2歳児の脳を活性化する!近所の公園で楽しめる「自然遊び」5選
この記事を書いた人
さたけ のぞみ
- 作業療法士
自宅へ伺う訪問リハビリテーション、発達障害がある子どもへの療育など、作業療法士として15年勤務しています。
造形・アート、自然体験活動などを通して、子どもたちを支援し、また子どもたちから日々沢山のことを学んでいます。
プライベートでも2人の娘と、森でのお散歩や創作活動を一緒に楽しんでいます!
子どもが2歳くらいになると行動範囲が広がり、外へ出かけてみたくなる方も多いでしょう。
「子どもを自然に触れさせてあげたい。でもまだ小さいので不安」
そんな時、公園は身近で最初に自然に触れる場所としておすすめです。
この記事では、2歳ごろの子どもが公園で遊ぶ教育的メリットや、公園でできる自然遊び、必要な道具について解説します。
具体的な遊び方をお伝えするので、公園遊びに慣れていない方もお子さんと一緒に楽しめますよ。
「外に連れていきたいけど、子どもが外遊びをしたがらない…」という場合の親の関わり方もご紹介しています。
お子さまが外遊びに行きたがらないとお悩みの方も、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
1.身近な公園で自然遊びをするメリット
身近な公園は、気軽に自然に触れられる場所です。
ここでは公園で自然遊びをするメリットを4つご紹介します。
1-1.手軽に自然に触れられる
自然のある場所へ遠出するのは大変ですが、公園は簡単に行けるのが良いですね。
2歳の子どもにとって、自然と触れ合うことは発達的にもとても大切です。自然の中には脳を刺激する新しい発見がたくさんあります。
例えば、公園では、クローバーやタンポポ、菜の花、どんぐりなどの植物やアリやダンゴムシといった虫など、さまざまな自然と出会うことができます。
身近な自然もじっくり観察していると、おもしろいものです。
タンポポが綿毛になって飛んでいく様子や、アリが巣へ食べ物を運ぶ姿。小さな子は、その様子を飽きずにじっと見入っていることがあります。
また、自然遊びは、自分で自然に触れることのできる「体験学習(体験活動)」でもあります。
体験学習は、自然への深い学びや感性を伸ばすのに最適です。
国立青少年教育振興機構の調査からは、
子ども時代(幼少期)の自然や動物とのかかわりなどの体験が、やる気、人間関係能力等の資質・能力の高さに影響していることが表されています。
1-2.子どもの五感や好奇心を刺激する
2歳前後は、「なんだろう」の気持ちが高まり、好奇心が旺盛になる時期です。
子どもの発達にとって、好奇心はとても重要です。
脳科学者の瀧靖之は、脳への刺激としての好奇心の大切さを述べています。
“脳のネッワークをより多く作るためにいちばん大きなエネルギーとなり、パワーを発揮してくれるのが、まさに好奇心です”
引用:瀧靖之:脳科学者が教える! 子どもを賢く育てるヒント「アウトドア育脳」のすすめ 山と渓谷社 (2018/2/16)
多くの子どもは、自然の植物や生き物に興味をもつことが多いようです。自然の草花の形や感触、虫の動きなどが面白く感じられるのかもしれません。
わが家の2歳の娘も、公園や庭で虫を見つけては、「いたー!!」と歓声をあげて、見せに来ます。 そんな時は目がイキイキとして「面白くてたまらない」という表情をしています。
2歳児にとって公園は、たくさんの発見がある場所ですね。
1-3.生物や生体、生命の尊さが学べる
子どもたちにとって、自然の中で身近な虫を観察することは、生命の不思議さを体験的に学ぶ貴重な機会です。
公園では、アリやダンゴムシ、チョウ、バッタ、カマキリなど、いろいろな虫を見ることができます。
アリが一生けんめい巣に食べ物を運んでいたり、チョウが花の蜜をすっていたり、時にはカマキリがバッタをつかまえる場面に遭遇することもあります。
じっくりと観察することで、生物学や生態系について学ぶことができます。
