【3歳・4歳】読み聞かせを聞かない子におすすめの絵本と読み聞かせのコツ
この記事を書いた人
なな
- 高等学校教諭
- 保育士
早稲田大学在学中に放課後等デイサービスでアルバイトとして勤務。
一般企業に就職後、子どもの人生に関わる仕事がしたいと思い、保育園で働きながら保育士資格を取得しました。
現在は保育士として勤務しています。
「子どもと一緒に楽しむ」ことを大切に、子どもと接しています!
「絵本の読み聞かせを集中して聞いてくれない」
「絵本に興味を持ってくれない」
そんなお悩みを抱えていませんか?
この記事では、子どもが絵本を集中して聞かない理由や読み聞かせのコツ、おすすめの絵本について、現役保育士である筆者がご紹介します。
絵本の読み聞かせは、子どもの思考力や想像力を育む効果があると言われています。ぜひお子さんに合った絵本の楽しみ方を見つけてくださいね。
目次
1.子どもが読み聞かせを聞いてくれない理由
子どもが読み聞かせを聞いてくれない理由はいくつかあります。まずは、その理由を4つに分けてご紹介します。
1-1.自分でページをめくりたい
絵本の読み聞かせをしている途中に、お子さんが早くページをめくってしまうことはありませんか。
しっかりお話を聞かせてあげたいのに、お子さんが次から次へとページをめくってしまうと、絵本が嫌いなのかな?と不安になってしまいますよね。
このようなお子さんはページをめくることによって、指や腕の動きや絵の変化を楽しんでいます。何度か読んだことのある絵本であれば、早くお気に入りのページを開きたいという気持ちもあるのかもしれません。
「集中して聞いてほしい」と思う保護者の方もいるかもしれませんが、子どもなりに絵本を楽しんでいるので、無理に動きを止める必要はないでしょう。
お話をきちんと理解させることよりも、お子さんの興味に寄り添った関わりを意識してくださいね。
【おすすめの絵本】
絵本をすぐにめくりたがるお子さんには、しかけ絵本がおすすめです。
しかけ絵本は、ページの中にめくれる部分や引っ張ったりする部分があり、絵の変化を楽しみたいお子さんや手を動かしながら絵本を見たいお子さんにおすすめです。
特に『まどあけずかんシリーズ』は、保育園でも人気のシリーズです。乗り物や食べ物などたくさんの種類があり、英語も書かれているので、長く楽しむことができますよ。
1-2.気づいたことを伝えたい
絵本を読んでいる最中に、「見て!⚪︎⚪︎がいる!」と話しかけられて戸惑ったことはありませんか。「これ何?」「なんで⚪︎⚪︎なの?」など質問を繰り返し、なかなかお話が進まないこともあるかもしれません。
このタイプのお子さんは、絵を見て気づいたことを伝えたいという気持ちがあります。お子さんなりにママやパパと一緒に絵本を楽しもうとしているのです。
「最後までお話を聞いてね」「質問は読み終わってからね」と、子どもの話を遮らなくても大丈夫です。お子さんが興味を持ったことに注目して、一緒に会話を楽しむのもおすすめですよ。
【おすすめの絵本】
絵本を読んでいる途中におしゃべりをするお子さんには、字の少ない絵本がおすすめです。
「物語を進めなくてはならない」と焦りがちな保護者の方も、字の少ない絵本は気楽な気持ちでお子さんとの会話を楽しみやすいです。
特に『ぜったいにおしちゃダメ?』や『ぐるぐるえほんシリーズ』は、手を動かしながら楽しむことができるので、絵本を静かに聞くことが苦手なお子さんにもおすすめです。
『ミッケ』などの間違い探しを一緒に見て、気づいたことや発見したものを伝え合うのも楽しいですよ。
1-3.絵本の内容に興味が持てない
まだ面白いと思える絵本に出会っておらず、絵本の楽しさに気づいていない場合もあります。
本屋さんや図書館へ行き、お子さんと一緒に本を選んでみると、お気に入りの1冊が見つかるかもしれません。
お子さんが自分で選んだ絵本はどんなものであっても否定せず、「楽しそうなお話を見つけたね!」「きれいな表紙の絵本だね」など、お子さんの選択を認める声がけを心がけます。
