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親子喧嘩は悪いこと?してはいけない行動と仲直りのコツを解説!

この記事を書いた人

狩野淳 狩野淳

狩野淳

  • 公認心理師
  • 臨床心理士

大学、大学院にて発達心理学と臨床心理学を専攻していました。

臨床心理士と公認心理師の資格を保有しております。

子ども達とその保護者の方の支援を仕事にしており、子ども達へは主に応用行動分析を認知行動療法用いて、保護者の方にはブリーフセラピーを使ったアプローチを行っています。

もうすぐで1歳になる男の子がいて、毎日癒されています!

「親子喧嘩をしてばかりで、悪影響がないか心配」、「仲直りがなかなか出来ず関係が悪くなってどうすればいいかわらない」、そんなお悩みはありませんか?

今回は、小学生の子どもとの親子喧嘩がテーマです。子どもとの喧嘩の原因親子喧嘩が与える影響、親子喧嘩を防ぐ方法関係性の修復の仕方について紹介しています。

些細なことがきっかけの喧嘩で親子仲が悪くなってしまうと、日々の生活がギクシャクしてしまい、嫌な気持ちが続いてしまいますよね。

そんな日常を回避、改善する方法について解説していきますので、是非参考にしてください。

 

目次

 

1.親子喧嘩の原因は?親の要因・子の要因

親子喧嘩に発展するのには必ず何らかしらの原因があります。まずはその原因について確認していきましょう。

今回は親側の原因と子ども側の原因の2つの視点から解説しますので、ご家庭での生活と照らし合わせながら確認していきましょう。

 

1-1.★親側の原因①:子どもへの過干渉

はじめに親側の原因として「子どもへの過干渉」が挙げられます。

あんなに小さかった我が子が小学校で集団生活をしていると思うと、心配心や「失敗してほしくない」という思いから、ついつい過干渉になってしまいますよね。

しかしその気持ちが親子喧嘩の原因になることがあります。

小学生とはいえ、いつまでも「守られる存在」ではありません。子ども達の心身は日々成長し、自立心が芽生えていきます。

「自分でやりたい」「自分で考えたい」と子どもは思っているのに、親からしつこく指示されるとイライラして、結果として親子喧嘩に発展してしまうのです。

 

1-2.★親側の原因②:価値観の押し付け

親側の原因の2つ目として、「価値観の押し付け」があります。

「子どもは親の言うことを聞くべき」「小学生はこうするべき」という価値観で子どもの行動を制限しすぎると子どもは反発してきます。

人生の先輩としてアドバイスしたい気持ちはよくわかりますが、子どもによっては余計なお世話に感じる場合があります。

低学年のうちは素直に言うことを聞いてくれますが、学年が上がるにしたがって喧嘩に発展していくケースは少なくありません。

 

1-3.☆子ども側の原因①:生活習慣の乱れ

次に子ども側の原因です。1つ目は「生活習慣の乱れ」です。

テレビやSNS、ゲームに夢中になるあまり、就寝時間が遅くなり生活習慣が乱れてしまうことがあります。

親としては子どもが心配で「時間制限」などのルールを設けますが、子どもが自制できずルールを破ってしまい、親子喧嘩へと発展してしまいます。

大量の情報や日常生活では味わえないような刺激を手軽に感じられる現代社会ですが、情報過多は時に子どもに悪影響を及ぼします。

テレビなどをほどほどに楽しみ、それ以外の時間も大切にできる環境設定が必要なのです。

 

1-4.☆子ども側の原因②:反抗的な態度

子ども側の原因の2つ目は「反抗的な態度」です。

生活習慣の乱れや学校生活での疲れからストレスが溜まり、思春期もあいまって親御さんに反抗的な態度をとるようになります。

「子どもは成長すると反抗的になるものだ」という前提知識や心構えがないと、愛情をたくさん注いできた我が子からの思いがけない反抗についカッとなってしまうでしょう。

しかしそこで親も子どもに批判的な態度をとると互いに引っ込みがつかず、親子喧嘩に発展してしまい、仲直りの機会がないままズルズルと時間だけが過ぎてしまいます。

 

2.親子喧嘩のメリット・デメリット│良いことはあるの?

親子喧嘩の代表的な原因について解説してきました。皆さんのご家庭でも当てはまるものはありましたか?

