【小2】九九が覚えられない!覚え方のコツや家庭で楽しく簡単に覚える方法を紹介
この記事を書いた人
多村美穂
- 保育士
元保育士のWEBライターです。
保育園勤務時は、主に0~2歳児を担当していました。
現在は、大きくなってきた子どもを見守りながら、育児・教育を中心に様々なジャンルの記事を執筆しています。
保育園にて勤務した経験や、自らの子育てを通して得た知識を、分かりやすくお伝えしていきたいです!
小学校2年生の2学期頃から授業で始まるかけ算の九九。
突然大量の計算式の暗記を経験することになり、子どもが算数に苦手意識をもつきっかけになることもあります。
九九を習い始めたものの、子どもがなかなか覚えられず、心配している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもが九九を覚えられない原因や九九の覚え方のコツ、家庭で楽しく簡単に覚える方法を具体的に紹介していきます。
子どもに九九をしっかりと身につけてもらいたい方は、ぜひ参考にしてください。
要点をおさえれば、九九の暗記がぐっと楽になりますよ!
目次
1.子どもが九九を覚えられない原因
子どもが九九を覚えられない原因は、主に以下の3つです。
1-1.暗記の量が多い
小学校2年生で習う九九は、全部で81通り全あります。
子どもにとってみれば、暗記量が非常に多く、おっくうに感じてしまうことがあります。
またかけ算は、仕組みを理解しないと意味の分からない数字の羅列にしか見えません。意味が分からないまま頭に入れるのは時間がかかってしまい、苦手意識を持ってしまうこともあるでしょう。
1-2.慣れない言い回しが多い
九九には「ににんがし(2×2=4)」「さぶろくじゅうはち(3×6=18)」のように、日常生活では使わない独特な言い回しが多く含まれています。
自然な会話の流れで使わない表現が多いため、子どもには耳慣れず、九九が覚えにくい原因になりがちです。
1-3.6の段以上は下の段で応用してしまう
6の段以降の九九は、下の段で出てきた式をひっくり返すことで答えが導けます。
例えば「8×3」が分からない場合も「3×8」を思い出せば同じ答えが出るため、結果として暗記が不十分になってしまうこともあるでしょう。
「ひっくり返すと同じ答えになる」というのも1つの知識であり、九九の応用ができている証拠でもあります。
しかし九九をはじめとした基礎的な計算は、しっかり暗記することで後の勉強がぐっと楽になるため、この段階で確実に覚えておくのがおすすめです。
2.九九の覚え方のコツ
九九を確実に覚えるためには、以下の3つのコツを押さえることが重要です。
2-1.かけ算を理解する
九九を覚えるには、まずかけ算の仕組みを理解することが大切です。
かけ算とは、「まとまりの数×いくつ分=全体の数」という計算です。
文章で説明しても子どもには分かりにくいので、おはじきやお菓子を使って説明するとイメージしやすいでしょう。
例えば「3×2」は、おはじき3つのグループが2つあるから合計で6個になることを、実際に手を動かして子どもに確認させてあげてみてください。
かけ算の仕組みを把握できれば、九九が単なる暗記から計算ルールに基づいた意味のある数字に変わり、効率的に覚えられるようになりますよ。
かけ算の仕組みを楽しく理解するために、『ににんがし』の絵本がおすすめです。
『ににんがし』 吉田戦車 (著, イラスト)/宮本哲也 (企画・原案)
漫画家の吉田戦車さんと『賢くなるパズル』の宮本哲也さんが手がけた絵本です。
2匹の虫たちが9階建てのマンションに住む様子を描いており、2の段の九九を自然と理解できる内容になっています。
かわいいイラストと楽しいストーリーで、かけ算の仕組みが無理なく頭に入ってくるため、数が苦手な子どもでも遊び感覚でかけ算の概念を身につけられますよ。
2-2.つまずきやすいポイントをおさえる
子どもが九九を覚える際につまずきやすい部分をあらかじめ把握し、そこを重点的にカバーしていくことも大切なポイントです。一般的に、子どもがつまずきやすい傾向があるのは、以下の2点です。
①6の段以降の九九
ベネッセ教育総合研究所のアンケートによると、子どもがつまずくのは、7の段、8の段、9の段、6の段の順に多いとされています。
