子どもの指先トレーニングになる遊び・習い事4選!実践例も紹介
この記事を書いた人
佐藤
- 社会福祉士
- 幼稚園教諭
- 保育士
保育・福祉関係の大学卒業後認定こども園に勤務。
多様な教育を学ぶため、シュタイナー園で働いた経験もあります。
現在は妊活をしながらフリーライターをしています。
好きなことはギターと絵を描くこと。自分の経験を生かした発信に挑戦中です。
「手先が器用な子どもに育てたいけれど、どうしたらいいかわからない」「家でも簡単にできる指先トレーニングが知りたい」、そんなお悩みはありませんか?
この記事では3、4、5歳のお子さまの指先の発達、指先トレーニングになる遊びや習い事を紹介します。
お子さまが遊びを楽しみつつ指先を器用にできたら素敵ですよね。3、4、5歳の担任をしたことがある保育士の筆者が、経験に基づいてお伝えしていきます。
お家でも気軽に取り組める指先トレーニングを集めたので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.3歳から5歳までの指先はどう発達していくの?
3、4、5歳は年齢が上がるごとに少しずつ指先の細かな動きができるようになります。
ここでは各年齢の指先の発達についてお伝えしていきますね。
1-1.【3歳】指先の発達状態
指先を細かく動かして道具が使えるようになります。はさみの持ち方を少しずつ覚え、紙を切るのが楽しくなる時期です。
またお絵描きでは丸や四角などの図形が描けるようになります。
1-2.【4歳】指先の発達状態
指先を細かく動かすことに慣れ、スムーズに活動ができるようになります。はさみの連続切りが滑らかにでき、製作の幅が広がりますよ。
生活面ではボタンの掛け外しがさっと自分でできるようになります。
1-3.【5歳】指先の発達状態
様々な道具の扱いに慣れ、正しく持って使えるようになる時期です。鉛筆を正しく持ち、お絵描きでは小さなものを描いたり、細かく描きこむことができるようになりますよ。
生活面ではお箸の持ち方が安定してきます。丸いものやつるつるしたものなどお箸で持ちにくい食材も少しずつ持てるようになります。
3、4、5歳はそれぞれの発達段階を経て、徐々に指先が器用になっていきます。
続いて、各年齢の指先の発達を抑えた上で指先が器用になるメリットを見ていきましょう。
2.指先が器用なことのメリットって何?
「指先は器用な方がいい」と聞くけれど、具体的に何がいいのかよくわからない方もいますよね。
指先が器用なことのメリットは3つ挙げられます。
指先が器用なことのメリット3つ
- 脳の動きを活性化させる
- 集中力の向上が期待できる
- 自信につながる
ここから1つずつ詳しくお伝えしていきますね。
2-1.脳の動きを活性化させる
指の動きと脳には関連があり、指先を使うと脳が刺激されると考えられています。刺激をたくさん受ければ、脳の動きが活性化するといわれています。
特に乳幼児期は脳の発達が著しい傾向にあります。大きく成長する乳幼児期に脳を活性化させることで、お子さまの将来の可能性を広げ、学力向上が期待できるでしょう。
2-2.集中力の向上が期待できる
指先を使った遊びには集中力が必要です。細かな動作が必要な遊びの時に、お子さまが静かに集中して取り組んでいる姿を見たことがある方もいますよね。
いつもは大きな声を出している子どもが何もしゃべらずに黙々と活動しているという場面を保育園でも見たことがあります。
繰り返し指先を使った遊びに取り組むことで集中力が向上したり、集中できる時間が伸びたりすることが期待できますよ。
2-3.自信につながる
指先が器用になるとできることが増える傾向があります。活動にスムーズに取り組めるのでできなくて困ることが少なくなり、自分でできた喜びを感じる子どもも多いですよ。
できた喜びや達成感を得る機会を重ねることで、自信に繋がりやすくなります。
指先が器用になると、脳はもちろん精神面にも良い影響がある可能性があります。お家でも気軽に取り組める指先トレーニングがあるので、紹介していきますね。
3.子どもの指先トレーニングになる遊び・習い事4選
子どもの指先トレーニングになるおすすめの遊び・習い事4選を紹介します。
子どもの指先トレーニングになる遊び・習い事4選
- 塗り絵
- ブロック
- 粘土
- ピアノ
4つとも保育園で実際に行っていたり、見聞きしたことのある活動です。メリットや実際にやってみた体験談も合わせてお伝えしていくので、お家遊びの参考にしてくださいね。
3-1.塗り絵
子どもにとって身近なお絵描き遊びである塗り絵は指先トレーニングに役立ちます。子どもの好きな塗り絵を用意することで、楽しみながら取り組めますよ。
塗り絵の種類を豊富に用意しておくと、子どもが飽きずに継続して行えるのでおすすめです。
・どんなメリットがあるか
