(年少)3歳児初めての「簡単折り紙」子どもに合わせたレベル別5選!
この記事を書いた人
みるみる
- 幼稚園教諭
- 小学校教諭
- 保育士
保育士・幼稚園教諭免許一種・小学校教員免許一種所持。
現在は三児の母として奮闘中です!
外で元気いっぱい身体を動かして遊ぶのはとても大切な事ですが、おうち遊びも工夫次第でさまざまな発見や経験のできる充実した活動になります。
3歳くらいになると、手の動きが器用になります。この時期になると、指を使った遊びが楽しくなり、自分の想像したものが形になることで喜びを感じるようになります。
そんなお子さんにおすすめしたいのが、おうち遊びの定番「折り紙あそび」です。
この記事では、
・知育の宝庫ともいわれる、豊富な折り紙あそびのメリット
・筆者が保育士経験から得た折り紙を教えるときの3つのポイント
・初めての折り紙あそびにおすすめのレベル別「簡単折り紙あそび」5選
についてご紹介します。
目次
1.折り紙あそびの効果・メリット
まずは3歳児の発達を踏まえながら、折り紙あそびの効果やメリットをみていきましょう。
1-1.集中力・忍耐力を伸ばす
3歳くらいになると大人の言うことを少しずつ理解できるようになります。
また、イヤイヤ期を得て社会性が芽生え始めるこの時期は、決まり事なども少しずつ守れるようになり、赤ちゃんだと思っていた子どもでもいっきに成長したような一面も見せてくれますよね。
一般的に子どもの集中力は「年齢+1分」を目安にすると良いと言われています。つまり3歳児であれば、「3(歳)+1分」で4分ということになります。
しかし、集中力は経験を積み重ねることでも育むことが出来るものであり、個人差も大きい力と言えます。その経験のひとつとして折り紙あそびは大きな効果を発揮します。
「椅子に座って、角と角を合わせて折る」この動作だけでも子どもにとっては高い集中力を必要とします。折り紙あそびに興味関心が出てきたお子さんだと黙々と作業に取り組んでいる姿も見られるでしょう。
角と角が合っていなくても、こちらが言ったこととは違う遊び方をしていても、黙々と取り組んでいたら何も言わずそっと見守ってあげましょう。
こういった経験の繰り返しが集中力・忍耐力を伸ばすことに繋がっていきますよ。
1-2.空間認知能力を伸ばす
「空間認知能力」とは、物体の位置や方向、大きさなどの位置関係を素早く正しく察知する能力です。
この能力が高いと地図を正しく読めたり、スポーツ全般の能力の伸びが良くなったり、また、大きなけがをしにくくもなったりします。
この空間認知能力は、一般的に3~5歳の間にめざましく成長し、その時期から刺激を与えると効果的であると言われています。
また、成果が出始めるのも5歳(年長さん)頃からだとも言われています。
折り紙あそびは、平面の正方形から色々な形、立体物まで作り出すことができるので、空間認知能力を養うことが出来ます。
1-3.巧緻性を高める
巧緻性(こうちせい)とは体や指先を器用に動かす力のことを指します。
角と角を合わせてきれいに折ることや割り線をつけて折ることは細かい作業が必要となるため、手先のトレーニングになり、脳への刺激にもつながります。
3歳頃は指先の器用さが大きく成長する時期ですが、初めから折り紙をきれいに折れる子はほとんどいませんよね。
それでもたくさん指先を使い、きれいに折ろうとする作業だけでも巧緻性は高められるので、出来ていなくても無理に教える必要はありません。そっと見守ってあげましょう。
1-4.想像力を伸ばす
3歳くらいになるとより日常に近いごっこ遊びをしたり、どんなものでも生命があると感じたりと、想像力が大きく発達し始めます。
折り紙で作ったものを親子で見て、「なんの形に見えるかな?」と話しながら遊ぶだけでも想像力は養われます。
子どもは対話を通じて言葉を豊かにし、想像の世界を広げていくのです。
また、完成形を頭に描いて折ることでも想像力が養われます。どう折ったらこの形になるのか考えたり、折り紙に慣れてきた子どもだと頭の中で逆算しながら折ったりするようになるからです。
この単純そうで複雑な作業は折り紙あそびだからこそ経験できるのです。
