リトミックの効果とは?年齢別の活動内容や家庭での実践方法を紹介!
この記事を書いた人
まさ
- 中学校教諭
- 高等学校教諭
- 保育士
中学校教諭、高等学校教諭、保育士の資格所持
大学卒業後、海外ボランティアや日本の療育センターにて、障害のあるお子さんと関わってきました。
現在は、育休を取得し、0歳と2歳の子どもの子育てに奮闘しています。
得意なことは、手遊び、工作です。
子どもの習い事として人気のリトミック。
はじめての習い事にリトミックを検討しているご家庭も多いことでしょう。
しかし、「リトミックにはどんな効果があるのか分からない」「家庭で取り入れるのは難しそう」といった悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではリトミックの効果や年齢別の活動内容、家庭での実践方法をご紹介します。
3歳の男の子を育児中の我が家で実践しているリトミックも紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.リトミックとは?何歳から始められる?
リトミックは、音楽に合わせて体を自由に動かすことで、イメージを表現する活動です。
リトミック教室だけでなく、保育園や幼稚園などでも活用されています。
そんなリトミックは、スイスの作曲家・音楽教育家のエミール・ジャック=ダルクローズによって提唱されました。
当初は音楽教育として生まれたリトミックでしたが、次第に注意力や社会性、思考力など人間教育の側面もあるとされ、現在ではたくさんの子どもたちに親しまれています。
■何歳から始められる?
リトミックは、0歳から始めることが可能です。
まだ歩けない0歳の子どもでも、親子でコミュニケーションを取り合いながら、音楽に親しむことができます。
そして、年齢が上がるにつれて体を動かす方法や音楽を表現する方法が増えていきます。
ただし、リトミック教室によって受け入れの年齢が異なるため、不安な場合は問い合わせをするようにしましょう。
2.リトミックの4つの効果
リトミックには、音楽的な効果だけでなく、他の活動にも役立つ4つの効果があります。具体的にみていきましょう。
2-1.コミュニケーション能力が向上する
友達と一緒に活動することを通して、自分の意見を伝えたり、友達の意見を聞いたりする経験ができます。
また、先生や友達と行動をともにすることで、協調性も身につけることが可能です。
リトミックを通じて音楽的な要素だけでなく、日常生活にも活かせるコミュニケーション能力が向上するのはうれしいですね。
2-2.集中力が身につく
音楽や音をよく聞いて体を動かすことを通して、集中力を身につけることができます。
集中力は、学業やスポーツ、仕事など、さまざまなシーンで必要不可欠な能力です。
幼少期に習得することで、今後の生活で大いに役立つことでしょう。
2-3.表現力・想像力が豊かになる
リトミックは、音楽や音に合わせて自由に想像力を働かせ、表現することができます。
たとえば、ゾウになりきって足を踏み鳴らしたり、トリになりきって腕をバタバタさせるなど、楽しみながら表現力や想像力を豊かにする活動があります。
また、友達や先生の動きをみることで、表現のバリエーションも広がります。
2-4.音の聞き分けやリズム感が身につく
リトミックでは、音の高さやリズムに合わせて体を動かします。
たとえば、音の高低に合わせて腕を上下させたり、リズムに合わせて歩いたりすることができます。
はじめはぎこちない動きかもしれませんが、繰り返し取り組むことで、音の聞き分けやリズム感を身につけられますよ。
また、リズム感を身につけることで、スポーツなどでの動きの正確性やタイミング感を向上させることができます。
3.年齢別リトミックのレッスン内容
リトミックは、子どもの発達や理解度によって活動内容が異なります。
ここでは、年齢別のリトミックのレッスン内容を確認しましょう。
3-1.【0〜1歳】親子で一緒に!音楽に慣れ親しむ
0歳の子どもは、まだ自分の思った通りに体を動かすのが難しいこともあります。
そのため、親子で一緒に音楽に合わせてやさしく体をゆらしたり、リズムに合わせて体に触れてあげるなど、スキンシップをたくさんとることが大切です。
1歳ごろになると、手を動かしたり、歩いたりできるようになります。
ママやパパと一緒に音楽を聞きながら、体を動かして音楽に親しんでいきましょう。
3-2.【2歳】音の強弱やテンポの違いに触れる
2歳ごろの子どもは、歩いたり、走ったり、ジャンプしたりとさまざまな動きができるようになります。
また、音の強弱やテンポの違いにも気づけるため、変化に合わせて体を動かす活動ができます。
音楽に合わせてボールを渡し合うのも楽しい活動のひとつです。
ゾウやウサギなどイメージしやすい動物を思い浮かべて体を動かすこともおすすめです。
3-3.【3歳】グループ活動のスタート
3歳になると、幼稚園に通い始める子どももいるため、コミュニケーション能力が飛躍的に発達します。
また、保護者から離れて自分で考えて行動しようとする意欲がみられます。
リトミックでも、友達と一緒にグループ活動ができるようになります。
まだまだ大人のサポートは必要ですが、3〜4人程度のグループで並んで歩いたり、手をつないで踊ったりする活動などを楽しむことができます。
3-4.【4歳】音階に親しむ
4歳ごろからは、音階を意識したリトミックが展開されます。
ドレミファソラシドを歌ったり、楽器を使ったりと音楽的な要素も多くなってきます。
また、得意や不得意が明確になってくるのも4歳ごろです。
グループの中で得意な子が苦手な子をサポートするなど、お互いを思いやる気持ちを育てることもできます。
3-5.【5歳】表現力・想像力をさらに高める
5歳ごろからは、これまでに培った表現力や想像力をさらに高めていきます。
グループ活動では、リーダー役を任されることもあります。
リトミックの活動を通じて、グループをまとめたり、リーダーに従ったりすることで、社会性も高めることができます。