また、本屋さんで絵本を買う時は、お子さんにお金を渡して、お買い物の経験をさせると、本への愛着も増しますよ。
【おすすめの絵本】
絵本に興味を持てないお子さんには、図鑑がおすすめです。
恐竜や電車、動物などのお子さんの好きなものの図鑑は興味を持ちやすく、写真や絵も多いので、お子さんにとってのハードルも低いことが多いです。
保育園では、公園や園庭で見つけた昆虫の種類を図鑑で探している姿もよく見かけます。図鑑はたくさん種類があるので、お子さんの好きなものから試してみてくださいね。
1-4.話が長すぎて飽きてしまう
話が長すぎると、集中が続かず、飽きてしまうことも多いです。まずは薄くて字の少ない絵本から始めて、発達に合わせて文量も調整しましょう。
1冊の本を読み始めたら最後まで読み切りたくなりますが、お子さんの様子を見ながら別の絵本に変えたり、内容を割愛したりしても大丈夫です。
絵本の読み聞かせが、お子さんにとっても保護者の方にとっても苦痛にならないことが大事です。
【おすすめの絵本】
お子さんが集中できる長さの絵本を選びましょう。絵本に書いてある月齢はあくまでも参考なので、気にしすぎることはありません。
無理して長めの絵本を読んで本が嫌いになるより、「楽しかった」「もっと読みたい」と思える絵本を選んでみてください。
2.読み聞かせを始める前のコツ
絵本の読み聞かせを始める前に、読み聞かせが始まることを知らせて、話を聞く姿勢や読み聞かせを楽しむ雰囲気をつくることも大事です。ここからは、保育士である筆者が保育園で行っている工夫をお伝えします。
2-1.手遊びで楽しい雰囲気を作る
絵本を読む前に手遊びをするようにしています。これから楽しいことが始まるということを伝え、絵本に注目してもらうためです。園では、「はじまるよ」や「1と1を合わせたら」などの手遊びが人気です。
絵本に関連した質問を子どもに投げかけるのもおすすめです。
例えば、ゾウの絵本を読むなら「クイズだよ!お鼻が長くて、大きな動物はなんだ?」と聞いて、子どもが「ぞうさん!」と答えたら、「そうだね。今日はぞうさんが出てくるお話を読むよ!」と伝えてから読み始めます。
ちょっとしたことですが、いきなり読み始めるよりも、子どもの興味を絵本に惹きつけてから読むことで、集中して聞いてもらいやすくなりますよ。
2-2.集中しやすい場所で読む
おもちゃの近くや人の動きがある場所など、気が散ってしまいそうな場所は避けます。ポスターなどが貼っていないシンプルな壁の前で、子どもが絵本に集中しやすい場所がおすすめです。
テレビは消して、スマホやタブレットは子どもの目に入らないところに片付けましょう。子どもが落ち着いてお話を聞けるように、静かな部屋を整えます。
保護者の方の膝の上にお子さんを座らせて読み聞かせをすると、子どもにとって安心感があり、親子の信頼関係も築くことができますよ。
3.子どもが集中して聞ける、読み聞かせのコツ
読み聞かせをする時に心がけたいポイントをお伝えします。お子さんの様子を見ながら、一緒に読み聞かせを楽しんでくださいね。
3-1.無理に物語を進めようとしない
お子さんが絵に注目していたり、ひらがなを読もうとしたりしている時には、無理に物語を進める必要はありません。
大人のペースではなく、子どものペースに合わせるように心がけましょう。「ページは自分でめくってね」など声をかけておくと、子どものペースに合わせやすいですよ。
3-2.聞き取りやすいスピード
子どもの様子を見ながら、読むスピードを調整するのも大切です。
園では、お子さんが眠そうな時にはゆっくりと、先が気になっている時には少しスピードアップして読み進めるようにしています。
抑揚をつけすぎると、聞き取りづらかったり、子どもの想像力を邪魔してしまったりすることもあるので、注意が必要です。
3-3.無理に感想を聞かない
絵本を読み終えた後は、「面白かった?」「どう思った?」などの質問は避けたほうがいいでしょう。
映画やスポーツなどをみて感動に浸っている時に、「どうだった?」「感動した?」などと聞かれると、興醒めしてしまうことはありませんか。