1-5.記憶力を伸ばす
記憶力は「海馬」を鍛えることで伸ばせることが分かっています。
海馬とは耳の奥にある太さ約1センチ・長さ約5センチの部分で脳のなかで記憶を司る、司令塔のようなものです。
海馬を鍛えるためには、インプット・アウトプットを繰り返し行うことが重要です。
また、この行為は具体物を動かすなど、”手”を使うことでより効果を上ることができます。
折り紙は、手を使いながらイン・アウトプットを繰り返し行うため、海馬を鍛えることに繋がり、結果として記憶力を育むのに大きな力を発揮します。
子どもは吸収が早いので、何度か同じものを折っているうちに折り方を習得する、なんてこともあるでしょう。
2.折り紙を教える3つのポイント!元保育士が伝授
ここまでは、折り紙あそびを通して得られる能力についてご説明してきました。
ここからは、元保育士という経験から、より様々な力を伸ばしてあげるために、子どもと折り紙あそび楽しむ際に意識するポイントをお伝えしていきます。
2-1.子どもに伝わりやすい言葉がけを意識しよう
日常生活にはない動作や初めてのことを行う場合は、より分かりやすい言葉で伝える必要があります。
折り紙あそびをしているとさまざまな図形に触れる機会がありますよね。大人にとっては簡単な形でも、三角形・四角形などの概念は幼児にとってはとても難しいことです。
例えば、三角形は「三角おにぎり作ってみようね」など身近なものに例えながら形を捉えさせてあげるのがおすすめです。
他にも、折り線をつける時は「アイロンシューしようね」と日常生活の動作と関連付けて説明したり、角と角を合わせる時は「したからうーえに仲良しぴったんぴったん♪」など、子どもが親しみやすいリズムを加えるのもひとつの方法です。
2-2.子どもの心に響く誉め方を意識しよう!
これは折り紙遊びだけではなく、全般的に言えることですが、子どもの能力を伸ばすために大切なことは、褒めることです。
褒めるときはぜひ「具体的に褒める」ことを意識してみてください。
例えば、「ぴったり重ねられて素敵な折り方だね」や「アイロンシューも上手にできたね!すごいね」などです。
思っていたものと違っていた場合でも「面白いのができたね」「素敵だね」などポジティブな言葉をかけてあげることで、子どもは満足度が上がり、自己肯定感も伸ばすことができます。
折り紙あそびをしている時はたくさん褒めてあげよう!と意識して取り組んでみると、親子共々気持ちの良い時間が過ごせますよ!
2-3.「見て真似る」で脳を刺激しよう!
3歳のお子さんだと、「折り方の説明書を見て理解でする」というのは難しい場合がほとんどでしょう。
そこで、保護者の方がお手本を折り、それをしっかり見て記憶してもらい、その上で実際に手を動かしてもらうことが大切です。
これは、イン・アウトプットの繰り返しを経験できると共に、手を使うことで記憶力を伸ばす経験にもなります。
また、どこを折ったらどんな形になるのかという想像力や、それに伴い巧みに指先を使うことで巧緻性も高められます。
お手本を見て真似ることを、日ごろから習慣化できるとよいでしょう。
折り紙あそびを通して得られる能力は、保護者の方の関わり方でも大きく変わってきます。
ぜひ今回紹介した3つポイントを参考にしてみてください。
3.3歳児おすすめ!レベル別「初めての簡単折り紙」5選
ここまで折り紙あそびを通じて育まれる能力についてご紹介してきました。
しかし、実際にどのような遊び方をしたら良いのか迷う方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
ここからは、3歳児にぴったりな折り紙あそびをレベル別にご紹介していきます。
1.(Revel☆☆☆☆★)くるま
2.(Revel☆☆☆★★)どうぶつ
3.(Revel☆☆★★★)おばけ
4.(Revel☆★★★★)うさぎ
5.(Revel★★★★★)コップ
■材料
折り紙、色鉛筆やペンなど描けるもの
1.(Revel☆☆☆☆★)くるま
まずは「四角 二つ折り」から、見立てあそびで折り紙への関心を高める。
折り紙あそびの狙い
折り紙を折る上での基本を身につけよう!