2の段や5の段とは違って、規則性が分かりにくいことや、数字が大きくなっていることが原因と考えられます。 「下の段は覚えにくい」とおおらかに構え、焦らずに取り組みましょう。
例えば「7×1から7×3までを覚える、できたら7×4から7×6を覚える」など、一度に覚える量を少なくする工夫をするのもいいですね。
②暗記しにくい言い回し
子どもにとって、「はっぱ(8×8)」のように慣れない言い回しや、「ししち(4×7)」と「しちし(7×4)」のような区別しにくいものは、覚えにくく感じるようです。
本格的な暗記に入る前に、独特な言い回しに慣れておくといいでしょう。
2-3.反復継続する
ドイツの心理学者エビングハウスが発表した「忘却曲線」によると、人間の脳は完全に覚えたものであっても、復習しないと1週間後には20%程度しか残らないとされています。
九九も一度覚えただけでは頭に入りません。日々継続して反復練習することが不可欠です。
反復継続するのは子どもにとって苦しいものです。
楽しく覚える工夫をする・暗記する時間は短く済ませるなど、子どもが負担にならないようなサポートを心がけてあげてください。
3.九九を家庭で楽しく簡単に覚えるおすすめの方法
九九の暗記は地道な作業ですが、工夫次第で楽しく覚えられます。
おすすめの方法を紹介するので、子どもの興味に合わせて試してみてくださいね。
3-1.歌
九九に親しむには、歌を使って覚える方法がおすすめです。
動画サイトやCDなどで多くの九九ソングが扱われているので、子どもの興味のあるものを選びましょう。
家族で一緒に歌ったり、動画で歌を流しているうちに、楽しみながら自然に九九が頭に入っていきますよ。
実際、お兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に聞いているうちに、下の子が覚えてしまったという話もよく聞きます。
一方、歌やリズムに合わせて覚えると、とっさの計算に応用できないデメリットもあります。
歌だけで覚えようとはせず、他の方法と併用するといいでしょう。
<おすすめの歌>
■『99のうた~掛け算 九九のうた~』 山野さと子ほか
1の段から9の段まで個別に歌が用意され、メロディー入りのカラオケ曲「九九の歌」も収録されています。
楽しいメロディーに合わせて九九の歌を楽しむことで、九九を自然に覚えていきますよ。
九九だけでなく、五十音、英語、都道府県の歌も収録されており、たくさんの楽しみが詰まったCDです。
>>「99のうた~掛け算 九九のうた~」 Amazon販売ページ
■『newドラえもん九九のうた』 藤子・ F・不二雄 (原著)
ドラえもんが九九を歌にして歌ってくれるので、ドラえもんが好きな子どもにピッタリ。
オリジナルバージョン、答えなしバージョン、くつろぎ生ギターバージョンの3パターンが入っており、自分に合ったバージョンで練習できます。
特に、くつろぎ生ギターバージョンは寝る前やお風呂の時間に最適です。覚えやすいリズムで、楽しみながら九九を覚えられますよ。
3-2.音読
プリントなどで問題を解いた後や、ポスターを見ながら九九を読みあげる「音読」は定番の暗記方法です。
最初の段階では、覚えられているかどうかの確認はせず、声に出して読むだけでOK。
視覚と聴覚の両方に訴えかけることで、知らず知らずのうちに九九が脳に刷り込まれていきます。
正しい答えを覚えるだけでなく、九九特有の独特な言い回しを練習できるため、一石二鳥ですよ。
<おすすめの表>
『はっておぼえる 九九のかけ算ひょう』 昭文社 出版 編集部 (編集)
お部屋はもちろん、お風呂の壁にも貼れる大きなサイズのポスターです。
このポスターは、例えば「5×5の下に、イチゴが5個のったお皿が5枚」のように、すべての九九の下に分かりやすいイラストが添えられているため、視覚的にも九九の理解が進むでしょう。
ポスターを壁に貼っておけば、九九が目に入る機会が多くなったり、親子の会話で話題にしやすくなったりするため、九九の理解や暗記につながりますよ。
3-3.アプリ
九九を題材にしたアプリを利用するのも効果的です。
アプリはエンタメ性が高く、遊び感覚で取り組めるため、子どもも抵抗なく九九に親しめるでしょう。
実際、算数が得意ではない筆者の娘も、ゲームやアプリには喜んで取り組んでいましたよ。
ランダムに問題を出してくれるアプリも多く、一度九九を覚えた後の繰り返し学習にも最適です。
