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「自分で決める!」子どもの自己決定力の育て方や実践例をご紹介

この記事を書いた人

猪狩はな 猪狩はな

猪狩はな

  • 司書教諭
  • 中学校教諭
  • 高等学校教諭
  • 小学校教諭
  • 保育士

2児ママ× 現役国語科教員×ライター!

持続可能に「好き」を楽しむ生き方をしたくて転職。

・国語科(専門は古典文学)
・私立中高一貫校講師、公立中学校フルタイム教員を経て私立高校講師として勤務
・3歳と5歳の男児を育児中

キャリアに悩む人の助けになれるような発信を目指しています。

「つい親がなんでも決めてしまうことが多いけれど、この先大丈夫?」

「なにか聞いても『なんでもいい』としか言わない。どう対応すべき?」

「子どもが自分で決める場面を作りたいけど、どうやったらいい?」

そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「自分で決める」ことは、子どもの成長にとって大事なスキルだということはわかりつつも、先回りして親が決めてしまう場面もありますよね。

そこでこの記事では、3~5歳頃の子どもが、自分で決める力「自己決定力」を身につけるための方法をまとめています。

3歳と4歳の2人兄弟を育児中の私が実践している声かけ方法もご紹介するので、対応方法の1つの例として参考にしていただけると嬉しいです。

子どもが「自分で決める」ことに対して消極的だったり、自分で決めたあとのフォローが難しいと感じている方も、ぜひチェックしてみてください。

 

目次

1.自己決定力とは?

そもそも「自己決定力」とはどのようなものなのでしょうか。
まずは言葉の定義と意識すべき年齢、自己決定力が必要な理由についてご紹介していきます。

 

1-1.自己決定力とは「自分で決める力」

「自己決定力」とは、自分で判断し、自分で決める力のことです。

人は1日に最大3万5000回もの選択を行っていると言われています。

日常の小さな選択から、人生の岐路で迫られる大きな決断まで、さまざまな形で「決定」を繰り返しています。その際に重要なのが自己決定力です。

情報があふれかえっている現代社会において、情報を取捨選択し、自分の頭で考えて「決定」する力が求められます。

「なんとなく良さそうだから」「みんながそうするから」「なんでもいい」など、その場限りの感情で決めてしまうと、後悔したり、自分の選択に自信が持てなくなったりします。

自己決定する力とは、自分と向き合い、自分の心を大事にするスキルです。

子どもが自立して自分らしく生きられる土台を作るためにも、まずは自己決定力の詳細について見ていきましょう。

 

1-2.自己決定力は3~4歳から身につく

自己決定力は、自分のこだわりが生まれ、自己主張が始まる3~4歳頃から意識して育むことが良いでしょう。

それ以前の年齢でも、「はい」「いいえ」で答えられる質問を通じて「自分で決める習慣」を育むことも効果的です。

 

1-3.自己決定力が必要な理由

現代社会では、「自分の頭で考え、目の前の課題を解決し、自ら決断を下す」スキルが求められるようになっています。

社会の多様化に加え、AIの登場によって、今まで以上に「自分で考える」「自分で決める」力が重要視されていると言えます。

また、自己決定力がもたらす幸福度に関する研究結果もあります。

神戸大学社会システムイノベーションセンター・西村和雄特命教授と、同志社大学経済学研究科・八木匡教授が行ったアンケート調査では、日本国内の2万人を対象に、以下の5つの要素と幸福感の関連性を調査しました。

  • 所得
  • 学歴
  • 自己決定(自分の意思で進学や就職を決めたか)
  • 健康
  • 人間関係

この結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることがわかりました。

“自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられます”

引用:所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査 国立大学法人 神戸大学 (Kobe University)

 

自己決定力は将来の幸福度にも関連していることが示されています。

自分の未来を、自分の意思で、責任をもって選び取れる子どもに育てることは、将来の幸せな人生の土台を作ることにもつながっているのです。

しかしそうはいっても、自己決定の得意・不得意は子どもの性格や個性による部分も影響します。

「〇歳なのに自分で決められないの?」「自分で決めたことなのだから最後までやりなさい」など、自分で決めることに固執しすぎないことがポイントです。

子どもを追いつめすぎないよう、あくまでも楽しみながら、スモールステップで経験を積めるといいですね。

 

2.自己決定力を育てるための親の対応法

では、どのように対応すれば子どもの自己決定力を育てることができるのでしょうか。
日常のなかでも取り入れられる、効果的なサポート方法を3つにまとめました。

 

2-1.小さなことでも自分で決めさせる

どんなに些細なことでも、本人に関わることであれば、自分自身で決めさせるようにしましょう。

「決める」場面を日常の中に習慣として埋め込んでおくと、親も子も日常に取り入れやすいです。

「今日はブロックで遊ぶ?」「そろそろ散歩に行こうか?」など、「はい」「いいえ」で答えられるような質問で十分効果があります。

自分の意思で決めたこと、その決定が尊重されたという経験が大事です。

 

