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早期教育の意味やメリットとは?家庭でできる実践例・NG教育も徹底解説

この記事を書いた人

米澤駿 米澤駿

米澤駿

  • 公認心理師
  • 臨床心理士

公認心理師・臨床心理士として、子どもやご家族のこころや発達の支援に約10年間携わってきました。

学童や放課後等デイサービスの指導員、乳幼児健診の発達相談員、スクールカウンセラーなど幅広い現場で、発達段階に応じた対応や保護者支援を経験しています。

自分自身も一児の父として、毎日の子育てに奮闘中。

心理学の専門知識と現場経験、そして親の目線も大切にしながら、皆さまのお役に立てる情報を分かりやすく丁寧な言葉でお伝えできるよう心がけています。

「早期教育って本当に必要なの?」

「やりすぎや間違った教育で子どもに負担をかけてしまわないか心配…」

そんなふうに感じていませんか?

特に2~5歳のお子さまを持つ親御さんにとって、早期教育(幼児教育)は気になるけれど、何から始めていいのか、家庭で無理なく実践できる方法はあるのか、疑問や不安が尽きないものですよね。

仕事や家事との両立、経済的な負担も気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、改めて「早期教育(幼児教育)」とは何か、その意味やメリット、具体的な実践例、そして避けたいNG教育や親としての心構えまで、分かりやすく解説します。

家庭で気軽に取り組めるアイデアも多数紹介していますので、「無理せず子どもの成長をサポートしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

目次

 

1.早期教育(幼児教育)とは?

「早期教育」「幼児教育」という言葉はよく耳にするけれど、具体的にどんなものなのか、漠然としている方も多いのではないでしょうか。

特に初めてのお子さんで、これからどんな教育をしていこうかと考えている親御さんにとっては、まず言葉の定義からしっかり理解しておきたいですよね。

ここでは、早期教育(幼児教育)の基本的なことについて解説していきます。

 

1-1.そもそも早期教育と幼児教育の違いは?

早期教育とは、読み書き、算数、英語、音楽、体操など、知識や技能を平均より早い段階から始めて伸ばすための教育です。

つまり、「一般的な年齢よりも早く教育を始めること」に重点を置いています。

一方、幼児教育とは未就学児(0歳~6歳)を対象とした、知識・生活習慣・社会性など基礎的な力を身につけるための教育全般を指します。

家庭や幼稚園、保育園で行われる、「子どもが社会や集団生活に適応するための基礎教育」ともいえるでしょう。

 

※よく似たもう一つの言葉「英才教育」って?

よく混同されがちな言葉として「英才教育」というものがありますが、これは「才能や特技」に特化し、その子に特別な分野(ピアノ・スポーツなど)で高い能力を伸ばすことを目的とした教育です。

早期教育や幼児教育が「基礎的な力や総合的な発達」を目的とするのに対し、英才教育は「突出した能力を引き出す」ための集中的な訓練である点が大きな違いです。

 

1-2.早期教育の意味と必要性

幼児期は、「脳のゴールデンエイジ」とも言われるほど、脳が急速に発達する大切な時期です。

この時期に子どもの発達に合わせた良質な刺激を受けることで、脳の働きや人格形成に大きな影響を与えます。

「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、幼児期の経験や環境が、その後の心身の成長に長く影響を与えると言っても過言ではありません。

 

2.早期教育がもたらすメリット

幼児期の子どもは、新しいことをどんどん吸収する“ゴールデンエイジ”です。

この時期の教育は、将来の学習や社会性だけでなく人格形成にも影響を及ぼします。ここでは、早期教育がどのようなメリットをもたらすのかを解説します。

 

★脳の発達を促す:発達が促される脳機能の例

  • 感覚統合能力
    五感を使った遊び(泥遊び・水遊び・音遊びなど)により、脳の神経ネットワークが豊かに発達する
  • 言語能力
    たくさんの言葉かけや読み聞かせにより、語彙力や表現力が向上する
  • 空間認識能力
    積み木やパズル遊びにより、立体的な思考力が育つ

 

★社会性が伸びる:伸びる社会性の例

  • 共感性
    他者の気持ちを理解し、思いやりを持つ力が育つ
  • 協調性
    みんなで一緒に活動する楽しさを知る
  • コミュニケーション能力
    自分の気持ちを表現し、相手の話を聞く力が育つ

 

★自己肯定感が高まる:育まれるポイント

  • 「できた!」の積み重ね
    小さな成功体験が自信につながる
  • 周囲から認められる経験
    親や周囲の大人から褒められることで自分の価値を実感する
  • チャレンジを大切にする環境
    失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、「失敗してももう一度やってみよう」というポジティブな思考が育つ

 

3.年齢別:何歳からどんな早期教育を始めればいい?