虫の観察は、自然への関心や愛着を高めることにもつながります。
子どもが虫や草花を観察する姿を温かく見守り、自然とのつながりを深めてあげることが大切です。
時には、「いつまで見ているんだろう」と感じてしまうこともあるかもしれませんが、
そんなときこそ子どもと同じ目線になって一緒に観察してみると、新たな発見や驚きがあるかもしれません。
1-4.生活リズムが整う
公園で遊ぶメリットとして、夜よく眠れる、朝スッキリ起きれるなど生活リズムが整うこともあげられます。
公園に行った日は、お子さんが夜ぐっすり眠ったという経験をお持ちの方も多いでしょう。
研究により、日中光を浴びること、運動をすることが生体リズムの調整につながると明らかになっています。
公園にいくと、自然と日光を浴び、身体を動かすことが多くなります。生体内のリズムが調整されることで、自然と生活のリズムも整えられます。
規則正しい生活リズムは乳幼児期の育脳に最も重要です。
小児科医の成田奈緒子氏によると、乳幼児期には、食事と睡眠のリズムを整えることで、原始脳と言われる脳全体の土台となる部分が育まれます。
また、幼少期に適切な刺激で脳を育むことで、将来的な「不安・うつ・睡眠」などの問題が軽減できることが示唆されています。
心身の成長発達を促すためにも、子どもが小さいうちから生活リズムを整えていきたいですね。
2.公園でできる自然遊び5選
ここでは公園で簡単にできる自然遊びを5つ紹介します。
特別な道具がなくてもすぐに遊べるものばかりなので、ぜひお子さんと遊んでみてください。
2-1.お花で作る「センサリーボトル」
センサリーボトルとは、ペットボトルや瓶にラメやカラフルなビーズを入れたものです。
視覚的に楽しめ、眺めているとリラックス効果もあると言われています。
公園でつんだお花で、センソリーボトルを作ってみましょう。
▶3STEPで簡単な作り方
- ペットボトルにお花を入れる。ラメやビーズを一緒に入れてもきれいです。
- 水を入れる。洗濯のりを入れると、液体の粘度が高くなり、中の素材がゆっくりと動きます。洗濯のりの量はお好みで。絵の具や食紅で水に色をつけると、さらにきれいです。
- キャップを閉め、キャップが開かないようにビニールテープを巻く
▶遊んだ後の注意点
遊んだ後は外に流さず、ゴミに捨てるようにしてください。
ラメやビーズがマイクロプラスチックとなってしまいます。お花が変色するので、2〜3日で廃棄しましょう。
2-2.虫さんど~こだ?「昆虫探し」
公園で子どもと虫を探してみましょう。
場所によって、見つかる虫の種類が違います。
▶場所別・どんな虫がいるかな?
花:チョウや芋虫がいます。はらぺこ青虫のように、葉っぱを旺盛に食べる姿が迫力があります
土:アリ、だんご虫を見つけられます。石をひっくり返してみると、見つかりやすいです。
草むら:バッタ、カマキリ、コウロギがいます。草むらで足を踏み鳴らすと、虫たちが驚いて出てきます。
水辺:トンボ、シオカラトンボ、赤トンボなど。色がカラフルできれいです。虫取り網で捕まえてみてもいいですね。
虫がいたら、観察したり、捕まえて虫かごで見てみたりしましょう。もし自宅で虫を飼わない場合は、自然に返してあげてくださいね。
2-3.クリエイティブに!葉っぱで「アート」
葉っぱアートで、創造力や想像力を育むことができます。
公園内には季節によって、さまざまな形や色の葉っぱが落ちています。
葉っぱを集めて、動物や虫の形、人の顔に見立てて土の上に並べ、木の棒で足や手をつけたり、太陽を描いたら、葉っぱアートの完成です!
子どもと一緒に自然の創作が楽しめます。葉っぱを見ながら、「これは何に見えるかな?」と問いかけてみると、子どもの感性や創造性を伸ばすことにもつながります。
▶遊んだ後の注意点
葉っぱを拾う際には、汚れたものや、公園に植えられている樹木に傷をつけないように注意する必要があります。
また、葉っぱアート作品を作った後は、そのままにせず、木の根元などに葉っぱを片付けるようにしましょう。
◆秋には、こんな遊びも!
