流れだしたら「え?!大変だ!急いでお着替えしなきゃ!」と三文芝居を打ちます。

これでかなりいい確率で子どもの気分をあげて、着替えや片付けなどの行動を促すことができています。

 

3-4.動画撮影で行動をスピードアップ

お子さんは写真や動画を撮られるのが好きですか?

筆者の子どもたちは大好きで、カメラを構えて「○○してー!」と言えば調子に乗っていろいろなことをやってくれます。

特にこの作戦を使うのは食事のときです。

夕飯はだらだら食べてしまうことも多いですが、動画を撮影することでカッコよく食べようと思えるようで、頑張って食べて食器を下げるまでしてくれることもあります。

着替えや片づけ、保育園の準備など、どんなシーンにも使えると思いますが、慣れると効果が薄れる気がして、ここぞというときにだけ使うようにしています。

 

4.個性を大切にしながら、小学生への準備をはじめてみよう

こんなにだらしなくて大丈夫かなと心配になってしまう年長さんの行動が、わざとだらだらしているのではないことと、小学生に向けて実践してみたい方法をご紹介しました。

行動の早さは個性や気質によるものでもあります。

早くできるのが良いこと、ゆっくりだとちょっと心配と思いがちですが、それぞれに良いところ苦手なところがあり、どちらもお子さんの大切な個性だということを忘れないでください。

お子さん自身が、自分を丸ごと受け入れてくれるママがいると知っていれば、小学生になって環境が変わってもきっと大丈夫です!

お子さんのペースで少しずつ準備を始めてみてくださいね!
 

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主な参考資料
・厚生労働省「保育所保育指針解説」, 2018
・磯村陸子, 0~6歳 よくわかる子どもの発達と保育の本,池田書店, 2019
・竹内エリカ, 0歳から6歳までは生まれながらの「気質タイプ別育て方」でラクになる!, KADOKAWA, 2018
・小堀愛生, 子どもが片づけしたくなる104のアイデア, 文化出版局, 2020
・カール友波, 子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖, 永岡書店, 2016
・天野ひかり, 子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ, サンクチュアリ出版, 2016
・和久田学, 科学的に考える子育て エビデンスに基づく10の真実, 緑書房, 2020

 

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