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児童書はいつから読める?絵本からの移行のコツとおすすめの児童文学

この記事を書いた人

よつば よつば

よつば

  • 幼稚園教諭
  • 小学校教諭
  • 保育士

幼稚園で2年、保育所で3年の勤務経験があります。

現在は小学2年生の息子と4歳(年少)の娘の子育てをしながら、記事執筆をしています。

毎晩寝る前に子ども達に絵本を読み聞かせるのが日課です。

「絵本の読み聞かせをしてきたけれど、そろそろ児童書を読んだ方がいい?」

「絵本から児童書に移行するタイミングや方法がわからない」

「はじめて読む児童文学はどんなものがいい?」

そんなお悩みや疑問はありませんか?

この記事では、絵本から児童書に移行するタイミングや、絵本から児童書に移行する際のコツについて詳しく解説します。

さらに、毎晩子どもに読み聞かせをしている筆者が、実際に子どもに読み聞かせた児童書の中から、はじめて読むのにおすすめの本を紹介します。ぜひ、お子さまにピッタリの児童書探しの参考にしてください。

目次

1.絵本と児童書(児童文学)の違いとは?

重なった絵本

子どもに読む本を絵本から児童書へ移行したいと考える際、「絵本と児童書って何が違うの?」「児童書への移行のタイミングっていつ?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで、絵本と児童書(児童文学)の違いや、絵本から児童書への移行のタイミングについて詳しく説明します。

 

1-1.絵本は絵がメイン、児童書は文字がメインの物語

絵本と児童書は明確に違いの定義があるわけではありませんが、大きく分けると以下のような分類ができます。

  • 絵本:絵が物語の中心として構成され、絵が欠けると物語が不完全になる。
  • 児童書(児童文学):文章が物語の中心で、絵は物語の補助的な役割で使用される。

絵本は絵を見るだけでもどんなお話か分かるようになっているので、字が読めないお子さんでも目で見て楽しめます。

一方で、児童書はほとんどが文章で構成されており、絵は挿絵として挿入されているため、文章の内容を理解して、お話のイメージを頭の中で膨らませることが必要となります。

 

1-2.絵本から児童書に移行するタイミングは?

絵本から児童書への移行のタイミングは、明確な年齢や時期が決まっているわけではありません。お子さんの様子を注意深く観察し、少しずつ児童書への移行を検討するのが望ましいです。

以下に、児童書への移行が適切と判断されるポイントをご紹介します。

  • 絵本や読み聞かせが大好き
  • 長い絵本の読み聞かせを最後まで興味を持って聞いている

絵本から児童書への移行のタイミングで最も重要なのは、子ども自身が絵本や読み聞かせを楽しんでいることです。

子どもが絵本に興味を持っている場合、児童書への移行もスムーズに進むでしょう。これにより、子どもはさまざまな種類の本に出会う機会が増えます。

また、長い絵本の読み聞かせを飽きることなく聞ける場合、本を読むための集中力や読解能力が向上していることを示しています。よって、児童書への移行が適している時期であると判断できます。

絵本から児童書への移行は、子どもの個性や興味を尊重しながら進めていきましょう。

 

2.絵本から児童書への移行のコツ

絵本を読む子ども

続いて、絵本から児童書へ移行する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。お子さんの様子を見ながら、少しずつ児童書の面白さを伝えていきましょう。

 

2-1.児童書の読み聞かせをする

児童書への移行時には、絵本と同様に大人が児童書を読み聞かせることが重要です。

児童書に進むからといって、すぐに一人で読むように求めると、子どもは戸惑ってしまうことがあります。なぜなら、一人で本を読みなれていない場合、文字を読むことに集中するため、お話の内容が入りにくくなる可能性があるためです。

そのため、まずは児童書も読み聞かせを通じて本の内容を理解しやすくし、児童書に親しむ環境を整えることが大切です。

筆者は毎晩、寝る前に読み聞かせの時間を設けて、ベッドの中で児童書を読み聞かせています。寝る前の時間は気が散ることが少ないため、児童書の読み聞かせには最適な時間です。

これにより、子どもは児童書の世界に没頭しやすくなり、読書習慣を育むことにもつながるでしょう。

 

2-2.児童書の中でも短い話から始める

児童書を読み始める場合、特に初めての場合は、児童書の中でも短い話から読み始めるのが良いでしょう。

児童書には文章の量が多く長い物語から、文章が少ない短編までさまざまな種類があります。いきなり文章量が多い物語から読むと、子どもがお話に集中しづらく、物語の内容を理解しにくくなる可能性があります。

そのため、児童書を読み始める際は、文章量が少ない物語や、短編のお話が含まれている短編集などが適しています。

一回の読み聞かせでお話が完結することで、内容がわかりやすく、子どもが物語に没頭しやすくなります。

 

2-3.身近に本を置いておく

子どもが児童書に慣れ、親しみを持つために、子どもの興味に合った児童書をいつでも手の届く場所に置いておくことが大切です。常に本が身近にある環境を整えることで、子どもは本に親しむ機会が増え、児童書に興味を持つようになるでしょう。

本を手に取り、少しずつでも自分で読む練習をしていくと、子どもは一人でも本を楽しめるようにもなっていきます。

また、興味を持った児童書を子どもが「読んで」と持ってきた場合は、読み聞かせてあげましょう。一人で読めるようになっても、親が読み聞かせを続けることは大切です。

親子で本を共有し、一緒に本に親しむ時間を楽しむことが子どもの読書習慣を育むうえで重要です。

 

3.はじめての児童書におすすめの本5選

たくさんの絵本

ここでは、はじめて読む児童書としておすすめの本を紹介します。簡単なあらすじと、はじめての人におすすめの理由もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください!