「落ち葉ふみ」
落ち葉を使った遊びも、子どもは喜びます。
落ち葉を集めたり、パラパラしたり。集めた落ち葉にジャンプするのも感触を楽しめます。
▶遊んだ後の注意点
公園では落ち葉を掃除して、集めている場合があります。最後は落ち葉を一か所に集めておきましょう。
2-4.ころころ「石ころ」集め
石集めは、公園内の面白い遊びのひとつです。
例えば、拾った石を集めて、大小や色、形によって分けたり、石を並べて文字や絵を描いたり、石同士をぶつけて音を楽しんだりすることもできます。
小さな石をつまむなどの指先の動作は、脳の発達にも良い効果がありますので、ぜひ取り入れてみてください。
▶遊んだ後の注意点
ただし、石を拾う場所や量には注意が必要です。
たくさんの石を集めて置きっぱなしにしていると、後から来た子が転んでケガをする可能性もあります。安全面にも十分に注意して遊ぶようにしましょう。
また、水辺の大きめの石はディスプレイとして置いてある場合もありますので、拾ってもいい石なのかを見極める必要があります。
公園のルールやマナーを守って遊ぶ大切さを、お子さんに教えてあげてくださいね。
◆秋には、こんな遊びも!
「木の実集め」
秋には、どんぐりを拾い集めるのも子どもの定番遊びですね。
大きさや形、どんぐりの帽子がついていたり、枝がついていたりするものなど色んな違いを比べてみます。
どんぐりを並べたり、おままごとに使うのも小さな子に人気です。
▶遊んだ後の注意点
どんぐりを持ち帰る場合は、中から虫が出てきやすいので煮沸消毒をしましょう。
❚ 消毒の手順
- 選別:虫食い跡があるものは、よけておく
- 煮沸:どんぐりの3倍の量の水で、水の状態でゆでる。
7-8分が目安。煮沸したあと、中が熱い場合があるのでやけどに注意します。 - 乾燥:ザルに乗せて風通しが良い場所で、3日程度乾燥させます。
消毒したどんぐりは、顔をかいたり、爪楊枝をさしコマにしたりして遊べます。
2-5.砂場でお団子づくり
砂に触れる感触を楽しむ遊びです。
砂のサラサラとした感触や水と混ぜると変化する特性は、子どもにたくさんの感覚刺激を与えてくれますよ。
砂に水を入れたり、シャベルや木で穴や山を作ったり、小さな子でも自由に楽しめます。
3才ごろになると、花びらを飾ってケーキにするなど、おままごともできます。
おままごとのような見立て遊びは、子どもの想像力の発達につながります。
▶砂場遊びの注意点
- 目や口に入れないよう見守る
- 砂を投げないことを伝える
- 汚れてもよい服装で遊ぶ
- 最後はしっかり手洗いをする
3.公園での自然遊びに使える道具
ここでは、公園での自然遊びを楽しむための道具を紹介します。
■ ビニール袋
小さな子どもたちは、興味を持ったものを自分で集めるのが大好きです。ビニール袋があると、拾った落ち葉や枝などを入れるのに便利です。
■ 虫かご、虫取り網
虫取り網を使って、虫を捕まえてみましょう。虫かごに入れた虫を観察すると、虫の生態や行動を観察することができます。
ご自宅で育てるのが難しいときは、帰りに公園に放してあげてくださいね。
■ ルーペ
小さな昆虫や植物を観察するには、ルーペが便利です。虫の体の模様や花の中の細かい部分などを拡大して見ることができます。
ルーペで観察すると、身近な虫や花も、新しい発見があるかもしれません。
■ 砂場遊び用の道具:シャベル、バケツ、スコップ
砂場で最も基本的な道具は、シャベル、バケツ、スコップです。
シャベルやスコップでは、穴を掘ったり、山を作ったりして遊べます。
バケツを使えば砂を運んだり、ひっくり返してプリン型のように使えます。さまざまな種類があるので、子どもが使いやすいサイズを選びましょう。
4.小さな子の公園遊びで注意すべき点
2才ごろの子どもは「○○をやりたい」と主張が出てくる一方、「自分は何でもできる!」と思って、危険な行動をすることがあります。
安全に公園遊びをするためのポイントをお伝えします。
■ 適切な目配りをする
公園には、滑り台やブランコなど、楽しい遊具があります。しかしルールを守らないと怪我や事故につながる危険のもとにもなります。
2歳くらいではまだ一人で遊具にのって遊ぶには難しい年頃ですが、突然駆け出して、一人で滑り台を登り始めるといったことはよく起こることです。
また、周囲に注意が向かずに、周りの人にぶつかってしまうことも考えられます。