次に親子喧嘩のメリットとデメリットについて解説していきます。

親子喧嘩と聞くと悪い方向に考えがちですが、意外とそうでもありません。むしろ親子という深いつながりのある人との喧嘩から学ぶこともあるのです。

そこで親子喧嘩にはどんなメリットとデメリットがあるのか、2つずつ解説していきます。

 

2-1.メリット①:他者視点を得られる

親子喧嘩のメリットの1つ目は「他者視点を得られる」です。

小学生の子どもはまだまだ認知機能が未熟で相手の立場に立って物事を考えることが苦手です。そのため自己中心的な言動をとることがあり、学校でトラブルを起こす可能性もあります。

親子という信頼感のある関係性で言い合い、互いの意見をぶつけることで、「自分の行動が相手にはこう映るんだ」「こう思われるんだ」といった気付きになります。

関係性の浅い他者と喧嘩になってもこうした気付きは得られませんし、そもそも「この人と関わるのはやめておこう」と関係性を切られてしまうかもしれません。

そのため親子で互いの意見、本心を伝え合う喧嘩は子どもの発達にプラスの影響を与えるのです。

 

2-2.メリット②:適切な自己主張を学べる

また、親子喧嘩からは適切な自己主張を学ぶことができます。

日本では「我慢は美徳」といった価値観があり、自分の考えや思いを押し殺し、和を乱さないことを良しとしています。

確かに集団生活において我を出しすぎることはチームワークを乱しますが、集団に重きを置きすぎては正しい自己主張の仕方を学ぶことはできません。

しかし親子喧嘩では相手の意見に対して自分の思いや要望などを伝える必要があります。

親側が冷静に意見を伝え、子どもに直してほしいところ、互いの落としどころを伝える姿勢を見て、「こういう風に言えばいいんだ」「こうやって自分の思いを伝えるんだ」という学びを得ることができます。

そしてそれを学校といった集団の場で実践し、さらにいろいろな人との関係性の作り方を学んでいくことができるのです。

このように親子喧嘩にはメリットもありますが、対応の仕方を間違えるとメリットを受けられなかったり、デメリットが大きくなってしまいます。

そこで次に親子喧嘩におけるデメリットについて解説していきます。

 

2-3.デメリット①:傷つき体験になる可能性がある

デメリットとしては「傷つき体験になる可能性がある」ことが挙げられます。

これまで紹介したメリットは親側にある程度の冷静さが求められますが、親も人間です。感情に振り回され、売り言葉に買い言葉でつい強い口調で厳しい言葉を言ってしまうことがあるでしょう。

そうなると子どもは傷つき、親への信頼感失ってしまいます。

ヒートアップした親子喧嘩は互いを傷つけ、何も生みだしません。「相手はまだまだ子ども」ということを忘れずに、冷静さをもって対応することが重要です。

 

2-4.デメリット②:関係修復が困難になる

親子喧嘩が白熱し、互いに傷つけあうと、今まで通りの関係性を維持するのが困難になります。

「ひどいことを言われた」「本心では自分のことをあんなふうに思っていたんだ」という思いから疑心暗鬼になり、何を言っても信じあうことが難しくなります。

そうなってしまえば親子関係は破綻し、家に居づらくなった子どもは外で居場所を見つけ出す、もしくは自室に引きこもり、ますます問題が大きくなり、関係性を修復するのがより困難になります。

 

3.デメリットのある親子喧嘩を防ぐには?

親子喧嘩にはメリットとデメリットがあることを解説しました。

ではデメリットのない親子喧嘩にするにはどのようにすればよいのでしょうか。

 

2-1.できること・できないことを見極める

はじめに重要なことは、子どもが「できること」と「できないこと」を見極めるということです。

私たちは時に大人目線で考えてしまい、子どもにとって難しいこと、できないことを求めてしまうことがあります。

親側の要求が高ければ「クリアできない子ども=悪い」と考えてしまい子どもを責めてしまったり、子どもを不安定にさせたりすることに繋がってしまいます。

そうならないように、まずは子どもができること、できないことを見極めましょう。

例えば、「帰ってきて宿題をすぐにやる」ことが約束なのに守られないとしましょう。

どうして守れないのでしょうか。お腹が空いていてできないのかもしれませんし、量が多すぎて取り組む気になれないのかもしれません。

その場合は少しおやつの時間を作ってあげたり、「ひとまずここまでやろう」と区切りをつけてあげることで取り組みやすくなるかもしれません。

2-2.冷静に淡々と事実だけを伝える

また、親子喧嘩に発展した際には、冷静に話すことが重要です。

子どもはまだまだ自我のコントロール力が成熟しきっていないため、親を傷つけるような言動をとるかもしれませんが、それに真っ向から対応してしまうと喧嘩は泥沼化するだけです。

親側は冷静に、子どものできていない点、親の言い分、改善するための方法を淡々と伝えていくことで、子どもの傷つき体験のない言い合いの場にすることができます。

 

4.子どもとの喧嘩でしてはいけない親の行動

親子喧嘩の原因を掴み、デメリットのある親子喧嘩を防ぐ対策を講じても、ついつい良くない仕方の喧嘩をしてしまうこともあるでしょう。

次に、そのような時にどんなポイントに気を付けた方が良いのかについて解説していきます。

 