また、音の高低や音階、リズムなど、音楽的な表現に対する理解も深まっていきます。
4.リトミック教室を選ぶときのポイント
リトミック教室はたくさんあるので、どこにしようか迷ってしまいますよね。そんなときに便利なのが、体験レッスンです。
多くのリトミック教室では、体験レッスンを実施しているため、実際の雰囲気をつかむことができます。
また、リトミック教室を選ぶときに以下で紹介するポイントをおさえておくと、あとで教室を比較するときに役立ちます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
4-1.先生と子どもの相性がよいかどうか
子どもの習い事では、先生と子どもの相性が重要です。
どんなに評判のよいリトミック教室でも、先生と相性が合わないと楽しく通うことが難しくなります。
そのため、先生が子どもたちにどんな声かけをしているかや、一人一人の個性を尊重してくれるかなどを意識して、教室選びに役立てるとよいでしょう。
また、保護者の対応がよいと、ママ・パパもリトミック教室に通うのが楽しくなるかもしれません。
4-2.生の音が聞けるかどうか
リトミック教室では、生の音が聞けるかどうかをチェックすることをおすすめします。
家庭で取り組む場合は、CDなどを活用することもできますが、リトミック教室に通うなら、生の音が聞ける環境で学ぶことをおすすめします。
リトミックでは、音に合わせて動くだけでなく、音を聞くことも大切にしています。
そのため、音の強弱や高低が即座に使い分けられる生演奏が適しています。
4-3.子どもの年齢や発達に適しているかどうか
子どもは年齢や発達の度合いによって、できることが大きく異なります。
0歳児はまだ歩けないのに対し、3歳児は部屋中を走り回ることができます。
また、同じ1歳でも1歳になりたての子どもと、もうすぐ2歳の子どもではできることが異なります。
子どもには、年齢や発達に合わせた活動を提供することで、大きな成長がみられます。
そのため、子どもの年齢や発達に合わせカリキュラムやクラスが組まれている教室を選ぶことが大切です。
子どもの発達に詳しい先生や、幼児教育の経験が豊富な先生がいる教室だとより安心できます。
【体験レッスンや実際にリトミックをする際の注意点】
無理強いしない
リトミックでは、子どもが音楽に合わせて自由に表現することを大切にしています。
そのため、「他の子と合わせて動きなさい」「腕を大きく動かしなさい」などと無理強いするのは避けましょう。
子どもは子どもなりに、音楽を感じたり、音を楽しんでいたりするものです。
保護者の方は、子どもの感性を大切にして、成長を見守れるとよいですね。
5.家庭でできるリトミック
リトミックは、家庭でも実践することができます。
特別な用具を準備する必要もないので、気軽に始められますよ。
子どもとどうやって関わって遊んだらよいか分からないという方にもおすすめです。
5-1.手遊び歌に合わせて体を動かす
ママ・パパや子どもにとって身近なのが手遊び歌ですよね。
子どもが大好きな手遊び歌に合わせて指や体を動かすと、脳にたくさんの刺激を与えることができます。
また、道具の準備が必要なく気軽にはじめられる活動でもあります。
手遊び歌を知らない場合は、YouTubeなどで簡単に検索することができます。
リトミックの先生や保育士さんが作成した動画もたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
5-2.音楽に合わせて体を動かしたり止めたりする
音楽が流れている間は体を動かし、音楽が止まったら体も止める経験を「即時反応」といいます。
楽器を演奏しなくても、CDなどを活用することができるので、気軽に取り組めますよ。
即時反応をすることで、子どもがより音楽に集中するようになります。
また、音楽が止まったら座ったり、頭にタッチしたりするなど、別の動作を加えるのも楽しいです。
0歳や1歳などまだ自由に動けない子どもの場合は、音楽が流れている間はママ・パパと一緒に拍手をする、音楽が止まったら拍手も止める活動をするのもおすすめです。
5-3.音の高低に合わせて動く
家庭でもリトミックを通じて音の高低を学ぶことができます。
たとえば、高い音が鳴ったら両手を上げ、低い音が鳴ったら両手を床につけるなど、簡単な動作を取ることで音の高さを理解しやすくなります。クイズ形式にすると、より子供たちの集中力が高まりますよ。
また、音に反応する能力が即座に身につくようになります。
5-4.楽器や音の鳴る身の回りのものを鳴らす
楽器に触れることもリトミックの活動のひとつです。
ただし、自宅に楽器がない方も多いですよね。
そんなときは、お鍋や段ボール箱などの身近なものを活用して、音を出すことができます。
また、タンバリンやカスタネット、スズなどは子どもでも扱いやすく、手頃な価格で手に入るので、この機会に購入するのもおすすめです。
我が家で実践しているリトミック!
我が家では、小さめのペットボトルにお米や豆を入れて手作りマラカスを作りました。
3歳の息子は、童謡に合わせてリズムよくマラカスを振って楽しんでいますよ。
マラカス作りから一緒に取り組むことで、より愛着が湧いているようです。
6.うれしい効果がたくさんあるリトミック!教室や家庭で気軽にはじめてみよう
リトミックには、音楽的な面だけでなく、コミュニケーション能力や集中力が身につくなど、子どもの将来にも役立つうれしい効果があります。
教室に通うだけでなく、家庭でも気軽に始めることができるので、親子で楽しみながら取り組むことができます。
ぜひ、リトミックを取り入れてみてくださいね。
参考文献
・『リトミック百科 年齢別の基本レッスンから発表会まで』石丸 由理 著
・『こころとからだを育む1~5歳のたのしいリトミック』神原 雅之 (監修)
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