「元気すぎて、追いかけるのが大変」という親御さんもいらっしゃるかと思います。
時には、ふと目を離したほんの2秒の間に「どこかに行ってしまった」「転んでしまった」など、慌ただしいこともあるかもしれません。
しかし、そんな姿も微笑ましい今だけの姿です。公園で遊ぶときは、子どもが楽しい思い出を作るためにも、適切な目配りが大切です。
■ 水分や休憩をこまめにとる
小さな子どもは温度調節がまだ上手くできないため、熱中症にかかりやすい状態です。そのため、公園で遊ぶときにはこまめに水分補給と休憩をとることが大切です。
特に暑い時期や直射日光が強い時間帯には、帽子をかぶらせたり、日陰で遊ぶようにしたり、遊び疲れたら涼しい場所で休憩をとらせましょう。水筒には、水や麦茶、スポーツドリンクを入れて持参することがおすすめです。
また、熱中症のサインを見逃さないように注意が必要です。
▶気をつけたい熱中症のサイン
- 汗をかかない、尿が出ない
- ぼんやりしている
- ぐずる、機嫌が悪くなる
- 発熱
5.「公園行きたくない!」外遊びが苦手な子への親の関わり方
親が外遊びをさせたくても「どうしても苦手…」という子もいます。
外遊びが苦手な子に対しては、どのように関わるとよいのでしょうか。
■ 何がいやなのか、理由を探ってみる
子どもが外遊びが苦手と言う理由には、暑さや寒さ、風、虫、怖いもの、怖い人、音がうるさいなど、様々なものがあります。
大人からすると、些細なことでも、子どもにとっては大きなストレスになっている場合があります。
まずは理由を考えてみたり、聞いてみることで、どのように対処すればよいかを知ることができます。
例えば、暑さが苦手な場合は、夕方に出かける、公園に行く途中の道がいやならば別のルートで行く、などの調整ができます。
虫が怖い場合は、虫を見つけたときにどうしたらいいかを教えてあげたり、虫がいない場所で遊ぶ時間を増やすこともできます。
■ 少しずつ外遊びに慣れる
大人は「子どもは外遊びが好き」と思いがちですが、室内遊びが好きな子もいます。
特に外遊びの経験が少ない場合は、少しずつ慣れていくことが必要です。
まずは、庭での外遊びや近所のお散歩などから、始めてみてはいかがでしょうか。
また、親が一緒に遊びながら楽しいと感じさせてあげるのも大切です。
例えば、公園でままごと遊びをしたり、お庭で水遊びをしてみるのもおすすめです。
無理強いはせずに、子どもが自分で外遊びに興味をもち、自発的に楽しむことができるように、ゆっくりと時間をかけてサポートできるとよいですね。
■ 虫や葉っぱなど自然物に興味をもたせる
自然の素材(虫や葉っぱ)などを見せてあげて、興味をもたせるのもおすすめです。虫の観察や葉っぱを使った創作などは自宅でも楽しめます。
子どもは興味をもつと、自分からどんどん遊びだします。
虫や葉っぱなどをもっと集めたいから外に出る、と気持ちが変化するかもしれません。
虫が苦手な子は、まずは絵本や図鑑を活用するのがおすすめです。
公園に行った際には、自然の中での遊び方について教えてあげるのもよいでしょう。
中には、外でどうやって遊んでいいのか分からない子もいます。
「うちの子、公園にきてもぼーっと立ったまま」「ほかの子ばかりじっとみている」なんてこともあります。
それも悪くはありませんが、せっかくなら、自然が楽しめるようサポートをしてあげましょう。
石で土に絵を描いたり、土を掘ってみたり、花の匂いを嗅いでみたり、自然遊びの楽しみ方を見せてあげてください。
6.子どもと一緒に公園で身近な自然を楽しもう
公園は小さな子が身近に自然を感じるには、最適な場所です。
思い立ったら気軽に行けるのが、公園のいいところですね。
夢中になって遊ぶお子さんを見ていると、大人にとっても癒しの時間になるかもしれません。
リフレッシュしたいときや季節を感じたいときに、遊びに行ってみるのはいかがでしょうか。
主な参考文献
・脳科学者が教える! 子どもを賢く育てるヒント「アウトドア育脳」のすすめ,瀧靖之,山と渓谷社 ,2018
・山仲 勇二郎,光と運動による生体リズムの調節メカニズム,KAKEN研究,2018
・「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書,独立行政法人国立青少年教育振興機構,2010
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