折り紙の基本となる、折り線をしっかりつけることを意識してもらいましょう。
折り線がしっかりつけられることはきれいに折ることに繋がり、後々子どもの自信にもつながるので初めのうちにしっかり意識づけをすることが大切です。
折り紙遊びを好きになってもらおう!
“好きなこと”から得られる能力は、受動的に取り組んで得られる力よりもさらに大きくなります。
そのためにまず必要なことは、子どもが保護者の方と一緒に思う存分自由に折り紙あそびを楽しむことです。
「くるま」のような自由度の高い作品で、コミュニケーションを取りながら、活動に取り組んでみると良いでしょう。
■手順
①横に半分に折る。(下を数センチ空けても良い)
②上部の角を好きな角度で山折りする。
③タイヤや窓を描いて完成。
(感想)作って遊んでみた!
作っていくうちに、バスや新幹線に派生させました。
ゆったりとした時間の中でお話をしながら子どものアイデアを汲み取り、活動に取り組むことができたのでとても良い時間でした。
見立てて遊ぶかと思い、活動に取り組みましたが、最後は自由帳に貼り付け、駅などの絵を描き、作品が完成しました。
子どもの想像に全て任せましたが、最後は形あるものになりとても嬉しそうでした。
2.(Revel☆☆☆★★)どうぶつ
「三角 二つ折り」をマスター、想像力をめぐらせて、いろいろなどうぶつを作成。
折り紙あそびの狙い
三角を知ろう!
折り紙で三角形を作ることはいろいろな場面で必要とされます。どうぶつ作りを通して基本の三角形の折り方に触れましょう。
「おにぎり」など身近な物に例えてあげると分かりやすいですよ。
アレンジを楽しもう!
折り方次第でキツネや、ウサギ、イヌ、ネコなどアレンジができますので、「これは何に見えるかな?」「ねこさん作ってみようか、ねこさんのお耳はどんな形かな?」等声を掛けてあげながら活動に取り組むと良いですよ。
■手順
①白い方を表にして置き、三角に折る。
②角を折る。
③下部を少し折る。
④ 顔を描いて完成。
(感想)作って遊んでみた!
「猫を作っていたのに犬に見えるー!」など、終始笑いながら活動に取り組めました。
折り紙を通して、「なんで犬の耳は垂れている耳と垂れていない耳があるの?」「ネコの髭は何本なの?」など、いろいろな気づきがありました。親が体を作り、顔と繋げて遊びました。
「うさぎさんはお肉じゃなくてお野菜を食べたいですか?」等の発言が娘からあり、うさぎが肉食系ではなく、草食系だということを理解しているのだなぁと少し驚きました。
3.(Revel☆☆★★★)おばけ
少し難しい「折り返し」に挑戦、やって見せて、子どもの見て学ぶ力を高める。
折り紙遊びの狙い
見て学ぼう!
“見て学ぶ”ことは、子どもからすると難しいことなんです。簡単な折り紙の工程を通して「真似する」経験させてあげると良いでしょう。
なかなか出来ない子もいると思いますが保護者の方が焦らず、楽しい気持ちで取り組むことを心がけましょう!
線に沿って折ることを意識づけよう!
