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もう5歳なのにダラダラ…気持ちや行動を上手く切り替えるコツは?

この記事を書いた人

たん たん

たん

  • 幼稚園教諭
  • 保育士

認可保育園にて約12年間勤務。

その中で2回、新規園立ち上げにも関わりました。

保育では、"子ども主体"を大前提に、"今何に興味を持っているか"を考えながら、個々を大切にしてきました。

結婚を機に退職しましたが、「保育で培った知識を活かしたい!」と思い、ライターを始めました。

イラストを描くことや工作をすることが大好きです!

5歳児になり、さまざまな場面で成長を感じる一方、

「朝の支度はいつもギリギリ…」「ゲームやあそびなどのキリがつけられない…」

など、気持ち(行動)の切り替えに時間がかかる姿に、お手上げ状態になっていませんか?

この記事では、

  • 気持ちや行動の切り替えが上手くいかないのは何故か?
  • 切り替えをスムーズにするコツ
  • 上手くいかなかった時の対処法

を紹介しています。

切り替えのコツがわかれば、毎日のモヤモヤが少し晴れるかもしれませんよ!

 

目次

1.気持ちや行動の「切り替え」が上手くいかないのはなぜ?

5歳前後の子どもが、なぜ気持ちや行動の切り替えに時間がかかるのか。今回は主な5つのパターンを詳しく紹介します。

一見、ただのワガママに見えるような行動でも、実はさまざまな理由が潜んでいます。

「できないこと」には、まず寄り添うことが肝心です。

「いい加減にやめなさい!」と怒ってしまう前に、「どうして切り替えできないのか」子どもの気持ちを正しく理解してあげましょう。

 

1-1.子ども自身が、次の行動をよく理解していない(イメージしていない)

「◯時になったら、出かけるからね」と声をかけたときは、「わかったー!」と答えていたのに、時間になっても片付けや準備をしてくれない…というようなパターン、よくありますよね。

こうなるとつい「さっき言ったよね?」とイライラしてしまいがちです。

もしかすると、返事をしてはいるけれど、子ども自身は何をするのかよくわかっていない可能性があります。

今回の例で言えば、

  • ◯時に出かけるのは理解しているけれど、そのために何をするのかはわかっていない
  • ◯時がどのくらい先なのかわからない など。

大人も同じですが、毎日過ごしている相手には”伝わるだろう”という気持ちが芽生えやすいため、つい曖昧な表現をしがちです。

また、聞いているようで聞いていないなんてことも子どもにはよくあることです。

大人側も一旦手を止めて、なるべく顔を見ながら、具体的に分かりやすく話すことが大切です◎

 

1-2.遊びが盛り上がっているため、”今は”終わらせたくない

「まだ遊びたい!」

これは一番よくあるパターンかもしれません。

言葉だけ聞くと「なんで終わらせられないの?」と思ってしまうかもしれませんが、もしかすると遊びのキリが悪いのかもしれません。

例えば大人でも、見ているテレビや動画などがあと少しで終わりそうな時には、「最後まで見たい」「続きが気になってやめられない」という気持ちになりませんか?

親から見るとダラダラ遊んでいるように見えても、実際は遊びが盛り上がっているところだったり、何かに熱中して集中していた最中かもしれません。

そんなときに突然の指摘は禁物です。

「いま集中してる(楽しんでる)みたいだから、あと〇分。長い針が〇のところまできたらやめてね」など、子ども側へも配慮した対応ができると良いですね。

 

1-3.次やることに対して「嫌」「不安」「苦手」意識がある

ついつい「なにワガママ言ってるの!」と言いたくなってしまうこともありますが、次の行動に嫌なことや苦手なことが待っている時は、大人も一歩踏み出すのが億劫ですよね。もちろんそれは、子どもも同じです。

例えば、

  • 苦手な注射が待っている
  • 習い事や保育園に行きたくない
  • よくわからないところに行くのが不安

など、次やることに対してマイナスイメージがあると、切り替えるのに時間がかかってしまうかもしれません。

また5歳児は就学前に差し掛かる時期でもあります。
園児から小学生に変わるのは、大きなステップでもあるので、実は見えない不安を感じている可能性もあります。

「ドキドキするよねー、ママもするよ(共感)。…だけど楽しそうかも。よし、一緒に挑戦してみようか!(ポジティブ)」というように、子どもに寄り添ったポジティブな声かけをしてみましょう。

 

1-4.大人の焦りやイライラが伝わってしまう

5歳くらいだと、親の感情に引っ張られて行動できなくなるというケースもあります。

例えば、朝の時間帯などは、登園や出勤の準備に追われて、焦ったりイライラしたりしていませんか?