線に沿ってはみ出さないように塗るには指先の細かな動きが必要です。繰り返し塗り絵に取り組むことで指先を意識して動かせるようになりますよ。
・実際にやってみた体験談
最初は線が少なく大きな塗り絵から始めました。はじめは線からはみ出して塗っていた子どもも回数を重ねることで線を意識して塗るようになり、はみ出さずに塗れるようになっていきましたよ。
指先を意識して動かすことで、生活場面でもボタンはめなどの細かな動きが滑らかになる子どももいました。
子どもの様子を見ながら線の多い塗り絵や小さな塗り絵などを準備することで、年齢が上がっても継続的に活動に取り組めましたよ。
3-2.ブロック
組み立てに指先を使うブロックも立派な指先トレーニングになります。大小様々なブロックがあるので、子どもの発達に合わせて難易度を変えられますよ。
最初は一緒にやりながら、徐々に子どもに任せていくと主体的に遊ぶようになるのでおすすめです。
・どんなメリットがあるか
ブロックの付け外しを通して指先の力加減や動かし方を学べます。ブロックの組み立てにおいて付け外しは必須です。
回数を重ねことで次第に慣れ、指先の動きの調整ができるようになりますよ。
・実際にやってみた体験談
子どもたちに人気な遊びの1つで、毎日喜んで遊んでいました。ブロックに慣れないうちは一緒に行って保育士がお手本を見せ、やり方を伝えていましたよ。
「どう重ねたらくっつくのか」「どのくらいの力の強さだと壊れないのか」など、試行錯誤しながら作りたいものを作る姿が印象的でした。
自分でできたときは大喜びで達成感に溢れていましたよ。ブロックの扱いに慣れたり、指先が器用になってきたりしたら小さなブロックも用意して難易度を上げました。
子どもたちは自分が想像したものを作る喜びを味わいながら、指先の動かし方を学んでいました。
3-3.粘土
粘土は手をたくさん使う遊びなので、指先トレーニングになります。指先を使って好きな物を作りながら、色んな手の動きを経験することができますよ。
子どもが遊びやすいように粘土道具を準備しておくと興味を持って遊び始めます。汚れが気になる方は事前に机の上に大きめのシートを敷いておくと掃除が簡単なのでおすすめです。
・どんなメリットがあるか
こねる、伸ばす、丸めるなどの多様な手の動きを通して、手や指先を刺激します。低年齢からできるので、早い時期から取り組めます。粘土が手の動きによって形を変える様子を楽しみながらできますよ。
・実際にやってみた体験談
園では2歳のころから粘土遊びを始めていました。手のひらで転がして蛇を作ったり、くるくる丸めて渦巻きを作ったりと子どもたちは形の変化を楽しんでいましたよ。力加減も重要で、作ったものが崩れないようパーツを足したり、形を変えたりしていました。
またカラフルでいいにおいがする「みつろう粘土」を使ったこともあります。子どもの想像力をかき立てながら、指先を刺激できる遊びです。
3-4.ピアノ
子どもの習い事として人気のピアノは指先を鍛えられる活動の1つです。意識して指を動かすことで色々な指の動きができるようになりますよ。
継続して取り組むとより指が動かしやすくなるので、無理のない程度で毎日ピアノを弾くとよいでしょう。
ただし「やらなきゃ!」と義務的になってしまうとお子さんもお家の方も苦しくなってしまうので、あくまで楽しむことを大切にしながら取り組めるといいですね。
・どんなメリットがあるか
指先を意識し、細かな動きも少しずつできるようになります。ピアノではとにかく指を動かすので、脳が刺激され、活性化されることにも繋がりやすいです。
・筆者の体験談と見聞きした子どもの様子
筆者は3歳の頃からピアノを習っていました。指をバラバラに動かしたり、鍵盤を押す力加減を学んだりしていましたよ。
幼い頃指先が動かないことで困ることは少なく、大きくなってから好きになった手芸も得意になりました。
園ではピアノを習っている子どもが多く、習っている子どもは製作遊びが好き、もしくは得意な傾向がありました。ピアノで指先をよく使うことで、細かな動きもスムーズに行っていましたよ。
4.指先を使った遊びで子どもの力を伸ばそう!
指先が器用だとメリットがあり、お子さまの将来の可能性を広げられる可能性があります。
今回ご紹介した指先トレーニングはお家でも気軽に取り組めるのでおすすめですよ。遊びを通して楽しみながらお子さまの器用さを高めましょう!
主な参考文献
・酒井 幸子, 中野 圭子, 吉賀 紀久美「発達の気になる子へのケース別生活動作・運動・学習サポート実例集」
関連トピックをご紹介!
・ボタンの練習は何歳から?練習方法や知育効果、おすすめのおもちゃを紹介
・手芸で子どもの脳を活性化!おうちで簡単にできるフェルト手芸の作り方も紹介
・(年少)3歳児初めての「簡単折り紙」子どもに合わせたレベル別5選!