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【小1】子どものアンガーマネジメントのやり方とおすすめの絵本

この記事を書いた人

みき みき

みき

  • 高等学校教諭
  • 司書教諭
  • 中学校教諭

高校の国語講師として約8年勤務していました。

中学、高校の教員免許、図書館司書、司書教諭の資格を持っています。

現在は3人の子育てに奮闘中。

知識や経験を活かせるライターを目指し、勉強中です。

近年、小学生の暴力行為が急増していると言われています。小学校内での暴力行為発生件数を比較すると、1997年は1432件だったのに、2020年には4万1056件と約29倍です。

対教師、生徒間、器物損壊のいずれも増加していますが、なかでも生徒間の暴力が、3万548件と突出しています。(※1)

「うちの子も、怒ると手が出てしまう」と心配している保護者の方も多いのではないでしょうか。

アンガーマネジメントは、大人だけでなく、子どもにも必要なスキルです。すぐに身につくものではないので、なるべく早いうちから「怒りとの適切な向き合い方」を伝えることが大切です。

そこでこの記事では、小学校低学年のお子さん向けの「アンガーマネジメントのやり方」についてお伝えします。

アンガーマネジメントを学べるおすすめの絵本もご紹介しますので、お子さんにあう方法を親子で探してみてくださいね。

 

目次

 

1.アンガーマネジメントとは?

まずは、アンガーマネジメントの定義と、子どものアンガーマネジメントを始める時期についてご説明します。

 

1-1.アンガーマネジメントの定義

アンガーマネジメントとは、怒りの感情を自ら整理し、コントロールするためのスキルです。発祥は1970年代のアメリカで、当初は犯罪者のための矯正プログラムとして活用されていました。

しかし近年では、仕事や子育てなど幅広いシーンで、イライラしてしまう悩みを解決する心理トレーニングとして、注目が集まっています。

アンガーマネジメントはあくまでも「心理トレーニング」なので、怒りを抑え込むものではありません。

アンガーマネジメントは、誰にでもある「怒りの感情」をコントロールすることで、怒りと上手に付き合うことを目指しています。

 

1-2.子どものアンガーマネジメントは何歳から始めるのがいい?

子どもが感情を表すようになるのは、生後3〜4ヶ月頃です。最初は「快と不快」の感情に始まり、6ヶ月頃になると不快の感情が分化され、その一つが怒りとなると言われています。(※2)

3歳頃になると「感情」と「その原因」を結びつけられるようになり、少しずつ感情をコントロールできるようになっていきます。

しかしこの時期はまだ、行動や感情をコントロールする「前頭前野」が未発達なので、自分の欲求や意志に反したことが起こると、イヤイヤとなってしまうお子さんが多いです。

日本アンガーマネジメント協会が開催している、アンガーマネジメントキッズインストラクター養成講座をみると、子どもの対象年齢は5歳~小学校高学年に設定されています。

以上のことから、怒りの感情を理解し、コントロールできるようになる年齢は、5歳頃が一つの目安と言えるでしょう。

小学生になると、子どもだけの世界が広がります。さらにギャングエイジと呼ばれる小学校3〜4年生頃になると、親や先生の言うことを聞かなくなってきます。

なるべく早いうちから子どもにアンガーマネジメントを身につけさせることで、親子ともに安心して過ごすことができるでしょう。

 

2.子どものアンガーマネジメントの必要性

ここからは、子どもにもアンガーマネジメントが必要な理由についてお伝えします。

 

2-1.怒りの爆発を減らすため

怒りの根底には、不安・悲しみ・困惑・恐怖といった負の感情が潜んでいます。それらは「一次感情」と呼ばれ、一定のレベルに達すると、怒りという「二次感情」が発生します。

怒りを溜め込むと、いつか爆発します。アンガーマネジメントを身につけると、自分の「一次感情」に気づけるようになり、怒りが強くなる前に、適切な対処ができるようになります。

一方で、アンガーマネジメントができないとちょっとしたことで感情が爆発し、周囲に理不尽な怒りをぶつけることになります。その延長で相手の心身を傷つけてしまうこともあるかもしれません。

怒りに飲み込まれず、うまく付き合う方法を学ぶことは、子どもの自己肯定感を高め、円滑な人間関係を築くことにもつながるでしょう。

 

2-2.怒りを適切に表現するため

「怒り=よくないもの」だと思われがちですが、怒りを感じることや怒ることは決して悪いことではありません。

怒りを表現することで、自分の真剣さを相手に伝えることができますし、我慢して後悔することが減ります。

また、怒る必要があるところで怒らないでいると、ストレスが溜まり、体に悪影響を及ぼすこともあります。怒りを表さずに抱え込んでいると、いつか爆発してしまうこともあるでしょう。

怒りは無理に抑えるのではなく、相手に伝わる形で表現することが大切です。

 

3.子どものアンガーマネジメントのために、親ができるサポート

子どもがアンガーマネジメントを習得するために親ができることをお伝えします。

「根気が必要」と感じることもあるかもしれませんが、お子さんに寄り添う姿勢を大切にしてくださいね。

 

3-1.絵本の読み聞かせ

子どものアンガーマネジメントを始める上で、「怒りの感情」や「怒りの根底にある一次感情」について知ることはとても大切です。

しかし自分の感情に気づくのは、大人でも意外と難しいですよね。無自覚な感情を、子どもに説明をするのは大変なことでしょう。

そこでおすすめなのが、アンガーマネジメントについて書かれた絵本の読み聞かせをすることです。

絵本には、怒りとは何か、どうやってコントロールすればいいのかといった事柄が、子どもにわかりやすい言葉で書かれています。

ここでは、アンガーマネジメントが学べるおすすめの絵本をご紹介します。大人でも読み応えのある内容なので、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。