 

3-1.いやいやえん

いやいやえん

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あらすじ

主人公は元気だけどわがままできかんぼうの保育園児・しげる。

しげるが「いやだ、いやだ」と駄々をこねるので「いやいやえん」に連れていかれるお話をはじめ、保育園に赤バケツを持ったこぐまがやってくるお話など、しげるの周りで起こる楽しい7つのお話が収録されています。

はじめての人におすすめする理由

一つひとつのお話が短めで、一度の読み聞かせで読んでしまえる量なので、はじめての児童書にピッタリです。

主人公であるしげるの保育園での様子はとてもリアルで、子どもが共感できる場面がたくさんあります。実際に筆者が我が子に読み聞かせたときは、しげるの友だちになったような気分で楽しんだり感情移入しながら聞いていました。

保育園や幼稚園に通っているお子さんに特におすすめしたい一冊です。

 

3-2.もりのへなそうる

もりのへなそうる

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あらすじ

てつたくん、みつやくんの兄弟が森に探検に出かけると、大きな赤と黄色の縞模様の卵を見つけました。それは、食いしん坊で臆病、でもとても優しい怪獣「へなそうる」の卵でした。ふたりはへなそうると一緒に森で遊び始めます……。

はじめての人におすすめする理由

なんといってもこの変な怪獣「へなそうる」のキャラクターがユーモラスで引き込まれます。

筆者も我が子に読み聞かせたときは、「へなそうる」の言い間違いや行動が面白かったようで、笑ったり、言葉を真似したりして楽しんでいました。挿絵も豊富なので、児童書がはじめてでもお話のイメージが湧きやすくなっています。

 

3-3.エルマーのぼうけん

エルマーのぼうけん

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あらすじ

年取ったねこから、どうぶつ島にとらわれているりゅうの子どもの話を聞いたエルマーは、りゅうの子どもを助けるために冒険の旅に出発します。どうぶつ島では恐ろしい動物たちに遭遇しますが、エルマーは知恵と勇気でピンチをくぐり抜けていきます。

エルマーは無事にりゅうの子どもを助けられるのでしょうか?

はじめての人におすすめする理由

この物語は、次から次へとエルマーにピンチが訪れる展開が続きますが、エルマーがリュックに詰めた道具と知恵を活用してそれらの困難を乗り越えていく様子が、読者をワクワクさせます。

筆者の家では、毎晩一つの章を読み聞かせていました。各章の終わりでは続きが気になるように組まれており、子どもたちも「えー!どうなるのー?」と続きが待ち遠しい様子でした。

この冒険の物語は、子どもがお話に没頭しやすく、親子で一緒に楽しんで読めます。このお話が気に入ったら続編の「エルマーとりゅう」「エルマーと16ぴきのりゅう」も読んでみてくださいね。

 

3-4.はじめてのキャンプ

はじめてのキャンプ

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あらすじ

なほちゃんがお隣のともこおばさんのお家に遊びに行くと、大きい子たちがキャンプの準備をしていました。なほちゃんは大きい子に混ざってキャンプに行きたいと言いますが、大きい子たちは口々に「小さい子はダメ!」と言います。

なほちゃんは大きい子に負けまいと一生懸命がんばります。さて、なほちゃんのはじめてのキャンプはどうなるのでしょうか?

はじめての人におすすめする理由

少し長いお話ですが、全部のページに絵があるので絵本から児童書への移行期にピッタリです。大きい子に負けまいとがんばるなほちゃんに、子ども達は共感できるのではないでしょうか。

筆者の子どももなほちゃんの気持ちがとても良くわかったようで、集中してお話に入り込んでいました。読み聞かせにも一人読みにもおすすめできる一冊です。

 

3-5.かいけつゾロリシリーズ

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あらすじ

キツネの「ゾロリ」と、イノシシの「イシシ」と「ノシシ」はいたずらの王者を目指して修行の旅をしています。悪だくみをして、いたずらを仕掛けますがいつも失敗。それでもあきらめずに目標に向かって前向きに進んでいくゾロリたちの大冒険の物語です。

はじめての人におすすめする理由

「かいけつゾロリ」シリーズは、子どもを飽きさせない工夫とユーモアがたっぷり盛り込まれており、児童書を読み始めるお子さんにぴったりです。ページには細かいセリフがたくさんあり、読み聞かせが少し大変かもしれませんが、ぜひお子さんと一緒に楽しんで読んでみてください。

この本には楽しい仕掛けもたくさんあり、絵を見るだけでも楽しむことができるので、一人読みにも向いています。

 

4.親子で楽しく児童書に親しもう

絵本を読む親子

絵本の読み聞かせが大好きな子には、ぜひ児童書も選んでみてください。絵本から児童書に移行したからと言って、すぐに読み聞かせをやめて一人で読むようにする必要はありません。

まずは、児童書も大人が読み聞かせることで、子どもは児童書の面白さを味わい、読書が好きになっていくでしょう。ぜひ大人の方もお子さんと一緒に児童書を楽しんで読んでみてくださいね。

 

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主な参考文献
・米川 泉子,絵本と児童文学のはざまにある幼年童話を考える,聖霊女子短期大学紀要第41号,2013

 

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