子どもは、大人がどうして苛立っているのか原因までは分からない時でも、「なんだか怒っているなぁ」という感覚は理解しています。

子どもは親の感情や態度に敏感です。

親の気持ちが焦っていたり、苛立っていたりすると子どもは不安を覚えます。

「なんかいつもと違う…」「怖いなぁ」など、理由の分からないマイナス感情が芽生え、次の行動をするのを躊躇(ちゅうちょ)してしまっているかもしれません。

「ごめん、ママ急いでるからバタバタしてるね」など、ざっくりでも現状を説明してあげると、子どもも「あぁ、そうなんだね」と思う心の余裕をもつことができます。

 

1-5.疲れや眠さなどで甘えが出ている

風呂場でなかなか服を脱がない、ご飯の進み具合が遅い、寝転がってなかなか靴下を履かないなど、「あれ?いつもより準備が遅いな…?」と感じることはありませんか。

もしかすると、そんな時は子どもがいつもより疲れているかもしれません。

例えば、

  • 朝から出かけていた日
  • 外で思い切り遊んだ後
  • 睡眠時間が少ない時

などは、いつもより体力が消耗している可能性もあります。

疲れている時や眠い時などは、いつも以上に時間がかかってしまうのは仕方ないことかもしれません。

そんなときは、ママも疲れているかもしれません。

「早く寝かせなくちゃ」「買い物行かなきゃ」とやることがたくさんあるかもしれませんが、一緒にスローペースになってみるのもいいかもしれません。

 

2.【保育士伝授】切り替えをスムーズにする事前準備5選

前述の通り、子どもの気持ちや行動の切り替えが上手くいかないのには、必ず理由があります。

「きっとこれが理由だったのかな?」と思えたら、次は、実際の関わり方についてです。

ここからは私が保育士時代に意識していた、切り替えをスムーズに誘導する5つの方法を紹介します。

簡単に取り入れられることばかりなので、ぜひやってみてくださいね!

 

2-1.環境を見直す、整える

まずは環境の見直しをしてみましょう。

行動や気持ちが切り替えられない要因の一つに、”視覚的な刺激が多い“可能性があります。

例えば、

  • テレビがつけっぱなしの状態だとつい観てしまい、手が止まってしまう
  • おもちゃがたくさんあり、つい遊んでしまう など。

よりスムーズに切り替えをしたい場合は、まずは環境を見直し、動線の工夫をすることをオススメします。

 

☆具体的な対策☆

  • 支度や食事など、やるべきことがある時には、テレビや動画を止める
  • おもちゃやゲームは一度片付ける(箱などにしまって見えなくする)
  • 部屋を全体的にスッキリさせる

 

2-2.余裕を持ったスケジュールを組む

「切り替えに苦戦して、時間がギリギリになってしまった!」

「いつもバタバタしてしまう」

といったことが続く場合には、スケジュールの見直しが必要かもしれません。

もしかすると予定ややることが詰まりすぎている可能性があります。

スケジュールがカツカツだと、大人の余裕がなくなり、余計イライラしてしまいますよね。

そんな時には無理せず、スケジュールを見直す・予定を変更するのもオススメですよ!

 

☆具体的な対策☆

  • 朝起きる時間を早くする
  • 切り替えの時間を含めて、予定を立てる
  • 子どもが疲れる前に、やるべきことを先に行う

 

2-3.事前に予定を伝える

予定がわかっている場合には、できる限り事前に子どもに伝えておきましょう!

5歳前後になると、基本的な生活習慣を身につけ、一日の見通しを持って過ごせるようになってくる時期です。

「今日は◯◯をするからね」などと話しておくだけでも、子どもなりに意識して過ごせると思います。

特に苦手なことなどは、先に伝えておくことで、心構えができるかもしれません。

(※ただし個人差があるので、苦手なことを早く伝えすぎると逆効果になるケースもありますので要注意です)

 

☆具体的な対策☆

  • 前日に、次の日の予定を伝える
  • ◯◯が終わったら、△△をするなどと具体的に伝える

 

2-4.行動し始める前に約束やルールを決める

「約束やルールを伝えても、なかなか納得してくれない…」

「いつも約束が守れない」

などという悩みがある場合には、行動前の落ち着いた時間に伝えてみましょう。

例えば、遊んでいる最中に「そろそろ終わりだよ」と声かけしても、話を聞く姿勢ではないと伝わりにくいですよね。

絶対に守って欲しいことなどは、先に伝える方がグンと入りやすくなります。

 

☆具体的な対策☆

  • ゲームやあそびを始める前に「◯時になったらおしまい」などと約束する
  • 約束やルールは、始める前に子どもと一緒に確認する

 

2-5.予定を可視化するなど、わかりやすく提示する

「すでに色々試しているけれど、何故か上手くいかない…」

その場合は、もしかすると言葉だけではイメージできていないかもしれません。

一日の見通しが持てるようになってくる5歳児でも、初めてのことや馴染みのないことなどでは特にイメージがつきにくいです。

もしくは大人が伝えている内容と、子どもがイメージしている内容が食い違っている可能性もあります。

よりわかりやすくするためには、予定を可視化することをオススメします。

文字で伝えるのはもちろん、絵や写真、タイマーなどで伝えると更にわかりやすくなりますよ!