①「三角に折る」、②「折り紙を開いて真ん中の線に合わせて折る」、という作業があります。
折り紙遊びをしているとよく出てくる動作ですが、なるべくきれいに折るよう言葉がけをしましょう。
完璧に折ることは難しいと思いますが、線に沿って折ることで、集中力や巧緻性も高められるので、日頃から意識づけさせてあげましょう。
■手順
①白い方を表にして置き、三角に折る。
②開いて、折筋に合わせて折る。
③上部を三角に少し折る。
④下部を斜めに折る。
⑤顔を描いて完成。
(感想)作って遊んでみた!
折り返し部分は少し難しそうにしていましたが、その他は簡単に折れていました。慣れてくるとひとりで何個も折れていたので、丁度いい課題だと思いました。
1人で何個ものオバケを作っていたので、それをオバケの家族にしてごっこ遊びをしました。
途中から赤ちゃんオバケを作り一生懸命お世話していました。ごっこ遊び大好きな娘なのでとても楽しそうでした。
4.(Revel☆★★★★)うさぎ
順番を覚えながら折る、楽しみながら、自然に記憶力を伸ばす。
折り紙遊びの狙い
記憶力の訓練をしよう!
3歳児には一見難しそうに見える「うさぎ」ですが、子どもの柔らかい脳であれば数回インプット・アウトプットを繰り返すことで記憶を頼りに簡単に作れるようになります。
工程自体は多くないため、子どもが集中するには最適な時間で取り組むことができるのもポイントです。
■手順
① 白い方を表にして置き、三角に折る。
②下部を少し折る。
③中央に向かって両端を折る。
④裏返して、上の部分を中に折りこむ。
⑤顔を描いて完成。
(感想)作って遊んでみた!
私が作ったうさぎを見せたら「これ作りたい」と目を輝かせたので、覚えるのもとても早かったです。
1人で作れるようになると、自信がついたようで何回も何回もトライしていました。
折っただけで満足し、自分で作ったうさぎさん達は娘のコレクションに仲間入りしていました。
5.(Revel★★★★★)コップ
見えない部分を意識する、空間把握を学んで、グンっとレベルアップ。
折り紙遊びの狙い
見えない三角を意識しよう!
コップを作る時に難しいのは、②と③の工程です。
今まで線に沿って折ったり、自由に折ったりしてもできるものばかりでしたが、コップ折りはこのどちらにも当てはまりません。
ここで意識するのは「見えない三角」です。これはとても難しいことですが、大人が思ってる以上に子どもの柔軟性は高いので繰り返し折っているうちにすぐに吸収できてしまいます。
積極的に経験させてあげましょう。
アレンジを楽しもう!
コップとして遊べるだけでなく、帽子や鞄に見立てることができます。保護者の方が「ここに何を入れようか?」等の声掛けをしてあげるのもいいでしょう。
アイス屋さんやかき氷屋さん、帽子屋さんなどいろいろなアイデアが子どもから出るかもしれません。自分で作った折り紙を使ってごっこ遊びをするととても喜びますよ。
■手順
① 白い方を表にして置き、三角に折る。
②角を折る。(見えない三角を意識する)
③上部を前後に折り、完成。
(感想)作って遊んでみた!
最初は見えない三角形を意識するのが難しそうでしたが、なんども折っていくうちに理解したようでした。
コップを帽子や鞄にアレンジできることを知ると、使っていない折り紙を丸めてコップの中に入れ「アイス屋さんごっこしよー!」と娘から誘ってきました。
今後も新しい遊び方を発見していきたいです。
4.簡単折り紙あそびで脳を育もう!
今回は、折り紙から得られる効果・メリットや、折り紙を教えるときのポイントなどについて、3歳児の発達を見ながら詳しくお話ししました。
折り紙の角と角が合わせられない、片方だけ大きく折ってしまうなど、上手く折れないのは幼少期あるあるだと思います。それでも、大丈夫です。
今できなくても、いつかは必ず上手に折れるようになります。大切なのは、子どもが楽しんで折り紙を折る経験です。
ぜひお子さんと楽しく折り紙あそびに取り組んでみてくださいね。
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