2-2.子どもが決めたことを否定しない

子どもが決めたことについて、あとから否定しないことはとても大切です。

自分で考えて決めたことを否定され続けると、決定するのが怖くなってしまいます。

自分で決めたことを受け入れてもらえたという経験は「その子らしさ」を大切にしてもらえたという感情に繋がり、自己肯定感も育ちます。

そうはいっても、子どもが決めたことが親からすると「それはちょっと……」と感じることもありますよね。

例えば、もう寝る時間なのに「まだ遊びたい」と言ったり、食事のたびに「お菓子が食べたい」と言ったり、安全性や健康面で認めにくい場合もあります。

こうした場合でも、否定するのではなく、まずは本人の主張や決定を受け入れてみてください

「遊びに行きたいんだね」「自分で決められたね」と、まずは自己決定できたことを認めます。そのうえで、その決定が受け入れられない理由を説明するのです。

決めさせて終わりではなく、そのあとのフォローもセットにする意識をもっておくとよいでしょう。

 

2-3.ゆとりをもって接する

「自分で決めた→できた→自分で決めた→できた」という経験を積み重ねることは、親にとっても子どもにとっても、心の安定・ゆとりに繋がります。

小さなことでも自分で決めて、達成できたという事実を、その都度確認してみてください。

親も子も、次に自己決定するときの心のゆとりに繋がるはずです。

 

3.「自分で決められる子どもに育てるために」我が家の実践をご紹介

我が家では、今年5歳になる長男・3歳になりたての次男の2人兄弟を育児中です。
自己決定力をつけられるよう、我が家でゆるやかに実践している声かけをご紹介します。

 

3-1.選択肢を提示して選ぶ場面を作る

普段の生活のなかで、「選択肢を提示して選んでもらう」場面を意識的に作っています。

「洋服は自分で選ぶ?ママが選ぶ?」 「今日着る服、どっちがいい?」 「ジュースとお茶、どっちを飲む?」

どっちにする?どれがいい?という質問ができる場面は、意外とたくさんあります。

次男のイヤイヤ対策にも効果があるので、日々自然と取り入れている声かけです。

 

3-2.「なんでもいい」をそのままにしない

一時期、長男になにか聞いても「なんでもいいよ」「どうでもいい、ママが決めて」という言葉が返ってくることがありました。

しかしよくよく聞くと本人のなかにはなんとなくの希望があったり、それと合致しないと「こうじゃない」と後から怒ることもしばしば。

自分のことなのに「どうでもいい」と人に丸投げして、寝転んでいる様子にも不安を感じました。

それ以来、長男から「なんでもいい」と返答がきたときにそのままにしないことを意識しています

「なんでもいい」を深掘りしてみる

なんでもいいとは言いつつ本当はなんでもよくなさそうときには、「え~、なんでもいいじゃわからないな、困ったな……ヒントちょうだい!」とゲーム感覚で質問することもあります。

決定する事項を細分化して、2~3つの選択肢に落とし込む

大きすぎる質問に対する回答は、大人でもパッと答えるのが難しいですよね。

「ご飯なに食べたい?」→「パンとおにぎりどっちがいい?」 のように、質問の範囲を狭くしたり、選択肢から選んでもらったり、聞き方を変えます。

 

もちろん子どもも疲れていることもあるだろうし、なんでもいいというよりは「わからない」という場合もあると思いますので、強要しすぎないこだわりすぎない点に気をつけています。

 

3-3.日常生活の中に決める場面を取り入れる

バタバタしているとつい先回りしてしまいがちな育児ですが、「自分のことは自分で決める」タイミングをなるべく作っています。

例えば、朝の支度をする順番です。

長男は支度のルーティンが固定されていないので、本人が「ご飯」「着替え」「トイレ」といった行動の順番を決めて動いています。

決めた順番について「着替える前にトイレに行く方がいいのでは?」などと思うこともありますが、特に口出しはしません。

余裕があるときや、なかなか動き出せないときは、おしたくボードにマグネットを貼って「見える化」することもあります。

マグネットを並べるときも、親主導にならないよう、あくまでも本人に選んでもらうのを意識しています。

 

4.日常の工夫で「自己決定力」を育もう

子ども自身に決めさせるより、大人が決めて先回りするほうが圧倒的に早いですよね。

だからこそ、意識して「自己決定」する場面を作ることが大切です。

無理なく、子どもと楽しみながら、「選ぶ」「決める」経験を増やしていけるといいですね。

その積み重ねが、将来大きな決断をするときの自己決定力の強さ、そして幸福度の高さにも繋がっていきますよ。

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参考文献
・『所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査』国立大学法人 神戸大学 (Kobe University)

 

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