 

⚫︎『ムカムカ ドッカーン!』

フランスの小学校には必ず置かれていると言われるベストセラーで、日本アンガーマネジメント協会初の推薦絵本として注目の絵本です。物語を通して怒りを手放す方法が学べます。

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⚫︎『心が落ち着き、集中力がグングン高まる! 子どものためのマインドフルネス』

雲や子猫になったつもりで簡単にできるエクササイズを紹介した絵本です。親子で一緒に楽しく体を動かしながら、上手に怒りをコントロールする術を学べます。

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⚫︎『おこりたくなったらやってみて!』

多くのメディアに取り上げられ、世界75カ国で読まれているフランス発の絵本です。子どもが自分自身で感情をコントロールできるように導く絵本です。

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⚫︎『オリジナル版 カラーモンスター きもちは なにいろ?』

全世界で200万部を突破しているシリーズの1作目です。うれしい、かなしい、いかり、ふあん、おだやかの5つの気持ちをカラーモンスターは整理することができるのでしょうか。自分の感情を知り、表現ができるよう導く絵本です。

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⚫︎『かいじゅうポポリは こうやって いかりをのりきった』

「かいじゅうとドクターと取り組む」のシリーズ2作目で、怒りを爆発させずに付き合う方法をかいじゅうポポリと一緒に楽しく学べる絵本です。

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3-2.感情カードで、怒りに気づかせる

自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子どもには、「感情カード」を使ってみましょう。

感情カードとは、人間の感情をイラストや写真で表したカードを指します。ネット上にも無料でイラストをダウンロードできるサイトもありますので、あらかじめ印刷しておくと便利です。

子どもが泣いたり、癇癪を起こしたりしたら、「大丈夫だよ」となだめ、子どもの様子を見ながら「どんな気持ちなのかな?」と感情カードを見せて、選ばせます。

子どもにカードを選んでもらうことで、子ども自身が「自分の気持ち」と向き合い、気づく機会を作ることができます。

子どもがカードを選ぶことができたら「教えてくれてありがとう。さっきは怒ってたんだね。嫌な気持ちになったね」などと受け入れます。

「悲しい」「悔しい」などのマイナスの感情に気づき、それらの感情と向き合う経験を重ねることが、怒りへの対処法を学ぶための大きな一歩とつながりますよ。

 

3-3.子どもが怒っている時の接し方

怒りの感情は、いくつかの一次感情が積もって生まれることが多いです。そのため、「何に怒ったのか」「なぜ怒っているのか」を子ども自身がわからなくなっていることもあります。

子どもが怒っている最中に話しかけたり、なだめたりすると火に油を注ぐことになることがあるので、注意が必要です。

まずは子どもの安全をそばで見守りながら、落ち着くのをじっと待ちましょう。子どもが冷静に会話をできるようになったら、「何に怒っているのか」を尋ねます。

例えば、「友達にゲームでいじわるされて悲しかった」など、子どもが話し始めたら、「それは悲しかったんだね」と共感しながら耳を傾けます。

その後に、「嫌なことをされてと悲しかった、と友達にも伝えてみたらどうかな?」などと助言します。

自分の怒りを相手に伝わる形で表現する方法について、親子で一緒に考えるという姿勢を心がけるといいでしょう。

 

4.子どものアンガーマネジメントの実践方法

小学校低学年でも実践できるアンガーマネジメントをご紹介します。お子さんができそうなものから少しずつ取り組んでみましょう。

 

4-1.6秒カウントする

怒りの感情が生まれた時、一番避けたいのは「反射的に行動すること」です。

イラっとすると、つい反射的に言い返したり、乱暴な態度を取ったりしてしまうと、余計に怒りがヒートアップすることが多いです。

「怒りの感情は6秒がピーク」と言われています。6秒を過ぎても怒りは完全になくなるわけではありませんが、少し冷静になれるので、乱暴な振る舞いや言葉を防ぐことができます。

お子さんと実践する時は、「イライラした時は、指を使って6秒数えてごらん」と促すといいでしょう。

 

4-2.深呼吸する

6秒カウントがうまくできない場合は、深呼吸がおすすめです。

深呼吸は、怒りで優位になっていた交感神経を鎮め、リラックス効果の高い副交感神経を優位にします。

吸う息よりも吐く息に意識を向けるのが、心を落ち着かせるポイントです。お子さんがイライラしてきたら、「一緒に深呼吸してみよう!はい、大きく吸って、長く吐いてみよう」と声がけしてみましょう。

親自身も子どもの怒りに引っ張られることなく、冷静さを取り戻すことができますよ。

 

4-3.その場を離れる

一旦、その場から離れるというのも有効です。

タイムアウトとも言われ、イライラしたらその場所から離れ、トイレや別の部屋など一人で落ち着ける場所に移動することで、冷静さを取り戻します。

あらかじめ離れる場所を親子で話し合っておくとスムーズです。

 

5.アンガーマネジメントでスムーズなコミュニケーションを

アンガーマネジメントの手法は難しいことではありませんが、一朝一夕にして身につくものでもありません。怒りが湧いた時に実践するためには、日頃の練習も必要です。

親御さん自身もアンガーマネジメントを身につけるつもりで実践すると、子どもも前向きに取り組みやすくなります。

親子でアンガーマネジメントを取り入れることで、より円滑なコミュニケーションが取れるようになるでしょう。

 

参考文献
※1:文部科学省初等中等教育局児童生徒課,令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について,令和3年10月13日
※2:心理学用語の学習

 

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