アプリを使う時は、他のゲームに夢中になりすぎないよう、使用時間を決めるといいですね。
<おすすめのアプリ>
■『九九チャレ』
さまざまな出題形式があり、1の段から順番に答えたり、計算式に空いた穴に入る数字を答えたり、文章を使った問題を解いたりと、多様な角度から九九を学べるアプリです。
学習記録をチェックできるので、学びの進捗を把握しやすいのもポイント。九九の暗記だけでなく、かけ算の理解を深めたい場合にも使えますよ。
■『たこさんすうのロックで九九』
リズムに合わせて九九を音で学べるアプリです。
シンプルな操作で使いやすく、かわいい「たこ」のキャラクターも登場するので、楽しみながら九九をマスターできます。
成績は星の数で評価されるため視覚的に分かりやすく、子どものモチベーションが高まるかもしれません。
■『九九のトライ』
ドラゴンの可愛いキャラクターが登場する九九アプリです。
のぼり、くだり、ランダムの3つのコースがあり、タップするだけで簡単に遊びをスタートできます。
スコアに応じてポイントがもらえ、一定数たまるとドラゴンがゲットできるため、何度も九九に挑戦したくなるでしょう。
3-4.ゲーム
ゲーム形式で九九を学ぶと、楽しく取り組めます。親子のふれあいの時間に、簡単なゲームを取り入れてみてはいかがでしょうか。
■九九カルタ
読み札に問題(例:3×4)、取り札に答え(12)を書き、親(読み手)が問題を読みあげて子どもが正しい答えの札を取るゲームです。
■九九ビンゴ
3×3マスのシートを使い、決めた段の答えをシートに記入します。親がランダムに式を言い、子どもはその答えに〇をつけていきます。縦・横・斜めのどれか1列が、早くそろった人が勝ちです。
■九九しりとり
前の人が言った九九の1の位の数字を使って、次の人が好きな九九を言います。
【例】3×4=12→2×8=16→6×9=54→4×7=28→8×…
1の位の数字が「0」になったら負け、同じ答えが出たら負けにするなど、子どもとルールを決めて楽しみましょう。
3-5.語呂合わせ
どうしても覚えられないものは、語呂合わせを使うのも1つの手です。
例えば「8×8=64」であれば「葉っぱに虫がいる」、「8×3=24」であれば「蜂さんが西に向かった」など、子どもにイメージしやすい語呂合わせを使ってみましょう。
語呂合わせを親子で一緒に考えれば印象に残りやすいため、暗記しやすくなるメリットもありますよ。
4.子どもが九九を覚えるために親が心がけたいこと
ここからは、子どもが九九を覚える際に、親が心がけておきたいことを紹介します。
4-1.親が焦らない
子どもがなかなか九九を覚えない場合でも、親は焦らないでください。
親が焦ってしまうと、子どもに過剰なプレッシャーがかかり、かえって九九を嫌いになってしまう可能性があります。
九九を覚える速さには個人差があります。また、九九は一朝一夕で覚えられるものでもありません。
「できるまで時間がかかるのは当たり前」とおおらかに構え、子どものペースに合わせてサポートすることが大切です。
4-2.日常生活で九九を使う
九九を暗記させるだけでなく、日常生活で活用する機会を意識的に作ってみてください。
普段の生活で実際に九九を使うことで、子どもは九九が単なる数字の暗記ではなく、日常で役立つ知識であると理解できますよ。
例えば、お買い物をする際に「4個入りのソーセージを2袋買ったら全部で何本になるかな?」などと子どもに聞いてみるといいでしょう。
子どもは九九を身近に感じ、苦手意識が和らぐはずです。
4-3.ささいなことでも褒める
子どもが新しい段を覚えたときや、間違いやすい問題を正解できたときなど、少しでも進歩があれば、ささいなことでも褒めてあげましょう。
積極的に褒めることには、子どもの自信を育み、学習意欲を高める効果があります。
「すごいね!」「よく頑張ったね!」といった言葉をかけることで、子どもは達成感を感じ、さらに学びを続けるモチベーションになりますよ。
5.親子で楽しみながら九九を覚えよう
九九の暗記は地道な作業ですが、家族で一緒に工夫しながら取り組めば、決して苦痛なだけのものにはならないはずです。
九九は算数の基礎です。楽しみながら九九を覚え、算数の土台となる力を確実に身につけていきましょう。
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