早期教育と聞くと「早く始めるほど良いの?」と考えがちですが、年齢や発達段階に合わせて適切な教育や遊びを取り入れることが重要です。

ここでは、2歳・3~4歳・5歳の年齢別に、家庭でできるおすすめの知育や遊びの具体例をご紹介します。

 

3-1.2歳からのおすすめ知育・遊びの例

2歳は言葉や感情の表現がぐんと発達し始める時期。興味や好奇心を伸ばしながら、楽しく五感を刺激する遊びを家庭で取り入れることが大切です。

【具体例】

● 絵本の読み聞かせ

語彙力や想像力を育てる効果があります。短い絵本や繰り返しの多いリズム感のある絵本がおすすめです。

● 積み木遊び

手先の器用さ・空間認識力の発達に最適です。子どもがつかみやすい積み木を用意し、自由に遊ばせてください。

● ごっこ遊び

ままごとや人形遊びは、社会性やコミュニケーション能力を育てます。「赤ちゃん、ご飯を食べてるね」など、親子で会話しながら楽しんでみましょう。

 

3-2.3~4歳のおすすめ知育・遊びの例

5歳になると自分なりの考えや意見を持ち始め、より高度な学びへの興味が出てくる子もいます。学校生活や集団行動を意識した「考える力」と「社会性」を育てましょう。

【具体例】

● すごろく・ボードゲーム

順番を守る、ルールを理解する、勝ち負けを受け入れるといった社会性を育てつつ、語彙や算数も自然と身に付きます。

● 簡単な料理やお手伝い

実際の生活体験を通して、数を数えたり順序立てて物事を考える力(論理的思考力)が身に付きます。サンドイッチ作りや野菜の皮むきなど簡単なものから始めましょう。

● 読み書き・数遊び

無理のない範囲で、ひらがなや数字に親しめる遊びを取り入れてみてください。市販のワークブックもよいですが、「学習カード」を用いながら遊び感覚で取り入れるのもおすすめです。

 

4.自宅でできる!無理なく続けられる家庭の早期教育アイデア

「習い事は高いし、忙しくて通わせるのも大変…」と感じている親御さんも多いですよね。

でも実は、早期教育は必ずしも有料の教室や教材が必要なわけではありません。

ここでは、特別な費用や準備なしで、無理なく続けられる家庭の早期教育のアイデアをご紹介します。

 

4-1.費用をかけずに楽しめる遊び

幼児期の子どもにとって、“遊び”は最高の学びの場です。

大人からすれば何気ない遊びも、子どもにとっては社会性や考える力、創造力などさまざまな力を伸ばせる絶好のチャンス。お金をかけなくても家庭でできる遊びを積極的に取り入れてみましょう。

◆ お散歩・公園遊び

お散歩や公園での自然遊びは、観察力や好奇心、体力を育むのにぴったり。「木の実を探そう」「雲の形は何に見える?」など、親子の会話を増やすだけでも立派な知育タイムです。

◆ ごっこ遊び

お店屋さんごっこや、お医者さんごっこなど、日常の中での役割遊びは、想像力・社会性・言語力が自然に身につきます。特別な道具がなくても、おうちにある身近なものを使えばOK。「今日はお店の店長!」「ママも患者さんになって」など、親子で役割を交代しながら楽しみましょう。

◆ お手伝い遊び

子どもに「お手伝い」をゲーム感覚で体験させてあげるのも効果的。「一緒に野菜をちぎろう」「洗濯物を分けてみよう」と日常の家事を楽しくシェアすることで、集中力や責任感も養えます。

 

4-2.費用をかけずに楽しめる手作りおもちゃ

「知育おもちゃ」と聞くと、市販のものを連想するかもしれませんが、実は家にあるもので簡単に知育おもちゃを作ることもできます。

手作りおもちゃは、作る過程そのものが親子のコミュニケーションの時間にもなるので、一石二鳥です。

◆ ペットボトルのマラカス

使い終わったペットボトルにビーズやプラスチックの切れ端などを入れるだけで、簡単な楽器おもちゃが作れます。振って音を鳴らせば聴覚の刺激になり、ペットポトルの中で動くビーズを見れば眼球運動にもなります。「どんな音がするかな?」「中身を変えると音も変わるよ」と声かけをすれば、子どもの好奇心をさらにくすぐるでしょう。

◆ 牛乳パックの積み木

洗った牛乳パックを適当なサイズにカットし、カラフルな紙やシールで飾れば積み木代わりに使えます。積む・崩すの繰り返しで、手先の器用さや空間認識力が身につきます。

◆ 紙コップのけん玉

紙コップと紐、丸めたアルミホイルや新聞紙玉を使ってオリジナルけん玉を作れます。手と目の協応運動や集中力アップにつながります。「何回キャッチできるかな?」とゲーム感覚でやってみるのもおすすめです。

 