その感覚は、子どもも同じです。絵本の余韻にたっぷりと浸ってもらえるように、読んだ後は「おしまい!」だけでいいのです。
また、しつこく感想を聞いたり、絵本の内容を理解しているかをチェックする質問を投げかけたりすると、子どもはプレッシャーを感じて、読み聞かせそのものが苦手になってしまう場合もあります。
語彙の少ない子どもにとって、絵本の感想を伝えることは、大人が思う以上に難しいことです。何か反応がほしい場合は、読み終えた後に「拍手!」と言って、一緒に拍手するのがおすすめです。
もちろん、お子さんの方から感想をお話してくれる時には、共感したり、保護者の方の感想を伝えたりしながら会話を楽しんでくださいね。
4.読み聞かせだけじゃない!絵本の楽しみ方
ここまで読み聞かせのコツをご紹介しましたが、絵本を楽しむ方法は読み聞かせだけではありません。絵本は自由に楽しむことができます。最後に、絵本を親子で読み聞かせ以外の楽しみ方をお伝えします。
4-1.気づいたことを伝え合う
「背景の○○が変わった」など、子どもは大人が気づいていないポイントに注目していることがあります。絵本を眺めながら気づいたことを伝え合うだけでも、楽しい時間を過ごせますよ。
例えば、『バムとケロ』シリーズなどは別の作品で登場したキャラクターが背景で再登場しているなど、読むたびに小さな発見があり、物語を読まなくても楽しめます。
登場人物の髪型や洋服に注目したり、お気に入りのページを尋ねたりしてみましょう。絵本のクイズを出し合ったり、シリーズ絵本の表紙を比べてみたりするのもおすすめですよ。
4-2.挿絵に注目する
絵本をカラー印刷してハサミで切ったり、登場するキャラクターの絵を描いたりするのも楽しいです。子どもの自由な発想を大切にしましょう。
ひらがなを真似したり、動物にお洋服の絵を描いたり、お子さんの個性が出て新しい楽しみ方が見つかりますよ。
【塗り絵】
⚫︎準備物:
色鉛筆(クレヨンでも可)、お気に入りの絵本
⚫︎やり方:
1.お気に入りのページを印刷します。少し薄めに印刷すると、より絵が描きやすいです。
2.色鉛筆で上からなぞったり、余白に絵を描いたりします。
※出版社の公式サイトで塗り絵をダウンロードすることもできます。ぜひお子さんのお気に入りの絵本で検索してみてくださいね。
【切り絵】
⚫︎準備物:
紙、ハサミ、のり、色鉛筆(クレヨンでも可)、お気に入りの絵本
⚫︎やり方:
1.お気に入りのページを印刷します。
2.キャラクターや背景をハサミで切ります。
3.別の紙にのりで貼ります。
4.背景などを描きます。例えば、登場人物に帽子をかぶせる、キャラクター名を描く、などがおすすめです。お子さんの自由な発想で一緒に楽しんでみてください。
4-3.絵本を作る
絵を描くのが好きなお子さんの場合は、絵本を自分で作ってみるのもおすすめです。例えば、知っている生き物を描いて、生き物図鑑のようにしても楽しいですよ。描くことが思いつかない場合は、持っている絵本や図鑑を見ながら描いてみてくださいね。
【絵本を作る】
⚫︎準備物:
紙(数枚)、色鉛筆(クレヨンでも可)、セロハンテープ
⚫︎やり方:
1.数枚の紙に、好きなものを描く。
2.セロハンテープで数枚をとめる。
3.表紙を描く。
5.お子さんに合った絵本や楽しみ方を見つけよう
子どもが絵本の読み聞かせを聞いてくれないとお悩みの保護者の方に向けて、おすすめの絵本や読み聞かせのコツをご紹介しました。
絵本は、どこでも手軽に楽しむことができ、子どもの想像力を広げてくれます。たとえお子さんが集中して聞いてくれなくても、1日1回は絵本に触れる時間を持つことをおすすめします。
絵本の内容をきちんと理解させることや、最後までお話を読むことにこだわらなくて大丈夫です。
読み聞かせの主役は「お子さん」であることを忘れずに、子どもの興味に寄り添いながら、お子さんにピッタリの絵本や楽しみ方を見つけてくださいね。
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