4-1.暴力・暴言

親子喧嘩の中で絶対にしてはいけないことは「暴力・暴言」です。

子どもの心身を傷つけるようなことは決してしてはいけません。暴力・暴言のある親子喧嘩からは子どもは何も学びません。

それどころか親への信頼感は無くなり、「敵」として認識させることに繋がります。

カッとなると手が出てしまう、ひどいことを言ってしまうという方は必ず別の大人がいるところで互いに言いたいことを言うようにしましょう。

 

4-2.過去の話を持ち出す

また、親子喧嘩の際には今起きていることについてのみ話すようにしましょう。

一度解決した問題や過去の出来事を持ち出してしまうと、本来話し合うべきことがあいまいになり、過去の失敗を突き付け合う、ただの喧嘩になってしまいます。

どんな問題が起きていて、どうして欲しいのか、どんなことを伝えたいのかといった軸はずらさず、「今」なにをすべきかについて話すようにしましょう。

子どもが話をずらしてきたとしても、それには乗っからず、軌道修正してあげてください。

 

4-3.「一対多」の状況を作り出す

親子喧嘩の最中に他の家族メンバーを自分の味方につけるような動きも避けてください。

子どもの行動に非があったとしても、複数人で責める構図になってしまうと、子どもは居場所をなくしてしまいます。

自分と子ども以外に大人がいるなら中立的な立場に立ってもらったり、子どもが言葉にできない思いを言語化してあげるなど、子どものフォローに回ってもらうと「自分は1人じゃないんだな」と思ってもらえるだけでなく、「こうやって言えばいいんだ」という親子喧嘩のメリットで紹介したような「気付き」に繋げることができます。

 

5.親子喧嘩で子どもとの関係が悪くなったら?

これまでのことを気を付けていても、親子喧嘩で関係性が悪くなることもあるでしょう。

その際に親側にできることはあるのでしょうか。最後に関係性の修復方法について紹介していきます。

 

5-1.「親側の悪かった点」を謝罪する

親子喧嘩で関係性が悪くなってしまった場合は、例え子どもが間違ったことをしたとしても親側から謝ってあげてください。

その際に子どもの言動をすべて受け入れる必要はありません。親側の悪かったこと、例えば「言いすぎてしまった」「口調が強くなってしまった」といったことを謝罪するのです。

親子喧嘩をした後は、子どもの少なからず反省しているものの、親の態度や正論にムカつき、頭を下げたくないと意地になっている場合があります。

そのため親が先に謝り、仲直りを申し出ることで関係性の改善を図ります。

その際に「親側にも悪いことはあったけど、あなたにも問題があることは忘れないで」といったことは言わないでください。

謝罪して、相手からの返答の有無に関わらず、「じゃあこの話はおしまいにしようか」「ご飯食べようか」と話を終わりにして大丈夫です。

今回の喧嘩で少なからず親の意思は伝わりましたし、あとは子どもを信じて見守ってあげてください。

 

5-2.普段通りに接する

親子喧嘩の前後で親側の態度を変えてはいけません。

親が不機嫌な対応を続けているといつまでも喧嘩した状態が続き、関係性は良くなるどころか悪化していきます。

そうならないように、例え親子喧嘩をしたとしても普段通りに接してあげてください。

喧嘩の直後は子どもが親のことを無視するかもしれませんが、そのことに腹を立てていては先に進めません。時間が解決すると捉え、そっとしておいてください。

 

5-3.外食や外出などで仲直りのきっかけを作る

先に謝る、普段通りに接するといっても、きっかけがないと難しいかもしれません。その際には外食や外出などで、話をするきっかけを作りましょう。

ある程度時間が経っていれば、子ども冷静になります。親子喧嘩のことを引きずることは子どもにとってもストレスになります。

他の家族の協力を得ながらも上手くきっかけを作り、できるだけ早く関係を修復してあげてください。

 

6.子どもは親子喧嘩の中からコミュニケーションを学ぶ

今回は親子喧嘩について、原因とメリット・デメリット、親子喧嘩の避け方、してはいけない行動、そして関係性の修復方法について解説しました。

ただ感情に任せ、言いたいことや自分の思いをぶつける親子喧嘩では互いを傷つけるだけで、何も生みだしません。

親が冷静に問題を捉え、子どもとの関係性を壊さず、伝えるべきことを伝えるにはどのようにすればよいのか見極めていく必要があります。

そうすることで子どもは他者視点自己主張方法を学び、親以外の人とも円滑な人間関係を構築することができるのです。

子どもの心無い言葉や反抗的な態度に心乱れる場面もあるとは思いますが、親の関わり方で子ども達は精神的に大きく成長することができます。

できる限り冷静さを保ちながら子どもと向き合っていきましょう。

 

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