5.避けたいNG教育!やりすぎ・押し付けが子どもに与える影響

早期教育は子どもの知的好奇心や自己肯定感の向上に役立つ一方で、やり方を間違えると逆効果になることもあります。

「早く始めなきゃ」「他の子に遅れを取りたくない」という焦りやプレッシャーから、親が“やりすぎ”や“押し付け”の教育をしてしまうのは避けたいものです。

ここでは、早期教育の落とし穴や、ありがちなNG事例、そして専門家からのアドバイスについて具体的に解説します。

 

5-1.早期教育の落とし穴とやりすぎのリスク

「できるだけ早く」「たくさん習わせればいい」という考えはNGです。

「小さいうちに始めるほどいい」「たくさんの知識やスキルを吸収させたい」と思いがちですが、早期教育は量やスピードを競うものではありません。

詰め込みや過度な先取り学習は、子どもに本来の学ぶ楽しさを失わせる恐れがあります。

また他の子との比較や、「できた・できない」で評価ばかりするのは、子どものストレスや反発につながります。子どもそれぞれの個性や成長のペースをしっかり尊重することが、効果的な早期教育の基本です。

 

5-2. よくあるNG事例と専門家アドバイス

よくある「思い込み」と「ほかの子」との比較を例に、早期教育を始める際に押さえておくべきポイントを具体的にアドバイスしていきます。

 

NG事例①:「○歳までに○○ができないとダメ」という思い込み

#よくある状況

  • 「5歳までにひらがなが読めないと遅れている」
  • 「6歳までに足し算ができないと小学校で困る」
  • 「英語は早く始めないと身につかない」

#専門家のアドバイス

  • 発達の目安はあくまで「参考程度」と考える
  • 「できない」ではなく「まだその時期ではない」と捉える

 

NG事例②:他の子との比較

#よくある状況

  • 「○○ちゃんはもう字が書けるのに」
  • 「お兄ちゃんの時はもっと早くできた」
  • SNSで他の子の成長を見て焦る

#専門家のアドバイス

  • その子の過去と現在を比較して成長を認める
  • 「○○ができるようになったね」と具体的に褒める

 

6.早期教育のポイントと心構え

早期教育を家庭で取り組むにあたって、最も大切なのは「何をさせるか」よりも「どのような心構えで子どもと向き合うか」です。

ここでは、早期教育を成功させるための大切なポイントと心構えを2つご紹介します。

 

6-1.親が楽しむことの大切さ

2~5歳の子どもは、親の表情や声のトーン、態度から感情を敏感に読み取ります。

親が義務感や焦りを感じながら教育に取り組んでいると、子どもも自然とそのストレスを感じ取ってしまいます。

子育てにおいて、不安や焦りを抱くのは自然なことですが、気負いすぎて、子どもにストレスを与えてしまうことは本末転倒です。

親自身が早期教育を楽しむ姿勢は、子どもが学ぶことの楽しさを感じる一番の原動力になります。

楽しく親子で取り組む時間こそが、子どもの豊かな成長につながります。うまく進まなくても「今日はここまでできたね」と子どもの小さな成長を喜び、「じゃあ、明日また一緒にやってみよう」と完璧を求めすぎずに取り組む姿勢が大切です。

 

6-2.自分の子どもの個性を大切にする姿勢

幼児期は、子ども一人ひとりの発達のペースや得意なことが大きく異なります。

同じ年齢でも、言葉が得意な子、体を動かすのが好きな子、絵を描くのが好きな子など、それぞれに個性があります。

他の子どもと比較するのではなく、お子様自身の個性や成長に目を向け、その子なりのペースを尊重して見守りましょう。

個性を認めて見守ることが、豊かな成長と効果的な早期教育の基礎となります。

 

7.早期教育は無理せず楽しむが鉄則

親子

2~5歳の子どもにとって、早期教育(幼児教育)は成長を大きくサポートする大切な要素です。しかし、最も大切なのは「無理をしすぎないこと」と「親子で楽しむこと」です

本記事で紹介した通り、特別な道具やお金をかけなくても、日々の遊びや手作りおもちゃといった親子のコミュニケーションの中で、効果的な早期教育を実践することができます。

また、「やりすぎ」や「他の子と比べてしまう」ことが、かえって子どもの自己肯定感を傷つけてしまう場合もあります。

焦らず、子ども一人ひとりの個性やペースを大切にし、「今日はここまでできたね」「楽しかったね」と小さな成長を一緒に喜び合う時間を意識しましょう。

子育てと家事、仕事の両立は決して簡単なことではありませんが、親御さん自身が無理のない範囲で「ちょっとした知育」を意識するだけで、家庭でも十分な早期教育ができます。

ぜひ、本記事のアイデアを参考に、日々の中で「楽しく続けられる自分たち流の早期教育」を見つけてみてください。

 

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