5歳児だけでなく、低年齢児などにも効果的な方法です。

 

☆具体的な対策☆

  • 子どもの目に入る位置に、予定表を置く
  • 文字だけでなく、絵や写真付きの表を作る
  • アナログ時計にシールなどのマークを付け、時間の目安にする
  • 切り替え時間を伝えた上で、その時間に合わせてアラームなどを鳴らす

 

3.突然の予定変更に!騒がず気持ちを切り替えてもらう関わり方

時には、予定が急遽変わり、あらかじめ決めておいた約束事では対応しきれなくなることもあると思います。

急な状況変化に、焦ってイライラしてしまうのは仕方のないことです。

しかし、怒ったり無理やりやめさせたりするのは逆効果かもしれません。

そのような状況のなかで、臨機応変な行動を促すのに効果的な4つの方法を紹介します。

 

3-1.子どもの気持ちを受け止める(尋ねる)

いつまでもグズグズしていたり、「え~、やだなぁ」などと言いながらダラダラ過ごされたりすると、「いい加減にしなさいよ!」と怒りたくなってしまうかもしれません。

そんな時こそ、まずは子どもの気持ちを受け止めてみるのも一つです。

「◯◯くんは、どうしたい?」

「あとどのくらいで、終われそう?」

などと焦りやイライラを抑えて聞くだけでも、OKです。

実は、「サッカーの練習頑張ったから、見せたかったんだよなぁ」「なんかお腹が痛いなぁ」など、一見してわからないような、子どもなりの理由や考えがあるかもしれません。

理由や考えがわかるだけでなく、子ども自身も話を聞いてもらえることで、安心したり、気持ちが落ち着いたりするというメリットもありますよ!

話を聞いてみたら、意外にも「じゃあやる」とすんなり気持ちを切り替えてくれることもあるかもしれませんね。

 

3-2.可能な範囲で切り替え案を伝える(提案)

子どもの気持ちを受け止めることが大切とは言え、時間がなく急いで次の行動に切り替えなければならない場面もありますよね。

次のステップとしては、代替案を出す方法です。

少し難しいかもしれませんが、子どもの気持ちを待つだけでは、大人も余裕がなくなってしまうかもしれないので、大切な方法でもあります。

具体的な方法としては、

  • あと◯回やったら、次に行こう
  • 30数えるまでやろう!
  • 一旦おしまいにして、◯◯をやったら、もう一度やる

などがあります。

また5歳児であれば、ある程度自分で考えて行動する力ももっています。

「あと何回やったら終わりにできそう?」

などとどうすれば切り替えられるかを、子どもに聞いてみるのもオススメですよ。

一方的に指示されたことをするのは嫌でも、自分で考えたことならば納得してくれるかもしれません。

 

3-3.子どもが楽しくなるような工夫をする(発想転換)

苦手なことや、嫌なこと、面倒くさいことなどが待っていると大人も腰が重くなりますね。子どもも、もちろん同じです。

やるべきことをやるのは大切ですが、少しでも楽しくなるような声かけや工夫があると良いですね。

物で釣るような行為はあまりオススメしませんが、例えばどちらが早く片付けられるか競争など、やるべきことにゲーム性を持たせて楽しみをプラスするだけでも変わります。

ゲーム性があることで、やらされるのではなく”やってみよう!”という気持ちが芽生えると、自然にやる気がアップするかもしれません。

もちろん個人差はありますが、気分転換にもなるので、困った時には取り入れてみてください!

 

3-4.お互い落ち着くためのイライラ対策をする(感情コントロール)

なかなか切り替えられない子どもにイライラ、子どもは大人のイライラを感じて余計にマイナス行動…など、ピリピリした空気が出てしまうのは、親子ならではの悩みですね。

近い存在であるからこそ、甘えたり、強く出てしまったりするのはある意味仕方がないことでもあります。

自己嫌悪にならずに、少しでもお互いが楽になる方法を見つけましょう!

オススメの方法は、

  • 一度その場を離れて1人になる
  • 別の人に頼る

です。

同じ状況で何を言っても平行線になってしまうと、余裕がなくなって余計にイライラしてしまいがちです。

そんな時は一度部屋を変えたり、違うことをしたりするだけでも気持ちが落ち着くかもしれません。

また、他に代われる人がいる場合には、別の人にバトンタッチするのも、オススメです。

人それぞれ話し方や接し方が少しずつ違うので、子どもも冷静になれるかもしれません。

 

怒りが収まらない、ついつい怒ってしまうのがやめられないということもあります。

そんな場合は、日ごろからアンガーマネジメントを意識してみるといいかもしれません。

【関連記事】
>>親子で実践!「アンガーマネジメント」をマスターして怒りの感情を上手に扱おう!

 

4.焦らず無理せず!事前準備で子どもの「切り替え」をスムーズに促そう

今回お伝えした方法は、あくまで一例ですが、どれも簡単に取り入れられるものばかりなので、無理せずできるところから取り入れてみてください。

色々なことができるようになったとはいえ、まだまだ可愛い5歳児。特に大好きな親の前では、誰よりも甘えたくなってしまうものです。

切り替えに時間がかかると、焦ったりイライラしたりして、自己嫌悪になってしまうかもしれませんが、”安心して自分を出している証拠“とポジティブに捉えて、無理せずにいきましょう!

 

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